◎【市川潔史副議長】第40番、井上睦子議員。
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ストーカーやDV被害者の情報の外部提供の禁止などは、個別、おのおのの制度で対応するという御答弁でした。そうしますと、例えばアクセスログの本人への開示でありますとか、あるいは、住民票の写しの請求者を本人に開示をするということも、個別の住基法なり、あるいは、内部での電算処理の手続の中で個人情報の保護といいますか、あるいは、コントロール権というものを保障していくべきだというふうに広がってのお考えなのかどうか。その辺も個人情報の保護ということで確認をしたいと思いますので、御答弁をお願いいたします。
パブリックコメントについては、6月に答申を出して、その後市民からの意見を聞く機会を設けるということで、パブリックコメント制度にかわるものとしたいということでありました。条例改正についてこのような市民の意見を反映させていくという取り組みは、今まで余りありませんでした。環境基本条例などはあったようにも記憶しておりますが。そういった意味では一歩前進として評価をいたしますが、今後ぜひ条例素案を公表して、より幅広い市民の中で新たな条例をつくっていくというようなパブリックコメントの制度化を含めて御検討いただきたいというふうに思いますが、将来の展望についてはどのようにお考えでしょうか。
次に、個人情報の適正管理の問題について伺います。条例の第9条は、正確かつ最新の状態に保つよう努めなければならない、そして、漏えいや改ざん、滅失及び毀損防止のために必要な措置を講ずるよう努めなければならないというふうに、この適正管理については努力義務を課しております。国の方の行政機関個人情報保護法では、これは義務規定になっておりますけれども、より個人情報の適正管理の中では、これは努力義務から義務規定へするべきではないかというふうに思いますけれども、その点どのように審議会の状況や市は考えているのか、伺います。
また、日常的な個人情報保護の取り扱いについて、一定の水準に達しているのか、そうではないのかという点検は、内部責任により個人情報の保護を図る上で必要なものです。現行では個人情報を取り扱うという事務の届け出をし、その届け出のファイルを市民に公表するという手続になっておりますけれども、この内部での個人情報の取り扱いが適正に行われているかどうかということを監査するということが必要なのだと私は考えております。監査の規定を設けることについてはどのように考えていらっしゃるのか、お答えください。
そして、個人情報の適正管理という、その内容に該当するのかどうか定かではないのですが、例えば生涯学習センターなどには防犯カメラが作動中ということで、エレベーターの前で作動しております。これは公共施設内での市民の映像を撮影しているという状況ですが、こうした映像はこの個人情報保護条例の取り扱いの対象となる映像になるのかどうか、伺いたいと思います。また、別の点で防犯カメラの映像の管理についてはされているのかどうか。別のところであれば、それもお答えいただきたいと思います。
次に、条例の13条についてお聞きいたします。オンライン結合による提供の制限を13条は規定しています。これは、オンライン結合は原則的に禁止し、個人情報の必要な保護の措置が講じられていれば、審議会の意見を聞いて必要かつ適切と認められたときには結合できるということです。例えば、市議会の会議録のホームページへの掲載なども、個人情報をどう取り扱うかということで個人情報保護運営審議会にかけられた経過もありますし、大きなのは住基ネットのオンライン化のときにもこの審議会にかかっています。審議会の議論の中では、原則として法令に根拠がある場合には、このオンライン結合から外してもいいのではないかというような議論がされておりました。私は、原則として法令に根拠がある場合についても、自治体は独自に法令の解釈権を持っているわけですから、ぜひとも法令にある場合を除くという規定ではなく、安全性の確認も含めて審議会の意見を聞くべきだと考えておりますけれども、見解をお示しください。
先ほども個人情報流出のはがきのことを紹介しましたけれども、オンライン結合は大量に、そして、最新の個人情報を瞬時にオンラインにより処理し、提供するもので、個人情報の提供や利用の形態としては、個人の情報の漏えい、不正利用といった甚大な被害が起こることになります。したがって、このことについては、法令に定めがある場合に限ってもやはり慎重な判断が求められるというふうに考えております。
