◎【萩生田富司議長】黒須市長。
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40番、井上睦子議員の質問にお答えをいたします。
まず、三位一体改革への評価についてでございますけれども、補助金削減が先行せず所得譲与税という形であるにせよ、初年度から一定の財源移譲がなされたことに対しては一定の評価をするものであります。ただし、地方の自立よりも財政再建が強調された改革内容となっていることは問題があるというふうに考えておりまして、国の関与の一層の縮減、廃止等について、市長会を初めとした地方6団体が一定の要望をいたしているところであります。
三位一体改革の影響でございますけれども、国ベースでは補助金削減が15年度先行実施部分も含めて概算で1兆6,000億円、所得譲与税も含む財源譲与が約6,500億円余となっております。
本市への影響ですが、国土交通省所管の公共事業費についての総額4,500億円余にかかる個別の削減方法等が未定のため、いまだ数値をお示しできる状況にはありません。
次に、指定管理者制度の導入に関して条例制定の考え方でございますけれども、総合型、分離型を含めて市民にわかりやすい条例の組み立てを現在検討しているところでございます。
また、指定管理者制度導入に向けた問題点でございますけれども、新しい制度の導入の際には、すなわち現状を変えるわけですから、若干の課題が生じることは常だというふうに思っております。この制度は住民サービスの向上また行政経費の縮減等を図る目的で創設をされ、地域の振興、活性化及び行政改革の推進が期待されているわけでございまして、施設の性格や役割を踏まえた上で導入を検討してまいりたいと思っております。
指定管理者の選定に際してでございますけれども、業務にかかわるコスト計算書、施設運営方法、提出書類及び方法などについて検討いたしているところでございます。公契約制度につきましては、国の動向を踏まえ、これからの研究課題だというふうに考えております。
総合評価入札の取り組みについてでございますが、引き続き研究をしてきておりますが、公共工事における不正行為を排除するための制度改革を何よりも優先しているのが現状でございます。
また、総合評価入札を今後どう導入していくかということでございますが、民間の技術力や環境面の配慮などを取り入れる入札方式として評価がある一方で、工事案件ごとに評価方法の決定や提案書の審査など、事務コストの増大、落札者の決定までに多くの時間がかかるため、慎重に考えてまいりたいと思っております。
次に、物流系産業拠点の誘致と総合交通体系整備計画との関係でございますけれども、矛盾をしているんじゃないかということでございますけれども、私は少しも矛盾するものではないというふうに考えております。まちに活気があふれ、人々が生き生きと暮らせる元気な八王子を実現してくためには、中小企業の雇用を創出し、福祉や医療など市民ニーズに対応する税収の確保を図るためにも、物流系産業拠点の誘致は必要なものだというふうに思っております。また、安全・安心な交通環境をつくっていくことも必要不可欠なことでございまして、これらは車の両輪のように、どちらも欠くことのできない施策であるというふうに考えます。
南口の再開発について、平成15年度予算時でのスケジュールに対しておくれている理由はということでございますが、再開発事業は事業計画と資金計画が整い成立するもので、準備組合は事業協力者とともに事業を確実にするため、商業・業務等の保留床取得候補者と慎重に協議を重ねておるわけでありまして、そのために時間を要しておりますが、市としても早期実現に向け、引き続き指導していきたいと考えております。
また、市民ホールの取得方法とその費用負担についてでございますが、現在、国の補助金も含めて、市の財政にできるだけ影響のかからない手法を検討中でございます。
また、事業推進を図っていく上で地域への情報公開、そしてまた地域の不安解消の手段は十分講じて、それらに努めてまいる所存でございます。
次に、精神障害者に対する支援策でございますけれども、現在、地域生活支援センターでの相談業務や情報提供、グループホームなどの施設への運営補助実施をいたしております。今後は精神障害者が地域で自立し、社会参加ができるようホームヘルプサービスを実施するなど、財政状況を総合的に判断し、施策を決定していきたいと考えております。
