第40番、井上睦子議員の質疑を許可します。
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それでは、社民・生活者ネットを代表して質疑を行います。
まず、第22号議案、八王子市いきいき産業基本条例設定についてお伺いをいたします。
昨年10月、八王子市地域産業振興会議の提言、光り輝く産業都市八王子をめざしての提言の中で、会長の関さんは、はじめにの文章の中で、何よりも八王子の今回の作業にかかわって深く感じるものがあった。何よりも八王子は都市規模が大きく、問題の所在が総合的という点であった。このことは、日本全体の構造問題の縮図であることを意味し、さらにその解決が容易でないことも意味しよう。戦略ポイントが見えにくいのである。余りにもやるべきことが多過ぎるのかもしれない。だが、この難問を抱える八王子においてというふうに、最後はエールを送っておられるわけでありますけれども、関さんの言葉にもあるように、日本全体の構造問題の縮図で、地域の産業の活性化が極めて困難である。そして問題の解決が容易ではないというふうに指摘をされているわけですが、このいきいき産業基本条例の設定によって、地域産業や経済が活性化することを期待するわけでありますが、まず最初に、厳しい試練にさらされている本市として、日本全体の構造問題であるというふうにも指摘をされているわけですが、本市としては、これまでの本市の取り組み、現在の経済的な要因をどのようにとらえているのかということを、まず1点目にお伺いをいたします。
2点目には、基本条例の制定によって光り輝く産業都市八王子になることを期待するわけでありますけれども、条例提案の中にもありましたように、基本的な理念を示す、そして市の決意を内外に示すという、理念と決意の表明にあると思います。しかし、一方で、この基本条例が具体的な効果を生まなければなりません。具体的な効果を生むためには、市内にある企業や事業者、そして商業者、農業者の自主的な努力や力が主体となってまいります。社会的な要請や利益を求めて、事業者それ自身が切磋琢磨していくことが基本的であろうと思いますが、行政はこのことについてどのような具体策を講じていくのかということを、まずお伺いをしたいと思いますし、そのことによってどのような効果を期待しているのかということを総括的にお答えいただきたいと思います。
3点目に、基本条例は八王子市の産業の方向性の原則を示し、普遍的であるものでありますけれども、まず、商業の活性化の分野において、相矛盾する内容を持っていると私は思います。1つには、中心市街地対策特別委員会でも指摘をされましたが、中心市街地の活性化と、あるいは地域特性を生かした商業集積ということの矛盾する内容です。地域特性を生かした商業集積とは、具体的なプランでは、中央道八王子インター北地区周辺の商業拠点の整備となっています。このことが中心市街地の活性化とは共存しないという地元商店主からの声が届いておりますけれども、このことについてはどのような議論の経過があったのでしょうか。
そして、私は相矛盾する内容を商業の活性化の中に基本方針として持っていると思いますけれども、その点についての御見解をお示しいただきたいと思います。
4点目には、物流系産業の振興であります。物流系産業を新たに定義をされました。貨物運送業、倉庫業及びそれらの関連業種並びに卸売業等、物流を業務の主要な要素とする業種になっています。このことは、具体的には多摩ニュータウンや八王子ニュータウン地域への集積、あるいは八王子北インター周辺の立地検討という具体的なプランが示されています。この物流系産業の問題は、交通渋滞を引き起こすこと、あるいは環境問題、環境への負荷が大変大きいということで、今後の具体的な施策の推進として、主要な産業として基本条例に位置づけてよいのかどうかという疑問が私はありますけれども、主要な産業の一つに、この物流系産業を位置づけた意図と、今後の方向について、また環境への負荷が大きいというこの産業の持つ問題点についてはどのようにお考えでしょうか。御見解をお示しいただきたいと思います。
最後に、農業の育成についてであります。農業が産業として位置づけられ、環境に優しい農業の実現を明記されたことは、評価をいたします。しかし、年々減少する農業人口や生産緑地、あるいは生産緑地の追加指定を農業者自身が求める声がありますが、農業の育成や振興に対して、その具体策はどのように持っておられるのでしょうか。お伺いをしたいと思いますし、農業の育成に対する市の決意を表明していただきたいと思います。
