◎【井上睦子厚生水道委員長】
 ただいまから厚生水道委員会に付託されました議案5件、議員提出議案1件及び請願2件について審査の概要と結果について御報告いたします。

 まず、第 129号議案、平成13年度東京都八王子市一般会計補正予算(第4号)中、本委員会所管分についてです。

 主な質疑として、医療・福祉情報提供システムの試行後の対応について問う発言に、2年間の試行後はモニターにLモードの対応電話機を寄贈するとの答弁がありました。

 また、特別養護老人ホーム待機者実態調査について、既に待機者数や実態を把握しているかとの発言に、現在、市内21の施設に照会をし、集約中であり、待機者に施設を申し込む理由、現在の暮らしの状況等について今年度末までには集計をしていきたいとの答弁がありました。

 また、調査委託費 250万円の妥当性を問う発言に、東京都、6市区と連携して行う調査で、コンサルタントは東京都が決定した。契約の中でコストについては詰める努力をしていきたいとの答弁がありました。

 次に、学童保育について、運営形態を公設民営に統一していく方針が出されているが、市職員の身分、指導員の募集、雇用形態、配置をどのようにしていくのかとの発言に、市職員は、全員ではないが、指導ということで残る。自主学童から公設へ移行する職員は、選考をして社会福祉協議会の職員として雇用したいと考えている。職員の配置については今後決定するとの答弁がありました。

 社会福祉協議会には本来的な事業があるが、学童保育の委託先として社会福祉協議会が適切なのか。また、他の委員より、委託先をNPOや福祉関係団体など、民間は考えられないのかとの発言に、現在のところ、受け皿としては社会福祉協議会しかない。将来の問題として考えていきたいとの答弁がありました。

 他に、学童保育について、年次計画や職員配置の形態の基本的な考え方、北東部地域の充実を問う発言等ありました。

 以上の質疑を踏まえ、意見を求めたところ、特に意見もなく、全会一致、原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。

 次に、第 141号議案、八王子市環境基本条例設定についてです。

 主な質疑として、条例の目的や特徴を問う発言に、自主的な生活環境を考える地域の仕組みを行政が支援していくこと、専門的な行政計画と地域の環境保全計画を一緒にした環境基本計画を策定することが特徴であるとの答弁がありました。

 また、条例制定に伴うISO取得の考えを問う発言に、費用対効果を考えながら今後検討していくが、環境の観点から、すべての施策をとらえ直すことを早急に行っていくとの答弁がありました。

 条例には行政責任が明確に出されていないとして、実効性を問う発言に、条例は、行政と市民のかかわりを構造的に示したものだが、行政の権限と執行体制の強化をし、市民の自発的な活動を支援していくとの答弁がありました。

 また、条例の具体化のスケジュールを問う発言に、環境保全推進地区市民会議は10月までに立ち上げる。その後、環境推進会議を設置し、環境基本計画を平成15年に策定するとの答弁がありました。

 また、残土の問題など、地方自治体の独自性を生かした法を上回る強い規制をして問題に対応していく考えを問う発言に、規制を強くしなければならないとの認識を持っているとの答弁がありました。

 さらに、前文に環境に多くの負荷を与えてきた反省や総括を明記すべきではないかとの発言に、国の法律や都条例で触れられているので、自分たちがやっていく、無関心ではだめだという市条例らしい表現にしたとの答弁がありました。

 また、実効性を確保するための目標値について条例にうたうべきではないかとの発言に、定量的に定める目標と定性的に掲げる目標があるが、環境基本計画の中で具体的に定めていくとの答弁がありました。

 さらに、市民の意見が反映できる手続を担保することを求める発言に、地区の市民会議、環境推進会議などに意見を言うことができる。手続は今後検討していくとの答弁がありました。

 他に、環境基本条例制定に伴う施策推進のための新条例制定の可能性や周知の方法、環境データの公表等について問う発言がありました。

 以上の質疑を踏まえ、意見を求めたところ、環境基本条例の制定は市民の願いであり、多くの人たちが憂えている重要な課題として評価をする。しかし、不十分な点もあるので、基本計画、規則においてさらに充実し、市民からの声を十分に反映するよう求める意見がありました。採決の結果、全会一致で可決すべきものと決定しました。

 次は、第 142号議案、八王子市廃棄物の処理及び再利用の促進に関する条例の一部を改正する条例設定についてです。

 主な質疑として、値上げをしても収集量は改善されないのではないか。不法投棄や家庭ごみにまじり、抑制の効果はないのではないかとの発言に、事業者の自己処理を求め、監視と指導をしていく。さらに、経費節減によって、ごみ減量、リサイクルの推進を期待しているとの答弁がありました。

