◎【40番井上睦子議員】
 それでは、今議会最後の一般質問になりますが、発言通告に基づきまして質問をいたします。

 まず、市民と協力してナショナルトラストの設立をということで、緑地の保全の方策、仕組みづくりについて質問をしていきたいと思います。

 本市は1986年に緑化基金条例、そして、緑化推進条例の制定をして、開発から緑地を保全し、その公有地化と緑化の推進に努力をしてまいりました。緑化基金の設置から15年が経過しましたが、93年から一般財源からの積み立ては、この間9年間、実施されておりません。そして、緑地の取得は、96年の黒木開戸、ひよどり山を取得したのが最後になっています。この緑化基金の実績を見てみますと、昨年では一般財源からの積立金はゼロ、指定寄付金もゼロ、植樹委託金が 198万円、利子積立金が 166万円で、収入としては 365万円になっています。一方で、支出は、生け垣の助成に 700万円、緑地保護地区の指定協力奨励金に 380万円、そして、東京都の貸付金の償還金に1億 7,543万円、計が1億 8,627万円の支出になっておりまして、現在、昨年12年度末の基金の残額は4億 8,886万円となっています。積み立ての基金は年々徐々に減少しており、そして、東京都への償還金が大変多くなってきています。今後の基金の活用に不安を抱くわけでありますけれども、現在の基金の状況、すなわち元金、積立金、そして取り崩し額についてお知らせをいただきたいと思います。  また、東京都の貸付金償還金の返済はいつまで続くのか、お尋ねいたします。基金の積み立てがほとんどない状況では、数年後には元金がゼロになるのではないかと考えていますが、試算ではどのような状況になっていますでしょうか。

 3点目に、基金は、緑地の取得、生け垣の助成や緑地保護地区の指定などによって、指定への協力奨励金に活用されてきましたけれども、市は、この15年間、基金の成果をどのように評価しているか、お尋ねいたします。

 次に、ナショナルトラスト運動についてお伺いいたします。

 ナショナルトラスト運動とは、野方図な開発や都市化の波、そして、相続税対策などから貴重な自然環境や歴史的な建造物などが破壊されるのを防ぐため、国民から広く寄付金を募り、その土地や建造物を買い取ったり、寄贈を受けたり、あるいは保存契約を結んだりして、保存、管理、公開し、後世に残していこうという市民活動です。ナショナルといっても国家機関ではなく、国民のという意味で使われていました。

 この運動の思想はイギリスで生まれ、大きく発展しました。産業革命の進行に伴う自然や歴史的な建造物の破壊を防ぐために、イギリスでは1895年に民間団体、ナショナルトラストが設立されました。今では東京都よりもやや広い 2,700平方キロメートルの土地、 900キロメートルもの美しい海岸線、 300ヵ所以上の歴史的な建造物と庭園を保有し、民間としてはイギリス最大の土地所有機関になっています。

 日本では、1964年、古都鎌倉を乱開発から守るため、鎌倉市民を中心とする人たちによって始められました。その後、北海道知床半島や和歌山県天神崎など、全国各地で、現在は約50近くのナショナルトラスト運動が展開されています。近年では自治体が住民と協力してナショナルトラスト運動を始めている例もたくさんあります。

 これは八王子市の緑化基金条例が成立した1986年と同じ時期でありますけれども、神奈川ではトラストみどり基金、埼玉でもさいたま緑のトラスト協会、世田谷ではせたがやトラスト協会、宇都宮ではグリーントラストうつのみやというナショナルトラスト運動が自治体と市民が協力して始まっています。こうしたナショナルトラスト運動について、市はどのように評価しているのでしょうか。また、近年の自治体と住民が協力して進めている神奈川や埼玉、世田谷などのようなトラストについてはどのような見解を持っているのか、お伺いいたします。

 次に、業務核都市基本構想の見直しの問題についてお伺いいたします。

 現在、業務核都市基本構想の見直しの手続が進んでいます。今回の見直しでの変更は、多摩市が新たに八王子多摩に加わるということ、八王子市では、南大沢地区が新たに加わったという内容であります。私は、業務核都市構想は、基本的に問題があると考えています。それは市の財政負担、あるいは実現性、開発による環境悪化など、以前からもこの問題については提起してまいりました。

 そこで、お伺いいたしますが、今回の構想の妥当性について、まず人口フレームからお伺いいたします。業務核都市基本構想の人口フレームでは、2015年、3市、立川、八王子、多摩で86万人を想定しています。八王子の新21プランでは、2015年、63万人の人口予測になっており、これは昨日の質疑の中でも八王子市の人口推計は誤っていないというふうな答弁がございましたけれども、そうしますと、立川、多摩合わせて23万人の人口しか発生しないというふうになります。現在、立川は16万人、多摩は14万人です。立川は毎年 1,000人から 2,000人増加し、多摩では毎年 500人から 600人の人口減少が起きていますけれども、合計しても2015年、86万人以上の人口フレームになるのではないかというふうに思います。これは関係市町村との調整が東京都で行われていると思いますが、3市それぞれ2015年の人口をどのように想定して3市で86万人になったのか、その根拠をお示しいただきたいというふうに思います。私は、これは八王子の新21プランの計画からすれば、業務核都市の基本構想に述べられている86万人というのは過小ではないかというふうに思いますが、どちらが誤っているのか、また、正しいのか、お伺いしたいと思います。

