◎40番【井上睦子君】
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それでは、まず緑化基金についてお伺いいたします。
先ほどの御説明では、平成16年まで東京都の償還金が残っているというような御説明だったというふうに思います。そして、現在、3億 600万円の残高の中で東京都の貸付金の償還を足していきますと、平成16年度には基金自体が、残高はなくなってしまう。逆に、一般会計から繰り入れをしなければ、東京都の貸付金は返せないというような状況になっているというふうに思いますが、このまま一般財源からの基金への積み立てをしなければ、そういった事態になるということを確認したいと思いますが、そういう認識でよろしいでしょうか。お答えをいただきたいというふうに思います。
先ほどの緑化基金の現状と今後の推移をお伺いしましたら、先ほど述べましたように、平成15年、約2年後にはこの基金の残高、積み立てはなくなっていくというような状況になっています。基金が設立されて以来、この基金の持ってきた役割というものをここで終わらせてしまうのかどうかというような危機に立っているというふうに思いますが、市は、99年に策定した緑の基本計画で、緑化基金については市みずからの努力と市民や企業の協力を得て、その充実を図るとともに、適切な緑地の保全を図るための組織づくりを検討すると、今後の方向性を明確にしています。しかし、策定後も何ら充実のための手だてはされていないのが現実であります。私は、緑地保全のために成果のあった基金は、今後も実効ある形で存続が必要と考えていますけれども、現在、市は、緑化基金の今後についてどのような充実策、そして緑の基本計画に触れられている組織づくりについて考えているのか、御見解をお伺いしたいと思います。
ナショナルトラスト運動については、先ほど評価するという声がありましたし、今後も緑地の保全のために市民との協力はその方法の1つでもあるというふうな答弁が部長からございました。11月29日に宇津貫みどりの会から八王子市みどりのトラスト、これは仮称ですけれども、仕組みづくりに関する要望書が出ています。途中を紹介しますと、市街地周辺の丘陵地は、いまだ住宅、墓地、廃棄物、資材置き場、ゴルフ場などの建設計画の危険にさらされ、細分化の一途をたどっています。私たちの住んでいる宇津貫町もニュータウンの建設で、多くの貴重な自然環境を失い、隣接してつながる御殿峠の尾根筋、町田市につながる七国の尾根筋にまで開発の波が押し寄せてきています。こうした中で、私たち宇津貫みどりの会は、広く寄付金を募って自然の残る土地を買い上げていくナショナルトラスト運動を実施する必要性も痛感しております。しかしながら、地域住民が主体のこのような基金活動を進めていく場合、寄付金をプールする仕組みや、広く国民から安心して寄附をいただくためには公的なサポートが不可欠であり、このことに関し、東京都あるいは八王子市はほとんど未整備である一方、かながわトラストみどり財団、グリーントラストうつのみや等の先進的な事例があることも知りました。八王子市においても、ぜひとも早急に同様な組織を立ち上げ、自然と共生できる特色ある都市を実現しなければいけないと考えています。八王子市域におけるナショナルトラスト運動の基本的な仕組みを構築していただけますようお願いいたしますというふうな要望書が出ています。
先ほども紹介いたしましたように、神奈川の緑トラスト、あるいは埼玉県や宇都宮、世田谷などで始まっている自治体と住民との協力のトラスト運動は、近年主流になってきたというふうに言われています。今回、このように自治体がナショナルトラスト運動に強い関心を示してきたのは、地域の環境を守るためには自治体の行政施策だけでは不十分で、住民の協力が必要であることに自治体が改めて着目した。そして、特に緑化事業や伝統的なまちなみの保存、再生策などでは自治体の予算支出によるだけでなく、そこに住民からの寄付金が加わることによって、その後の維持管理に対する住民の関心の度合いが飛躍的に高まることに自治体が気がついたからだ。一方、住民の側でも、実際に募金運動に携わってみて、我が国では、住民だけのグループより何らかの形で公共団体が関与する方が社会的に信頼性が高まり、寄付金が集めやすくなるということを体験的に知った。さらに、これまでどちらかというと、身近な環境の保全に冷淡であった自治体を巻き込んで運動の目標を達成させようという自信が住民の側にもついてきたというふうに、(財)日本ナショナルトラストの評議員である木原啓吉さんは、ここ数年、自治体と住民との協力でトラスト活動が盛んになってきた背景と理由をこのように説明しています。
