◎40番【井上睦子君】
 自席で質問を行わせていただきます。

 まず、土地関連3点についてお伺いいたします。

 1点目は、南大沢の土地信託の問題です。前質問者も具体的に質問されておりましたので、私は基本的な市長の認識についてお伺いをしたいと思います。

 土地信託事業自身の持つ問題点が、景気の低迷の中であらわれてきていると思います。包括外部監査の中でも指摘をされました中長期事業計画の再検討、あるいは中長期的な政策判断をするべきだという指摘があるわけでありますけれども、市長は基本的にこの土地信託事業について、東京都もモノリスですとか幾つかの土地信託をやっていて、今、思わしくないという状況もあります。30年後の予想ができないという中で、政策的な判断としてこれを選ばざるを得なかった過去の経過がありますけれども、この土地信託事業の持つ問題点について、どのような認識をしていらっしゃるのかということと、現状の認識と今後の考え方は、先ほど助役の方から示されましたけれども、結局、これは景気回復待ちという受け身の姿勢でしかありません。政策的な判断をしなさいということを外部監査人は指摘をしているわけですから、どのような方策で今後乗り切っていこうとするのかということについて、市長のお考えをお示しいただきたいと思います。

 2点目には、自転車駐車場の問題です。財団法人自転車駐車場整備センターと市とのかかわりについて、西八王子や八王子駅北口の駐車場について、具体的なさまざまな指摘があったと思います。先ほどの答弁では、そのことを受けとめて今後の改善につなげるというような答弁でしたので、個々の問題についてはお聞きいたしませんけれども、かつて内部監査の中ではこのような指摘はなかったのかどうかという点について。

 もう1つは、市と駐車場整備センターの関係について、どのような緊張関係を持っていくのかということが全体としては指摘をされていると思います。合い見積もり、市側が独自で算出して、整備センターが出してくる計画が妥当であるかどうかということが、この間、精査をされてこなかったということなどを見ても、ある意味ではずさんな対応、駐車場の建設については整備センターに丸投げしていくというような傾向があったように、この報告書を読んで受け取りました。そうしたことを、今後、どのように改善をし、緊張関係を保っていくのか。あるいは、自転車駐車場の管理運営については、整備センターのみに考えなくてもいいのではないかというような指摘もありますけれども、今後の運営方法等についても、どのように考えていらっしゃるのかということをお伺いしたいと思います。

 最後に、土地開発公社の問題です。長期保有の土地、塩漬け用地については、全国的に問題になっておりまして、私もこの間、ずっとこの問題の解決を求めてまいりました。環境保全用地については、これから提案される補正予算の中で市が一定の処理をするということで評価をしたいと思いますが、残りの下恩方の土地、あるいは21プランには載っていない長期保有の土地の処分については、どのような方向性であるのか。特に下恩方の土地は利息も大変ついておりまして、外部監査人も、市が早急に買い取る必要があるということを提言しております。このことをどのように受けとめているのか。

 現状では、体育課がリトルリーグに無償提供しているというような状況ですので、教育財産として今後は活用していくことの方が妥当かと思いますが、そこまで議論が進んでいるのかどうかということをお伺いいたします。

 先ほど申し上げました片倉の環境保全用地の問題では、結果報告の指摘の中で、環境保全用地の目的による取得かどうか、書類上では判然としないというような指摘がありました。これはどういう指摘の内容であるのかということと、取得の経過において、環境保全と目的が異なった取得がされていたのかどうか。その点についてお伺いをいたします。  以上で1回目の質問を終わります。


◎環境部長【下田有二君】
 それでは、センターと市のかかわりということだと思いますが、自転車整備センターにつきましては、他の自治体と駐車場の建設及び管理運営について実績があるということと、本市の早期建設方針がセンターの設立趣旨と合致しているというようなことがございます。そのほかに、センターにつきましては、自転車振興会からの補助金、あるいは宝くじ協会からの助成金等がございまして、市の負担が少なくて済むということの中で整備センターにお願いをしているというものでございます。