 また、ごみの処理原価を問う発言に、平成11年度、12年度で、1キログラム当たり29円であるとの答弁がありました。

 また、市場からの搬入ごみの単価及び他の事業者との公平性を問う発言に、市民の消費生活に影響を及ぼすものとして、1キログラム当たり9円になっているが、将来段階的に引き上げることになっているとの答弁がありました。

 他に、他市からの事業系ごみ搬入の状況、他市の料金、事業系ごみの家庭系ごみへの混入防止への周知と指導についての質疑、中小事業者からは土曜日、日曜日にごみの搬入をしたいとの要望等の発言がありました。

 意見を求めたところ、特に意見もなく、全会一致、可決すべきものと決定しました。

 次は、第 143号議案、八王子市霊園条例の一部を改正する条例設定についてです。

 主な質疑として、他市の管理料を問う発言に、日野市は 300円で、管理人はいない。青梅市は 1,100円であるとの答弁がありました。  また、今後も定期的に管理料を上げるのかとの発言に、受益者負担を原則としている。原価計算からは 330円の不足なので、今後また時期を見て引き上げるとの答弁がありました。

 他に、墓地使用者の八王子市民の割合を問う発言がありました。

 以上の質疑を踏まえ、意見を求めたところ、反対意見として、1平米当たり 1,000円から 1,500円の値上げは市民にとって負担が大きい。再考してほしいとの意見がありました。

 採決の結果、起立多数で原案のとおり可決すべきものと決定しました。

 次に、第 151号議案、高齢者在宅サービスセンター中野新築工事委託契約締結についてであります。

 主な質疑として、工事契約金の内訳を問う発言に、建築工事が1億 7,264万円、設備工事が 8,273万円との答弁がありました。

 また、市内事業者育成の観点から、設備工事を市で発注し、競争見積もりによって安価にすることは考えられないのかとの発言に、その方法によると、逆に高くなる可能性もある。東京都に状況をよく聞きたいとの答弁がありました。

 以上の質疑を踏まえ、意見を求めたところ、特に意見もなく、全会一致、可決すべきものと決定いたしました。

 次に、議員提出議案第10号、八王子市介護保険条例の一部を改正する条例設定についてです。

 本議案は、本年9月26日に本委員会に付託となり、11月19日に委員会を開催し、審査を行いました。

 まず、議案提出者を代表して山口議員より提案説明がありました。

 内容は、八王子市介護保険条例の第15条、保険料の減免では、おおむね風水害、失業などによって所得がなくなった場合に限定しているので、第1号被保険者の属する世帯が困窮していることを加えるものである。東京都内各市区の実態を見ると、三多摩では10市が既に保険料の減免を行っており、東京都も来年1月から利用料について50%減免を実施したいという方向を打ち出している。生活が困窮、全額負担ができないという人が介護保険を利用できるように促進を図っていく。そういう意味での条例の一部改正に御賛同いただきたいとの説明がありました。

 まず、提出者に対する主な質疑として、減免制度は介護保険制度の負担と給付という骨格を崩す問題ではないのかとの発言に、介護保険法は、国民の共同連帯の理念に基づいている。保険料を払う能力がない場合には相互に支え合うという考え方で運用するのは問題がないと考える。財政的には百数十万円という単位なので、介護保険制度の骨格を崩すような内容ではないとの答弁がありました。

 また、現行条例の規定でも、保険料の減免は可能ではないかとの発言に、現行条例は所得が低いことによる保険料負担の困難さには着目をしていないため、生活に困窮しているという内容を盛り込むことによって減免が可能となるとの答弁がありました。

 また、これから通常の保険料徴収が始まるが、一定の経過の中で、十分論議してもよいのではないかとの発言に、実態調査から滞納者が今後発生する要因が相当含まれていると判断した。滞納すると、ペナルティーが今後はつけ加えられるために、一日も早くすべきとの答弁がありました。

 また、府中市の実施方法を問う発言に、減免後の保険料は、第1段階は2分の1、第2段階は3分の1の額になり、府中市の方式を本市に適用すると、減免額は 189万 500円と試算しているとの答弁がありました。

 さらに、生活に困窮しているという定義を問う発言に、各市の状況から、生活保護基準以下、生活保護基準の 115%、 120%という範疇を考えているとの答弁がありました。