 2点目に、業務核都市は、多摩地域の自立に寄与するということがこの構想の目的としてうたわれています。この自立とは何かという問題について、以前から私も質問を繰り返してまいりました。あるときには、八王子で働き、学び、暮らす、そういう自己完結のまちづくりだという答弁があったり、昼夜間人口を1にするという答弁があったり、自主財源を確保するという内容であったりと、この自立についてはさまざまに答弁がされてまいりました。しかし、多摩地域の自立、八王子市の自立とは基本的にどのようなことを目指しているのかということが明確ではないわけです。そのことについて、業務核都市が成立するということによって、多摩地域の自立とは何を目指すのかということを再度明確にしていただきたいというふうに思います。そして、今、八王子駅の北口の駐車場や学園都市センターが中心市街地の1つの核都市の内容として実施されてきているわけですが、これまで、こうした事業が終わった中で、自立にどのように寄与してきたのかということを検証しているとすれば、その検証の内容をお示しいただきたいと思います。

 それでは、個別具体的な内容についてお伺いいたします。

 まず、八王子駅南口再開発の問題です。これは、さきの一般質問の中でも触れられておりましたが、子安一丁目、四丁目に 400台の地下3階建ての駐車場の施設建設ということが中心的な施設として記されています。市長は凍結しているというふうに明言されましたが、凍結している駐車場がなぜ表記されているのでしょうか。凍結を解除したのか、あるいは市長の方針の転換であるのか、あるいはこの表記自体が東京都の記載であって、八王子市としてはこのことについて調整を行っていないのかどうか、明確にしていただきたいというふうに思います。

 そして、南口再開発の実現性の問題についてです。私は、子安町の四丁目に住んでおりますので、さまざまな方からお話を伺うことがあります。10月に地元では、再開発は白紙に戻ったというようなうわさが一斉に流れ、みんな心配をしていました。資金調達が困難になったという方もあれば、もともと市は白紙に戻したというような、どこから出たかわからないような話が一時期出たわけです。地元としては、地権者を抱え、長年の苦労があるわけですから、実現可能であるならば、そのことを応援したいという気持ちがあるわけですが、実際のところ、再開発はどのように進んでいるのか。資金調達の問題や、また、権利床を獲得する企業なり何なりというようなことでは、どのような確実性があるのかということをぜひ正確な形で市から情報提供していただきたいというふうに思います。

 次に、八王子ニュータウンの問題についてです。

 生活デザイン研究センターとして、規模は未定でありますけれども、記されています。これの設置主体や進行状況など、ただ単に構想として掲げられているだけなのか。それとも具体的な話として進行しているのかどうか、お伺いしたいと思います。

 最後になりますが、八王子インターチェンジに関して調査報告書が私ども議員にも机上配付されました。これは、決算審査特別委員会でもこうした報告書については議員へも公開するということを求めて、すぐに実現していただいたということでは評価したいと思いますが、決算審査特別委員会の中では、10月15日の産業振興会議に報告し、戦略プランの議論の中で前倒しして議論するというようなことが、この調査報告書の取り扱われ方として答弁をされていました。今回の八王子インターチェンジの調査報告書については、現在、産業振興会議ではどのような取り扱われ方をしているのかということをお伺いしたいというふうに思いますし、同時に、本事業については本市の財政負担、かなりになるのではないかというふうに思いますが、そういった調査は、並行して、庁内でその精査が行われているのかどうかということについてもお伺いして、1回目の質問を終わります。


◎環境部長【下田有二君】
 それでは、ナショナルトラストの関係と基金の関係について御答弁いたします。

 緑化基金につきましては、平成12年度からの繰越金約4億 8,800万円となっております。今年度、生け垣造成補助や東京都への貸付金償還等で約1億 8,400万円の支出が見込まれており、今年度末では基金残高約3億 600万円となる見込みであります。大変厳しい状況にあるというふうに認識いたしております。

 今後の年度別の返還額ということでございますが、13、14年度で各年度1億 7,500万円、15年度1億 1,200万円、16年度 5,700万円を償還していくということでございます。

 こういう中での緑化基金の成果ということでございますが、昭和61年以降、公有化した約15ヘクタールの緑地のうち 5.8ヘクタールの緑地の購入、総延長約21.5キロに及ぶ生け垣造成補助を行うとともに、現在、13ヵ所、約16.8ヘクタールの緑地保護地区を指定し、緑の保全と緑化の推進に努めてきたというふうに認識をいたしております。