精神障害者への理解と専門知識の必要性についてでございますが、精神障害者については平成14年度から区市町村を中心とした在宅福祉サービスの推進が位置づけられ、精神障害者が地域の中で安心して生活できるための支援を行っていくことが必要であると認識をいたしております。精神障害者が地域で生活していくためには、当事者に対するホームヘルプサービス等の支援を初め、周囲の方々の精神障害者に対する理解を求める啓発活動も重要なことというふうに考えております。
次に、障害者雇用に関する市での取り組みについてでございますが、障害者の自立を促進する上で障害者雇用は重要というふうに認識をいたしているところでございます。今後、市が実施する事業の中で、障害者雇用の拡大についてどのようなことが可能か検討してまいります。
介護保険制度の課題をどのようにとらえているかということでございますが、高齢者人口の増加、要介護認定者の増加に伴い介護給付費が大幅に増大している中で、介護保険制度の安定的な運営を図っていくためには、その財源の確保が本市に限らず、各市においても大きな課題であるというふうに考えております。
国の負担割合を引き上げるべきではないかということでございますけれども、国は昨年5月に社会保障審議会の中に介護保険部会を設置するとともに、本年1月には厚生労働省内に介護制度改革本部を設置し、介護保険制度の見直しについて検討を進めているところでありますので、これらの情報収集に努めるとともに、安定した制度運営が図られるよう具体的な取り組みを始めております市長会との連携を図りながら、その対応について検討してまいります。
次に、高齢者の虐待についてのお尋ねでございますけれども、この虐待かどうかの認定は非常に難しいものがあるというふうに思います。虐待等が疑われるケースの場合には、市のケースワーカーや在宅介護支援センターが関係者と連携して、現在問題解決に努めているところではあります。虐待に関しては、状況把握や慎重な対応が重要であるわけでありまして、今後とも関係機関との連携により問題の解決に当たっていきます。
次に、子ども育成計画の策定についてでございますけれども、子どもの声と子どもの権利への取り組みについては、次世代育成支援対策推進法に基づく指針の中にも、子どもの幸せを願い、子どもの視点で取り組むことが必要であるとされておるわけでありまして、子ども育成計画の策定におきましても、この考え方を基本に検討していきたいと考えております。
また、福祉と教育との連携でございますけれども、現在保育園、幼稚園、小学校間で情報交換や連携を行うための連絡協議会を設置しておりますが、子ども育成計画の策定におきましても、教育委員会との十分な連携を図っていく考えでございます。
次に、ごみの有料化と減量についてでございますが、まず、有料化の説明会について十分ではないのではないかということでございますが、9月以降、既に100回を超える説明会を開催いたしております。また、広報やホームページによりその意義について周知を図ってまいりました。このほか新聞報道も再三にわたりなされているところでありますが、今後なお一層の市民に対しての説明責任を果たしてまいる所存でございます。
有料化による収入額及び支出額の内容でございますが、平成16年度で収入は9億7,000万円余の見込みでございまして、支出は指定袋の製造経費等が3億7,000万円余、資源物収集拡大経費等で4億3,000万円余、戸別収集経費1億7,000万円余で減量資源化の拡充経費の増額分にすべて充当をいたしております。
なお、戸別収集の実施についてでございますが、戸別収集は他市の実績からも十分な効果が期待できると考えております。さらに有料化及び資源物収集の拡充とあわせて実施することにより、一層の相乗効果が得られるものと考えております。生ごみの資源化につきましては、資源化の手法等を含め、今後検討してまいります。
有料化導入後の長期計画についてでありますが、指定収集袋の導入及び戸別収集の実施によりまして、ごみの排出量を25%減量することを目標といたしております。実施後の排出量を見きわめまして、最終的にはごみゼロを目指し、循環型社会の構築を図っていくとともに、こうした考え方のもとで有料化実施後のごみの排出量や市財政の状況を踏まえ、効率的で効果的な事業運営を目指し長期計画を立案していく所存でございます。
次に、下水道行政についてでございますが、下水道事業の市債残高の推移についてお尋ねをいただきました。平成14年度末では1,081億円、19年度末、下水道100%を目標にしている年度でございますけれども、約1,265億円が見込まれております。ここがピークになるわけでございますけれども、その後逓減をしてまいります。土地基盤としての下水道整備は市民が待ち望んでいるものでありまして、本市の主要な施策の1つであります。今後起債を有効に活用しながら、平成19年度末普及率100%の実現を目指すとともに、経営改善を続けながら起債の償還を進めてまいります。
