それでは、まず需用費のうち、消耗品費及び修繕料に関する財務事務の執行についてお伺いいたします。

 主には学校教育予算の需用費についての指摘があるわけですが、この学校の需用費については年々、1人当たりの額にしても、1校当たりの額にしても、1人当たりでは平成13年度で6万1,000円であったものが、15年度で5万4,000円にまで減少しているということが、この監査報告の中でも明らかになっております。年々減少している学校の配分予算、この問題については、現場からは十分な教材が購入できないなどの指摘が数年続いておりました。この外部監査は小中学校107校のうち、小中学校各2校、計4校の選定をして行われております。このサンプル数が適切であるかどうか、あるいは全体の需用費に及ぼす想定金額等、推定されておりますけれども、こういった想定値が妥当であるかどうかということも議論の余地はあるというふうに私は思います。

 極めて細部にわたって学校にとっては厳しい指摘となっておりますけれども、私は学校の自由度を増す、あるいは学校の裁量権を生かしていくという意味で、この指摘がいかがなものかなという点も幾つかございます。まず、平成15年度から学校長に一定額の枠で予算の編成及び執行権限が移譲されてまいりました。これは学校の自主性を高めるものとして私は評価をしております。今回の具体的で細部にわたる指摘は、ある意味では逆行しかねない側面も持っていると考えております。

 まず、基本的な考えをお伺いいたしますが、この学校長の予算編成、そして執行権限の移譲の意義については教育委員会としてはどのように考えていらっしゃるのか。この制度は今後も継続していくべきだと私は思っておりますけれども、教育委員会の見解をお伺いいたします。

 そして、3月から4月期の年度末付近に集中して消耗品などを購入しているということが指摘されております。カーテンですとか、コピーキットですとか、色紙とか色画用紙が例に挙げられております。これは予算消化的な購入ではないか、学校長に対する指導や監督の強化をするようにという指摘がございます。先ほど私申し上げましたように、学校ではこの需用費が年々減少しておりまして、この予算の中で何とかやりくりをしているというのが実態であって、予算消化的な購入だというような、ゆとりがあるような予算にはなっていないと思います。節約に節約を重ねて、不足分が出ないように学校現場としては努力をしているのではないでしょうか。

 そして、この監査報告の中にもあるように、3月、4月期は年度末、あるいは新年度を迎えて学校行事が重なること、あるいはさまざまな文集などがつくられたりすることによって需用が膨らむということもあるように、決して3月、4月期、こうした一例で挙げられていることが予算を消化するというような駆け込み購入ということには当たらないのではないか。学校現場の苦労としては、一生懸命節約をしながら消耗品の取り扱いには十分配慮しているのではないかと私は考えておりますし、また学校の声としてもそういうような声を聞きます。学校現場の実態として、こうした3月、4月期の消耗品の購入というのは、ある意味で学校現場の実態からしてやむを得ない状況もあるのではないかと思いますが、学校の実情についてはどのように把握をしているのか、お伺いをしたいと思います。

 次に、複数見積もりをせず、特定の業者と一者随意契約を行っているケースについて。これは需用費の問題等ありますが、これは学校における運用マニュアルが守られていないというふうに指摘されております。その指摘事項の中で、今後は幾ら以下の金額であれば、一者随意契約でもよいとする規則、あるいは一者随意契約を行うのであれば、それ相当の合理的な理由を整備させ、特定業者の選定過程を明確にさせるといったことも定めて、合理性と合法性を兼ね備えた運用をすべきだというふうに指摘をされております。例えば、1万円、2万円の物品を購入するためにも、業者の立場からすれば、1、2万円の見積もりのために呼び出され、数時間を費やして見積もりをしなければならず、極めて時間を浪費している、不合理であるということが指摘されております。

 ここで、ある一定金額以下であれば、随意契約でもよいとする規則を整備するようにという指摘があるわけでありますけれども、運用マニュアルの改定等を含めて、財務部としてはこの指摘に対してどう改善をしていくのか、お示しをいただきたいと思います。

 次に、合計130万円以上の工事を、分割工事によって指名競争入札を回避している件について指摘がございます。指名競争入札による場合には、工事等担当所管への設計依頼をし、そして競争入札を行うことになります。この報告書での担当課からのヒアリングによれば、この方法をとっていると、現場施工までに長期の時間を要する。設計等に時間を要するということだと思います。したがって、学校現場のさまざまな実情に対応するために、やむを得ない措置として分割発注工事をしている。そして、それも一者随契でやっているということがあるわけですけれども、このことは契約事務規則の第42条の違反として厳しい指摘がございます。学校現場の特殊性及び入札制度の公平さを担保していくためには、設計の時間を短縮するなど、かなりの努力をしなければならないと考えますけれども、現在の人員体制のままで指名競争入札を行う場合、学校現場ではどのような問題が起きるのか、お示しをいただきたいと思います。

 次に、幅広い業者参加の機会やコストを抑えるためには、競争入札が必要との原則的な見解があるわけですが、このことを実行していくためには、財務部建築課での早急な対応、すなわち人員体制を充実して、一定のコストの負担も覚悟しなければいけないということになると思いますが、公正な入札制度実現のためには、どのように人員体制を充実していくのか。この改革の方向の内容について、現在、どのような議論や検討、その方向性が示されてきているのか、お答えをいただきたいと思います。

