◎40番【井上睦子君】
|
それでは、通告に基づきまして一般質問を行います。
まず、堀之内地区の環境保全についてお伺いをいたします。
昨年一、二月ごろから始まった堀之内地区の多摩テック南側谷戸の残土処理について、昨年の9月議会でも取り上げましたが、現在も西側部分は工事が続いており、東側部分については停止命令が出されるに至っています。また、周辺地域では野焼きが行われ、農地改良という目的で新たな残土処理も予定をされています。急激に変化し、失われていく多摩丘陵、里山の自然を保護する立場から質問をいたします。
まず、残土処理についてであります。
12月には工事終了と答弁されていた丸和建設が行っている西側 3,000平米は、のり面の防災工事として続いており、尾根が見えないほどに残土が埋め立てられています。この部分は東京都が宅地造成等規制法に基づいて指導している部分ですが、私は9月議会でも申し上げましたが、やはり市の残土条例が妥当ではないかというふうに今でも考えております。一方東側部分は、 7,894平米について、山本工事、新興電設が事業者でありますけれども、市の残土条例の事前協議を11月に一応終了していますが、この間ずっと残土は搬入され続け、ことし1月には土砂が崩落をし、隣地への被害を出すということになってしまいました。2月28日、市は91年の条例施行以来初めて停止命令を条例第17条に基づき出しました。工事が始まって以来、自然保護団体は、事前協議中であるにもかかわらず堂々と続行されている工事に対して、行政の厳しい指導と、オオタカやトウキョウサンショウウオを初めとする多くの希少動植物の保護を求めてまいりました。そこでお伺いをいたしますが、搬入された残土の量、また排出先について、東側部分、西側部分ともに把握をしているようでしたらお知らせください。
2点目に、停止命令をかけた山本工事、新興電設の事業者に対して、市はこれまでどのような指導をしてきたのか。また、停止命令に至った理由について詳細にお示しをいただきたいと思います。
3点目に、停止命令を出して1ヵ月を経過をいたしました。事業者の対応はどのようになっているのか。残土条例の許可申請に向けて手続を再開しているのか。あるいは工事のやり直しになるのかということをお示しいただきたいと思いますし、同時に、市は今後どのような方向性で事業者を指導していくのか。許可への手続の再開になるのか。あるいは許可の可能性はなく、現状回復命令や、あるいはその後の対応という第18条以降の対応になっていくのか。その点についてお考えをお示しいただきたいというふうに思います。
次に、環境保全対策についてであります。
先ほども申し上げましたように、周辺の地域については野焼きがされておりまして、都の一斉パトロールが2月に行われましたけれども、残土処理地域周辺の野焼きが毎日のように行われている状況です。ダイオキシン対策等強化をされるという昨今の情勢ですが、この野焼きに対して市はどのような対応をとり、今後はどのように業者に対して指導していくのかお伺いをいたします。
次に、オオタカの保護と、トウキョウサンショウウオ、ホタルの保護についてお伺いをいたします。
今、残土処理の工事が行われいる地域にはオオタカが営巣をしています。1月に繁殖の準備期、2月からは造巣期に入っていきます。4月、5月、6月は抱卵期でありまして、繁殖の初期、営巣環境の変化と騒音がこのオオタカの営巣にとっては大きな妨害行為となってまいります。自然保護団体からは3月から5月の期間に関しては営巣木から 300メートル以内で工事は行うべきではない。あるいは、できれば2月から8月は工事を中止してほしいということを環境庁の種の保存法に基づいてつくられた猛禽類の保護の進め方からのアドバイスを得て、そのような提案をしております。オオタカの保護については、市当局としては今後どのように事業者に対して対応をされていくのかお伺いをいたします。
また、残土処理が行われている地域の谷戸は、清流の谷戸でありまして、ゲンジボタルが生息をし、その西側の谷戸ではトウキョウサンショウウオも生息をしています。露出した残土の表面を雨がたたけば、泥水が流出をしていきます。この泥水を流れ出させないような工法の指導なり、清流を守る、あるいは下流への被害を与えないようにするということがゲンジボタルやトウキョウサンショウウオの保護策になってまいりますけれども、現在行われている西側、また停止命令をかけられている東側の今後の各工事について、事業者にどのように要請を行ってきたのか。あるいは今後どのように行うのかということをお示しいただきたいというふうに思います。
次に、教育の地方分権の問題についてお伺いをいたします。
地方分権一括法の成立によって、地方教育行政の組織及び運営に関する法律が改正をされ、国の権限の縮小、地方の教育委員会や学校の裁量権の拡大へと、教育の地方分権とも言える変化が生じています。また、1月21日には学校教育法施行規則の一部を改正する省令も公布をされ、学校評議員制度や、校長の権限強化、校長、教頭の資格要件の緩和などが打ち出されました。こうした変化の基本となっているのは、98年9月に出された中教審の答申、我が国の地方教育行政の今後のあり方についてであります。地方分権とは、国の権限が自治体や自治体を構成する市民レベルまで移譲をされることでありますけれども、教育においては、地方の教育委員会や校長に権限が拡大をされるのではなく、教育の主体である学校を構成する子ども、教師、保護者等が対等な関係でのおのおのの権限でなければならないというふうに私は考えています。こうした観点から、今回の法改正などによって可能となる制度は、子どもたちにとって教育にどのような分権化と変化をもたらすものなのかお伺いをしたいと考えています。
