◎井上睦子委員                   
 それではまず、談合防止と入札・契約制度の改善について、お伺いをいたします。

 昨日、一昨日の質疑、あるいは代表質疑を通じて明らかになりましたことは、市はこの問題に対して告訴を準備している、そして損害賠償を求めるということであります。また、それ以前には3社を1年間の指名停止、19社を6ヵ月の指名停止といたしました。そして、市としては、今年度末までに防止策を明らかにするということが明らかになっただけでありまして、この質疑を通じて感じますのは、市としての談合防止に対する強い姿勢がなかなか見えてこないということです。その一例としては、19社の事業者の氏名公表についても、まだしておりません。こうした形で、市は談合を絶対に防止をする、今回の談合事件は絶対に許さないというような強い姿勢でどのように臨んでいるのかということを、再度明確にしていただきたいというふうに思います。そして、談合防止策がきちんとつくられ、あるいは入札や契約制度の改善に至った自治体では、市長のイニシアチブが先行して強かった、あるいは、入札談合事件による住民批判の高まりによって、その制度の改善が図られてきたという報告がございますが、この問題について、市長はみずからどのようなイニシアチブをとって、新たな談合防止策について指導権を発揮していらっしゃるのか、その点についてお伺いしたいと思います。


◎辻水道部長。                   
 今回の事件でございますけれども、やはり談合そのものは絶対に許されるべきものではございません。私どもの方も、現在、これらに対する対応策を策定しているところでございますけれども、今回の事件は私どもも大変シビアに感じてございますし、水道部の職員、連日、残業、あるいは休日出勤をして、今これらの対応策を立てているというところでございます。


◎畑中助役                   
 公表しないという部分で、私から御答弁申し上げます。公表しない理由は、3社を除く19社についてはマスコミでも公表されていないわけですね。そしてまた、検察庁の方も、これは起訴に当たらないということで、起訴しておりません。そういう中で、市が指名停止をしたからといって、これを公表することによって、先般も申し上げましたけれども、大きく民間の受注にも影響してまいります。そうしたときに、民間というのは、企業もそうですし、それから家庭でもそうだと思います。こういう公表されることによって受注が得られない。そうなりますと、経営上の大きな打撃を受けるだろうというふうに思っておりますので、現状では公表しておりません。これは東京都でもそうですし、それから26市の中でも公表しているのは6市しかありません。ただ東京都は、これからその点については検討するということでありますから、市も、そうしたことを見ながら、やはり公表についても考えていきたいというふうに思っております。ただ、今までこれは公表しておりませんでしたので、もし公表するときには、事前に市でこれから公表するようになるからということで告知をした後、そうした公表に踏み切りたいというふうに思っております。


◎井上睦子委員。                   
 氏名公表の問題に答弁がございましたので、そこで、その問題について申し上げますと、Aランクの事業者が今年度どの工事を落札したかということは、もう公表されているわけです。そこから推察をしていけば、19業者のすべてではないですけれども、幾つかの業者は、もう既に公表されているという結果になっているわけです。したがって、先ほどの答弁でもありましたように、6市がもう公表している。そして、これは当然に社会的な制裁を受けなければならない事件です。したがって、業者の氏名公表というのは早急な課題だというふうに思いますし、これを含めて、市長は、この問題に対して、どのような指導権といいますか、談合防止策について強い決意を持って臨んでいるのか、このことも含めて御答弁いただきたいと思います。


◎黒須市長                   
 私も就任以来、この事件が起きる以前から、談合の防止に適切な措置といいますか、制度の改革については、私は鋭意取り組んできたつもりであります。その時点で最も考えられるいい方法というような視点から考えてきたわけですけれども、今回、にもかかわらず、こういう事件が起きてしまったということは、私は本当に遺憾に思っております。今後、あらゆる角度から改善策を考えて、そして、現状可能な限りの談合が防止できるような、すなわち公平な、公正な入札ができるような制度を一日も早く確立をしたいと、こういう思いであります。


◎井上睦子委員                   
 業者の氏名公表については触れられませんでしたが、今後の検討課題ということが助役の方からありましたけれども、ぜひ早期に公表して、そして談合というのは決して許されるべき事件ではないわけですから、このことについて、企業が社会的な制裁を受けてもやむを得ない、それだけの重大な罪があるということを、行政として姿勢をきちんと明らかにすべきだというふうに思います。

