◎市長【黒須隆一君】
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40番、井上睦子議員の質問に対する答弁をさせていただきます。
まず、冒頭でありますけれども、北西部幹線と財政という見地から御質問がございました。北西部幹線は私は必要な道路だというふうに思っています。ただ、市の財政との関係を考えますと、かなり厳しいと思います。そのことは十分認識をしておりまして、将来的には、これは市道ということではなくして、国あるいは東京都の財政支援というものを受けられるような位置づけというものができないかどうか、これは考えていきたいというふうに思います。
それから、市政改革の重点課題という御質問をいただきました。何を重点として改革をするのかということでありますけれども、まず、第1には、硬直化した財政の再建であります。財政の構造改革を徹底的に進めて、新しい時代に適合する体質をつくり上げていきたい、このように思っております。
それから、もう1つは、徹底した行政改革への取り組みであります。職員定数の適正化、民間活力導入による効率的行政運営などの改革を、全職員とともに進めていきたいと思っています。
それから、新21プランと前市政との関係ということでありますけれども、私は前市政のすべてを否定するものではありません。これは継承すべきものというのは、きちんと継承していく。必ずしもすべて誤っていたというふうには全く思っておりませんから、ですから、継承していくものは継承していきたい。ただ、時代の変化というものは、このように急速な社会環境の変化というのがあるわけですから、それに適合できるような、改めるところは改めていくことは必要なことだと。先ほども御答弁申し上げたとおりであります。
それから、地方分権についてということで、自治体の政策能力という点から、ボトムアップの体制をどう保障するのか、こういう視点からの御質問をいただきました。私は地方分権によって自治体の自主性、自立性が高められるとともに、政策能力の向上が求められているということは十分に理解をいたしております。そこで、組織全体として政策能力をどう高めていくか、また、それを可能とする人材をどう育成していくかが課題だというふうに思います。組織としては、ただ単に企画部門の強化というものだけにとどまるものではなくて、政策形成、政策決定、政策の実施、政策の評価の各段階で適切に機能し得る組織機構をつくり上げることであります。そのためには、スタッフ組織の構築、プロジェクトチームの積極的な活用などが必要だというふうに思っています。
また、職員には、個々の知識や技術では専門性が期待されると同時に、日常の事務にも政策的な観点から取り組んでいくような態度や意識が必要でありますので、職員提案制度の実施、研修の充実、自発的な政策研究会の支援などを行っていきたいと思います。
先ほど、三鷹市の例のお話がありましたけれども、私は若い職員の皆さんの能力というようなものは大変大きく期待をいたしております。ぜひ、若い方々の視点を変えた行政のあり方、あるいは課題への対応力というようなものを期待をしながら、それを引き出せるような、そういう環境づくりに取り組ませていただきたいと思います。
それから、現在の政策能力に対する評価ですけれども、これはまだ就任して1ヵ月余りでございますので、率直に言って評価の段階にはございません。これから研修等を通して政策形成能力の向上を図っていきたいというふうに思います。
それから、市民参加についての考え方ということでありますけれども、公開質問状に述べさせていただいたとおりでありまして、どちらかというと、住民参加あるいは市民参加の言葉ばかりが先行している現状を改めて、本質的な市民参加と、市民の代表であります議会の皆様方の審議に私は重点を置いていきたいというふうに思います。
住民投票制度についてもどう考えるかという御質問があったと思いますけれども、地方自治は間接民主制が基本でありまして、住民投票という直接民主の制度で政策決定するのは、時には議会制民主主義の否定につながりかねないというふうに私は思います。議会や首長の責任回避になる場合もあるというふうにいわれております。そもそも住民投票の前提として、十分な情報公開が行われていなければ、住民投票制度による合理的な決定を行うことは難しいと考えておりますので、私は積極的に情報を公開していきたい。これは公約でも示しております。
中核市推進室は今後どうするのかという御質問がございました。今年度末をもって組織は廃止したいと思います。今後、中核市関連事務につきましては、企画政策室に所管させる方針であります。
財政の構造改革について御質問をいただきました。本市の財政の実態というものについて、前任市長は、レッドカードかイエローカードかの質問に対して、留意する程度と答えているけれども、黒須はどう考えているのかと、こういうことですね。これは私は財政については非常に厳しいというふうに考えております。ですから、レッドカードかと言われれば、レッドカードが適切な表現かどうかわかりませんけれども、極めて厳しい状況だというふうに私は認識をいたしております。
御承知のとおり、市債の現在高が 3,148億円にも達しているわけでありますし、そういう点からも非常に厳しいというふうに思います。
それから、入るをはかって出ずるを制すという経営の原則に立ち返って、行財政改革の強力な推進による経費の削減や、事業の優先順位の再検討などによって財政構造の改革を徹底的に進めていきたいというふうに思います。
それから、自治体の格づけへの対応という観点からの質問がございました。地方分権一括法におきまして起債の許可制度が廃止され、原則協議制度となっておるわけでありまして、平成17年度までは現行の許可制度を維持することとされております。御承知のとおりです。その時点で各自治体の格づけの問題が起こって、財政状況によっては借入利率等への影響が出てくることが予測されます。当面、推移を見ていくことといたしますけれども、財政再建を進めていく中で格づけの問題も考慮に入れながら、適債事業の厳選、起債現在高の圧縮に向けて努力をしていきたいというふうに思います。
それから、夢としてではあるけれども、体育館や野外音楽堂の建設をするということは、矛盾をしているじゃないか、また、体協の会場での教育長との見解が違っていたではないかと、こういう御質問、御指摘もございました。私は暗い話題ばかりでは、市民は希望が持てないんじゃないかと思うんですね。ですから、厳しい状況というものはきちんと理解をしていくことは必要であるというふうに思いますけれども、市民に夢を感じさせる、これは政治家としての重要な役割じゃなかろうか、そのように感じております。ですから、積極的に夢は持っていきたいと思います。