 次に、工事関係の事業費の関係でございますが、今回の監査の御指摘のとおり、事業費のやりとりについて、反省すべき点があるということだというふうに感じておりますので、その辺につきましては、今後、整備センターと十分詰めていきたいと考えております。  それから、内部監査において今回のような指摘があったのかどうかということでございますが、平成10年度の定期監査において、自転車駐車場の運営期間の延伸を図ることにより、建設費の負担を軽減することについて監査事務局より照会があり、経済性を考えたものであるとの回答をしております。

 また、このときに、算出根拠となる資料の整備について注意を受けております。


◎都市計画管理室長【窪田和朗君】
 私の方から、3点目の環境保全用地につきまして御答弁申し上げます。

 外部監査での記述につきましては、取得目的は同じであったところでございますが、昭和63年の用地取得と、平成6年及び7年のものとに取得理由の一部、文書の表現が同一でなかったところがございます。昭和63年の場合には、墓地造成が、平成6年、7年の場合は少し離れた場所に産業廃棄物の処理施設等の計画がございまして、それぞれ土地利用が異なってございました。そこで、これらの乱開発の防止を目的に、当時の政策会議を経た中で、土地開発公社によりまして取得したものがございます。したがいまして、取得の目的につきましては、それぞれ環境保全用地として明記してございます。当時の状況の中では、十分合理的な判断であったというふうに考えております。


◎財務部長【下田豊君】
 土地開発公社の環境保全用地以外の使途目的の明確になっていないというか、事業計画に位置づけされていないものの今後の対応でございますが、下恩方につきましては、公社の立場からなんですが、市の方の事業目的を決めていただきまして、財源対応を何とか工夫した中で処理をしていきたいと考えております。それ以外のものにつきましても、事業計画に位置づけられていないものにつきましては、使途目的を明確化し、また財源手当てを考える中で、極力早期に土地開発公社の保有の解消を図っていきたい、このような考えでおります。


◎市長【黒須隆一君】 
 40番、井上睦子議員の私に対する土地信託事業の現状認識についてお答えをさせていただきます。

 フレスコ南大沢の建設計画時には、今考えてみましても、現状のような経済環境の激変という、あるいはまた長期にわたる景気の低迷というものを読み切れなかったと思うんですね。そういう点で、本市ばかりではなくして東京都もそうですし、他の土地信託事業というのが思わしくない。これは非常に残念なことでありますけれども、これが現状だろうと思っています。

 今後の問題としては、賃料の改定というのはなかなか難しいことだと思います。今やっと入っていただいているわけですから、賃料を改定する、すなわち上げるということは、これはまた空きが多くなるということも当然想定されるわけですから、現在、94%ということでございますけれども、限りなく 100%に近づけるということも1つだろうと思います。

 また、借入金利の引き下げについても、今、検討をし、また協議をいたしているところでございまして、同時に、管理経費の削減にも努めて、可能な限り経営改善には努めていきたいと、このように思っております。


◎40番【井上睦子君】
 南大沢の土地信託について、ただいま市長からお答えがございました。平成4年の段階では、平成元年にバブルが崩壊しておりますので、景気低迷ということ、そしてバブルが崩壊したということは、全体の認識の中ではあったわけです。そして、不安といいますか、全体としましては極めて不安定な中、そして将来の展望を持ち得ないという中での契約に入っていったというのが現状だと思います。先ほどの前の質問者がおっしゃいましたように、前市長も、神のみぞ知るというような答弁をされております。