 そして、市長は就任以来、公正公平な入札制度に努力をしてきたという意味で、予定価格の公表であるとか、最低価格の公表ということで、努力をされてきたことは認めます。そのことは、長い市長の議員経験、あるいは入札や公共事業に関しては極めて熟知をした立場におられるという立場からも、そのことを逆に言えば防止をする策として熟知もされているのではないかというふうに思います。そういった意味で、今回の問題を行政の汚点として残すのではなくて、契機として、より他市に誇る談合防止策をつくっていかなければならないというふうに思いますが、今、体制としては、水道部の中に公正入札調査委員会を設置して、水道部だけがこの改善策を提案するという形になっているのか、それとも全庁的な調査委員会をつくって、受託水道事業だけではなくて、すべての公共事業において、公共工事においての公正公平な入札制度をつくるという体制になっているのかどうか。現在、談合防止策をつくるための体制としては、全庁的なものになっているのかどうか、お伺いしたいと思います。


◎下田財務部長                   
 入札契約制度をどういうふうにしていくかということについては、前々から財務部を中心として、あと、いわゆる工事関係の所管を集めた中で、検討会を持っております。そういうところでの検討の中で、これまで、例えば現場説明会の廃止をしようとか、予定価格の公表をしようとか、そういう形で取り組んできているところでございまして、今回のことがあったからということではないんですが、さらにどういうふうにしていくかということでは、引き続き取り組んでいるところでございます。特に今回のことを通じまして、さらに早期にもっとよりよい方法を探っているところでございます。


◎井上睦子委員
 それでは、3月末までに出される水道部からの改善策というのは、受託水道事業に関しての改善策なのか、あるいはすべての公共工事における改善策なのか、そこを明らかにしてください。


◎下田財務部長                   
本年度末までに発表すると申し上げているのは、受託水道についてのことでございます。どうしてそれに限っているかということにつきましては、これまでも財務部と関連部課で検討してきているところなんですが、今までこれがいいということについては実施してきております。ことしの3月までに、さらにどういうものかということについては、はっきり申し上げて、市として全体的なことを発表できるような段階ではございませんので、3月までについては受託水道という形になります。そこで出されるものをもとに、我々の方としても、今、どんなふうにしていくかという原案的なものをつくって、全体の会議の中でさらにどうしていくかということを検討すると、そのような段取りにしておりますので、御理解をいただきたいと思います。


◎井上睦子委員                   
 それでは、全庁的な入札制度の改善策が出されるという時期は明らかになっているんでしょうか。昨日、一昨日の議論の中でも検討、検討ということで、極めてこの問題に対する危機感の欠如というものを私は答弁の中で感じたわけでありますけれども、いつまでに、どのように出していくのか、その期限は決めるべきだというふうに思いますが、どうでしょうか。


◎下田財務部長                   
きのうですか、申し上げたんですが、この問題は、いつまでに、こういうふうな形で持っていけるというようなものというのは、本当に難しいというふうに実感しております。我々は常に、他市での取り組みとか、そういう情報も得ている中で、果たしてそれでいいのかどうか、その辺も十分踏まえておりまして、こういうふうにすれば絶対よりいいものだというふうなところをいつまでにつくれるかというのは、本当に自信はございません。ですから、いつまでにということは、はっきりここでは申し上げられない状況です。


◎井上睦子委員                   
時期が自信がないのか、制度の改善策について自信がないのか、どちらですか。


◎下田財務部長                   
両方含んでおります。本当に、そんなに簡単なものではないというのが実感です。


◎井上睦子委員                   
簡単ではない、改善策を出せば、また業者の方は新たな談合対策というのをとるかもしれないということなのかもしれませんけれども、答弁としては、極めて弱気なような気がするんですね。絶対に許さないというような姿勢で、今、どのように、何をやっているかということをきちんと市民に対しては明らかにすべきだというふうに思います。2001年の4月から公共工事入札契約適正化法が実施をされております。それに対して、地方公共団体に、いわゆる発注者に求めるガイドラインが示されまして、このことについても、これは指針になるわけですから、点検をしながら、八王子市が行っている公共工事については、すべてきちんとできているというようなことがされているのでしょうか。どうでしょうか。


◎下田財務部長                   
国からそういう指針が出されていることは承知しております。そこの指針で示されていることがストレートに本市でそのまま即導入できるかということについては、個別に判断しなければならないということでございます。


◎井上睦子委員                   
では、指針が示されていることは承知をしているけれども、まだ具体的な検討に入っていないというふうに理解してよろしいですか。


