◎40番【井上睦子君】
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それでは、一般質問を行います。
まず、保育行政の充実についてお伺いをいたします。
保育所に入所を希望しながら、受け入れ枠から外れ、入所待ちの状態になっている待機児童の数などの東京都福祉局の調査「データで見る東京の保育」がことし4月発表されました。それによると、児童数は出生率の低下によって減少をしているものの、保育所に子どもを預けることを希望する家庭の割合がふえており、保育所に入れない事態が発生をしています。昨年の10月では待機児が都全体で1万 2,079人にも上っています。八王子市も例外ではありません。東京都のこの報告書によると、昨年4月の時点で、定員 8,024人に対し、入所児童数 7,484人、待機児童は 253人でした。保育園に入所を希望しても入れない場合、その多くが家庭で待っています。待機児の保護者の勤務状況を見てみますと、八王子市の場合、常勤、昨年の場合ですけれども、 430人、10月段階ですが、そのうち約50人がフルタイム、 180人が短期非常勤の職場、そして約 200人が求人を求めているという状況となっており、仕事への復帰、求職活動への影響が深刻であることを示しています。
さて、具体的に八王子市の待機児童の状況について質問をいたします。
まず、第1点目として、今年度の待機児童数は何人になっているのか。また、過去5年前と比較をして、どのような傾向にあるのかお答えをください。
2点目として、さきの質問と関連をいたしますけれども、待機児童数の発生、増加の原因をどのようにとらえ、今後もこの傾向は続くと考えているのか。見通しをお示しください。
3点目に、待機児童の多い地域、そして年齢層はどの点に集中をしているのかということについてお答えをいただきたいと思います。
4点目に、認可外の保育施設である保育室、あるいは3歳未満児を自宅などで保育する家庭福祉員、保育ママというふうに呼ばれておりますけれども、この保育室や保育ママの状況は、八王子においてどのような状況になっているのかお答えをください。
次に、多様な保育需要の対応についてお伺いをいたします。
長時間通勤を余儀なくさせられている中で、延長保育は多くの保護者が求めています。以前にもこの問題については、エンゼルプランとの関係で質問したことがございますけれども、延長保育実施の保育園の内訳、公立、私立どのようになっているのかお答えをください。
次に、子どもが病気のために保育施設を休んだ日数は年16.2日、80%の家庭が親が仕事を休むことが多いとしています。東京都の調査によっても、32.4%の人々が子どもが病気のときも預かってくれる保育園が欲しいというのが希望として出てきています。子どもたちが病気の場合、特に長期にわたる場合など、仕事の都合がつかない、あるいは親戚や知人に頼める人がいないときなど、病児保育というのは大変保護者にとっては助かる制度でありますけれども、病児保育の実施園は都レベルでは今どのような状況なのか。八王子市においてはどのような方向性を持っているのかお伺いをいたします。
最後に、国際化の進展に伴って、父親または母親が外国人あるいは両親ともに外国人という児童がふえています。保育に欠けるという状態であれば、市は外国籍のいかんにかかわらず受け入れているというふうに考えますけれども、外国籍を持つ子どもたちの入所児童数は何名になるのかお答えをいただきたいと思います。
また、保育に欠ける状態ではなくても、友人をふやし、言葉を覚えたいという理由で保育園を希望しいてる子どもたちもいます。こうした子どもたちの受け入れに特別な配慮はできないのかお伺いをいたします。
次に、教育行政についてお伺いをいたします。
まず、思想、信条の自由と日の丸、君が代の問題についてであります。
6月11日、政府は日の丸を国旗、君が代を国歌とする法案を国会へ提出をしました。これは2月、県教委の職務命令のもとで日の丸、君が代の扱いに悩んでいた広島県立高校の校長の自殺をきっかけに性急な法制化への動きと進んでいます。私はこのことに大変な危機感を感じるわけでありますが、法制化のねらいは、野中官房長官の、学習指導要領や校長の職務命令だけで対応させることが果たしていいのかという発言にもあらわれているように、法制化によって教育現場で日の丸、君が代の強制を強めようという意図があることが明らかであります。