まず、教育委員会の権限の拡大についてであります。
具体的には学級編成の弾力化と教職員の配置について、市教育委員会の主体的な判断ができるようになります。群馬県教委では、99年の段階で公立小学校の1年生の多人数学級への非常勤講師を配置をするさくらプランを実施をしています。36人以上の学級で79校 169学級で非常勤講師を1人配置をするというプランが今実施をされています。来年1月には義務教育標準法などの改正案が提出をされ、この学級編成の弾力化と教職員配置の弾力化について、法改正の準備がされているというふうに聞いています。この学級編成の弾力化と教職員配置の弾力化の問題は、少人数学級、議会でも30人学級がよく取り上げられますけれども、それへの検討と、こうした実現ということになっていくわけでありますけれども、学級編成の弾力化について、この権限の拡大をどのように活用するのか、市教委では検討されていますでしょうか。東京都の教育委員会は、都立高校、職業系の都立高校に関して、1クラスを35人というふうに設定をして、少人数学級化への試みを開始をしておりますけれども、こうした権限の拡大についての御見解をお伺いをいたします。
次に、学校の権限の拡大の問題であります。
中教審の言う学校の自主性、自立性の確立にかかわって、学校予算の編成、執行についての裁量権限が学校に拡大をされてまいります。逆に、教育委員会の関与を整理、縮小する方向が打ち出されています。中野区では、学校フレーム予算として、教育委員会が一定の基準で算出した各学校への予算総額を提示し、学校は提示された予算総額の範囲内で自由に各費目ごとに配分する計画を立て学校予算を編成をしているという試みがあります。本市では、学校予算編成、執行権の拡大についてどのように取り組んでいらっしゃるのか。また、今後の考え方をお伺いいたします。
次に、通学区域の自由化の問題についてお伺いいたします。
品川区では、2000年度新1年生から、従来の学区制を残した上で、区内40の小学校を4ブロックに分け、ブロック内での学校選択ができるような制度に変更をいたしました。現在指定校以外の希望者は 225人。従来は指定校変更で 170人程度ということで、50人近くふえているわけであります。日野市でも全小中学校の学校選択性の導入を決定したというふうに伝えられております。これは学校の統廃合や学区の見直しを兼ねているとも言われています。黒須市長は、公約の中で学校選択性の拡大を掲げられました。そして、議会の答弁でも、学校の中に競争原理を持ち込むということもよいことだというふうに答弁されたような記憶がございます。この通学区域の弾力化の問題について、本市では学校適正配置審議会が設置をされ、議論の対象となっているのかどうか、そのあたりについてお伺いをし、市長には弾力化、選択性の拡大についてどのようなお考えを持っているのかお伺いをしたいというふうに思いますし、審議会の審議が進んでいるとすれば、どのような論点で進んでいるのかも御紹介いただけたらというふうに思います。
最後に、学校評議員制度についてお伺いをいたします。
ことし2月、学校、家庭、地域社会の新たな連携、協力の仕組みづくりについてとして、八王子市立の公立学校運営検討委員会の報告が出されました。これは今年度から名称としては学校運営連絡協議会、あるいは学校運営連絡会を設置をし、試行をするということであります。設置目的は、保護者や地域住民との連携、協力により、学校及び校長への支援体制をつくり、一層開かれた学校づくりを推進し、もって学校の教育内容の改善、充実を図ることを目的として設置をされるということでありまして、委員の選出は、校長は委員を教育委員会に推薦し、教育委員会が委嘱をするということになっています。そして、委員は現PTA役員、地域の有識者、地域の健全育成にかかわる関係団体、諸機関等の代表者と、校長が適任と判断した者を選出するということになっています。これは省令の改正の中にも位置づけられましたけれども、校長の補助機関として位置づけられているわけでありますけれども、2000年度、今年度試行期間というふうになっておりますけれども、どこの学校で何校ぐらいこれが試行をされていくのか。既に計画がされておりましたら、明らかにしていただきたいというふうに思います。
中教審の答申によって、開かれた学校づくりとしての学校評議員制度が導入をされました。これについては、この検討委員会の報告の中にもあるわけでありますけれども、どのような効果を期待しているのか明らかにしていただきたいと思います。私の危惧は、校長の補助機関として位置づけられるということになりますと、校長の応援団、そして悪くすれば学校への圧力団体になりかねない側面もあるというふうに思います。学校の自主性や自立性を逆に阻害するおそれのある制度ではないかというふうに一方で思いますし、また、一方でこの学校運営委員の人たちとの関係を学校が校長だけではなく、学校関係者がお互いにいい関係をつくっていければ、これはまたいい効果も生まれてくるのではないかなというふうに思っておりますけれども、効果が生まれる、あるいはまたマイナスの作用にも働く危険性があるというふうに思うわけでありますけれども、市はこの学校評議員制度についてはどのように評価をしているのかお伺いをいたします。
以上で1回目の質問を終わります。
|
|