それから、教育長との見解の相違でありますけれども、これは立場が違いますから、私は政治家としての立場として私の考え方をお話をさせていただいた、こういうことでありますから、ぜひ理解をしていただきたいと思います。
それから、分権時代の税財源については、どのように考えているのかということでございますけれども、これは、このたびの地方分権における財政面の改正は、法定外普通税の許可制度の廃止と、法定外目的税の創設、地方交付税の算定方法の簡素化と、地方公共団体の意見申し出制度の創設、地方債許可制度の廃止などが挙げられておりますけれども、十分な財政措置がとられていないというふうには理解をいたしております。そこで、国と地方の税収割合、あるいは歳出割合のギャップ、すなわち地方への歳出規模と地方税収入との乖離を縮小するという観点から、早期に地方への税財源の移譲を進めることがどうしても必要と私は考えております。ですから、国に対しては市長会を通して地方税財政制度の改革を強く訴えていきたい、このように考えております。
また、行政改革につきまして、職員の体質改善というものはどのようなことかというふうに、具体的に何であるのかという御質問をいただきました。地方分権の時代に合わせて、職員が意識改革として危機管理、コスト意識を持って時代の変化に臨み、スピードをもって事の解決に当たる。そしてまた、組織機構の改革として、時代のニーズに対応できる柔軟な実働組織にすること。そしてまた、適材適所の人事と人材の育成をきめ細かな対応をもって行っていきたい、こういうふうに考えております。
それから、業務核都市構想は継承するのか、考え方を聞きたいということでありますけれども、これは本市が首都圏の中核都市として自立していくためには、職住が近接したまちづくりの実現を目指しておりまして、基本的には業務核都市構想を継承するという考えであります。
また、リサーチパーク計画を見直す考えがあるのかということでありますけれども、これは先ほども御答弁申し上げましたけれども、見直さざるを得ないというふうに思っています。本来でしたらば、これは住宅・都市整備公団の政策の一環でありますから、もっとずっと早い時期にリサーチパーク計画は具現化をしていなかったらおかしいというふうに思っているんですね。しかし、全くそれが放置されたままだということであります。これはやはり、現状ではもう見直さざるを得ないというふうに私は理解をいたしております。
それから、開発と自然保護の接点をどこに見出すのかというお話もございました。潤いのある都市環境に欠かせない豊かな自然やみどりを保全することは、重要であると考えており、自然環境に配慮した計画的な開発により調和を図ってまいりたいというふうに思っております。これは開発と自然保護というのは、私は必ずしも調和しないものではないと思います。そういう視点から取り組ませていただきたいと思います。
福祉行政について、新地域福祉計画に対する認識についてお尋ねがございました。新地域福祉計画については、地域福祉計画審議会と協力委員会議の設置、アンケート調査、中間のまとめに対する市民の意見募集などを通じ、多数の市民から貴重な意見、提言を受け、市民参加による計画づくりが進められてきた経緯があるというふうに伺っております。新計画は、今後の本市の福祉行政を展開する上で必要となる施策の方針や事業が的確に盛り込まれており、時代の要請にも沿った内容と私は評価をいたしております。
それから、福祉オンブズマンを設置する考えがあるのかということでございますけれども、福祉サービスに対する苦情や要望を公平、公正に処理する仕組みづくりにつきましては、必要であると考えております。当面は、介護保険サービスに対応するため、先ほどもお答え申し上げましたけれども、高齢者の総合相談窓口を設置させていただきたいと思っています。そして、高齢者からの相談や苦情に対して、専門家が経験者が迅速に対応して、その解決が図れるように取り組みたいと思います。
次に、男女平等への取り組みについてでありますが、私がアンケートに答えて、男女平等基本条例を制定するというふうに答えているが、その確認をしたいということでありますが、条例につきましては、現在、都議会の方でこの第1回定例会で制定されるやに伺っております。東京都の方で条例が制定された後で、この内容を見させていただいて、十分調査、研究し、検討してまいりたいと思います。
それから、平和行政への取り組みという観点から、平和に対する市長の認識についてということでございますが、まちづくりの基本は、平和で人が人として大切にされ、安全で健康に暮らすことができる地域社会の実現を図ることだというふうに考えております。
そこで、この平和についてでありますが、本市は昭和57年6月29日に市議会において決議されました非核平和都市宣言に基づいて、平和啓発事業を展開してきております。平和の重要性については、十分認識しているところであり、この宣言の趣旨を踏まえて、平和と市民の幸せを願うという基本的な立場で行政を進めてまいりたいと思います。
それから、教育について、子どもの権利を大切にした教育の実現について、御質問がございました。子どもの権利を大切にした教育についての基本的な認識についてでございますが、児童の権利に関する条約の趣旨を踏まえ、児童の人権に十分に配慮し、1人1人を大切にした教育が進められることが大切と認識しております。また、子どもの人権を守る意味での、例えばオンブズパーソン制度などについては、今後の検討課題としてまいりたいと考えております。
それから、学校給食についてでありますが、今回の市長選挙に当たりまして、公開質問状の中で、小学校給食の廃止について賛成をしているが、学校給食の必要性についてどのような認識を持っているかという質問であります。私は、この質問の内容を、現在行われている直営による給食と理解をして、これにつきましては廃止といいますか、やり方を変えるべきだという意味で賛成したものでありまして、学校給食そのものの必要性を否定したものでは全くありません。理解をしていただきたいと思います。
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