 ナショナルトラストへの評価ということでございますが、イギリスではチャリティーと呼ばれ、欧州諸国では市民の間に日常的に定着しているということでございますけれども、日本ではこのような活動に対して自発的な寄附を行うという習慣が一般的ではないという中、狭山丘陵で活動しているトトロのふるさと基金というように成功した例もございます。これからの緑地の保全について、市民との協力は大変重要だというふうに思っております。ナショナルトラストもその方法の1つというふうに考えております。


◎都市計画管理室長【窪田和朗君】
 私の方から業務核都市構想につきましてお答えをいたします。

 まず、多摩地域の自立ということでございますけれども、自立を簡単に申し上げますと、都心部からの脱却で、それを図ると同時に、職住近接のまちづくりをするというのが自立でございます。例えば本市に置きかえてみますと、業務核都市の位置づけを踏まえた本市の持つ歴史や文化に支えられた商業・業務集積、あるいは21の大学の集積、道路や鉄道の広域交通体系での優位性、良好な居住環境、こういったものを十二分に生かして、職と住のバランスのとれた質の高い自立都市を形成していくということを考えております。

 それから、人口フレームでございますけれども、これは東京構想2000での多摩地域人口推計 403万人、平成7年の国勢調査の人口をもとに算出したものでございまして、各市個別には示されていない現状でございます。

 それから、南口の地下駐車場でございますけれども、これにつきましては確かに書き入れの中で、公共駐車場ということになってございます。市長の言う凍結、これは間違いございませんで、この公共という意味は、駐車場整備計画の中での必要性から、私どもの公共が事業をするのではなくて、民間にお願いして、この駐車場を設置していただくというふうな意味でございますので、このところはとり間違いがしやすいような書き込みになってございますけども、市長の凍結は、そのまま私どもも踏襲していきたいというふうに考えております。

 それから、八王子ニュータウンでのデザインセンターの件でございますけれども、これにつきましては、平成12年にどのようにしたらデザインセンターを立ち上げていくかという委員会を設置し、1年間検討してまいりました。検討してまいった皆さん、産・学・公で組織してある皆さんと一緒に、現在、協議会を設置しまして、デザインセンターの設立に向かって準備をしているところでございます。そこで、業務核都市構想での位置づけは、三セクという事業主体を考えておりますけれども、昨今の三セクからいきますと、とてもそのようなことはできないだろうということで、今は民間の方々に立ち上げていただくという考え方を持っております。ですから、民と産で今回のこのデザインセンターを立ち上げていく、そういうふうな考え方でございます。


◎都市整備部長【茂木和憲君】
 私からは南口に関してお答えします。  まず、駐車場の凍結という件でございますが、これは今、管理室長がお答えいたしましたが、その後を受けまして、JR貨物が、現在、八王子駅北口、南口で、廃線敷、いわゆる線路の跡地を利用して、民間の駐車場として経営しております。この延長線上でございますが、これをとらえまして、将来、南口が再開発された後にテナントが大変多くの駐車場を必要とします。また、多くの方々が南口に来ると思われることから、JRは駐車場経営を考えてございます。これについて準備組合とJR貨物とで協議を進めております。これは、南口に駐車場ができることは大変いいことであって、ぜひ進めていきたいというふうに考えてございます。

 また、南口の実現性ということでございますが、白紙の話はございません。あくまで先ほどもお話ししましたが、テナントの出店が既に多数出ております。このテナントの意向もあります。また、再開発ビルの取得者についての選定を現在準備組合では鋭意進めております。また、権利者は、立川、さらに橋本等の駅前が再開発されてきております。これらをとらえても、ぜひやっていきたいという考えでございます。


◎産業振興部長【水野直哉君】
 私の方からは、13年3月にできました八王子インターチェンジ周辺地区流通拠点等整備構想調査が、地域産業振興会議でどのように取り扱われているのかという点についてお答えしたいと思います。

 現在、地域産業振興会議におきましては、来年9月の提言に向けまして、産業戦略プランの作成について議論を進めてもらっているところでございます。この議論の中で八王子インター周辺につきましては、今後の本市の産業振興を図る上で最も重要な拠点の1つとして位置づけられております。そこで、現在、インター北地区や市内の物流施設などの視察、専門家からの意見聴取など、この調査報告書で示されております諸機能につきまして、具体的な検討が開始されたところでございます。本調査報告書は、地域産業振興会議における議論の基礎資料として活用されているところでございます。


