◎【萩生田富司議長】第40番、井上睦子議員。                            
  2004年度八王子市一般会計及び各特別会計予算並びに関連する議案について、生活者ネット・社民を代表して質疑いたします。

 まず、行財政運営についてお伺いをいたします。
 地方分権と三位一体改革について伺います。

 日本の地方分権をめぐる問題の核心は、3割自治と言われてきた国の補助金等による地方自治体への関与、コントロールであり、歳入の自治が決定的に欠けてきたことであります。日本の中央政府と地方政府間における税財源の特徴は極めて中央集権的であることです。日本の地方分権は税源移譲によって税財政の自己決定が備わって初めて地方分権が成立すると言わなくてはなりません。国は今回、所得税から個人住民税への本格的な税源移譲の先延ばしを行い、暫定措置として所得譲与税を措置し、義務教育国庫負担金の退職手当や児童手当については税源移譲予定交付金を措置し、国庫補助の縮減、削減額は1兆円としています。全国知事会は大きな新たな予算編成で44団体、2兆6,000億円の財源不足が発生するとして、三位一体改革とは名ばかりで、三位ばらばら改革だと梶原会長が批判したことは御存じのとおりです。

 東京都の税制調査会の答申は、最近における地方の財源不足は恒久的な減税や景気後退で税収が落ち込む中、内需拡大と中途半端な景気対策に地方財政を動員したことが主たる原因であり、地方が自立するための十分な税源を配分することは全国一律の基準によらず、地方自治体の自助努力と創意工夫で真に必要な事業実施に努めることにつながり、結果として国の財政にも大きく寄与するとして、地方への税源移譲を強く求めています。

 市長は三位一体改革についての評価を予算の提案説明ではされませんでした。影響についても現時点では全貌が明らかでないとして予算への反映は見合わせています。総務企画委員会ではこの改革の影響額は8億円と答弁があったように記憶をしておりますが、三位一体改革の評価とその影響額についてはどの程度になるのかお答えをいただきたいと思います。

 次に、指定管理者制度の導入と課題について伺います。

 地方自治法第244条の2の改正によって、公の施設の管理について地方自治体の出資法人等に限定をして委託することが可能だったこれまでの管理委託制度を廃止し、地方自治体が指定する指定管理者制度が導入されました。今議会でも、学童保育所について、八王子社協が指定管理者として指定する議案が上程されています。この制度は、公の施設の管理主体の範囲を民間事業者等まで広げることにより、住民サービスの向上や行政コストの削減などが図られるとされています。この制度は非営利のNPOや市民事業が新しい公共サービスを担うという可能性があるものと評価をされますが、しかし他方、コスト削減だけがひとり歩きをし、地域再生の名のもとに民間開放が進められることは歓迎できません。こうしたことには厳しいチェックが必要です。

 既に管理委託が行われている公の施設については、指定管理者制度に移行するか、直営とするかについては3年の間に判断をし、条例を改正することになっています。指定管理者は地方自治法上の契約に該当しないため、入札の対象にはなりません。指定管理者の指定手続によっては、特定企業の独占的な指定や行政や議会、業者の新たな癒着になるという懸念も指摘されています。

 市では個別条例で対応していますが、公正な選考を担保するためにも募集や選定方法、協定の締結、指定の取り消し、個人情報の取り扱いなどを定めた指定の手続について、全施設に共通する条例の制定が必要と考えますが、見解を求めます。

 また、指定管理者制度の問題として管理者の権限、例えば施設の使用許可などでありますけれども、この権限を強め、自治体の直接の関与、市民の監視を遠ざけること、また委託している法人から民間業者へ指定管理者が指定された場合などには雇用問題が起きること。例えば今回の学童保育所の指定管理者制度は従来どおり社協となりましたけれども、これが他の民間業者への指定になったときには即雇用問題が発生するわけです。また、委託した管理者が破綻した場合、行政や市民の負担はどのように発生するのか。さらには監査は指定管理者にまで及ぶのかなどが挙げられます。市は、昨年の第4回定例会で指定管理者制度のメリット、デメリットは検討中との答弁でした。この制度の問題点については先ほど4点ほど申し上げましたけれども、どのように認識をしているのかお答えください。

 次に、入札制度改革について伺います。

 昨年の水道事業者の談合事件を契機に、水道部では解除条件つき入札制度の導入など、入札制度の改革に取り組んできております。平均落札率が75%にまで下がったことが報告されています。4月1日からは対象が拡大されます。立川市の談合汚職事件に見られるように、入札談合事件は後を絶ちません。公共サービスの民間委託、外部委託が進行する中では、入札談合をなくし、公正な入札制度の確立が急務です。現在の入札制度は価格のみで決定されていることが談合を生んでいます。談合を防止するため、自治体が環境や福祉、人権などといった実現したい社会的価値を落札の要素に加える政策入札とも言える総合評価入札の導入を以前より私たちは提案してまいりました。

 総合評価入札とは、価格と価格以外の幾つかの要素を総合的に評価し、発注者にとって最も有利なものを落札者とする入札方式です。環境への配慮を行っているか、障害者の雇用に積極的に取り組んでいるか、男女平等に努力をしているか、公正な労働基準を守っているかなどの点について、選定業者の基準に組み入れることによって配慮をし、努力している業者には有利になり、そして優良な企業の育成にもつながっていきます。社会に対してはこうした価値の追求を促進するということにもつながってまいります。また、価格だけでは判断されないので、談合は無意味となり、談合防止の効果が期待されます。