そして、同時に昨年6月16日、総務省が地方公共団体における個人情報保護対策についてという通達を出しております。その中で、いわゆるオンライン禁止規定については、一律に禁止をするのではなく、提供の目的、利用形態や権利・利益の侵害のおそれ、受領者側における保護措置の状況等を個別に検討した上で提供の可否を決定すべきであるというふうに言っておりまして、国の方はオンライン結合の禁止規定を外しなさいという基本的な考え方ではありますけれども、しかし、結合する相手先の安全対策がきちんとしているかどうかということを見きわめた上で結合しなさいというような通達の内容になっています。したがって、法令に定めがある場合でも相手方の保護対策がきちんとできていなければ、つないではいけないということをこの通達は指示しているものだというふうに私は考えます。したがって、法令に定めがあるものはオンライン結合の禁止の規定から除外をするということはできないのではないかというふうに思いますけれども、この点についても考えをお示しください。
次に、死者の情報についてお伺いいたします。95年の個人情報保護懇談会の提言の中では、個人の中に死者の情報が入るかどうかは議論が分かれるところだけれども、死者に関する情報はその遺族または生前極めて親しかった友人や知人などの生者の個人情報として把握し、適切な措置をとるとしています。審議会では条例の趣旨を尊重し、現在の考え方を維持するという結論が出ています。死者の情報について、収集の制限や開示請求についての考えをお示しください。
次に、苦情処理とあっせんについて伺います。先ほど国の法律の中で評価をされましたけれども、民間事業者と市民との間の苦情処理、あっせんを自治体も求められております。5,000件以上の個人情報を含む個人情報データベースを取り扱う事業者は個人情報保護法の対象となりますけれども、それ以下の事業者は自治体の支援が必要となってきます。法律12、13条は、個人情報の適正な取り扱いを確保するために、区域内の事業者や住民に対する支援や苦情処理のあっせんを講ずるなどの努力義務が課せられています。民間事業者の活動を規制せず、市民の権利や利益を守るシステムが求められていますけれども、具体的にはどのような規定になるのか、お伺いいたします。
次に、新地域保健福祉計画について伺います。
国の介護保険見直しへの対応の問題です。先ほども触れましたけれども、2005年度の見直しに向けて現在議論が活発化しておりますけれども、保険料を支払う人の年齢の拡大、そして、財政基盤の安定、あるいは支援費制度との統合といった課題が、介護保険見直しの中で言われています。また、市民からは、特養や老健施設入所への待機者が増大する傾向がある、しかし、なかなか入所できないという問題や、ついの住みかとして住みなれた地域で暮らしたい、しかし、食事や住まいが確保され、そして、小規模で家族的な住まいを求めるという希望もあります。また、移動や配食、介護予防のためにさまざまな提起がこの議会でもされてまいりました。国の介護保険制度の見直しの動向を今後10年間の新しい新地域保健福祉計画の中に取り込んでいくためには、現在の国の動向をどのように把握をし、計画との整合性を図っていくのかということが問われますけれども、前年度の基礎調査の中などで市民からの要望や、そして、現在進んでいる介護保険見直しの動向を市はどのようにつかんでいるのか、お伺いをいたします。
次に、障害者の支援の問題、特に精神障害者の地域生活での支援の問題についてお伺いいたします。これは、ことしの新年度予算の代表質疑でもお伺いいたしましたけれども、やはり今後10年間で精神障害者の社会的入院を解消する目標を掲げて、東京都では将来5,000人が地域生活を送る予定になっています。しかし、通所授産施設や共同作業所などの活動の場や、福祉ホームやグループホームなど、生活の場の不足が大変指摘されております。これも今後10年間の動きの中で新地域保健福祉計画と一致していくわけでありますけれども、新年度予算の代表質疑の答弁では、財政状況を総合的に判断し、施策を決定していきたいというふうに答えておられます。やはり地域で暮らすことを優先し、その選択できるサービスを提供するためには、優先的な課題として取り組むことが必要だというふうに思います。財政状況を総合的に判断するということになってしまいますと、施策が後回しになる可能性もありますけれども、こうした状況の変化に対して政策の優先順位を精神障害者の施策の充実にしていくべきだというふうに考えますが、どのようにお考えか、お伺いをいたします。