◎40番【井上睦子君】
 それでは、まず緑化基金についてお伺いいたします。

 先ほどの御説明では、平成16年まで東京都の償還金が残っているというような御説明だったというふうに思います。そして、現在、3億 600万円の残高の中で東京都の貸付金の償還を足していきますと、平成16年度には基金自体が、残高はなくなってしまう。逆に、一般会計から繰り入れをしなければ、東京都の貸付金は返せないというような状況になっているというふうに思いますが、このまま一般財源からの基金への積み立てをしなければ、そういった事態になるということを確認したいと思いますが、そういう認識でよろしいでしょうか。お答えをいただきたいというふうに思います。

 先ほどの緑化基金の現状と今後の推移をお伺いしましたら、先ほど述べましたように、平成15年、約2年後にはこの基金の残高、積み立てはなくなっていくというような状況になっています。基金が設立されて以来、この基金の持ってきた役割というものをここで終わらせてしまうのかどうかというような危機に立っているというふうに思いますが、市は、99年に策定した緑の基本計画で、緑化基金については市みずからの努力と市民や企業の協力を得て、その充実を図るとともに、適切な緑地の保全を図るための組織づくりを検討すると、今後の方向性を明確にしています。しかし、策定後も何ら充実のための手だてはされていないのが現実であります。私は、緑地保全のために成果のあった基金は、今後も実効ある形で存続が必要と考えていますけれども、現在、市は、緑化基金の今後についてどのような充実策、そして緑の基本計画に触れられている組織づくりについて考えているのか、御見解をお伺いしたいと思います。

 ナショナルトラスト運動については、先ほど評価するという声がありましたし、今後も緑地の保全のために市民との協力はその方法の1つでもあるというふうな答弁が部長からございました。11月29日に宇津貫みどりの会から八王子市みどりのトラスト、これは仮称ですけれども、仕組みづくりに関する要望書が出ています。途中を紹介しますと、市街地周辺の丘陵地は、いまだ住宅、墓地、廃棄物、資材置き場、ゴルフ場などの建設計画の危険にさらされ、細分化の一途をたどっています。私たちの住んでいる宇津貫町もニュータウンの建設で、多くの貴重な自然環境を失い、隣接してつながる御殿峠の尾根筋、町田市につながる七国の尾根筋にまで開発の波が押し寄せてきています。こうした中で、私たち宇津貫みどりの会は、広く寄付金を募って自然の残る土地を買い上げていくナショナルトラスト運動を実施する必要性も痛感しております。しかしながら、地域住民が主体のこのような基金活動を進めていく場合、寄付金をプールする仕組みや、広く国民から安心して寄附をいただくためには公的なサポートが不可欠であり、このことに関し、東京都あるいは八王子市はほとんど未整備である一方、かながわトラストみどり財団、グリーントラストうつのみや等の先進的な事例があることも知りました。八王子市においても、ぜひとも早急に同様な組織を立ち上げ、自然と共生できる特色ある都市を実現しなければいけないと考えています。八王子市域におけるナショナルトラスト運動の基本的な仕組みを構築していただけますようお願いいたしますというふうな要望書が出ています。

 先ほども紹介いたしましたように、神奈川の緑トラスト、あるいは埼玉県や宇都宮、世田谷などで始まっている自治体と住民との協力のトラスト運動は、近年主流になってきたというふうに言われています。今回、このように自治体がナショナルトラスト運動に強い関心を示してきたのは、地域の環境を守るためには自治体の行政施策だけでは不十分で、住民の協力が必要であることに自治体が改めて着目した。そして、特に緑化事業や伝統的なまちなみの保存、再生策などでは自治体の予算支出によるだけでなく、そこに住民からの寄付金が加わることによって、その後の維持管理に対する住民の関心の度合いが飛躍的に高まることに自治体が気がついたからだ。一方、住民の側でも、実際に募金運動に携わってみて、我が国では、住民だけのグループより何らかの形で公共団体が関与する方が社会的に信頼性が高まり、寄付金が集めやすくなるということを体験的に知った。さらに、これまでどちらかというと、身近な環境の保全に冷淡であった自治体を巻き込んで運動の目標を達成させようという自信が住民の側にもついてきたというふうに、(財)日本ナショナルトラストの評議員である木原啓吉さんは、ここ数年、自治体と住民との協力でトラスト活動が盛んになってきた背景と理由をこのように説明しています。

 神奈川のトラスト基金は、現在、昨年8月段階のデータですが、県民からの寄付金が6億 5,000万円、県の資金は 109億円を拠出して 2.2ヘクタールの土地を買い入れ、緑地の保存については17.9ヘクタール。これについては契約して緑地保存を組んでいるということが言われています。