 さらに、生活に困窮している実態について問う発言に、保険料第1段階の基準は年間41万 2,000円の老齢福祉年金の受給者、第2段階は 125万円以下の市民税世帯非課税者である。他の要件もあるので、すべての人が生活保護に該当するわけではないとの答弁がありました。

 他に、全額保険料徴収以後の滞納状況、保険料を減免している 310市町村のうち、厚生労働省の3原則を守っている自治体数、利用者負担による需要の抑制の実態、東京都の利用料減免制度等について問う発言がありました。

 次に、市側に対する主な質疑として、保険料減免の条例改正に対する市の判断を問う発言に、介護保険は、社会保険方式なので、どなたにも保険料を払ってもらう。長期的に安定的な財政運営をしていくためには、低所得者の負担軽減部分も保険料の中で賄っていくのが基本であるとの答弁がありました。

 また、6段階方式の内容を問う発言に、現在、10市町村が行っている。今の1、2段階の料率を現在よりも低く定め、その分を5、6段階の料率を高くする方式であるとの答弁がありました。

 また、保険料収入に比べ、利用者が少ないために、同じ歳出規模になっていないと、提案者から説明があったが、その点はどうかとの発言に、給付費は4月以降徐々に伸びており、保険料、利用料とも予算どおりとなっているとの答弁がありました。

 さらに、現行条例第15条の規定で減免が可能ではないかとの発言に、減免制度ではなく、保険料の6段階方式の中で行うべきと考えているとの答弁がありました。

 また、6段階方式減免制度の平成14年度からの実施を求める発言に、次期事業計画の見直しの中で考えているとの答弁がありました。  さらに、滞納者の実態及びペナルティーの内容について問う発言に、千差万別だが、生活に困窮している人もいる。ペナルティーは給付制限という形で、1年滞納の場合、10%の利用料だが、償還払いとなり、1年半以上たつと、負担が変わる。全く支払いをしていない場合、来年2月ごろからペナルティーを受ける人が出てくるとの答弁がありました。

 他に、保険料の普通徴収、特別徴収の割合、収納率、滞納者への対応、減免をしている自治体の財政状況、生活保護受給者の実態把握等について質疑がありました。

 以上の質疑を踏まえ、本件の取り扱いについて意見を求めたところ、市側の答弁によると、将来的に制度の見直しも若干あるが、それまでの1年間をどうするかという問題、生活困窮者の定義、類似都市の調査、減免方法についても議論が煮詰まっていない。資料もそろっていないので、継続とするとの意見がありました。

 また、他の委員より、提出側の内容も十分理解するが、制度的なものをきちんとするのが先決である。保険料の減免は、現行条例第15条の第5号を的確に運用することによって足りると考えている。本議案については賛成しかねる立場なので、採決を求めるとの意見がありました。

 まず、継続審査を諮ったところ、起立少数で継続審査は否決となりました。

 採決に当たり、委員から、議案について賛成の立場で、生活困窮者がいるということは質疑の中で明らかになり、サービス利用者の実態調査でも保険料の負担が大変だということも出されている。 310の自治体が減免制度を開始しているが、生活困窮者を救い、だれもが安心して受けられる制度にするために、条例として成立させることが急務であるとの意見がありました。

 起立採決の結果、起立少数で否決すべきものと決定しました。

 次に、請願第26号、大幅に削減された「はり、きゅう、マッサージ助成費」の復活に関する請願についてです。

 本請願は、本年6月8日、本委員会に付託をされ、6月11日、8月28日、11月19日の委員会において審査を行いました。

 主な質疑として、まず、制度の目的を問う発言に、施術費の一部を助成することにより、心身障害高齢者の機能の促進と身体障害者施術者の職域拡大、収入増を図るとの答弁がありました。

 また、昨年まで 2,000円券が15枚あったものを 1,000円券が12枚という、6割もの大幅削減をしたが、利用者の実態調査を行ったのか。削減の理由は何かとの発言に、利用者の実態調査はしていない。新地域福祉計画の新しい事業展開をするために、個人への現金給付的な事業の見直しの一環として行ったとの答弁がありました。

 また、将来的な考えを問う発言に、この部分については堅持をしたいと考えているとの答弁がありました。

 さらに、制度の変更による予算の削減額を問う発言に、約 310万円の減額であるとの答弁がありました。

 また、削減をした約 310万円は、市全体の補助金検討等の中でやりくりできなかったのかとの発言に、金額的な問題ではそのとおりだが、基本的な市の政策として考えているとの答弁がありました。