 東京都でも、神奈川県でもこうした総合評価入札が取り入れられています。また、福岡県福間町では、町との契約を希望し、業者登録する事業者に対して男女共同参画の推進状況の届け出を義務づけています。政策入札に対する評価と、導入可能な事業からの施行についての御見解を示してください。

 また、指定管理者制度の導入や行政改革によって、公共サービスの外部委託が残念ながら進んでいます。公共事業で雇用される労働者の賃金や、労働条件の劣悪化がしばしば問題となっております。公正な労働基準の遵守や、労働者に劣悪な労働条件を強いる受託者の低額な再委託の禁止等を義務づける公契約条例の制定は、公共サービスの質を確保し、労働者の生活を安定させるために必要ですが、制定の考えについてお伺いをいたします。

 次に、産業振興と都市計画について伺います。

 総合交通体系の構築の目的は、かつての車中心の交通計画を見直し、人と車がともに快適、安全に移動できる交通環境実現のためとされております。具体的な方策としては、公共交通への転換や自転車利用の促進、通行車両の分散化が挙げられ、パーク・アンド・バスライドの試行が9月より始まります。現在の財政状況からは大規模な道路整備に予算を回すことは困難で、公共交通の充実に力が注がれるべきです。これは、道路を整備することを目標としてきた8の字構想、以前の交通整備計画を否定するものであり、車中心社会から公共交通への転換は環境負荷を軽減することにつながり、評価をするものです。しかし、産業振興を目的として、元川口リサーチパーク予定地に計画をされている物流基地トラックターミナルは、新たに策定される総合交通体系とは相入れないものではないでしょうか。開発規模80ヘクタールにも及ぶ施設は車輸送、車社会を前提にしています。開発にかかる基盤整備のための道路建設などの投資は、財政を圧迫し、新たな自動車輸送を呼び込み、環境への負荷が増大するのは不可欠です。また、オオタカの生息にも多大な影響を与えます。物流業界でも、高速道路の時速規制などによって、鉄道輸送へのシフトが起きています。交通体系の構築と産業振興では、政策的に考え方が分裂をしているように思えます。車社会に頼る産業政策であるトラックターミナルの開発はすべきではありませんが、計画の撤回をすべきだと考えますが、お考えをお聞かせください。

 八王子駅南口の再開発について伺います。

 一昨年、湘南の海の見える60階建ての超高層マンション計画が新聞報道されて以来、当該地区である地元関係町会を初め市民に対して、再開発事業準備組合からも、市からも、その後の経過や現在の状況についての詳細な情報提供はされておりません。再開発が可能なのか正確な情報を市民は求めています。昨年の予算書では、10月の都市計画変更、今年度中の組合設立という予定でありましたが、なぜ現在その計画どおりに進んでいないのか、そのおくれている理由を明らかにしてください。

 新年度予算では自由通路などの基本設計委託料が計上され、4月基本設計、9月都市計画変更告示、来年3月事業認可公告、組合設立のスケジュールとなっています。予定どおり進めるとすれば、今日の段階で計画の概要が定まってなければなりませんが、どのような状況なのでしょうか。計画が定まっているとすれば、それを明らかにしていただきたいと思います。

 市民会館の建設費及び保留床の取得などについては、どのように準備組合と協議をしているのでしょうか。保留床の取得となれば負担額が大きく、市財政圧迫の要因となると考えられますが、市の財政負担額は明らかになっているのか伺います。

 南口再開発については期待がある半面、高層マンション建設による環境への影響、道路や駐車場問題など、直接の影響を受ける近隣の市民には不安があります。迅速な情報公開と市民参加、市民意見の反映は不可欠ですが、このことについてどのように保障されていくのかお答えください。

 次に、福祉行政について伺います。

 障害者、高齢者が自立できるまちについてでありますけれども、精神障害者に関することも一番身近な市町村の仕事になり、新年度からはホームヘルプサービスが始まることは、精神障害者が地域で暮らしていくことを可能にすることとして評価をいたします。

 国は、今年度から10年で精神障害者の社会的入院を解消する目標を掲げ、東京都では将来、5,000人が地域生活を送る予定です。都内の精神障害者の社会復帰に必要なサービスの充足率は、都の検討会が2000年度に実施した試算では、通所授産施設や共同作業所などの活動の場で67%、福祉ホームやグループホームなど生活の場で11%でしかありません。

 本市でも精神障害者に提供できるサービス量は絶対的に不足をしており、社会的に無支援の人々は潜在的にもかなり多いというふうに言われています。障害を持つ人々が退院後も安心した地域での生活を送るために、医療と福祉の連携はもとより、活動の場や生活の場の充実、施策の充実について行政の早急な対応が求められますが、今後の充実策についてお答えください。

 また、地域サポート体制として相談窓口の充実も必要です。市の窓口として2000年に開設した地域生活支援センター「あくせす」が日常生活の支援や相談を行っています。精神障害者を深く理解し、経験豊かな相談員の配置が当事者の支えにもなっています。さらに、相談員の資質を高めていくための取り組みや、当事者を支えてきた家族の経験や力を相談業務に生かせないかお伺いをいたします。

 また、精神障害者など障害者の雇用は自立した生活を送るために大切なことですが、不況下での仕事の確保は健常者以上に困難です。今年度も就労支援の拡充予算が盛り込まれていますが、1999年に厚生省障害保健福祉部長名で自治体あてに、授産施設等の製品等の利用促進についてという文書が出されています。これは授産施設が経済不況によって運営が不安定になっていることを指摘し、授産施設の製品の優先的発注や各種の役務提供など、積極的な活用を求めています。役務の例としては、各種印刷物の印刷、公園や建物の清掃、資源ごみの回収、データ入力、クリーニング、郵便物の封入発送作業などが挙げられています。現在も公共施設の喫茶室の運営など、障害者の働く場として市も取り組んでおりますけれども、先ほど挙げましたこうした分野での障害者が働けるよう制度を整えることを提案いたしますが、お考えをお示しください。

