◎【萩生田富司議長】第40番、井上睦子議員。                            
  第130号議案、都市計画道路3・4・57号線街路築造工事請負契約の変更について及びこれに関連する第118号議案、八王子市一般会計補正予算中、3・4・57号線の整備の部分について、生活者ネットワーク・社会民主党を代表して反対の討論を行います。

 本議案は、都市計画道路3・4・57号線のトンネル本体工事の契約金額を16億2,960万円から、22%、3億5,189万7,000円増加し、19億8,149万7,000円に変更するものです。その理由は、想定以上に地盤が脆弱であるため、工法変更による工事費の増額と説明されています。トンネル工事は事前の地質調査に予算をかけるより、トンネル工事を行いながら地盤等をその都度精査するとして、補助工法を前提とした対応がされています。

 まず、問題として挙げられるのは、このような姿勢では、ボーリング調査や地質調査が適正に行われたのか、事業者に瑕疵はなかったのかを問うことができないことです。トンネル工事では35%程度の設計変更があるとの委員会答弁でした。事前の調査が十分で万全であることが、安全に、かつ合理的に工事を進める上からも重要ですが、事前の調査が十分であったか、疑問です。

 3・4・57号線の設計委託については、トンネル本体工事その1、その2、道路設計委託、道路構造物設計委託の4回にわたって入札が行われていますが、いずれもセントラルコンサルタント(株)が落札し、トンネル本体工事の管理委託を受託しています。さらに、補助工法の判定補助委員でもあります。  補助工法の判定は、市職員で構成される判定委員会が決定しますが、判定補助委員のセントラルコンサルタントは重要な位置を占めます。客観的で公正な判定のためには、利害関係のない専門的知識を有する判定委員をさらに加えた方が、公正さを担保することにつながるのではないでしょうか。判定委員の構成及び補助委員の選任にも疑問を持ちます。

 トンネル本体工事は、昨年、3社で入札が行われました。予定価格16億9,365万円に対し、落札率は97.5%、97.2%、96.2%で、96.2%の飛鳥・南王建設共同企業体が落札しています。これは予定価格、最低制限価格が公表されて以降、平均落札率が80%台であることから比べると、高い率になっています。今回の変更は契約金額の変更のみですから、事業者は変わりません。工事金額が請負代金の22%、約3億5,000万円にもなる工事は、別途の契約として競争入札をすべきです。一般的に競争によることなく特定の事業者を選定し、契約することは、経済性と公平性が確保されにくくなり、官民の癒着を誘発する危険性を否定できません。また、事業者に過度の負担を負わせる場合も考えられます。

 トンネル工事では安全な構造が第一条件であり、住民や工事従事者の安全性の確保は重要です。客観的な根拠があれば、工事費の増額に反対するものではありませんが、地質調査や補助工法の判定についての疑問が解決されません。

 さらに重要なのは、3億5,000万円以上にもなる多額の契約金額の変更は、公正さと競争性を確保するために、競争入札を実施し、経済性を追求すべきだと考えます。  以上の理由により、第130号議案及びこれに関連する第118号議案に反対し、討論を終わります。