 そのことを土地信託という手法を使って公共施設を整備せざるを得なかったという東京都との関係の中でもあるわけですが、これが自治体の手法として公共施設を整備するのに妥当であったかどうかということは、今後の行政運営の中でしっかりと総括されていかなければならないと思うわけですが、基本的には、現状抱えている問題を最大限克服していく努力、いわゆる内部努力や入居率を上げるということなども継続的にしていかなければいけないことですけれども、政策的な判断の問題として、今後、このことが持ち続けていけるのかどうかというようなことも判断をしなさいという示唆ではないかというふうに、明確には指摘がされていないわけですが、中長期的な政策判断の材料として、事業計画をしっかり出しなさいというような指摘なわけですから、将来的には市の政策判断ということも問われてくると思うんです。そのときに、土地信託事業及び今後の方向について、市が前向きに努力をするというだけの姿勢ではなくて、ある意味では決断をしなければならないというようなこともあるのではないかと思うわけです。

 このことは、大変重い指摘だと思うわけですが、この政策判断の材料ということについてはどのように受けとめておられるのか。直接的に市長に提出された文書ですので、外部監査人と市長との間でいろいろな議論があったのかどうか。私はこの政策的判断という指摘が極めて重い意味を持つものだろうなと思っているわけですが、その点についてはどのようにお考えになっているのかということを明らかにしていただきたいと思います。

 あと、自転車駐車場整備センターの問題は、細かい指摘がされておりますので、ぜひ積極的に受けとめて、早急な改善をお願いしたいと思いますし、かつて内部監査で指摘されたにもかかわらず、再び指摘ということがあるとすれば、行政側の内部監査での指摘を真摯に受けとめて、事業内容の改善に努めていくことができなかったということも反省していただかなければいけないと思います。外部監査報告での具体的な指摘がありますので、ぜひ早急な解決をお願いしたいというふうに、これは要望しておきます。

 最後に、土地開発公社の問題です。これは南大沢の土地信託と同様に、景気が上昇傾向というかどんどん拡大発展をしていくという中で、意味があった制度だと思います。しかしながら、今、外郭団体の報告書においても、公社の存廃について検討しなさい、そして外部監査報告では公社の存続について検討しなさい、公社を清算することというのは現実的ではないだろうと。公社の積極的な意義を見出して、さまざまな問題を解決して公社を存続させなさいというような監査人の指摘だと思いますが、ある意味では行政側は、この土地開発公社のあり方をめぐって最終的な決断の局面に入っていると思います。

 長期保有の土地についても、先ほどの答弁では最終的には市が買い取っていく方向で早期に解決をしていくということでありました。そのことが解決された後に、公社をどのようにしていくのか。すなわち、廃止をするのか。ある意味では積極的な意義を見出して存続させていくのかという政策判断が必要だと思いますけれども、その点については今どのような考え方を持っているのかということをお伺いいたします。


◎財務部長【下田豊君】
 土地開発公社の存廃の問題でございますが、土地開発公社はここで片倉の保全用地の解消を図りましても、金融機関からの借り入れが残っております。それを直ちに市の方で解消することは、現在の財政状況では不可能でございますので、開発公社の保有土地の解消を図って、公社で土地がなくなった時点、また借り入れが解消した時点での土地価格の状況によって存廃の方を判断したい、このように考えております。


◎助役【畑中俊和君】
 土地信託の問題でありますが、信託期間が30年という長期にわたっておりまして、今、5年が終了したところでございます。この5年間を見ますと、確かに当初予想したことと大幅に見込み違いがあったということは、これは現実でございますから、その辺は否めない事実でございます。しかしながら、あと25年間の長期にわたるわけでございまして、これから景気の動向がどうなるかはなかなか予測がつかない状況にございます。バブルあるいはバブル崩壊後の景気低迷が長期にわたったということも、これもなかなか専門家も予測できなかった事実がございます。こうしたことから、今後、景気がどのようになっていくかということもなかなか予測できない状況の中では、あと25年の中で、また配当も見込める事態が来ることも全く予測できないわけではございません。ですから、先ほどお答えいたしましたように、さまざまな経営努力をしながら、事業の適正化に今後とも努めてまいりたい、このように考えております。


◎40番【井上睦子君】
 土地信託の問題ですが、極めて希望的な観測で、そういうふうに慰めでもしないといけないのかなというふうには思うんですが、そういうことではなくて、シビアに現実を見なければいけないと思います。日本の人口は平成19年から減少に入るという中で、どのように景気回復を願っても、落ちついた経済にならざるを得ないのが客観的な状況なのではないでしょうか。