神奈川のトラスト基金は、現在、昨年8月段階のデータですが、県民からの寄付金が6億 5,000万円、県の資金は 109億円を拠出して 2.2ヘクタールの土地を買い入れ、緑地の保存については17.9ヘクタール。これについては契約して緑地保存を組んでいるということが言われています。
こうした動きを、八王子市も緑化基金が現実的には危機的にある状況の中で、市民参加ということも考えていかなければならないというふうに考えるわけですが、地方財政が厳しい中でも、緑地の保全というのは、緑の基本計画が策定されたように、政策の優先順位としては高いものだというふうに思います。そして、基金の積み立ても必要でありますけれども、行政の力だけでは限界もあります。市民は、先ほど宇津貫みどりの会の要望書にもあったように、自然環境を保全していくためには、お金も出し合い、労力も知恵も出し合いたいというふうに考えています。こうした気持ちを制度化するトラストを本市で立ち上げるということをこの要望書は求めているわけですが、市としては、こうした仕組みづくりについてどのようにお考えか、お伺いいたします。
次に、業務核都市基本構想についてお伺いいたします。
人口については、各市のデータが出ていないということですが、先ほど私は、各市の現在の人口と今後の推計からすると矛盾があるのではないかというふうに指摘いたしましたが、そうしたことは本市としては考えていないのか、東京都とそういった調整はしていないのかどうかということを再度お聞きしたいと思いますし、東京都のこの推計は過小ではないかということについて、御見解をお伺いいたします。
南口の駐車場の問題でありますけれども、市で経営する駐車場は凍結しているということは確認しました。そうしますと、駅前広場の地下3階に 400台の駐車場をJR貨物が経営するということについて確約ができているというふうに理解していいのでしょうか。業務核都市の基本構想の中に明記されているということ、先ほどからの答弁の中ではそのように受け取れますけれども、基本構想の信頼性にもかかわることですので、その点について明快な答弁をいただきたいというふうに思います。
さて、10月の決算審査特別委員会では、業務核都市の実現を図る上で、財政規模については調査をし、明らかにすることは当然であるというふうに市長は答弁をされています。厳しい経済環境と財政運営の中で、厳しい、厳しいと抑えてしまうことがいいのかなというふうに思っている。市民にとって、将来、夢や希望を持てる政策も同時に必要なので、業務核都市は進めていきたいというふうに答えておられますが、それでは、今回、業務核都市構想の見直しに当たって、市財政ではどのような負担が発生するのかということについて、どのように試算されているのでしょうか、お伺いいたします。
そして、基本構想全体についてですが、人口フレーム、あるいは南口駐車場の記載の問題、また、旭町、明神町の商業施設の建設については、他の議員からの一般質問では、市長は承知しないことだというふうにも言われておりますけれども、そうしますと、基本構想に記されている内容というのは極めて不確実性の部分が高いというふうにも考えざるを得ないわけでありますけれども、業務核都市構想というのは、じゃ、幻のような計画まで含んでいるのかどうか。その点についても、東京都とどのような調整を行っているのかということを明確にしていただきたいと思います。
幻のような、そして、夢や希望という、ある意味では実現性が保障されないというような計画について、行政は手続をして今進めているわけですが、こうしたことが整合性や妥当性を持たないというふうな疑惑をも持ちかねません。その点について、業務核都市構想とは何であるのかということを明確にお答えをいただきたいと思います。
次に、八王子インターチェンジの流通拠点の整備についての報告書から幾つか疑問がありますので、質問をさせていただきます。