 こうした動きを、八王子市も緑化基金が現実的には危機的にある状況の中で、市民参加ということも考えていかなければならないというふうに考えるわけですが、地方財政が厳しい中でも、緑地の保全というのは、緑の基本計画が策定されたように、政策の優先順位としては高いものだというふうに思います。そして、基金の積み立ても必要でありますけれども、行政の力だけでは限界もあります。市民は、先ほど宇津貫みどりの会の要望書にもあったように、自然環境を保全していくためには、お金も出し合い、労力も知恵も出し合いたいというふうに考えています。こうした気持ちを制度化するトラストを本市で立ち上げるということをこの要望書は求めているわけですが、市としては、こうした仕組みづくりについてどのようにお考えか、お伺いいたします。

 次に、業務核都市基本構想についてお伺いいたします。

 人口については、各市のデータが出ていないということですが、先ほど私は、各市の現在の人口と今後の推計からすると矛盾があるのではないかというふうに指摘いたしましたが、そうしたことは本市としては考えていないのか、東京都とそういった調整はしていないのかどうかということを再度お聞きしたいと思いますし、東京都のこの推計は過小ではないかということについて、御見解をお伺いいたします。

 南口の駐車場の問題でありますけれども、市で経営する駐車場は凍結しているということは確認しました。そうしますと、駅前広場の地下3階に 400台の駐車場をJR貨物が経営するということについて確約ができているというふうに理解していいのでしょうか。業務核都市の基本構想の中に明記されているということ、先ほどからの答弁の中ではそのように受け取れますけれども、基本構想の信頼性にもかかわることですので、その点について明快な答弁をいただきたいというふうに思います。

 さて、10月の決算審査特別委員会では、業務核都市の実現を図る上で、財政規模については調査をし、明らかにすることは当然であるというふうに市長は答弁をされています。厳しい経済環境と財政運営の中で、厳しい、厳しいと抑えてしまうことがいいのかなというふうに思っている。市民にとって、将来、夢や希望を持てる政策も同時に必要なので、業務核都市は進めていきたいというふうに答えておられますが、それでは、今回、業務核都市構想の見直しに当たって、市財政ではどのような負担が発生するのかということについて、どのように試算されているのでしょうか、お伺いいたします。

 そして、基本構想全体についてですが、人口フレーム、あるいは南口駐車場の記載の問題、また、旭町、明神町の商業施設の建設については、他の議員からの一般質問では、市長は承知しないことだというふうにも言われておりますけれども、そうしますと、基本構想に記されている内容というのは極めて不確実性の部分が高いというふうにも考えざるを得ないわけでありますけれども、業務核都市構想というのは、じゃ、幻のような計画まで含んでいるのかどうか。その点についても、東京都とどのような調整を行っているのかということを明確にしていただきたいと思います。

 幻のような、そして、夢や希望という、ある意味では実現性が保障されないというような計画について、行政は手続をして今進めているわけですが、こうしたことが整合性や妥当性を持たないというふうな疑惑をも持ちかねません。その点について、業務核都市構想とは何であるのかということを明確にお答えをいただきたいと思います。

 次に、八王子インターチェンジの流通拠点の整備についての報告書から幾つか疑問がありますので、質問をさせていただきます。  先ほど産業振興会議の中で重点的な問題として取り組んでいるということが挙げられました。私は、この調査報告の中で、重点的な内容になるのかどうかという疑問を持たざるを得ません。1つは、進出企業の意向調査の結果であります。市内 400社にアンケートをとり、回答は 280社、市外の企業は 1,000社アンケートをとり、 106社の回答で、市外からの回答率は10.6%、この八王子インターチェンジ周辺地区への移転を希望する市内企業は13社、市外企業は1社という大変低い進出希望の調査結果です。特に、市内では13社ありますけれども、市外、八王子市を除く東京都、埼玉、神奈川県域の企業への調査をしていますが、これへの進出の意欲というものが大変低いわけです。そして、 1,000社にアンケートして、 106社しか回答しないということは、進出する企業の意欲がない、大変低いというふうに思わざるを得ないわけであります。いわゆるダイナミズムがないというふうにも考えるわけですけれども、進出企業の意向が低いことは、先ほども議論されていましたように、八王子インターチェンジが交通の結節点であっても、これが魅力とはなっていないということのあかしではないかというふうに思いますが、この進出企業の意向調査を市はどのようにとらえているのか。これでは実現性は困難だと私は考えるわけですが、お考えをお聞かせください。

 次に、区画整理事業についてであります。

 調査報告書の中では、開発の方向性として、区画整理と民間活力による開発整備という2つの方法を提示しています。先ほどの議員の質問に対する答弁では、区画整理事業で行うというような答弁があったと思います。その中では、都有地の20ヘクタールが区画整理の整理事業の推進力になるというふうに、この報告書の中でも読めるわけでありますけれども、それでは、この計画の実現に向けて、都有地の20ヘクタールについてはどのような調整が行われているのかということをお聞きしたいと思います。  聞くところによりますと、都有地は、東京都はもう売却の方針を決めていて、土地バンクに入っているとも伺っていますけれども、この調査書が言っているように、20ヘクタールが都の保有のまま存在するとは限らないし、民間が所有する可能性もあるのではないかというふうに思いますが、この構想を立ち上げる中で、東京都と都有地の20ヘクタールについてはどのような調整が行われているのかということを明らかにしていただきたいというふうに思いますし、区画整理事業は市施行ではないというふうな答弁でありましたが、それでは、どのような手法で造成していくのか、開発していくのか、そのことに伴う費用負担というのはどのようになっていくのかというところまで詰められているのかどうか、明らかにしていただきたいと思います。