 その中で、ここでは中長期的な計画をまずはきちんと事業計画を立てて、その中で政策判断をするべきだという外部監査人の意見というものは、将来にわたったらもう少し景気が回復するかもしれないという希望的な観測から、厳しい視点からこの事業を見詰め直しなさいという指摘だと思いますので、助役の答弁は極めて楽観的過ぎると思います。そのことをきちんと受けとめて、まずは事業計画を策定し、その中で政策判断をするという準備を進めていただきたいと思います。

 土地開発公社の問題は、塩漬け用地の処分の後、そして銀行等との金利や借入金の解消の後に考えるということであります。したがって、開発公社の持つ土地の先行取得ということは、当分の間、休止をする。最後の残務処理に当たる期間に今後はなるというふうに考えてよいのかどうかですね。その辺、すなわち、最終的には土地開発公社は社会的な現状の中では使命を終えたという認識だというふうに市は考えているのかどうか。その点を最後に確認をしたいと思います。

 今回の外部監査報告を読んでの感想ですが、この土地信託あるいは土地開発公社、あるいは自転車駐車場整備センターとの市とそれぞれとの関係は、土地開発公社では職員が市の職員と兼務をするというところで、極めてあいまいであるということ。整備センターはかつての建設省の外郭団体でありますので、それへの事業の丸投げの実態があったということ。南大沢の土地信託では、安田信託との契約書の内容も、十分に完全に実施されていないというところでの行政側の甘さが指摘をされたという内容であったと思います。

 そういった意味で、外部監査が有効な結果を行政側には示し、市民にとっても有益な報告になっていると思いますが、逆に言えば、市側にとっては、他の団体との緊張関係、極めて市と近い関係にある団体ですね。立場は全然違うんですけれども、お互いの独立性と、そして事業の妥当性についての精査が極めて不十分であったという指摘だと思います。このことをしっかり受けとめて、他の団体と市が今後どのように事業を進めていくのか。より緊張関係を持ったパートナーとしての市の立場が問われていると思いますので、そのことはしっかりと受けとめていただきたいと思いますが、市長は外部監査報告全体を通してどのようなお考えをお持ちで、今後どのように進めていかれるのか、お伺いしたいと思います。


◎財務部長【下田豊君】
  土地開発公社の存廃の関係についてだと思いますが、現状、土地自体の価格が沈静化しているなり、下降しております。そうした中では、土地開発公社が先行取得する機能はないと思います。ただ、先ほど申し上げたとおり、まだ金融機関からの借り入れが残っておりますので、それを解消した時点は、日本の地価がどういうふうになっているかわかりませんので、当面は、先行取得するという機能は廃止というか機能停止をしていきますけれども、将来については、金融機関からの借り入れがなくなった時点で判断をしたいと思っております。


◎市長【黒須隆一君】
 包括外部監査について、どのような受けとめ方をしているかということですけれども、指摘につきましては率直に、また謙虚に受けとめたいと思っております。

 ただ、土地信託の事業についてですけど、これは妥当であったかどうかというのは、今こういう現状から見れば、適切な判断ではなかったというふうには思いますけれども、この判断というのはなかなか難しいですね。ここまで長期にわたる景気低迷が続くというふうには判断をしなかったでしょうし、そういう点では、よしあしについては軽々に申し上げるべきではないと私は思います。今与えられた条件の中で全力を尽くして改善に努める、このことの方が現実的な対応ではなかろうかと思っております。

 また、土地開発公社の今後でありますけれども、先ほどそれぞれ答弁をさせていただきましたけれども、いずれにしても、これは市が買い取らざるを得ないと思っております。そういう中で、土地開発公社の役割は現状では終わったというような感もいたしますけれども、今後、また新たな使命というのが生ずるかもわからないわけで、その時点でまた考えなければいけないと思っています。