 介護の社会化を理念とした介護保険が導入されて4年が経過しました。利用者数やサービスの需給量は増大しています。国は5年後の見直しに向けて、利用者の絞り込みや保険料の負担対象の拡大などを検討しているようですが、市として介護保険の見直しに向けての課題をどのようにとらえているのか伺います。

 介護保険の仕組みは、利用者、サービスの増加によって介護保険料の値上げと連動し、このままでは高齢者にとって保険料負担が重くのしかかってきます。国や地方の負担、すなわち税の負担割合を大きくすることによって保険料負担を軽減することが考えられなければなりませんが、市の見解と国に対する働きかけについてお伺いをいたします。

 また、高齢者への虐待は介護保険制度の見直しの課題の1つとも言われています。児童虐待や家庭内におけるパートナーからの暴力防止については法律がありますが、高齢者の虐待については法律がなく、対策がおくれています。高齢者の尊厳を守っていくために虐待防止のガイドラインの作成など、私ども会派からも提案をしてまいりましたが、虐待の防止、発見、介入、解決にどのように取り組んできたのか、また今後どのように取り組むのかお答えをください。

 次に、子育て、子育ち支援について伺います。

 次世代育成支援対策推進法に基づく子ども育成計画の策定に向けた準備が進んでいますが、育成計画には子ども自身の意見が反映されなければなりません。推進法は18歳までの子どもを対象としています。子育てと同時に、子ども自身が主体的に育っていくことを援助できるものでなくてはならないと考えます。計画には子どもへのアンケートの実施などによって、子ども自身の意見反映を保障することと同時に、子どもの権利の視点が生かせなければなりません。子どもの権利については、ことし1月開催された国連子どもの権利委員会で、自治体の前向きな取り組みとして評価をされたのが、川西市、川崎市、埼玉県で、子どもオンブズパーソン的機関が設置されたことです。他の自治体にも広げることなどが促されました。計画への子ども自身の意見反映、意見表明権の保障や子どもの権利の視点を生かすということについてどのように取り組むのかお伺いをいたします。そして、子どもにかかわる所管である教育行政との連携はどのようになるのか答弁を求めます。  次に、特別支援教育について質問をいたします。

 昨年12月に東京都心身障害者教育改善検討会は、これからの東京都の特別支援教育のあり方についての最終報告をまとめ、本市でも新年度よりこの特別支援教育の意向について取り組むということが明らかになっています。各学校に校内委員会を設置し、そしてコーディネーターの養成研修などしていくことになるというふうに考えられますが、これによって今までの特殊教育が大きく変わってくることになります。私どもはインクルージョン、統合教育として特別支援教育が発展するノーマライゼーションの考え方として取り入れられて発展するということを強く要望してまいりました。都の最終報告では特別な支援を必要とする児童、生徒数は、LD、ADHD、高機能自閉症まで広げると、6%程度の割合で通常の学級に存在している可能性があるとも指摘をされています。

 新年度からこうした気になる子どもたちをどのように学校では扱い、そしてこの子どもたちをだれがどのように判定し、また保護者がそのことについて同意をする、あるいはこれからの特別支援教育のプランに保護者の選択権は保障されるのか、まずお伺いをいたします。

 私は、専門的な知識を持たない教員がLDやADHDなどの子どもたちを判定する、取り出していくということは誤りだというふうに思います。これは保護者の同意のもとに極めて専門的な知識を持った専門家によって行われるべきだと考えますが、この点についてはどのようにお考えでしょうか。

 そして、保護者や関係者が最も懸念しているのは予算措置についてであります。新年度はまだ特殊教育の状況なので、特別支援教育についての予算措置はきちんとなされておりません。この財源の確保についてはどのような見通しなのか、そして人的な保障、あるいは施設のバリアフリー化に向けての十分な財源が確保できるのか伺います。

 さらに、懸念されるのは、気になる子どもたちを取り出して特別支援教室にて教育を受けるということが選別教育への危険をもたらさないかということであります。学校教育の中では今習熟度別の学習が教育改革アクションプランの中でも提起され、現実にはそれが実行されている学校もありますが、気になる子どもたちというのは学習における障害を持っているとすると、他の多くの子どもたちと学ぶことにとってその子どもたちの学びを阻害する要因となるという見方によって、取り出して、特別支援教室に送られていく危険性を危惧するわけであります。こうした子ども自身が競争の中で、そして選別教育の対象となって、教育から取り残されるということのないよう強く求めたいというふうに思いますが、そういった危険性については教育委員会はどのように考えているのかお伺いをいたします。

 次に、管理と競争の教育への危険性について伺います。

 学力定着度調査と、さらには市費による指導主事の導入が市の言う教育改革の内容であります。ことし1月、先ほどもお話をいたしましたように、日本で子どもの権利条約がどのように実施されているのかについての国際的な検証をした国連子どもの権利委員会の日本に対する第2回総括所見では、日本政府に27の勧告が行われました。第1回報告書でも懸念事項に挙げられた学校制度の過度に競争的で、そして競争的な性質及びいじめを含む学校での暴力に関する勧告は十分にフォローアップされていないと指摘をしています。今回の報告においても、教育制度の過度に競争的な性質によって子どもの身体的及び精神的健康に悪影響が生じ、かつ子どもが最大限可能なまでに発達することが阻害されているという指摘が繰り返されています。