 また、関係団体や利用者への事前説明をしなかった経過を問う発言に、助成的、扶助的な要素のある事業のため、議案提案前、可決前に協議するのは難しいとの答弁がありました。

 さらに、制度変更によって、施術者の収入が半減したとの声が寄せられているが、職域拡大と収入増を図るという目的がどのように達成されたのかとの発言に、減額となっており、目的が薄れていることは承知をしているとの答弁がありました。

 また、施術者にとって生活の基盤が損なわれる危険がある場合、新しい福祉の見直しの中で、どのような対策をとっていくのかとの発言に、視覚障害者協会との協議で、公共施設を使った仕組みづくりについて検討しているとの答弁がありました。

 また、本請願は、本当の痛みに耐え切れない方々の訴えとも考えられるが、どうとらえているのかとの発言に、受益者負担の観点から、福祉をある程度均等に見直したとの答弁がありました。

 さらに、本請願は、総合福祉施策の中で根幹を揺るがす問題になりかねないという判断を市はしているのかとの発言に、平成13年度には、障害者が地域で主体的に生活し、地域社会に参加できる施策の大きな転換をしたので、制度をもとに戻すことはできないとの答弁がありました。

 他に、制度発足以来の利用者数、新年度の福祉予算全体の削減額等について質疑がありました。

 以上の質疑を踏まえ、意見を求めたところ、助成事業を本質的に見直す時期であり、請願の趣旨は十分理解するが、他の請願や補助金に対して、公平、公正さが期せなくなるので、不採択とすべきとの意見がありました。

 また、他の委員から、福祉内容の見直しについてもう少し論議し、要望も出ているので、継続との意見がありました。

 まず、継続審査を諮ったところ、起立少数で継続審査は否決となりました。

 採決に当たり、意見を求めたところ、利用者や施術者にとっては大変な削減である。これまでの福祉事業が受けられなくなったり、体のぐあいが悪くなったりという方もいるが、6割の大幅削減というのは到底認められないので、採択すべきとの意見がありました。

 採決の結果、起立少数で不採択すべきものと決定いたしました。

 次に、請願第27号、オストメイト(人工肛門・人工膀胱保有者)への補装具にかかる所得制限による自己負担額の全額助成制度の復活に関する請願についてです。

 本請願は、本年6月8日、本委員会に付託され、6月11日、8月28日、11月19日の委員会において審査を行いました。

 主な質疑として、自己負担額の助成を全額から2分の1へと変更したことによる予算の削減額を問う発言に、昨年の実績からは 403万 9,000円程度の金額であるとの答弁がありました。

 また、他市の状況を問う発言に、日野市、東村山市は、八王子市と同様、2分の1助成、他の23市は全額助成であるとの答弁がありました。

 また、オストミーの方々の実態や削減後の苦労を承知しているかとの発言に、夏場や下痢のときは大変だと聞いている。経費の節減に努力していると伺っているとの答弁がありました。

 さらに、1ヵ月にかかる経費について、市は算定しているのかとの発言に、年間で1万 4,000円程度の負担増となるとの答弁がありました。

 また、福祉は、一つ一つのものを充実し、積み重ねて全体がある。今までの現金給付型を削って施設をつくる、新しいシステムをつくるのは間違っているのではないかとの発言に、現在の財政状況では、障害者全体を考えた中で、新しい事業を立ち上げていくためには、既存の事業を見直しせざるを得ない状況であるとの答弁がありました。

 他に、日野市での同様の請願審査の状況、障害者手帳を持っている方のうち、オストメイトの方の割合について問う質疑がありました。  以上の質疑を踏まえ、意見を求めたところ、委員より、他市の状況をもう少し聞いてみたいので、継続とすべきとの意見がありました。また、他の委員より、市政の根幹ということもあり、施策の1つであるので、採決すべきであるとの意見がありました。

 まず、継続審査を諮ったところ、起立少数で、継続審査は否決となりました。

 採決に当たり、委員から、次々と福祉の削減がされる中、せめてこれだけは残してほしいというオストメイトの皆さんからの切実な要望として出された請願であり、福祉を充実させていくという点からも大事な施策であるので、ぜひ採択をとの意見がありました。

 起立採決の結果、起立少数で、不採択すべきものと決定しました。

 以上が厚生水道委員会に付託されました議案の審査の概要と結果でありますが、詳細につきましては委員会記録にとどめてありますので、御了承願います。

 以上で厚生水道委員会の報告を終わります。