◎下田財務部長                   
指針で示されていることについては、事務当局としては検討しております。指針で示されていることが、すべての自治体で実施しているかというと、そういうことではございません。それぞれの自治体ごとに抱えている問題がございますし、事務当局としては、私どもが打ち出していることは、決して他市にそんなおくれているようなものではないというふうに感じているところでございます。


◎井上睦子委員                   
おくれていないとしても、談合事件が発生をしたわけです。2月5日には庁内に家宅捜索が入ったわけですから、そのことをどういうふうに受けとめるかということです。ほかでやっていない、ほかとおくれていないからいいのだというのは、やっぱり甘いというふうに思うんですね。それに先駆けて、どのような防止策をつくっていくかという、極めて体制としても、姿勢としても、私は弱いというふうに思います。

 先ほど市長が、強い決意で臨むというふうにおっしゃいましたので、ぜひ市長みずからが、事務当局に任せるのではなくて、防止策について提案をされるという、強い指示をされるという立場におありになると思いますので、その点については、この間、1ヵ月以上過ぎたわけですが、どのような指示をなさっているんでしょうか。


◎黒須市長
危機感が欠如しているんじゃないかというような御指摘をいただきましたけど、それは決してありません。これは真剣に我々は考えております。ただ、真剣には考えておるんですけれども、これだという決め手がそう簡単に見つからないというのが実は実態でありまして、もしできるならば、国や東京都に先行してやってもらえれば、いい姿勢を示していただければ、私どもは本当にありがたいなというふうに思っておるんですけれども、今どこにもそういったものがないんですよ。ですから、こういうことを言ったら、ちょっと言いわけじみたというふうになるかもわからないけれども、例えば強盗殺人をやれば無期か死刑になるということになっていても、それでもやっぱりやる人はたくさんいるわけですよね。ですから、本当に……。(「開き直っているわけ」と呼ぶ者あり)いやいや、開き直っているわけじゃないです、私は。だから、例が適切じゃないかもわからないけど、思いというものは、ぜひ理解していただきたいと思うんです。私は、これ、今、各担当者に、一日も早く、そして現状考えられるだけの、市民に理解していただけるような新しい制度を、何としても一刻も早く考えてほしいということを強く指示いたしております。その思いというのは、ぜひ理解をしていただきたい。


◎井上睦子委員
例としては適切じゃないと思いますね。東京都や国が示せば自治体もできるということではなくて、自治体は、ある意味では予算の使い方なりなんなり、市長の裁量の中で、大変大きな裁量が発揮できるわけです。契約制度についても、そうだというふうに思います。逆に言えば、先進的な事例というのは、各自治体が提案をして、国が採用するというような、今は地方分権の時代でありますから、上がやるのを待ってやるということではなくて、八王子市独自でいい入札や契約の改善策をつくっていくという心構えが私は必要だというふうに思います。

 それで、ガイドラインの中にも示されている中で、1つは、談合が発生するというのは、価格重視の入札制度であるからだということが言われているわけですが、価格に加えて政策的な入札をしていくということに転換をするということが必要ではないかと思います。私は、昨年の3月議会で、一般質問でも政策入札、あるいは総合評価制度ということで提案をしてまいりました。価格以外の要素を重視する、こうした政策入札について、どのような検討をされてきていますでしょうか。


◎下田財務部長
御質問者のおっしゃる政策入札というのは、非常に意味が広いので、どこまでのことかというのはちょっと判断できないんですが、本市においても、価格だけの入札に限ってはおりません。と申しますのは、平成13年度から、例えば財務会計システムの構築、それから基本計画・基本構想の策定委託、そういう中では、相手方のノウハウとか施行体制も要素に入れまして、価格プラス業者のいわゆるノウハウ部分を総合的に評価した中で業者決定していますので、そういうのも政策入札という範囲には入るのかなと思っております。そういうことでは、既に取り組んでいることになります。


◎井上睦子委員
しかし、価格で落札が決まっていくわけですよ。一番低い価格を入れたところが。そうではなくて、適正な企業ということであるんでしたら、そういう例は幾つかあるんでしょうか。


◎下田財務部長
要素で、価格の要素もありますし、いわゆるどういう提案をしてくるか、そういうものを全部点数をつけまして、一番高い点のところを業者決定しているという形で、13年度から契約をしているところでございます。


