◎【萩生田富司議長】第40番、井上睦子議員。                            
 それでは、教育委員の任命についてお伺いいたします。

  他の議員からも御質問がございましたけれども、まず、公募制の評価であります。今回初めて保護者枠の代表ということで公募制をとられたということについては評価をしたいと思います。教育委員は公選制から任命制に移行して、残念ながら、幅広い市民から教育委員を選出するというシステムが長い間閉ざされてまいりました。しかし、今回、公募制という形で幅広く市民からの応募を募り、選考したという過程において、制度としては評価したいというふうに思います。市長は予想以上の応募があったというふうに新聞報道でも出されておりますけれども、この公募制を実施したことについての評価と、私は、これは今後拡大していくべきではないかというふうに考えておりますけれども、その方向性についてどのようにお考えになっているのか、お伺いしたいと思います。

 次に、選考過程の公表の問題でありますけれども、議会で同意を得るのだから、説明会なり何なりはしないというようなことでありましたけれども、ここでの答弁が1つの選考過程を明らかにするという作業になっているというふうには思いますが、今、情報公開の時代でありますし、行政が高い透明性を求められている時代でもありますので、どういう経過の中で齋藤氏を任命するということに至ったかということは、きちんと明らかにすべきではないかというふうに思います。そのことが逆に選考過程への信頼性を高めることになるのではないかというふうに考えますけれども、再度、お考えをお示しいただきたいというふうに思います。

 論文の公開の問題でありますけれども、これは、他のこととは違うということで、非公開の方向でありました。現実に応募要項に論文については公表するというふうな規定がございませんので、全面的に公開するということは、個人情報の保護の観点から無理だろうというふうには思います。しかし、他の市が行っている公募委員の論文については部分公開、氏名を非公開として、論文のみについては全面公開している。これは、情報提供としているという実績がございます。それにならえば、今回の各教育委員の論文についても、氏名は非公表、しかし、論文の内容については公表するということがあっていいのではないかというふうに思います。私は、35名の応募された方の論文の情報公開請求をいたしましたけれども、残念ながら、全面非公開という結論が参りました。他の公募委員と情報公開の仕方が極めて異なっているわけであります。ぜひ部分公開でも行い、私たち市民が教育改革に対する公募された委員の皆さんのお考えを知るということは、とても大切なことだというふうに思いますけれども、その点についてきちんと対応すべきではないかというふうに思いますけれども、お伺いいたします。

 最後に、性別への配慮の問題であります。これは地方教育行政の組織及び運営に関する法律で、第4条4項で、年齢や性別、職業等に著しい偏りが生じないよう配慮するということが改正で入りました。今回の公募委員について、性への配慮ということではなく、5人の委員を選考するに当たって、市は、今まで40%であったものが、女性1人の任命ならば、20%になっていくという経過があるわけですから、全体の教育委員の任命に当たっては、性別への配慮もきちんとなされるべきであるというふうに思いますけれども、今後の任命に当たってのお考えをお示しいただきたいと思います。



◎【萩生田富司議長】 黒須市長。                   
 第40番、井上睦子議員の質問にお答えいたします。

 まず、公募制度に対する評価でございますけれども、35名という予想を超える応募者があったということ。これは改めて市民の教育に対する関心の高さのあらわれだろうというふうに思っております。公募制度については、市民の方々からも納得していただける方法だというふうに考えております。

 次に、論文の公開でございますけれども、国立市の例もお話しされました。国立市の場合には、論文の公開ということを前提に応募しておりますね。また、国立市は国立市の考え方、やり方があっていいと思うんです。私どもは、国立市がそうやったから、これをまねしなきゃいけないということは全く必要ない。私どもの判断でやるべきだろう。特に、先ほども他の議員の質問にもお答えしましたけれども、論文はあくまで選考要素の一部分でありますから。ですから、総合的な判断で選定させていただいた、こういうことでございますから、御理解いただきたいと思います。

 それから、男女比の配慮でございますけれども、私は、どういう方が教育委員としてふさわしいかということで、人物本位で選ぶべきだろうというふうに思います。これはたまたま選考過程の中で、女性の方が男性よりも、結果としてそうですけれども、低いのに、女性だからというので、げたをはかせて選ぶということは、かえってそういうことはよくないと思いますし、ですから、女性の枠で選んだという場合だったらば、私はそれでいいと思いますけれども、今回はそういうことじゃなくて、教育委員として保護者枠として初めて公募によって選んで、人物本位で最終的な選考をさせていただいたということ、これはぜひ御理解いただきたいと思います。



