◎【萩生田富司議長】第40番、井上睦子議員。                            
  それでは、ただいま上程されました各議案について、ネット・社民を代表して質疑を行います。

 まず、第77号議案、八王子市一般会計補正予算および第88号議案、八王子市婦人センター条例を廃止する条例設定についてであります。

 男女共同参画センターの開設については、ただいま260平米のスペースしかないというような答弁がございました。この男女共同参画センターは、男女平等を推進する拠点として、長年待たれていたものでありますけれども、こういった、極めて限定をされたスペースの中での事業展開ということで、十分に事業が展開できるのかどうか、不安を持ったスタートとなると言わざるを得ません。

 現在、男女共同参画センターの内容について、市民の意見を募っています。この補正予算が決定されれば、改修も行うようになりますけれども、市民の意見と改修が同時進行するというスケジュールになっておりますけれども、市民の意見が適切に反映されるようになるのかどうか、その点についてお伺いをいたします。事業内容については、特に限られたスペースの中でありますけれども、相談体制の充実が求められます。どのような体制になるのかお答えください。

 婦人センターが閉館をいたしますので、婦人センターの職員が男女共同参画センターへ異動をし、職員体制としては、現状のまま、婦人センタープラス男女共同参画課の職員という体制で、事業が運営をされるのかどうか、お伺いをしたいと思います。なぜならば、男女共同参画課自体、現在、さまざまな庁内全体にわたる男女平等政策を担っております。それに加えて、センターの事業が加味されるとなれば、人員不足、現行の男女共同参画課の人員だけでは不十分だと思いますので、その点、どのような体制になるのかお聞かせいただきたいと思います。

 婦人センターの閉館については、先ほどの質問者と質問が重なります。答弁もございましたので省略をいたします。

 認証保育所開設準備経費の補助金についてでありますけれども、保育園に比べて、人員や施設の面での要件が緩和をされております。子どもの育ちにとって十分な体制であるのかどうかということが、認証保育園などの実情を見ても、大変な不安があります。市は補助金を出す立場として、保育のよりよい質の確保のために、どのような関与、指導ができる立場にあるのか、お答えをいただきたいと思います。そして、多様な保育ニーズにこたえ、かつ待機児の解消を目的とするとされておりますけれども、子ども自身への保育の質とサービスを充実するならば、やはり保育園での待機児解消を最優先とするべきだと思いますが、その待機児解消の計画について、今、どのような進行状況にあるのか、お聞かせいただきたいと思います。

 次に、八王子市保健医療基本計画に基づく、地域医療連携であります。小児準夜間救急診療、あるいは小児休日・全夜間の救急診療を保健センターおよび医療センター、東海大病院で実施するということは、歓迎をし、評価をしたいと思います。小児医療については、保健医療基本計画では、都立小児病院の存続を前提とした計画が策定をされています。8月7日に、少子・高齢化対策特別委員会で、都立小児病院を視察いたしました。そこで、委員と病院側との懇談の中では、院長を初め、府中への統合・移転を前提とした説明や議論が交わされました。都立小児病院の持つ機能は、東海大病院、医療センター、あるいは多摩南部地域病院に分散をして移行したいという議論があったわけでありますけれども、都との協議の状況、そして、都立小児病院の視察の経過からすれば、大変厳しい現実があるのかなというふうにも思ったわけですけれども、この協議を通じて、市長は存続への見通しや自信について、どのような見解なのか、その決意や考えをお伺いしたいと思います。

 次に、第89号議案、八王子市ひとり親家庭の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例設定について伺います。

 児童扶養手当法の改悪によって、養育費の支払いを受ける場合も所得と見なすということになり、ひとり親家庭への医療費助成の世帯数が減少してまいります。ひとり親家庭は多くが母子家庭であるというふうに思いますけれども、この児童扶養手当の改悪、あるいは、さらに医療費助成制度の改悪によって、より困難な母子世帯が増加をしてくるということが考えられます。助成世帯数は、この改悪によってどのように変化をする見通しなのか、お答えをいただきたいと思います。

 先ほど、養育費等の支払いを受けたかどうかということは申告制であるということになりましたけれども、ぜひ、これはプライバシーへの配慮をし、助成抑制のために、強引な調査などをしないように求めたいと思いますが、その点についての考え方をお示しください。

 第91号議案、八王子市地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例設定についてお伺いをいたします。

 多摩ニュータウン19住区、越野・堀之内地区の地区計画決定であります。これは都市計画決定の際、住民から、現在集合住宅として地区計画が予定されている地域を、第一種低層住居専用地域にするよう検討願いたいという意見が出されました。残念ながら、都市計画決定の中では、そのような意見は尊重されなかったわけでありますけれども、こうした説明会や、都市計画決定を通じて、住民から意見が出された背景には、多摩ニュータウンで相次ぐ高層マンションの紛争から、地域の良好な環境を守っていきたいという地域住民の切なる願いがあったと考えます。こうした、住民から出された意見というのは、どのように尊重され、反映をされてきたのかお伺いいたします。