◎井上睦子委員
それに加えて、私が提案をしました昨年の議会では、例えば環境の問題ですとか、男女平等の視点ですとか、あるいはその企業に働く労働者の労働条件の問題ですとか、企業が社会的な責任を持つ、そういった内容をぜひこの公共事業の中でもきちんと体現できる、そういった能力を企業が持つかどうかということを選択の観点にするといいますか、そういったことが必要なんではないかというふうに提案をしました。企業の持つ提案の中身だけではなくて、広く政策を実現していくために、企業の社会的な責任を求めるというような内容の政策を取り入れるということでありますけれども、それについてはどのように考えていらっしゃいますか。


◎下田財務部長
基本的に、業者登録というのは2年に1回ぐらいあるんですが、その際に、いわゆる労働条件とかそういうことは遵守するように、それから労働環境の確保も図るようにということでは、業者の方に徹底しているところでございます。ただ、委員がただいまおっしゃられたことの要素につきましては、自治体の経営というのは、あくまでも最小の経費で最大の効果を発揮するのが基本的なところでございますので、時代の変化とともに対応しなければならない点はあろうかと思いますが、今の段階で、例えば今取り上げられた項目すべてについて、市の方が契約に当たって取り入れていくという考えはございません。


◎井上睦子委員
しかし、やはり時代が要請する、そして良質な企業を育成していく、あるいはその企業の社会的な責任を通して地域の政策レベルを上げていくという意味では、不可欠な要素だというふうに思います。最小の経費で最大の効果を上げるということで、価格重視の入札制度に頼る限り、談合は防止できないのではないかというふうに思います。価格以外のところで、企業の社会的な責任なり、社会的な価値を実現していくという態度を今後は入札制度においても求めるべきだというふうに思いますが、それについてはどのように思いますか。


◎黒須市長
今のおっしゃられたことは、総論としては理解できないことはないんですけど、例えば具体的に男女共同参画にどの程度取り組んでいるかとか、環境についてどのような関心を持っているかという、そういうことを判断の基準にするというのは、例えば 3,000万や 5,000万と水道工事の業者に対して、そんなことは現実の問題として考えられますか。私はあえて言いたいですよ。


◎井上睦子委員
じゃあ、そういう企業がそういう社会的責任を果たさなくていいというふうにおっしゃっているんですか。


◎黒須市長
そんなことは言ってませんよ。社会的な責任を果たさなきゃいけないって、これはまず基本的なことですよ。そうでしょう。反社会的なことをするような業者を指名するわけにいかないじゃないですか。公共工事を任せるわけにいかないじゃないですか。ですけど、男女共同参画なんて、このことは大事なことですよ。しかし、そのことに、この八王子市内の言うならば小さな業者がどれだけ取り組んでいるかということが基準になりますか。


◎井上睦子委員
市長は、現状としては 3,000万、 5,000万の受注業者には無理だというふうにおっしゃっているんだと思うんですが、県や都レベルでは、一定規模以上の事業については、そういう視点を取り入れていくという動向があるわけです。では、一定規模以上の事業については、そのことを取り入れていくということは是とするわけですか。


◎黒須市長
その基本的な考え方というのは、総論では私は理解できますけどというふうに冒頭申し上げましたよね。国や東京都が施行するような何十億、何百億というような仕事を受注するような、言うならば上場会社とか、それに準ずるような会社であるならば、そういったことも私は大変大事なことだというふうに思います。このことが大事じゃないとは言っていないんですよ。しかし、現実の問題として、八王子市内の公共工事を受注するような会社にそこまで求めることができるのか、それが落札の判断基準にできるのかということを、私は疑問を持っているということです。


◎井上睦子委員
しかし、将来的には、そういうことを企業に対して求めていかなければならないし、逆に行政としても、そういう政策の実行をする役割があるというふうに思います。したがって、男女平等とか、あるいは環境の問題というのは、極めて高いレベルだというふうに、市長は言っていらっしゃるのかもわかりませんけれども、私たちの人間生活においては、当然、当たり前のことです。そのことを、極めて努力をして企業に対してそれを求めるというのは、行政としては当然の行為だというふうに思います。ただ段階がありまして、一定規模以上の事業についてはそういうことを課していく、あるいは小規模の工事についてはそういう努力を促していくという、段階的なやり方が大変必要だというふうに思っております。そして、まず環境の問題、あるいは下請労働者の労働条件を守っていくという、最低限の業者の役割というのはあると思いますけれども、そういう最低限やらなければいけない役割というのは、どんな小さな事業に対しても課すべきだというふうに思いますが、それはどうでしょうか。