次に、第24号議案、八王子市暴走族追放条例設定について、お伺いいたします。
ことしの1月29日、東京新聞では、暴走族追放条例提案へ、八王子市都内で初というふうな新聞報道がされました。この新聞報道をめぐっては、担当の所管から議会に知らせることなく新聞報道がされたことは、遺憾であったけれども、報道する意義があるというようなファクスが流れました。市が考えていることを積極的に広報することは誤りではないと思いますけれども、しかし、このような条例提案については、広く市民の意見を聞く、従前から私が提案しておりますようなパブリックコメントの制度を持って、広く市民に条例の案を提示し、意見を聞くという方法をとるべきだと思います。
新聞報道の内容を読む限り、条例素案を新聞社に提供したのではないかと思われますけれども、市が市民へどのような施策を考えているかということの積極的な広報はしてしかるべきだと思いますが、これは常に平等で、制度化されたやり方でなければならないと思います。この暴走族追放条例の制定経過について、どのような経過で制定がされたのか。そして、利害関係者の意見聴取はどのようにされたのか。また、新聞報道をめぐって、市民に広報するという行政の立場と、パブリックコメントについてはどのように考えられたのか。
あるいは、新聞報道では、八王子署と高尾署の両署長が、昨年4月には追放条例の制定を要請する文書を送っていたとありますが、この条例が制定される経緯となったのは、両警察署からの要請文によるのかどうか、お答えをいただきたいと思います。
次に、条例の目的は市民生活の安全や平穏の確保、そして少年の健全な育成であります。深夜、大きな爆音を出して暴走する、そういった行為は厳に慎まなければなりませんし、周辺の市民が大変な迷惑をこうむっていることは確かでありますし、このことを取り締まることは必要なことだと思います。しかし、これまで警察なり、現行の法律の中でどのような取り締まり強化がされてきたのか。そのことが限界があるということをもって、今回の条例が制定されているわけでありますけれども、そこでの慎重な検討が必要だと思います。
この条例の制定によってどのような効果を期待するのか。そして、暴走行為を助長する行為を罰金10万円以下をもって処するということは、このことによって効果が期待できるのかどうか、お伺いをしたいと思います。
3点目には、市民や保護者、そして市、それぞれ学校関係者や事業者には、暴走族を追放するための努力義務規定が明記されております。その中で、事業者の責務として第7条では、外観から暴走族と認められる者というふうな表現があります。詳しく読みますと、暴走族特有の刺しゅう若しくは印刷をした衣服、はちまき、旗等を着用しているなど、外観から暴走族と認められる者に対し燃料を販売することにより、暴走行為を助長することのないように努めるものとするというふうな表現がありまして、こうした外観から暴走族と認められる者に対して燃料を販売することのないよう努めるものとするという努力義務が課せられています。
暴走行為とは、道路交通法第68条違反の行為でありますけれども、ガソリンを購入に来た外観から暴走族と認められる者という表現は、私たち日本国民にはどのような洋服を着るかという表現の自由があるわけですが、暴走族と認められる者に対するというような、条例上にこの表現を規定することについて極めて疑問があるわけですが、このことについて慎重な検討がされたのかどうか。表現の自由との問題でどのような議論がされたのか、検討がされたのかということをお示しいただきたいと思います。
次に、第9条に示されています連絡協議会の構成と役割について、これはどのような構成になるのか、お示しいただきたいと思います。
条例が一番目的としている暴走行為のあおりの禁止、これが第10条。第14条では罰金10万円ということになっておりまして、この暴走行為のあおりは道路交通法では取り締まることのできない暴走行為だとなっておりますけれども、しかし、道路交通法上の暴走行為の幇助として、これは道路交通法上で共犯事件として立件できないのかどうか。本当に道路交通法上では暴走行為のあおりの禁止はできないのかどうか。その点は詳細に検討されたのかどうか、お伺いをしたいと思います。
岡山県警のホームページを見ますと、このあおり行為については道路交通法違反として取り締まりを強化することが明記されておりまして、岡山県条例にはあおり行為の禁止に対する罰則規定はありません。各条例案を検討されていると思いますが、本市がこのあおり行為に対して罰則規定を設けることの合理性については疑問があるわけですけれども、その点の議論を明らかにしていただきたいと思います。