◎【萩生田富司議長】 第40番、井上睦子議員。
  教育委員の選考の問題について御答弁をいただきました。

 公募制は市民の評価も得て、納得できるものではなかったかということでありましたけれども、そうすれば、5人の教育委員が任命されているわけですけれども、他市では教育長などの公募もしているというような実績もございます。公募枠を1人から、これから徐々に拡大していくという方向性を確立すべきだというふうに私は思いますけれども、今回の制度について市民から納得が得られているという評価があるのであれば、市長も拡大に向けては前向きなのではないかというふうに思いますけれども、その点についてお考えをいただきたいというふうに思います。

 論文の公開の問題について、私は、国立の例は申し上げておりません。公開の原則を打ち立てて、今後の応募要項の中に論文は公開するということを明記して、今後は公募する場合はやるべきではないかという、そういう制度を確立すべきではないかという質問をいたしましたので、そこについても答弁をいただきたいというふうに思います。  今回、論文提出は市長が任命するための1つの選考の材料である。だから、市民には公表しないということであります。私は、齋藤氏の任命については、否定する材料を持ちませんので、同意いたします。しかし、より卓越した識見、そして、教育に対する並々ならぬ情熱があるとすれば、そのことをきちんと示していただくということが必要だと思います。さきの御質問の中で、御本人自身から、今後何らかのメッセージというものをいただくように市長からもお話をしていただけるということでありますけれども、議会が同意するに当たっても、また、市民が納得するに当たっても、そして、選考過程の信頼性を高めるためにも、制度として透明性を確保していく、論文の公開や選考過程を詳細に市民に対して明らかにしていくということは大変必要なことだというふうに思います。先ほども触れられておりましたけれども、選考委員8名のうち、多分、齋藤氏をよく御存じの選考委員たちもいらっしゃったのではないかというふうに思います。それはPTAの会長をしていらっしゃいましたし、同時に、行政側との接触や後輩との関係もおありになったでしょう。そういう中から選考されたということは考えませんけれども、そういった疑念を払拭するためにも、情報の公開というのは信頼性を高める方策だというふうに思いますけれども、それについて、今回の選考過程と制度についての透明性の確保の問題について、さらに充実していくべきだというふうに思いますので、その点についてお答えをいただきたいと思います。

 性別への配慮の問題ですが、私は、この公募委員1名という枠の中で、女性に配慮しなさいというような質問はいたしませんでした。そこは市長、誤解をしていらっしゃると思いますので、とらえ方を修正していただきたいというふうに思うんですけれども、結果として5人の委員の中に40%以上の女性の委員を確保しましょうというのが法律の求めるところでもあります。そういった努力を今後の選考に当たっては配慮していくのかどうかということであります。公募委員について女性を選べという質問の趣旨ではないということはしっかりと御認識をいただきたいと思います。


◎【萩生田富司議長】 黒須市長。                   
  まず、論文の公開についてでございますけど、先ほどもお答えいたしましたけれども、今後の問題については社会情勢を見ながら判断していきたいというふうに考えております。

 それから、教育長を公募している例もあるんだからという話でしたけれども、確かに国立市という固有名詞は使いませんでしたけれども、私の知るところでは国立市がやっておりますね。ですけれども、私どもは、市民が納得していただく方法で、別に他の市がこうやったからということで、それに準ずることはないんじゃなかろうか。あくまでも、市民の皆さんが納得していただける方法を選んでいきたい、こういうふうに考えています。

 市民公募を広げていくかどうかということでございますけれども、教育委員は御承知のとおり、5人しか枠がございません。ですから、今回、初の試みとして保護者からの選任枠として、これは先駆的な試みでございまして、公募いたしたわけでございます。現状、これからさらに市民公募を広げていくという考えはございません。



◎【萩生田富司議長】 第40番、井上睦子議員。                   
  選考過程を信頼性のあるものに、透明性を高めていくということについての必要性は認識していらっしゃるのかどうか、その点についてきちんとお答えをいただきたいというふうに思います。今のままではなかなか選考過程が明らかになっていないと。市民に対してもきちんとした説明がこれからもなされないということでありますので、私は、極めて不十分だというふうに思います。その点について明らかにしていただきたいと思います。

 それから、今後の論文の公開の問題については、社会の情勢の変化に対応するということでありますので、社会が公開を求めれば、それは公開していくという対応になるのかどうか。逆に、今、社会全体は公開に対応している社会状況だと私は認識しておりますので、この点についてはきちんとした対応をとっていただきたいというふうに思いますが、再度、御見解をお伺いいたします。



◎【萩生田富司議長】黒須市長。                   
  選考過程に信頼性、あるいは透明性がないんじゃなかろうかということでございますけど、私は決してそんなことはないというふうに思っております。十分に市民の皆さんの信頼もいただける、また、議会の皆さんの信頼もいただける、このように考えております。

 それから、公開についてですけど、これは社会情勢の動向を見ながらということでございまして、今、そういう社会環境じゃなかろうかということの御発言がございましたけど、ケース・バイ・ケースだと思うんですね。内容によってだろうというふうに思っております。