次に、福祉の市場化の問題です。先ほども申しましたように、好むと好まざるとにかかわらず、福祉事業への民間事業者の参入が介護保険の制度確立以来続いてまいりました。そしてそれは、市民にとっては選択と決定だというふうに言われましたけれども、今、課題となっているのはサービスの質をどのように確保するのか、そして、サービスを利用する人たちの権利をどのように擁護するのかという課題になっています。東京都は第三者評価システムの制度を確立し、東京都の外郭団体が評価者の養成をここ数年間行っております。そして、東京都が補助金を出して、各事業所に対して第三者評価を積極的に受けるよう奨励をしているという傾向もあります。第三者評価というのは、今の福祉サービスの市場は、価格が競争によって決まるわけではなくて、公定価格になっています。そのことによって事業者がどのようなサービスをするのかということの競い合いが起こらないというふうに、東京都は指摘しておりまして、利用者のサービスの選択やサービスの内容の透明性の確保のためには、第三者評価が必要である。そして、サービスの質を向上させるための取り組みを促進させるものとして、第三者評価の導入を積極的に進めております。現計画の中では、事業者の自己評価という形で第三者評価には触れられておりませんけれども、こうした東京都の第三者評価への積極的な取り組みとサービスの質の向上、そして、利用者の利益を守るという観点から、本市でも積極的に第三者評価に取り組む必要があると考えますけれども、どのようにお考えか、お示しをください。
昨年度、八王子市内で第三者評価を実施した事業所の状況は、特養施設8施設、老健施設では1施設、保育所では3施設、認証保育所では1施設、デイサービスではゼロでした。まだまだ少ない状況です。この第三者評価の重要性と今後の導入の方向についてお答えをいただきたいと思います。
もう1点、利用者の権利擁護の問題でありますけれども、私は、介護保険が導入されて以来、オンブズパーソン制度の導入を主張してまいりました。権利擁護として不可欠の制度だと考えますけれども、どのように考え、今後計画の中に盛り込んでいくのか、お答えをいただきたいというふうに思います。
先ほど、基本的な視点の中でバリアフリーの基本構想ができたということも重要な視点だと言われました。現計画でもバリアフリーという言葉を使っておりまして、施設や道路の障壁をなくすということも言われております。先ほど、現計画はおおむね目標達成という高い評価をみずからされておりましたけれども、しかし、具体的に細かなことではたくさんの問題があります。例えば、大横福祉センターはリハビリを行っておりますけれども、とても古い施設で、トイレなどはほかのスリッパなどに履きかえなければならない。そこでリハビリをしている利用者にとっては、タイル張りでとても危険で、足の悪い人にとってはトイレに行くことがとても困難になっている、危険になっているということが利用者から言われております。担当課に問い合わせますと、予算の獲得が困難で改修できないとも聞いておりますけれども、細かくきちんと現状の福祉計画がそのレベルに到達しているかどうかを考えるときには、このような1つ1つの積み上げが必要ではないかと思います。
おおむね到達しているとして、具体的な数値も、具体的な内容も、そして、これからの課題も一切答弁がありませんでしたけれども、ぜひ新しい計画を策定していく中では、現在の計画がどの水準に達し、そして、どこに問題があるかということをぜひ行政みずからが総点検していただきたいというふうに思います。こうした地域保健福祉計画の現在の細かな、具体的な評価と、そして、あるいはバリアフリーというふうにテーマには挙げても、個々具体的には問題があるということについて、どのように今後取り組んでいくのか伺います。
以上で2回目の質問を終わります。
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