 また同時に、子どもの意見の尊重については、子どもの意見の尊重を向上させようとする努力には留意をしながらも、子どもに対する社会の伝統的な態度によって、家庭や学校、その他施設及び社会一般における子どもの意見の尊重が制限されていることを懸念しています。

 市長の予算の提案説明書の中にも、子どもたちが社会的な規範が薄れてきているという大人の目から見た子ども観が披露されておりますけれども、やはり子ども自身、そのひとりひとりの個性や能力というものはさまざまであって、どのタイプの子どもも大切に育てられなければならない存在だと考えます。ひとりひとりを個別に見て、それぞれの成長を助けるのが公教育の役割だというふうに思います。競争原理の導入を推進するような学力定着度調査とその結果の学校ごとの公表は、こうした理念に逆行するのではないかというふうに考えます。そして、市費による指導主事の導入は学校の管理強化につながり、子どもたちにとって学校をますます息苦しい場所にするのではないかという危惧があります。管理強化と競争原理の導入は決して子どもたちを幸福にしないと考えますが、教育長はどのようにお考えか見解を伺います。

 さらに問題なのは、人事異動の問題です。人事異動については、校長の経営方針に基づいた人事構想によって教職員の異動人事が行われるようになりました。異動や人事に対しての校長の権限が拡大することになりました。学校現場ではこんなことが起こっています。子どもにとってどんなによい先生でも校長の経営方針に反する先生は異動してもらうとして、退職まであと1年を残して異動を命じられる教師、また退職を余儀なくされた教師もいます。校長の方針と異なるから、子どもにとってよい先生でも異動させられる教師、この存在は教師自身の自尊心を傷つけていますし、同時に学校現場が子どもたち自身にとってよい状況ではないということを明らかにしています。こうした人事異動で子どもたちの教育はよくなり、子どもたち自身は幸せになるのでありましょうか。

 都教委の進める管理強化、市教委の進める教育改革という管理と競争を強めるだけで、子どもひとりひとりの成長に寄り添わないこうした教育は誤りだと考えますが、教育長はどのような考え方でこうした管理強化、そして競争強化の学校教育を進めているのか明らかにしていただきたいというふうに思います。

 さらに、日の丸・君が代にかかわる問題です。

 卒業式や入学式がこれから行われます。私は12月議会でも質問をいたしましたように、これは内心の自由にかかわる問題であるので、決して保護者や子ども、さらには教師に対して強制をしてはならないということを強く訴えてまいりました。これから卒業式や入学式が行われますが、その目的は子どもたち自身の成長を喜び合うことになります。強権的に処分をちらつかせて、こうした日の丸や君が代の強制をすることのないよう強く求めたいというふうに思いますし、市内の弁護士からも意見書が出されております。そして、都教委に対しては保護者からもそういった要請が出されているという状況でありますので、ぜひとも教育長はすべての人々の内心の自由を守るということをはっきりと表明していただきたいと考えます。

 さらに、教育予算について伺います。

 教育予算の長年の減少・削減は学校教育現場にひずみをもたらしています。学校予算の増額を求めたいというふうに思いますが、御見解を伺います。

 最後に、教育長のこの間の教育行政への取り組みとその責任について伺います。

 みなみ野中央小学校の補正予算の撤回、あるいは本予算での凍結など、この間、地元との協議、あるいはさまざまなデータを処理し、どのような政策判断をするのかといった意味で誤りがあったというふうに思います。上長房分校の休校については、各町会長から存続の要望が出されておりますし、みなみ野中央小学校の建設中止については、建設を求める要望書が各町会長から出されております。これは地域意見の聴取や合意が抜けていたというあかしでありますけれども、教育委員会が政策判断において慎重な判断をしてこなかったということが明らかであります。教育長は事務方の長として、こうした一連の問題についてどのような責任を感じているのかお伺いをしたいというふうに思います。

 さまざまな委員会でも、みなみ野中央小の建設中止の問題についてはきちんとしたデータが開示されない、あるいはそこが不十分であったということが指摘をされておりますけれども、市長もスピードと効率化という中で、何でも早く、お金がかからないなら決めてしまえというような雰囲気があるということも問題だと思いますが、教育はしっかりと子どもたちの教育権を保障するという立場に立って考えなければならないと思います。教育長はこの間の行政責任をどのように考えているのかお答えをいただきたいというふうに思います。

 次に、環境行政について伺います。

 ごみの有料化と減量についてであります。

 ごみの有料化を既定路線として、昨年より説明会が行われてまいりました。有料袋の手数料や費用の内訳など具体的な情報公開がなく、市民とごみゼロに向けての政策的な合意が図られたとは思えません。八王子自治研究センターのアンケートでも、アンケートに答えた半数の人々が有料化についてはよく知らないとしています。説明会はどのように行われ、市民合意はどのようにされてきたと考えるのかお伺いをいたします。

 次に、有料化による手数料収入、あるいは戸別収集などにかかわる費用の内訳を明らかにしてください。

 次に、戸別収集の問題についてであります。

 戸別収集はごみの自己責任を明らかにし、ごみ減量の効果があると説明をされておりますが、根拠は明らかではありません。戸別収集の世帯数は52%、集合住宅の収集の世帯数は48%であり、市税の投入としてのサービスとしては不平等をもたらしてまいります。ステーション収集でも、十分にごみの減量は市民との意識改革によってなされるというふうに思います。戸別収集に使われるこの費用を生ごみの減量化に回すなど、ごみゼロに向けての実質的な費用として活用されるべきだというふうに思いますが、どのようにお考えでしょうか。