 次に、交通量の問題について伺います。

 国道16号と16号バイパスについて、交通量が平日では4万 1,681台、16号バイパスでは休日では4万 851台というふうに、設計基準の交通量4万 8,000台という中で、今よりも混雑度は高まるというふうに、この調査報告書も指摘しています。そして、北西部幹線の建設が不可欠だということも課題として挙げられているわけでありますけれども、こうした現行より混雑するという交通量の問題や、また、新たな道路の建設という意味での財政負担という意味では、これも実現に向けては極めて難しいのかなというふうに思うわけですが、この点についてはどのように議論をされているのでしょうか。

 そして、ひよどり山の有料道路に分散するだろうというふうに言われておりましたけれども、今年度の平均では、計画交通量が 6,200台に対して 2,500台しか通行していないということで、ひよどり山有料道路は余りさばくということが期待できないのではないかというふうに思いますが、八王子インターチェンジ周辺の開発によって起こる交通問題はどのように検証されているのか、伺います。  最後に、商店街への影響であります。

 これは、市外からの買い物の流入客があるということで、全体としては活性化になるという指摘があるわけですが、しかし、八王子市内の商業集積の地域別の商業人口の変化を見てみますと、横山町、八日町では商業人口が 1,781人減、そして、八王子駅北口では 3,896人の減、 1,000人以上では楢原町が 1,155人の減というふうに、八王子インターチェンジ周辺の商業集積が進むことによって、軒並み、市内の旧商店街というのは商業人口が減るというふうになっています。今八王子市は中心市街地の活性化ということでさまざまな方策を打っていますけれども、この開発によって市内の商業人口が減っていくという、ある意味では今の政策に逆行するようなことが生まれるわけでありますけれども、このことは現在の政策と矛盾はしないのかどうか。こうした新しい開発が、いわゆる弱肉強食の中で、旧来からの商店街を圧迫していくということを顕著にあらわすのだというふうに思いますけれども、その点についてはどのようにお考えになっていらっしゃるか。そして、この八王子インターチェンジ周辺の開発計画に妥当性があるというふうに考えていらっしゃるか、総合的な見解をお伺いしたいと思います。  以上で2回目の質問を終わります。


◎環境部長【下田有二君】
 前段のことについて御答弁申し上げます。

 緑化基金につきましては、御質問者の認識のとおり、このままでいきますと、平成16年度にマイナスとなる見込みであります。大変財政状況が厳しい中でございますが、市の緑の保全の方針を今後考えていかなければならないだろう。そういう中で、財政状況を勘案して方針を決めていきたいというふうに考えております。緑の保全だけでなく、環境に関する問題につきましては、市民の方々との協力は大変重要なことというふうに感じております。ナショナルトラストにつきましては今後の検討課題の1つであるというふうに考えております。


◎都市整備部長【茂木和憲君】
 私から駐車場についてお答えいたします。  先ほど地下の駐車場というお話でございましたが、地下の駐車場と違いまして、まず、場所は、南口駅前におりますと交番がございますが、交番の裏でJR貨物が平場の駐車場を今経営しております。あのちょうど西側になりますが、現在まだ線路があったり、建物があったりしておりますが、あの後ろでございます。再開発ビルの区域と野猿街道を挟んだ北側の線路の敷地内であります。このJR貨物の自分の敷地にみずからが自分で駐車場をつくって経営していこうと考えております。これは、再開発後の将来の需要を考慮してのことであります。


◎都市計画管理室長【窪田和朗君】
 順次お答えを申し上げます。

 まず、業務核都市構想は幻ではないかという、大変厳しい御質問でございますけれども、過日私の方から、東京都からいただいた資料を議員の皆様方にお配りしてございます。幻かどうか、検証していきたいと思いますけれども、例えば、中心市街地地区につきましては、既に北口再開発ビルを、スクエアビルですけれども、立ち上げております。幻ではございません。それから、南口の再開発ビルも、今、都市整備部長が御答弁申し上げたとおり、ここで立ち上げに向けて努力しているところでございます。それから、学園都市センターは、北口の再開発ビルの中に入っております。それから、北口の地下駐車場も既にでき上がってございますので、幻ではないというふうに私も言いたい。