 そして、覚書が市と都市整備公団事業本部長の間で交わされています。この覚書は、建築指針の策定に当たって、公団は社会ニーズや環境に対応した商品企画、建物高さ、密度および景観等設計条件等について八王子市と協議を行う等、3点において覚書を交わしています。住民の意向の反映や、良好な地区環境を形成するために、この覚書は有効に作用するのかどうか、この有効性についてお答えをいただきたいと思います。

 最後に、第93号議案、市立第七小学校校舎等改築給排水衛生等設備工事請負契約締結についてお伺いをいたします。これは7月22日に入札が行われる予定でありましたけれども、談合情報があったことによって入札を延期し、7月29日に入札が実施されたという案件であります。7月30日の読売新聞では、談合情報が寄せられていたため延期していたこの案件について、八王子市は29日、入札を行い、談合は認められないとして、落札した建設共同企業体と契約することを決めた。同市は情報が寄せられた後、入札参加予定の9つのJVに事情を聴取し、不正行為をしていないとの誓約を受けた。同市は、入札後、公正入札調査委員会を開き、入札の際に各JVから提出された工事費内訳書について、それぞれが独自に積算したとうかがえるなどと結論づけたとして、9つの企業体が入札に参加をしたわけでありますけれども、当初の入札者、9事業者、企業体、そのまま7月29日に入札を執行されたという経過であります。談合情報の内容、そして入札執行までの経過について、お示しをいただきたいと思います。

 私ども議員のところにも、こうした八王子市の水道業界、懲りずに談合という情報がありまして、本件工事の予定価格は、2億90万であるが、さかえ設備、フジ企画の建設共同体は、95%以上の高額な落札比率となるとのことであるというふうな、こうした情報が郵送で送られてまいりました。こうした談合情報は入札妨害となり得ることもあり、また、正しい情報であるということもあり、こうした情報について、どのように公正に対応されるのかということが、入札の信頼性を高めることになると思いますけれども、その点について、どのような注意を払ってきたのかお伺いをいたします。

 入札結果は、予定価格が2億90万に対し、落札は1億8,880万円で、93.98%、落札者は、酒井・フジ建設共同企業体でありまして、談合情報で寄せられた建設共同企業体とは、さかえというのと酒井というのが違うわけでありますし、95%以上の高額な落札比率ということが、93.98%と、94%、極めて微妙な落札結果だと私は思うのでありますけれども、この落札結果から見て、談合の疑いについて、どのように市は考えたのか、お示しをいただきたいと思います。

 さらに、談合情報が寄せられた場合に、入札参加者の総入れかえをするような制度というものは創設できないのでしょうか、お伺いをいたします。

 ことしの2月、水道部の談合事件に絡んで、その反省から、水道部は新たな解除条件付入札制度を導入いたしました。この成果は、落札率が93%であったものが、72%になってきているというような成果があらわれてきていると報道されております。この解除条件付入札制度は、入札参加者が落札をして、契約の締結権を得ても、談合が行われたと市側が判断した場合は、権利が取り消されて、入札が無効になるという制度でありますけれども、現在、水道部が試行している解除条件付一般競争入札を、市はどのように評価をし、こうした談合情報があった場合、または再入札が行われた場合、有効な方法として、私は取り入れてもいいんではないかというふうに思いますけれども、今後、これをどのように市全体に広げていくのかということについてお考えをお示しください。

 以上で質問を終わります。


◎【萩生田富司議長】 市民活動推進部長。                   
  男女共同参画センターに関連するご質問にお答えいたします。

 まず、市民の意見が適切に反映されるのかという御質問でございますが、この男女共同参画センターの開設に当たりましては、現在、広報などを通じまして、市民の方々の御意見をいただいている、募っているところでございます。また、開設後につきましては、市民の方々に、こちらのセンターの運営にも参加いただくことにより、いわゆる市民の方々と協働で、事業展開を図っていく考えでございます。また、相談体制の充実の中身はという御質問でございますが、今考えておりますのは、この8階フロアーを改造することによりまして、専用の相談室を設けます。そして、今は週に1回ずつ、婦人センターとクリエイトホールで行っている相談を、ボランティア参加による相談等を含めまして、4回ぐらいにしていきたいという考え方を持っております。

 また、そういうことによりまして、こちらの相談体制、女性の社会生活に関する各種相談に対応していきたいと考えております。その相談内容によりましては、単に受けることだけではなく、関係機関との連携を密にした体制としていきたいと思います。また、人員体制でございますが、これは、確かに婦人センターからの事業の一部をこちらのほうに継承いたしますので、事業に見合った人員の配置を整えていきたいと考えております。



◎【萩生田富司議長】 こども家庭部長。
  認証保育所についてお答えをいたします。認証保育所につきましては、東京都と合同で指導・検査を行うほか、必要に応じて、市独自で立ち入り調査等を実施し、指導をしていく考えでおります。

