◎【萩生田富司議長】 市民部長。
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住民基本台帳ネットワークの関連で、私の方から3点お答えを申し上げます。
8月25日の第二次稼動の中で、メリットということのお話でございましたけれども、1つには住民票の広域交付ができることになります。また、付記転出、転入にも簡素化がされるところでございます。また、カードの中で、写真つきのものを御希望の方は身分証明書としての利用もできるわけでございます。
これは第二次稼動に限ったことではございませんけれども、いろいろな行政手続の中で、住民票の写しの提出が必要なくなりますので、例えば全国的には年間で約 2,500万件以上の住民票の写しの提出が省略されるであろうとか、国民年金、厚生年金の現況届の提出が原則不要になる、これが 2,000万件にも達するというようなことも大きなメリットと言えると思っております。
デメリットの面でございますけれども、今回、私ども住民基本台帳カードの独自利用については取り上げておりません。そういう意味では当然でございますが、今度の住民基本台帳カードでさまざまな行政サービスが受けられるということができないわけでございます。ただ、これにつきましては、そのサービスのシステム構築に相当の経費がかかりますので、費用対効果から考えますと、直ちにデメリットと言っていいのかというふうにも思っております。
2点目に、住民基本台帳ネットワークのセキュリティー対策についてでございますけれども、これは従前から申し上げているところでございますが、例えば制度面では行政機関等個人情報保護法、あるいは住民基本台帳法による罰則規定、セキュリティーについての技術的基準などが出されておりますし、技術面では暗号化や操作者カード、通信手当てを通常インターネットで使用されているものとは別の物としておりますし、通常使用されているプロトコルについても、これを遮断する仕組みなどによる安全対策がとられております。運用面では、全国センターにおきまして24時間不正通信監視や、職員研修なども行われているところでございます。
また、今後実装されますアクセスログによる不正操作に対する抑止などもあると思います。本市といたしましても、本年度セキュリティー・ポリシーの策定や住民記録システムにアクセスログを残す仕組みを実装するほか、情報セキュリティー監査制度に則した外部監査を実施する予定でおります。
また、今後職員の個人情報に対する意識を高め、モラルの向上と正しい操作手順の徹底を図るための研修も実施する予定でおります。
最後に、住民基本台帳ネットワークの選択制の件でございますが、先ほど理事者からも御答弁があったところでございますけれども、法律では市長は住民基本台帳を作成しなければなりませんし、住民は届け出を正確に行うように努め、虚偽の届け出、その他住民基本台帳の正確性を阻害するよう行為はしてはならないとありまして、市長は通信回線を利用しまして、都へ本人確認情報を送信しなければならないことになっております。私どもとしても、市民の自己選択権は認められていないと考えております。
ただ、市民の一部に存在する不安を解消する努力を不断に続けていく責任が本市にもあると考えているところでございます。
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