 それから、男女共同参画センターと消費者センターは、南口の再開発ビルの中に入るということで合意をとってございますので、再開発ビルができれば、その中に入っていくということでございます。建物がないところで、今は入れないということでございます。  それから、八王子インターチェンジの周辺地区でございますけれども、東京都の以前の労働経済局が考えた市場は凍結ということですので、これは私どもも期待してございません。ただし、流通業務、消費者生活のそういうようなセンターというのは、民間の皆様方にもお願いして、現在、調整を図っているところでございます。これも幻ではございません。

 それから、八王子ニュータウン地区でございますけれども、生活デザインセンターということがございますが、これも先ほど御答弁申し上げたとおり、12年度で調査研究し、13年度で協議会をつくり、立ち上げを行っております。それから、南大沢センター地区につきましては、東京都が三セクで立ち上げたパオレ、フレスコ南大沢でございますので、既にこれはでき上がっていると。これらを見てみますと、新21プラン、要は基本構想、基本計画にのっとった事業をこの中で推進していくということでございます。そんなことで私どもの方も進めてまいりたいということでございます。

 それから、財政の圧迫ということで、市財政でございますが、今、実際には全部の事業費は把握できないのが状態です。なぜかというと、平成7年に業務核都市構想が規定されたときには、例えば八王子ニュータウン地区につきましては、生活デザイン研究センターの敷地が規模として7万 2,000平米、延べ床面積が2万 8,000平米の、そういうふうな大型の箱物をつくる。その中に入るんだという計画でございました。ただし、昨今の現況の中で、とてもこのようなことはできないということで、今、現実的に何ができるかというのを平成12年でやった。私どもとしましては、小さく産んで大きく育てようという計画の中でやっていまして、先ほど私は間違ったことを言いましたけど、民と産ということで言いましたけども、産・学・民でこれを立ち上げということでございます。手法としては三セクではなくて、現在ではNPOでも法人化してこれを立ち上げていこうということになりますと、今後、どのような規模のものでどういうふうにしていこうかというのが見えてございませんので、実際、市財政としての財政規模は申し上げられないのが現状でございます。

 それから、都有地の件でございますけれども、都知事、石原知事になってから、都有地につきましては相当な勢いで処分がされております。私どもは、それを察知しまして、管理室としてあそこの20ヘクタールの約7割を毎年毎年更新するんですけれども、借地しております。それで売却を阻止してございます。都有地につきましては、東京都財務局との話の中では、ここのところを消費生活的なもので、八王子の流通業務センターとして、立ち上げについては理解をいただいているところでございます。

 費用につきましては、現在では民間の方々が事業ということでございますので、市に対する財政負担というのは、今のところないものと考えております。

 それで、区画整理の件でございますけども、現在では都有地20ヘクタールにつきまして、全部ではございませんが、公共団体施行、組合施行等の手法を考えております。それは市施行としては早期着手することはできないということの中で、公団、団体施行や組合施行をお願いしていく。これが考え方でございます。

 それから、交通量でございますが、産業振興部の方で調査した調査結果でございますと、発生集中交通量が平日3万 9,000台、休日が4万 2,000台と推計されております。これらを国道16号及び16号バイパス、新滝山街道で4等分しますと、それぞれ1万台ということになります。道路の容量から言えば、対象道路は4種1級の区分の道路でございまして、設計基準交通量は最大4万 8,000台でございまして、現況交通量の多い16号バイパスでも約 7,000台の余裕があるということで、十分に処理ができるものと考えております。


◎産業振興部長【水野直哉君】
 私の方から今回の調査につきましての企業の進出意欲を市はどう受けとめるかにつきましてお答えしたいと思います。

 今回の調査は、御質問者もお話のとおり、市内 280社、市外 106社の計 386社のアンケート調査でございまして、条件が合えば進出の意向があるという企業を含めまして、市内外、全部で43社あります。この厳しい経済情勢の中、また、本地区の整備方針や条件についての詳細が明確にされていない中での調査では、それなりの結果が出てくるんじゃないかというふうに私どもは思っております。今後、圏央道の開通など、諸条件が整えば、多くの企業の希望がふえるんじゃないかというふうに考えているところでございます。

 中心商店街に対する影響でございますが、今回の調査は振興会議におきまして基礎的な資料ということにつきましては先ほどお話しさせていただきました。本調査のみによる影響度を判断することは適当ではないというふうに私は思っておりますが、この振興会議の中で議論していただきまして、報告を待ってから判断したいというふうに思っているところでございます。