次に、緑地保全に関してですが、市街地の緑の保全については、まさに重要課題だというふうに私は受けとめております。市民との協働による資金募集も緑地保全の1つの手法と考えられるわけでございまして、今後の検討課題といたします。
次に、東浅川保健福祉センターで、現在天然ガス利用のコージェネレーションシステムの導入を計画しているわけでありますけれども、自然エネルギーに関するトータルでの方針ということでございますが、自然エネルギーとして太陽光発電システムを現在七国小学校や同中学校へ導入し、環境教育にも活用いたしておるところでございます。地球温暖化防止対策を推進するための計画づくりは重要なことと認識をしておりまして、庁内での取り組みを進めるとともに、今後とも研究・検討を続け、国の補助制度の活用など、経済性や技術革新の動向を見ながら方向性を出していきたいというふうに考えております。
次に、都立八王子小児病院についてでございますが、現在都と市がそれぞれ行政的に都立小児病院の果たしている役割を分析いたしております。その中で、新生児医療の面など、都立小児病院の果たす役割が解明をされてきておりますが、この分析、検討結果を見きわめたいというふうに思っております。
次に、男女共同参画センターにおける相談体制の充実をどう図っていくかということでありますが、16年度のなるべく早い時期に専門相談員の増員を行うよう、現在準備をいたしております。
ドメスティックバイオレンスの被害者に対する自立支援の仕組みづくりでございますが、配偶者暴力防止法が、被害者の自立支援も含めた中で改正に向けて検討がなされていることもありますし、今後その動きを見きわめながら検討してまいりたいと考えております。
生活の安全・安心条例と防犯カメラについてでございますけれども、これ監視カメラというような発言をされましたけれども、これは防犯カメラでございます。条例制定、あるいはまたこの防犯カメラを設置する社会がよい社会かというふうな御質問でございますけれども、これは条例で規制しなくても、あるいは防犯カメラを設置しなくても、犯罪のない安全で安心した暮らしができるまちは、これは私のみならずだれもが望むまちだろうというふうに思います。ただ、防犯カメラの設置を認めた考え方でございますけれども、この防犯カメラの設置は、市民の安全で安心できるまちの実現を目指したものであることは言うまでもありません。また、防犯カメラの必要性については、全国的な意識調査でも9割の国民が賛成をしているという調査結果も出ておるわけでございまして、これは尊重しなきゃいけないと同時に、それだけ多くの国民が現在不安を感じていると、このあかしだろうというふうに思います。このカメラの設置は、設置することのみをとらえて肖像権を侵害することにつながるということではなくして、個人のプライバシーを保護することが当然のことながら重要であります。このことを前提とした防犯カメラの設置は、犯罪予防や被害の未然防止にとってまことに有効だというふうに考えております。実際数字の上でも、これは今あらわれております。
有事法制全体と国民保護法制は、市民の自由、権利、財産を規制するが、権利等を守る立場の市としてどう考えるか、自治体の役割は何なのか、そして、憲法9条に違反したイラク派兵について、憲法の遵守義務がある市長はどう考えるのかという質問でございます。
世界の恒久平和を実現することは、我々に課せられた責務であることは言うまでもありません。ただ、平和や安全は願っているだけでは維持・実現されないことも現実の社会情勢を見れば、これは御質問者もおわかりのとおりだろうというふうに思います。有事法制や国民保護法制は、武力攻撃から国民の生命、身体及び財産を保護するためのものでありまして、国民の権利に制限が加えられる場合においても必要最小限で、公正かつ適切な手続のもとで行われるものと認識をいたしております。こうした中で、市町村の役割といたしましては、住民の生命、身体等を保護するため、避難住民の誘導、避難住民の救援などを行うことになるわけであります。
なお、イラクへの自衛隊派遣についてでありますが、人道復興支援活動及び安全確保支援活動を行うことを目的としてイラク復興支援特別措置法に基づき派遣するものでございまして、憲法に違反するとは全く考えておりません。
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