 さらに、ごみゼロに向けての長期計画の策定であります。  削減率は示されておりますけれども、それでは焼却炉をいつどのように廃止し、ごみゼロに向けて市は積極的に取り組んでいくのだという長期計画を市民に示して、そして政策的な判断として有料化がいいのかどうかということの決定をきちんとしなければならないと思います。短期的に、そして有料化実施のためだけに奔走しているという姿が目に見えるわけでありますけれども、長期計画をしっかりと策定することについて伺います。

 次に、下水道計画についてであります。

 戸別浄化槽の整備事業は、下水道事業の費用軽減の観点から評価をするものであります。しかし、下水道事業の起債残高見込みは2003年度で1,102億円、2007年度100%達成するときには1,265億円もの起債残高となります。これは財政圧迫の大きな要因となり、起債がゼロになるのは44年後となってしまいます。起債残高を減少させていくために、下水道整備予定区域でも戸別浄化槽への転換、または起債の借りかえについてどのように取り組むのかお答えください。

 次に、緑地保全について伺います。

 緑化基金は土地が高騰していた時代、緑地保全に大きな役割を果たしてきました。しかし、現在は一般財源からの積み立ては行われず、毎年都の貸付償還金に取り崩されており、残高は3億5,000万円しか残っておりません。都市計画マスタープランでは緑地保全の重要さは計画されているものの、具体的にその政策は明らかではありません。緑地保全のために資金をどう確保するのかということが今後の課題になってまいりますけれども、私は市民トラストや市民債の発行によって市民の緑を守りたいという思いと資金を集めることによって、緑地保全を図っていく方向にシフトすべきではないかというふうに思います。こうした制度の確立についてどのようにお考えでしょうか。  次に、自然エネルギーについて伺います。

 東浅川保健福祉センターにおいて、パイロットケースとして自家発電設備を導入するということです。エネルギーの利用効率を高めるコ−ジェネレーションシステムの活用が始まることは画期的であると思います。新たなエネルギーの政策導入、新たなエネルギーの技術の導入をしていくという取り組みや姿勢には、いよいよエネルギー政策に本市としても取り組んでいくんだという意気込みを感じておりますけれども、これを機に本市でも調布市が策定しているようなエネルギービジョンといったエネルギー計画を策定していく考えはあるのか伺います。

 環境基本計画も策定中であり、今後は計画の実現に向けての個別の施策を十分検討していく必要があります。自然エネルギーの導入や省エネ計画を含めたエネルギービジョンの策定について御見解をお伺いいたします。

 次に、医療行政について伺います。

 都立八王子小児病院の移転については、全市、市議会、そして市長も挙げて反対をしてきましたけれども、都立八王子小児病院の機能を八王子市内に残すというように、今、特別委員会などでは議論が変わってきております。NICUやドクターカーの重要性は指摘をするまでもありませんが、小児病院の機能を2つの大学病院に残していくために、どのような協議を両大学及び東京都と行っているのかお伺いをいたします。

 次に、人権尊重のまちづくりについて伺います。

 男女平等施策についてでありますが、男女共同参画センターが昨年12月開設されました。相談体制の充実が、重点的な課題として取り組まれるべきだというふうに考えておりますけれども、あの小さな共同参画センターの中ではまだ体制が十分ではありません。早急な体制づくりを求めますが、どのように取り組むのか伺います。

 さらに、DV被害者への支援についてであります。

 DV法の見直しが進み、自治体の役割がより大きくなってまいりますが、DV被害者の相談から就職に至る生活の自立のために一貫した援助が自治体として問われています。市が主体となって被害者のケアプランの策定など、トータルなケアの体制づくりについてはどのように今後取り組んでいくのか伺います。

 次に、生活の安全・安心条例と監視カメラについてであります。

 生活の安全・安心条例の制定については、一般行政の警察化、あるいは市民の自由への抑制の危険があると反対をしてまいりました。ことし2月からは旭町などの中心市街地に防犯カメラが設置され、新年度予算では運営費が計上されています。安全・安心条例の制定や防犯カメラによる安全なまちとは、本来的には望ましいまちなのでしょうか。お伺いをいたします。

 防犯カメラは使用方法によっては監視カメラへの危険性を持ち、市民が市民を監視する危険な社会への方向を感じています。肖像権は憲法でも認められたプライバシー権の1つであります。今回、防犯カメラを公共の空間に設置し、不特定多数の映像を記録するということについて、肖像権の侵害にあたらないのかお伺いをいたします。

 次に、平和行政についてであります。

 有事法制やそれにかかわる国民保護法制によって、戦争への協力を自治体が行わざるを得ない体制が進みつつあります。こうした法制では、市民の財産や権利、表現の自由への規制が守られないというふうに考えます。市長は市民の権利をこうした法制の中で守ることが可能と考えているのかお伺いをいたします。

 次に、イラク派兵と憲法に対する認識であります。

 自衛隊のイラク派遣に関する国会承認が、2月9日に与党などの賛成多数で強行されました。戦闘状態にある外国に陸・海・空3自衛隊そろって派遣をするという決定は平和憲法9条に反するだけでなく、アメリカの戦争支援のための集団的自衛権にまで踏み込む暴挙であります。日本国民と、そして多くの世界の人々を戦争への危険に巻き込むイラクへの自衛隊派遣に反対するよう強く市長に求めますが、いかがでしょうか。