私は、この日の丸、君が代を国旗、国歌とする法制化には反対の立場であります。校長の自殺、あるいは法制化の論議、または埼玉県の所沢高校での入学式、卒業式での校長と生徒との対立等、この間日の丸、君が代をめぐる論議は改めて教育現場で極めて鋭く起こっているということを認識をします。そして、このことからわかることは、まず、日の丸、君が代を国旗、国歌とする法的根拠が現在ではないこと。教育現場への強制によって、教師、生徒、父母たちに良心の苦悩、混乱が生じていることを明らかにいたしました。
日の丸については多様な思い、見解があります。日の丸、君が代を2600年を超す日本国家、または天皇の治世という明治時代につくり出した歴史に結びつけて、その歴史ゆえに日の丸、君が代を尊重するという立場から広く使用されてきたという立場から容認する。あるいは、侵略戦争の記憶、アジアの人々を抑圧した歴史と重ねて否定するという立場がさまざまにあります。また、君が代の「君」を政府統一見解として象徴天皇としたことに対し、国民主権あるいは民主主義の立場からあり得ないとする考え方など、国民間には日の丸、君が代について、あるいは国旗、国歌について、またそれを尊重することについてさまざまな考え方が存在するのは明らかであります。
こうした中で、思想、信条の自由と日の丸、君が代の問題について、市教育委員会の見解をお伺いをしたいと思います。日の丸、君が代について、どのように評価するのか。国旗、国歌が必要かどうか。法制化が必要かどうかについては、すぐれて憲法に規定された思想、信条、良心の自由にかかわる問題であるというふうに考えますが、教育委員会はどのように考えられますでしょうか、お伺いをいたします。
2点目に、この思想、信条の自由は憲法でも保障されているように、どこでも、だれにでも保障された権利であると考えますが、どのように考えますか、お伺いをいたします。
3点目に、日の丸、君が代について自由に考え、みずからの意見を表明する権利が教育の場で保障されているかどうかということについてお伺いをいたします。子ども、保護者、教職員等それぞれが日の丸、君が代について、みずからの意見を表明する場というのが保障をされていますでしょうか、お答えをいただきたいと思います。
4点目に、入学式、卒業式で日の丸を掲げること、君が代を歌うことを指導するのは、思想、信条の自由と対立するのではないでしょうか。この間の学校現場でのさまざまな問題がこのことを提起をしているのではないでしょうか。6月11日の政府の見解では、国旗、国歌の教育現場において意義を理解をし、それを尊重する心情と態度を育てる。国民として必要な基礎的、基本的な内容を身につけることを目的として教育では行われている、としています。つけ加えて、児童生徒の思想、良心を制約しようというものではないというのが教育における日の丸、君が代の指導に対する政府見解でありますけれども、私はこの政府見解の中で、国旗、国歌の意義を理解をし、それを尊重する心情と態度を育てるということと、児童、生徒の思想、良心を制約するということは相反する内容ではないかというふうに思いますけれども、改めて日の丸、君が代の指導に対する政府見解が明らかになりました。教育委員会はこのことをどのようにとらえているのかお伺いをいたします。
5点目に、日の丸、君が代を私は教育の現場で強制することについて反対ではありますが、教育として取り扱うということは必要だというふうに考えております。本当に尊重する心情、態度を育てるためには、ただ歌わせる、ただ掲揚させるということではなく、日の丸、君が代の今日における歴史的な意味や経過、そしてさまざまに国民にある考え方を多面的に子どもたちが学習する機会が必要だと考えますけれども、市教育委員会はどのようにお考えでしょうか。
さらに、最後になりますけれども、現実にはこの日の丸、君が代を教育として扱う、歴史的な反省に立って授業で取り上げているという学校は、八王子市内に存在をするのかということをお伺いをしたいと思います。
以上で1回目の質問を終わります。
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