◎黒須市長
下請業者をきちんと守っていくというようなことは、これは大きい会社でも、小さい会社でも、公共工事を受注するような会社は常識なんですよ。ですから、それができないような会社はやっぱり受注対象から外していくという、これは当然のことだと思います。だだ、環境問題とか、これは市行政として取り組んでいるわけですよ。そうでしょう。いわゆる環境元年というような位置づけをして、私は、他の自治体に絶対におくれをとっていないと思います。先駆的に取り組んでいると思いますよ。ですから、それは市全体がやっぱりそういう姿勢で取り組むべきことであって、それが入札の判断基準になるという、そこまではまだ行っていないですよ。


◎井上睦子委員
まあ、そこまでは行っていないという現状はあると思います。だけれども、将来は目指さなければいけないというふうには認識していらっしゃると私は理解をしたいと思います。

 したがって、入札の問題について、ぜひ政策入札という視点を取り入れていただきたい。そして、最低限、今、市長がおっしゃったのは、下請業者を泣かせない、公正な労働をやるということは、公共事業を受注する企業としては当たり前のことだということがありました。そのことは、当たり前なんですけれども、その当たり前のことが守られていないという実態がありますので、そのことをきちんと行政としては取り組んでいただきたいというふうに思いますが、その点については、どのような規制が今されているのでしょうか、そして、今後どのような対応をとっていくのか、お示しいただきたいと思います。


◎下田財務部長
冒頭申し上げたところでございますが、登録時とか、そういう機会あるごとに申し上げているところでございまして、今、市としてできる部分については十分やっているというふうに考えているところでございます。


◎井上睦子委員
十分やっているというふうに言えないと私は思いますが、また別の機会でこの問題については取り上げたいというふうに思っております。ぜひ、価格入札だけではない違う価値、政策入札という意味で、今後、防止策としては有効に働くというふうに思いますので、御検討をお願いしたいというふうに思いますし、水道部の方は3月いっぱいまでに極めて厳格なる入札制度をつくらなければいけないと思いますが、その基本的な方向と、あるいはこうした社会的な価値をこの入札制度に求めていくということについては、どのように考えていらっしゃいますか。


◎辻水道部長
現在、いずれにしましても、改善策につきましては、残る期間はわずかでございますけれども、抜本的な対策を立てていきたい、こんなふうに考えてございます。

 それからまた、今お話がございました、元請業者に対する下請、孫請の問題もございます。これらにつきましても、今後、元請業者にそういう報告を求めていきたいというふうな考え方も持ってございます。


◎井上睦子委員
それでは次に、住基ネットの問題について、お伺いをいたします。昨年の8月以降、稼働し始めたわけですが、多くの問題点が明らかになってまいりました。岩代町では住基ネットのデータが盗まれるという問題や、全国銀行協会の中では、本人確認情報として11けたの番号が求められるというようなことがございました。こうした問題は、民間利用への拡大の懸念や、あるいは自分自身のデータが安全かどうかというような不安を市民の中で広げていくわけでありますけれども、本市の安全対策というのはどのようになっているか、明らかにしていただきたいと思います。


◎池田市民部長
住基ネットの問題につきましては、当初から住民基本台帳法等でも、一定の守秘義務でありますとか、それから技術的にも、あるいは運用面でも、その安全策について、とってきているところでございますので、それらについて粛々と忠実に対応してきているというところでございます。


◎井上睦子委員
粛々と忠実に対応しているというだけで、安全対策が具体的にどのように講じられているかということが答弁としてはなかったように思いますが、例えば委託業者への安全対策というのはどのようになっていますでしょうか。


◎池田市民部長
私ども、ちょっと先ほど言葉が足りなかったかとも思いますけれども、セキュリティー組織要綱等も設けまして対応してきております。委託業者につきましても、職員と同じように守秘義務を守るとか、そういった点で指導を徹底しているところでございます。


◎井上睦子委員
例えば私の情報に、どの機関が接続して情報を求めたのかという、アクセス記録ですね、アクセスログというふうに言われていますが、これは私たち自身が見ることができるのでしょうか。