 さらに、憲法99条は天皇や国会議員、公務員に憲法の遵守義務を課しています。平和憲法9条の観点からするならば、イラク派兵は9条違反でありますけれども、市長は憲法を守るという99条の規定に立って御答弁をいただき、そして99条を守るという意味についても御答弁をいただきたいと思います。

 以上で質疑を終わります。

◎【萩生田富司議長】 会議時間も長くなりましたので、暫時休憩します。
                                   〔午後零時07分休憩〕
  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
                                   〔午後1時10分再開〕
◎【萩生田富司議長】 休憩前に引き続き会議を開きます。
 会派代表質疑を続行します。第40番、井上睦子議員の質疑に対する答弁を求めます。

◎【萩生田富司議長】教育長。                            
 まず、特別支援教育について御質問をいただきました。

 特別支援教育の対象となる子どもの選定についてでございますが、1つは保護者からのニーズ、2つ目には学校側からのニーズがあると考えます。特別な教育的ニーズを持つ子どもと思われる子どもについて、校内委員会等でまず検討をいたします。

 その上に立って、保護者の判断の保障はどんなところかという御質問をいただきました。校内委員会で検討された対象となった子どもたちの個別指導計画を立て保護者にお示しし、理解をいただき、そして定期的に検証するシステムを校内で構築していく考えでございます。また、必要に応じまして専門家の指導・助言をいただきながら、指導の充実を図ってまいりたいと考えております。

 さらに、必要な予算の財源についてでございますが、特別支援教育は学校全体で対応する、この基本を踏まえながら必要な予算は措置していかなければならないと考えております。

 次に、気になる子どもたちを教室から排除することにならないかという御質問でございますが、一たん教室を離れることが子どもにとっては有効な場合は、単なる排除ではなく、必要な教育のニーズと考えております。温かく送り出し、温かく迎えることが、学級の子どもたちにも本人にも大切な教育であると考えています。

 次に、管理と競争の教育への危険性について御質問をいただきました。学力定着度調査は、各学校の児童、生徒の学習内容の定着状況を各学校が把握し、指導改善に生かし、ひとりひとりの児童、生徒の確かな学力を伸ばしていくために行うものでございます。

 さらに市費指導主事2人、これの増員についての御質問をいただきました。市費負担による指導主事2人を増員することは、学校へのきめ細やかな指導を実施いたし、学校運営の充実を図り、そして校長の学校経営、リーダーシップの発揮を支援していくものでございます。また、人事異動につきましても校長の人事構想のもとに行われるものでございます。今後も学校が組織一体となって、学校間の健全な競争をし、切磋琢磨し教育内容の改善・充実に役立つように進めてまいります。

 次に、内心の自由について御質問をいただきました。内心の自由は等しく国民に与えられたものであります。学校において学習指導要領に従って国旗・国歌の指導をすることは、何ら内心の自由を侵すものではないと考えます。国民として当然学ぶべきことを、教えたくないという教員がいることこそ問題であり、厳しく指導してまいるつもりでございます。

 最後に、学校への管理強化、あるいは競争強化は学校教育を危機に追い込むのではないかという御質問をいただきました。改めて申しますまでもなく、学校の管理運営の必要性は公教育、そして特に義務教育の役割と責任を確実に果たすためには不可欠なものであります。今後も公平性や中立性の確保を前提として教育改革を進めていく所存でございます。

 学校予算について増額すべきだという御質問をいただきました。

 学校で最も必要なことは、特色を出し、保護者に選んでもらえる学校となることであります。そのためには教師の能力アップが不可欠でございます。こうした考えのもと、指導主事の増員、あるいは学力定着度調査の実施など、教育内容に深くかかわる予算を組んだところでございます。今後も限られた予算の中で創意工夫をし、より効果的な予算の執行に努めてまいり、教育内容の充実を図ってまいりたいと思っております。

 最後の御質問です。多摩ニュータウン地区内新設小学校建設計画等についての御質問をいただきました。

 八王子ニュータウンについては、既存のみなみ野小中学校、七国小中学校での小中一貫教育の可能性及び将来の人口の予測から新設計画の中止の方向性を出しましたが、2月4日のニュータウン対策特別委員会及び2月18日の文教経済委員会でいただいた御意見等を踏まえ、再度検討することにいたしました。早急にかつ十分に再検討いたし、きちんと御理解いただける計画として再度お示しをし、教育長としての責任を果たしてまいりたいと考えております。


◎【萩生田富司議長】黒須市長。                            
 40番、井上睦子議員の質問にお答えをいたします。

 まず、三位一体改革への評価についてでございますけれども、補助金削減が先行せず所得譲与税という形であるにせよ、初年度から一定の財源移譲がなされたことに対しては一定の評価をするものであります。ただし、地方の自立よりも財政再建が強調された改革内容となっていることは問題があるというふうに考えておりまして、国の関与の一層の縮減、廃止等について、市長会を初めとした地方6団体が一定の要望をいたしているところであります。

 三位一体改革の影響でございますけれども、国ベースでは補助金削減が15年度先行実施部分も含めて概算で1兆6,000億円、所得譲与税も含む財源譲与が約6,500億円余となっております。

 本市への影響ですが、国土交通省所管の公共事業費についての総額4,500億円余にかかる個別の削減方法等が未定のため、いまだ数値をお示しできる状況にはありません。  次に、指定管理者制度の導入に関して条例制定の考え方でございますけれども、総合型、分離型を含めて市民にわかりやすい条例の組み立てを現在検討しているところでございます。