 それから、待機児解消の進捗状況ということで御質問がありましたけれども、この間、精力的に保育園の増改築、あるいは定員の弾力化による入所増を図ってまいりましたけれども、現実として、なかなか待機児の解消に至っていないということは認識をしております。今後、認可保育所、認可外保育所も含め、保育ニーズを十分検証した中で、検討したいと考えておりますが、待機児解消については、施設をつくるだけで解消できるというふうには思っておりません。ですから、待機児解消についてあらゆる方法を研究したいと考えております。

 ひとり親家庭の医療費の助成につきましては、現実的には所得に算入した場合の予測というのが非常に困難でありますので、現状の中でどう変化するのかということはわかりません。それからプライバシーへ配慮するということは、これは当然のことだと考えております。


◎【萩生田富司議長】健康福祉部長。                  
 私のほうからは、地域医療連携についてお答え申し上げます。都立八王子小児病院についての、本市と東京都の協議でございますが、現在までに4回の開催を見ております。前回、7月におきましては、外来につきまして現状の分析をしたところでございまして、今後は二次医療、三次医療について協議をしてまいるというふうに思っておるところでございます。



◎【萩生田富司議長】 まちづくり計画部長。                   
  私のほうから、第91号議案、越野・堀之内地区の地区計画に関連してお答えいたします。まず、地域住民の意見に対してどう対応したのかということでございますけれども、御案内のとおり、ニュータウンの近鉄のマンション紛争以降でありますが、平成14年4月1日付けで、本八王子市長と都市公団多摩ニュータウンの間で、多摩ニュータウンにおける事業用地の民間住宅事業者向け分譲にかかわる事前調整等に関する確認書というものを取り交わしております。それによりまして、それ以降、数件のマンション建設がニュータウンの中で発生しておりますが、大きなトラブルは起きていないということを承知しておるところであります。しかしながら今回、また、19住区周辺の地域の住民の方々から周辺環境への配慮についての意見書をいただいたということから、さらに、それに足して、この覚書を交わしたところでございます。覚書の内容でございますけれども、先ほど質問者もおっしゃられておりましたが、この用地を都市公団が処分にするに当たりましては、新住宅市街地開発法に基づきまして、土地利用計画書、つまり建設指針を作成し、これを国土交通大臣に申請し、認可を得るわけでありますが、その指針作成に当たりまして、1点目といたしましては、事前に八王子市と協議を行うこととなっております。

 それから2点目でございますけれども、この土地処分をするに当たりまして、民間事業者への公募要件として、建設条件等募集概要について、事前に近隣住民に説明を行うということになっております。

 それから3点目といたしまして、市及び公団は、この指針に基づいて決まりました民間事業者に対して、必要な指導を行うということになっておりまして、この覚書の効力は大変重いものと判断しておるところであります。また、締結した覚書につきましては、地元の皆さんに報告を申し上げ、御理解を得ているところでございます。



◎【萩生田富司議長】財務部長。                   
  93号議案の御質問に対してお答えいたします。

 まず、今回の談合情報の内容と経過ということでございますけれども、御質問者がおっしゃられたとおりの中身、内容ということでございます。7月18日に談合情報が寄せられまして、即日、公正入札調査委員会を開催。7月22日に予定されておりました入札を延期いたしまして、事情聴取、それから事情聴取に対する回答書の提出等を求めまして、公正入札調査委員会での最終的な決断をいたしまして、7月29日、入札をしたという経過でございます。

 それから、談合の事実があったと認められないという、その根拠ということでございますけれども、事情聴取をした結果、それと積算につきましても、工事費内訳書について点検をした結果、これらを総合的に判断いたしまして、談合の事実があったとは認められないと決断をしたところでございます。

 次に、こういう情報が寄せられた場合に、入札参加者の総入れかえをするような制度を導入できないかという御質問でございますが、談合の事実があったと認められた場合につきましては、総入れかえをすることは当然でございますが、談合情報があったというだけで実施することは難しいと考えております。そのための調査委員会も設定しているところでございます。

 最後に、解除条件付一般競争入札、現在、水道部の方で試行してございますが、これをどのように評価し、取り入れていく考えはあるかという御質問ですが、現在、試行中でございますので、その結果について十分検証した上で、考え方については結論を出したいと考えております。


◎【萩生田富司議長】黒須市長。                   
  40番、井上睦子議員の質問にお答えをいたします。

 都立八王子小児病院の移転問題につきましては、都議会、市議会でさまざまな角度からの議論がなされておるわけでございまして、それを受けて、都と市の行政レベルでテーブルに着き、八王子小児病院の地域における役割について、現在分析をしておるところでございます。まだ、結論に至っておりません。今後、都側の、今回の小児病院移転の判断が妥当なものであったかどうか明らかになると考えております。したがいまして、都が何と言おうと、都立八王子小児病院の移転に対する市の考え方は、当初と全く変わっておりません。