◎池田市民部長
アクセスログの現状についてでございますけれども、現在、都道府県サーバー、あるいは全国サーバーにつきましては、開示できるようなログの取り方ができていないというふうに聞いております。そこで、都道府県で組織されております住民基本台帳ネットワークシステム推進協議会は、都道府県サーバー、あるいは全国サーバーに検索結果を含むアクセスログが開示用データとして簡単に生成できる機能を、8月25日ですか、第2次稼働までに構築する予定というふうに聞いております。本市としましても、15年度の予算の中で住基のシステムにアクセスログを保存する仕組みをとりたいというふうに考えているところでございます。


◎井上睦子委員
ぜひ私たちは接続を中止してほしいという中止請求をしているわけですが、中止をしてもらえません。私の情報が、だれに見られたのか、どのように利用されたのかということを知りたいというふうに思いますので、そのことはきちんと早期に対応していただくようにお願いをしたいというふうに思います。  第2次稼働は、全国ネットにつながるわけです。一番懸念をされているのが、DVやストーカーに対して、今、八王子市でもそうですが、ストーカーやDVの被害者に対しては住民票を非開示とするというような対応がとられています。これが第2次稼働によって全国からどこでもとれることになると、成り済ましや、あるいは全国の自治体の操作する者がのぞき見をすることによって、その情報が流出しないのか、漏えいしないのかという危険が高まってまいりますけれども、その点についての対策はどのようになりますでしょうか。


◎池田市民部長
ストーカー対策のことだと思いますけれども、広域交付に当たりましては、住基カードや免許証などの提示によりまして成り済ましを防ぐほか、市としましても、被害者の方の個別事情に即しまして対応してまいりたいと考えております。

 それから、先ほど申し上げました、アクセスログの対応についても、これがストーカー行為などへの抑止効果にもなるだろうと、このように考えているところでございます。これによりまして、ストーカー対策も、今後も十分に意を用いていきたいと思っております。


◎井上睦子委員
別対応ということでしたが、申し出れば、その人の情報を接続するのをやめることができるというような対応なんでしょうか。


◎池田市民部長
こういうストーカーの問題につきましては、大変微妙な問題でございますので、具体的にこのような方法でということをちょっとお話しできないわけでございますけれども、事情に即して、ケース・バイ・ケースで対応していきたいと思っております。


◎井上睦子委員
ぜひ、漏えいの危険性がある、そして、そのことによって被害が甚大になるというケースについては、接続を中止するというような対応策をとっていただきたいというふうに思います。私は住基ネット自体に反対で、自分自身に11けたの番号をつけられること、そして自分が防衛できないところで情報が流失していくという危険性を感じています。情報保護審議会に対して中止請求をしておりまして、審議会に今諮問をされて、今後、審議会が審査をしていくということになると思いますが、逗子市の個人情報保護委員会は、市に対して、市は中止請求を申し出た人の住民票を削除し、申出人の住民票コードの通知を中止し、通知済みの住民票コードを抹消するよう努めるべきであるということと、市長に対して、住基ネットへの参加を継続するか、離脱するかについて、市民の意見及び逗子市個人情報保護運営審議会の意見を聞き、改めて方針を決めることを要望するという意見書を出しました。逗子市長は、この意見書について、重く受けとめて、広く市民の意見を聞き、その結果を保護審議会に報告をして、意見をいただくというふうになっています。志木市でも選択制の報告書が出されました。横浜市でも選択制になっています。やはり自分自身の情報は自分で守るというような、自己情報のコントロール権というのを認める方向で各審議会が答申を出し始めていますが、市長はぜひ、私が自分の情報を守りたいという自己情報のコントロール権を認めて、その申出人のあるところは切断をするという準備をしていいというふうに思いますが、そのことについてどのようにお考えでしょうか。


◎黒須市長
八王子市がなぜ自己情報のコントロール権を住基ネットで認めないかという質問でございますけれども、条例では、法律で規定された情報についてまで自己の個人情報をコントロールする権利を保障しているものではないわけであります。横浜市では選択制をとっていることを例に出されましたけれども、総務大臣と横浜市長の会談の内容は御承知だと思いますけれども、横浜市長から、横浜方式は全員参加に向けての段階的方式であるということが示された、これは私も伺っております。


◎井上睦子委員
市長自身が切断するか、接続するかという判断を持てるべきだというのが、横浜市もそうですし、志木も、それから逗子市もそういう判断です。自治体の裁量として、やはり自分の情報が危険であると。自分の情報は自分で守りたいという要求をする市民の情報は切断をするということが必要だというふうに意見を申し上げて、終わります。