 また、指定管理者制度導入に向けた問題点でございますけれども、新しい制度の導入の際には、すなわち現状を変えるわけですから、若干の課題が生じることは常だというふうに思っております。この制度は住民サービスの向上また行政経費の縮減等を図る目的で創設をされ、地域の振興、活性化及び行政改革の推進が期待されているわけでございまして、施設の性格や役割を踏まえた上で導入を検討してまいりたいと思っております。

 指定管理者の選定に際してでございますけれども、業務にかかわるコスト計算書、施設運営方法、提出書類及び方法などについて検討いたしているところでございます。公契約制度につきましては、国の動向を踏まえ、これからの研究課題だというふうに考えております。

 総合評価入札の取り組みについてでございますが、引き続き研究をしてきておりますが、公共工事における不正行為を排除するための制度改革を何よりも優先しているのが現状でございます。

 また、総合評価入札を今後どう導入していくかということでございますが、民間の技術力や環境面の配慮などを取り入れる入札方式として評価がある一方で、工事案件ごとに評価方法の決定や提案書の審査など、事務コストの増大、落札者の決定までに多くの時間がかかるため、慎重に考えてまいりたいと思っております。

 次に、物流系産業拠点の誘致と総合交通体系整備計画との関係でございますけれども、矛盾をしているんじゃないかということでございますけれども、私は少しも矛盾するものではないというふうに考えております。まちに活気があふれ、人々が生き生きと暮らせる元気な八王子を実現してくためには、中小企業の雇用を創出し、福祉や医療など市民ニーズに対応する税収の確保を図るためにも、物流系産業拠点の誘致は必要なものだというふうに思っております。また、安全・安心な交通環境をつくっていくことも必要不可欠なことでございまして、これらは車の両輪のように、どちらも欠くことのできない施策であるというふうに考えます。

 南口の再開発について、平成15年度予算時でのスケジュールに対しておくれている理由はということでございますが、再開発事業は事業計画と資金計画が整い成立するもので、準備組合は事業協力者とともに事業を確実にするため、商業・業務等の保留床取得候補者と慎重に協議を重ねておるわけでありまして、そのために時間を要しておりますが、市としても早期実現に向け、引き続き指導していきたいと考えております。

 また、市民ホールの取得方法とその費用負担についてでございますが、現在、国の補助金も含めて、市の財政にできるだけ影響のかからない手法を検討中でございます。

 また、事業推進を図っていく上で地域への情報公開、そしてまた地域の不安解消の手段は十分講じて、それらに努めてまいる所存でございます。

 次に、精神障害者に対する支援策でございますけれども、現在、地域生活支援センターでの相談業務や情報提供、グループホームなどの施設への運営補助実施をいたしております。今後は精神障害者が地域で自立し、社会参加ができるようホームヘルプサービスを実施するなど、財政状況を総合的に判断し、施策を決定していきたいと考えております。

 精神障害者への理解と専門知識の必要性についてでございますが、精神障害者については平成14年度から区市町村を中心とした在宅福祉サービスの推進が位置づけられ、精神障害者が地域の中で安心して生活できるための支援を行っていくことが必要であると認識をいたしております。精神障害者が地域で生活していくためには、当事者に対するホームヘルプサービス等の支援を初め、周囲の方々の精神障害者に対する理解を求める啓発活動も重要なことというふうに考えております。

 次に、障害者雇用に関する市での取り組みについてでございますが、障害者の自立を促進する上で障害者雇用は重要というふうに認識をいたしているところでございます。今後、市が実施する事業の中で、障害者雇用の拡大についてどのようなことが可能か検討してまいります。

 介護保険制度の課題をどのようにとらえているかということでございますが、高齢者人口の増加、要介護認定者の増加に伴い介護給付費が大幅に増大している中で、介護保険制度の安定的な運営を図っていくためには、その財源の確保が本市に限らず、各市においても大きな課題であるというふうに考えております。

 国の負担割合を引き上げるべきではないかということでございますけれども、国は昨年5月に社会保障審議会の中に介護保険部会を設置するとともに、本年1月には厚生労働省内に介護制度改革本部を設置し、介護保険制度の見直しについて検討を進めているところでありますので、これらの情報収集に努めるとともに、安定した制度運営が図られるよう具体的な取り組みを始めております市長会との連携を図りながら、その対応について検討してまいります。

 次に、高齢者の虐待についてのお尋ねでございますけれども、この虐待かどうかの認定は非常に難しいものがあるというふうに思います。虐待等が疑われるケースの場合には、市のケースワーカーや在宅介護支援センターが関係者と連携して、現在問題解決に努めているところではあります。虐待に関しては、状況把握や慎重な対応が重要であるわけでありまして、今後とも関係機関との連携により問題の解決に当たっていきます。

 次に、子ども育成計画の策定についてでございますけれども、子どもの声と子どもの権利への取り組みについては、次世代育成支援対策推進法に基づく指針の中にも、子どもの幸せを願い、子どもの視点で取り組むことが必要であるとされておるわけでありまして、子ども育成計画の策定におきましても、この考え方を基本に検討していきたいと考えております。

 また、福祉と教育との連携でございますけれども、現在保育園、幼稚園、小学校間で情報交換や連携を行うための連絡協議会を設置しておりますが、子ども育成計画の策定におきましても、教育委員会との十分な連携を図っていく考えでございます。

 次に、ごみの有料化と減量についてでございますが、まず、有料化の説明会について十分ではないのではないかということでございますが、9月以降、既に100回を超える説明会を開催いたしております。また、広報やホームページによりその意義について周知を図ってまいりました。このほか新聞報道も再三にわたりなされているところでありますが、今後なお一層の市民に対しての説明責任を果たしてまいる所存でございます。