次に、暴走行為のあおりをしている集団について、罰金を科するわけですけれども、その構成要件の認定はどのようにするのかということがあります。ギャラリーと呼ばれたり、期待族と呼ばれたりする集団は、多くは 100名近くにもなるというふうに聞いておりますけれども、これは現行犯として逮捕するのか。その中には、現場にいる人を広く逮捕することになれば、ただ通りかかった通行人、あるいは付和雷同型の参加者ということまでも広く取り締まりの対象になるという危険性もあるわけですけれども、この第10条と第14条に関しては、どのように運用していくのか。その運用の内容について詳細にお示しいただきたいと思います。
広島市の暴走族追放条例は、広島弁護士会が集会の禁止について広範で不明確な禁止条項になっていて、そうした違反行為に罰則を設けるのは問題であるというふうに声明を出しております。しかし、その広島市の追放条例の中でも、集会をしている、集合しているグループに対して、中止命令や退去命令を市長が出した後に罰則を科するというふうになっております。罰則が広範囲に及ぶ可能性が本条例にはあると思いますし、もう少し厳密な規定を加えるべきではないかとも思いますけれども、その点はどのように検討されたのでしょうか。
また、弁明や不服申し立ての機会はどのように保障されているのか、お示しいただきたいと思います。
私は12月議会で制定された生活の安全・安心に関する条例もそうでありますし、今回の暴走族追放条例もそうでありますけれども、市民への規制を強化するという市条例は極めて慎重でなければならないと思います。鹿児島県の暴走族追放条例では、適用上の注意として、条例の適用に当たっては、日本国憲法の保障する国民の自由と権利を不当に制限しないよう留意しなければならないという条文が、一条入っております。期待族やギャラリーと呼ばれるあおり行為をする集団の中に、より広範囲にこれが適用されるとすれば、一般市民があいまいな形で対象となっていく危険性もあるのではないかと思います。追放条例の第10条については極めて疑問があるところであります。
次に、第25号議案、八王子市捨て看板防止条例設定について、お伺いしたいと思います。
これは、屋外広告物法、東京都屋外広告物条例による規制を、この間、努力をされてきたわけですけれども、この法や条例との相違。そして、法や条例が有効性を発揮できないという問題について、市はどのように考えているのか、お伺いしたいと思います。
次に、捨て看板の定義の問題は、第1条に明記されております。この除外規定となるのが第13条で、都条例第5条第6号の除外規定となっておりますが、除外規定となるのはどのような広告物なのか、お示しいただきたいと思います。
同時に、捨て看板の防止や除去の対象となる広告物の内容とは具体的にどのようなものを指すのか、お示しいただきたいと思います。
そして、これは表現の自由とのかかわりに留意しなければならないと考えておりますけれども、その点についてはどのように検討されてきたのか、お示しください。
次に、協力員の問題についてお伺いいたします。
捨て看板を防止及び除去するための協力員を市長は設置をするというふうにあります。新聞報道によりますと、風俗や貸し金融業あるいは不動産業の広告物の内容が主たるものだという報道になっておりますけれども、協力員がこうした看板を撤去する、除去するという行為に危険はつきまとわないのかどうかということ。一方で、除去する広告物を認定するのはだれか。そして、除去するという、ある意味では行政が持つ権力、公権力の行使を一般の市民の協力員としてゆだねていくことは、公権力の乱用につながらないのかという疑念がありますけれども、その点についてはどのように検討され、協力員の設置に至ったのか、お示しいただきたいと思います。
次に、第8条、費用の請求の問題です。これは除去した広告物に対して、1件 1,000円の費用を徴収するということであります。表示をした者、あるいは命令違反した広告主に対して費用を徴収するということでありますけれども、徴収は可能なのかどうか。これにはいろんな困難があるということも報道されていますけれども、これについての検討、及び第12条では両罰規定、行為者とその広告主へ極めて厳しい両罰規定がかけられておりますけれども、このことによって条例の効果は期待できると、どのように考えているのかお示しいただいて、質問を終わります。
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