◎40番【井上睦子君】
 それでは、まず、緑化基金とナショナルトラストの問題について市長に御見解をお伺いしたいと思います。

 先ほどの答弁の中で明らかになりましたように、緑化基金は平成15年度には底をつくというような現状であります。しかしながら、緑の基本計画では、この緑化基金をより充実していく、そして、緑地の保全などにも努めていくということが方針として明確に出されています。一方で、市民は知恵と労力と少しばかりのお金だったら出せるというような人たちもいます。そうした現況を踏まえて、ぜひ緑化基金が発展した形として、市民の寄付金も今は指定寄付金としてかなりややこしい手続が必要なわけでありますけれども、気軽に緑地保全のためのトラスト基金に参入できるような衣がえといいますか、発展的な解消をしていくということは、今の時代に合っているのではないかと思います。もちろん、それは神奈川県のトラストのように、県も負担するということでありますから、市も基金の負担をしないということではなくて、負担をしつつ、市民との協働で緑地保全の作業を進めていくということをぜひ制度化していただきたいというふうに思います。

 1986年につくられた緑化基金は、今考えてみますと、トラスト的な意味も持っていたのではないかというふうに思います。市民からの寄付金も受け入れるというふうにはなっていますし、同時に、緑地保護地区を指定して、そこへの協力奨励金なども入れていく。今、世田谷などで行われているような仕組みづくりも萌芽としては持っているわけです。その点、トラスト基金にこの緑化基金を発展させていくということについて、市長の御見解をお伺いしたいと思いますし、同時に、車の両輪として、基金に対してみどり協会というようなものが各地にはありますが、それは自然保護観察会とか、緑地の管理とか、今公園課が考えていますような公園里親制度、市民ボランティアを、公園だけではなくて、緑地保全にも力を出していくというような機運も、市内には自然保護団体や緑に親しむ人たちもいますので、そういったことは可能だというふうに思います。

 市民が主体的に、そして、参加をして、この緑地保全を行政

 業務核都市構想の問題です。

 私も目が見えますので、北口の学園都市センター、そこに触れられています地下駐車場、あるいは南大沢の施設などは現実に実現しているということは知っています。幻だと言ったのは、旭町、明神町の業務・商業ビルです。これは市長は承知していないと言ったわけです。また、八王子駅南口の駐車場は、先ほどの答弁では、JR貨物は旭町ですよね。旭町に地上で、地下ではないというふうに言われたわけです。素案の中の19ページですが、南口の駐車場は地下3階 400台、子安一丁目、四丁目に設置するというふうに書いてあるわけですね。これが幻ではないんですかというふうに私は質問したわけです。そこは答弁がすりかわっていますので、ここについて、現実的には実現できないというような施設については、明記をすべきではないんじゃないですか。現実にできているものとできないもの、そして、凍結でそのことは実現不可能だという施設について基本構想の中に記されているとすれば、この基本構想の信憑性が疑われるということを私は指摘したいというふうに思います。その点についてきちんとした対応をとっていただきたいというふうに思いますし、まだまだたくさんあります。1表の中にはありませんけれども、八王子駅西口の駅前広場の整備の問題とか、(「八王子駅に西口はない」と呼ぶ者あり)ないですね。ごめんなさい。西八王子駅です。駅前広場の整備というようなものも、夢と希望が入り交じっている現実と、そういった構想というのは、つくるべきではないのではないかということを提起したいというふうに思います。

 財源の部分はまだまだ明らかにできないということでありましたけれども、ぜひ人口推計ももう一回東京都と調整していただきたい。そうしなければ八王子の21プランの人口推計を変えることになるでしょうし、同時に、財政的な問題、基本構想が来年早々にも出される段階では、この業務核都市構想にかかわる財政負担については明記をできるような形で提案していただきたいというふうに思いますが、市長にその準備を進めていく決意をお伺いしたいと思います。  以上で質問を終わります。


◎市長【黒須隆一君】
 40番、井上睦子議員の私に対する質問にお答えいたします。

 まず1点目は、緑地保全のためにナショナルトラスト基金を設立してはどうかということでありますけれども、ナショナルトラスト基金の設立には、その体制づくりや運用方法など、十分検討する事項というものがあるというふうに思っております。トラストの手法によらずに取得する緑地につきましても、その後の維持管理が問題となりますので、その点も含めて緑地保全施策の1つとしてナショナルトラストを研究する意義があるというふうに考えております。

 次に、業務核都市の基本構想について、財源的な裏づけというようなものも、今後考えていくべきだろうということでありますけど、まさにそのとおりでございます。ただ、業務核都市につきましては、既に現実に立ち上がった部分もありますけど、長期にわたるものでもありますから、まだまだ十分にコンクリートされていない部分、いわばファジーな部分もあってしかるべきだろうというふうに思っております。構想そのものは、従前の位置づけとは、環境も刻一刻と変わっているわけですから、その時代の変化に合わせた、最も市民に理解が得られるような、言うならば時代に合った、あるいは時代を先取りするような、夢や希望を市民の皆さんが感じていただけるような計画を、時間をかけてたてるというのが重要なことだろうというふうに思っておりますので、財政状況も十分勘案しながら、皆様に理解されるようなものを考えていきたいというふうに思っています。