 有料化による収入額及び支出額の内容でございますが、平成16年度で収入は9億7,000万円余の見込みでございまして、支出は指定袋の製造経費等が3億7,000万円余、資源物収集拡大経費等で4億3,000万円余、戸別収集経費1億7,000万円余で減量資源化の拡充経費の増額分にすべて充当をいたしております。

 なお、戸別収集の実施についてでございますが、戸別収集は他市の実績からも十分な効果が期待できると考えております。さらに有料化及び資源物収集の拡充とあわせて実施することにより、一層の相乗効果が得られるものと考えております。生ごみの資源化につきましては、資源化の手法等を含め、今後検討してまいります。

 有料化導入後の長期計画についてでありますが、指定収集袋の導入及び戸別収集の実施によりまして、ごみの排出量を25%減量することを目標といたしております。実施後の排出量を見きわめまして、最終的にはごみゼロを目指し、循環型社会の構築を図っていくとともに、こうした考え方のもとで有料化実施後のごみの排出量や市財政の状況を踏まえ、効率的で効果的な事業運営を目指し長期計画を立案していく所存でございます。

 次に、下水道行政についてでございますが、下水道事業の市債残高の推移についてお尋ねをいただきました。平成14年度末では1,081億円、19年度末、下水道100%を目標にしている年度でございますけれども、約1,265億円が見込まれております。ここがピークになるわけでございますけれども、その後逓減をしてまいります。土地基盤としての下水道整備は市民が待ち望んでいるものでありまして、本市の主要な施策の1つであります。今後起債を有効に活用しながら、平成19年度末普及率100%の実現を目指すとともに、経営改善を続けながら起債の償還を進めてまいります。

 次に、緑地保全に関してですが、市街地の緑の保全については、まさに重要課題だというふうに私は受けとめております。市民との協働による資金募集も緑地保全の1つの手法と考えられるわけでございまして、今後の検討課題といたします。

 次に、東浅川保健福祉センターで、現在天然ガス利用のコージェネレーションシステムの導入を計画しているわけでありますけれども、自然エネルギーに関するトータルでの方針ということでございますが、自然エネルギーとして太陽光発電システムを現在七国小学校や同中学校へ導入し、環境教育にも活用いたしておるところでございます。地球温暖化防止対策を推進するための計画づくりは重要なことと認識をしておりまして、庁内での取り組みを進めるとともに、今後とも研究・検討を続け、国の補助制度の活用など、経済性や技術革新の動向を見ながら方向性を出していきたいというふうに考えております。

 次に、都立八王子小児病院についてでございますが、現在都と市がそれぞれ行政的に都立小児病院の果たしている役割を分析いたしております。その中で、新生児医療の面など、都立小児病院の果たす役割が解明をされてきておりますが、この分析、検討結果を見きわめたいというふうに思っております。

 次に、男女共同参画センターにおける相談体制の充実をどう図っていくかということでありますが、16年度のなるべく早い時期に専門相談員の増員を行うよう、現在準備をいたしております。

 ドメスティックバイオレンスの被害者に対する自立支援の仕組みづくりでございますが、配偶者暴力防止法が、被害者の自立支援も含めた中で改正に向けて検討がなされていることもありますし、今後その動きを見きわめながら検討してまいりたいと考えております。

 生活の安全・安心条例と防犯カメラについてでございますけれども、これ監視カメラというような発言をされましたけれども、これは防犯カメラでございます。条例制定、あるいはまたこの防犯カメラを設置する社会がよい社会かというふうな御質問でございますけれども、これは条例で規制しなくても、あるいは防犯カメラを設置しなくても、犯罪のない安全で安心した暮らしができるまちは、これは私のみならずだれもが望むまちだろうというふうに思います。ただ、防犯カメラの設置を認めた考え方でございますけれども、この防犯カメラの設置は、市民の安全で安心できるまちの実現を目指したものであることは言うまでもありません。また、防犯カメラの必要性については、全国的な意識調査でも9割の国民が賛成をしているという調査結果も出ておるわけでございまして、これは尊重しなきゃいけないと同時に、それだけ多くの国民が現在不安を感じていると、このあかしだろうというふうに思います。このカメラの設置は、設置することのみをとらえて肖像権を侵害することにつながるということではなくして、個人のプライバシーを保護することが当然のことながら重要であります。このことを前提とした防犯カメラの設置は、犯罪予防や被害の未然防止にとってまことに有効だというふうに考えております。実際数字の上でも、これは今あらわれております。

 有事法制全体と国民保護法制は、市民の自由、権利、財産を規制するが、権利等を守る立場の市としてどう考えるか、自治体の役割は何なのか、そして、憲法9条に違反したイラク派兵について、憲法の遵守義務がある市長はどう考えるのかという質問でございます。

 世界の恒久平和を実現することは、我々に課せられた責務であることは言うまでもありません。ただ、平和や安全は願っているだけでは維持・実現されないことも現実の社会情勢を見れば、これは御質問者もおわかりのとおりだろうというふうに思います。有事法制や国民保護法制は、武力攻撃から国民の生命、身体及び財産を保護するためのものでありまして、国民の権利に制限が加えられる場合においても必要最小限で、公正かつ適切な手続のもとで行われるものと認識をいたしております。こうした中で、市町村の役割といたしましては、住民の生命、身体等を保護するため、避難住民の誘導、避難住民の救援などを行うことになるわけであります。

 なお、イラクへの自衛隊派遣についてでありますが、人道復興支援活動及び安全確保支援活動を行うことを目的としてイラク復興支援特別措置法に基づき派遣するものでございまして、憲法に違反するとは全く考えておりません。