先ほど産業振興会議の中で重点的な問題として取り組んでいるということが挙げられました。私は、この調査報告の中で、重点的な内容になるのかどうかという疑問を持たざるを得ません。1つは、進出企業の意向調査の結果であります。市内 400社にアンケートをとり、回答は 280社、市外の企業は 1,000社アンケートをとり、 106社の回答で、市外からの回答率は10.6%、この八王子インターチェンジ周辺地区への移転を希望する市内企業は13社、市外企業は1社という大変低い進出希望の調査結果です。特に、市内では13社ありますけれども、市外、八王子市を除く東京都、埼玉、神奈川県域の企業への調査をしていますが、これへの進出の意欲というものが大変低いわけです。そして、 1,000社にアンケートして、 106社しか回答しないということは、進出する企業の意欲がない、大変低いというふうに思わざるを得ないわけであります。いわゆるダイナミズムがないというふうにも考えるわけですけれども、進出企業の意向が低いことは、先ほども議論されていましたように、八王子インターチェンジが交通の結節点であっても、これが魅力とはなっていないということのあかしではないかというふうに思いますが、この進出企業の意向調査を市はどのようにとらえているのか。これでは実現性は困難だと私は考えるわけですが、お考えをお聞かせください。
次に、区画整理事業についてであります。
調査報告書の中では、開発の方向性として、区画整理と民間活力による開発整備という2つの方法を提示しています。先ほどの議員の質問に対する答弁では、区画整理事業で行うというような答弁があったと思います。その中では、都有地の20ヘクタールが区画整理の整理事業の推進力になるというふうに、この報告書の中でも読めるわけでありますけれども、それでは、この計画の実現に向けて、都有地の20ヘクタールについてはどのような調整が行われているのかということをお聞きしたいと思います。
聞くところによりますと、都有地は、東京都はもう売却の方針を決めていて、土地バンクに入っているとも伺っていますけれども、この調査書が言っているように、20ヘクタールが都の保有のまま存在するとは限らないし、民間が所有する可能性もあるのではないかというふうに思いますが、この構想を立ち上げる中で、東京都と都有地の20ヘクタールについてはどのような調整が行われているのかということを明らかにしていただきたいというふうに思いますし、区画整理事業は市施行ではないというふうな答弁でありましたが、それでは、どのような手法で造成していくのか、開発していくのか、そのことに伴う費用負担というのはどのようになっていくのかというところまで詰められているのかどうか、明らかにしていただきたいと思います。
次に、交通量の問題について伺います。
国道16号と16号バイパスについて、交通量が平日では4万 1,681台、16号バイパスでは休日では4万 851台というふうに、設計基準の交通量4万 8,000台という中で、今よりも混雑度は高まるというふうに、この調査報告書も指摘しています。そして、北西部幹線の建設が不可欠だということも課題として挙げられているわけでありますけれども、こうした現行より混雑するという交通量の問題や、また、新たな道路の建設という意味での財政負担という意味では、これも実現に向けては極めて難しいのかなというふうに思うわけですが、この点についてはどのように議論をされているのでしょうか。
そして、ひよどり山の有料道路に分散するだろうというふうに言われておりましたけれども、今年度の平均では、計画交通量が 6,200台に対して 2,500台しか通行していないということで、ひよどり山有料道路は余りさばくということが期待できないのではないかというふうに思いますが、八王子インターチェンジ周辺の開発によって起こる交通問題はどのように検証されているのか、伺います。
最後に、商店街への影響であります。
これは、市外からの買い物の流入客があるということで、全体としては活性化になるという指摘があるわけですが、しかし、八王子市内の商業集積の地域別の商業人口の変化を見てみますと、横山町、八日町では商業人口が 1,781人減、そして、八王子駅北口では 3,896人の減、 1,000人以上では楢原町が 1,155人の減というふうに、八王子インターチェンジ周辺の商業集積が進むことによって、軒並み、市内の旧商店街というのは商業人口が減るというふうになっています。今八王子市は中心市街地の活性化ということでさまざまな方策を打っていますけれども、この開発によって市内の商業人口が減っていくという、ある意味では今の政策に逆行するようなことが生まれるわけでありますけれども、このことは現在の政策と矛盾はしないのかどうか。こうした新しい開発が、いわゆる弱肉強食の中で、旧来からの商店街を圧迫していくということを顕著にあらわすのだというふうに思いますけれども、その点についてはどのようにお考えになっていらっしゃるか。そして、この八王子インターチェンジ周辺の開発計画に妥当性があるというふうに考えていらっしゃるか、総合的な見解をお伺いしたいと思います。
以上で2回目の質問を終わります。
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