 最後に、修繕料と工事請負費の具体的な区分は明確になっていないというふうに指摘されておりまして、修繕として行われている内容が工事請負費に当たるのではないかという指摘がございます。これも、書かれているように修繕料と工事請負費の具体的な区分が明確になっていないのが問題でありますけれども、修繕料あるいは工事請負費については、どのような明確な区分をしていくのか。どうお考えか、お示しをいただきたいと思います。

 例えば、修繕料としては金額50万円以下のものであれば修繕とするなどの規定を設けて、学校現場が動きやすい体制をつくっていく必要があるのではないかというふうに思いますが、どのように考えていらっしゃるか、お伺いをしたいと思います。

 次に、普通財産の貸付土地及び建物、及びその他の土地及び建物に関する管理事務についてお伺いをいたします。先ほどの御質問者からも質問がありましたので、重複しない範囲でお伺いをいたします。

 まず1点は、不動産評価審査会の専門性の向上ということが指摘されております。読んでみますと、不動産評価審査会は、必ずしも不動産評価の専門家ではない市の職員で構成されているが、十分な検討や討議が行われることを担保するために、専門的知識を有する外部の第三者を同審査会の構成員に含めることを検討すべきであるというふうに指摘をされております。適切な賃料なり売却価格を決定していくためには、こういった審査会の専門性の向上ということは必要だと思いますが、このことについては、今後どのように取り組まれていくのか、お示しください。

 2点目ですが、たくさんの土地について市民やNPOからの有効活用の意見を聞いて、土地の売却などもすべきであるという物件がたくさんございます。先ほど市民やNPOからの意見を聞くということに関しては、手続が最初に来なければいけないのではないかというような指摘もございましたけれども、私は基本的に公有地というのは今後の活用方法も含めて、安易に、あるから売却するというのではなくて、必要な土地については公有地として持っておくことは必要だと思います。市民やNPOからの有効活用の意見を聞くという手続を提案されているわけですけれども、これについては今後どのような機関で、どのように議論を進めていくのか。そして、具体的にはNPOや市民からどのような意見の機会を持っていくのかということをお示しいただきたいと思います。  以上で1回目の質問を終わります。


◎【萩生田富司議長】 学校教育部長。                   
 学校長に予算執行、契約等の権限をゆだねたことについてでございますけれども、各学校が自主的に責任を持って学校運営を行うことができるように、学校長の予算の見積もり、執行、あるいは契約の権限をゆだねたものでございます。今後も、この点については継続していく考えでございます。

 それから、年度末になっての消耗品の購入が多額となるということについての認識ですけれども、年度末には文集の作成、新年度用の学習資料の作成、卒業式などの学校行事が集中することなどから、通常時に比べ、多量の発注があると認識しております。御指摘のように、背景として年々厳しくなる予算状況はございます。予算不足を来さないよう、年度途中の執行を抑制しまして、年度末に一定のめどが立ったところで、次年度さらに厳しくなることを見越して備えているということもあろうかと思います。いかに効率的に使って、教育を効果的に行うかを目指しまして、計画的な執行となるよう指導してまいりたいと思います。

 それから、修繕契約の分割の件でございますけれども、初めから分割を意図して行った修繕はございませんが、早急な現場対応を優先したために、結果として連続した内容の案件になったものにつきましては、今後、見直しをしてまいりたいと考えております。

 年度途中での130万円を超えるような緊急修繕の方向につきましては、工事等担当所管や契約担当所管にも協力をお願いしなければ、所管だけでは対応できないことでもございますので、条件づくりにつきまして関係所管とも協議を続けたいと考えております。

 それから、修繕と工事の明確な区分についてのことでございますが、老朽化した学校施設が多い中で、修繕におきまして工事的な内容が多くなることは否めないところでございますが、早急な対応ができるようにする中で、修繕と工事の明確な区分につきまして、今後、関係所管とも十分協議していきたいというふうに考えております。


◎【萩生田富司議長】 財務部長。                   
 まず、一者随意契約についてでございますが、適正な予算執行に当たりましては、公正な競争の結果としての金額で契約することが必要と考えておりますので、例外である一者随意契約について、金額基準を設ける考えというのはございません。ただ、一者随意契約が全くできないというわけではございませんで、これによる場合には、案件ごとに特殊性とか緊急性など、相当の理由を総合的に判断して決定するものとして運用しておりますし、具体的には運用マニュアルも示しているところでございます。

 それから、建築課への体制的な負担の問題でございますが、どの程度の件数、あるいはどの程度の内容のものが建築課の方へ業務としておりてくるのか、この辺についてはまだ明確ではございません。現体制の中で極力頑張りたいと思っておりますけれども、体制的な補強が必要な場合には、関係所管と協議をしてまいりたいと思っております。

 それから、修繕料と工事請負費との区分の問題についてでございますが、予算の執行費目といたしましては、例えば備品の修繕でございますとか、部品の取りかえなど本体の維持管理ですとか、あるいは原状への復旧を目的とするものが修繕料でございます。一方、建物の新設とか解体など、新たな資本形成につながるものとか形状の変更、こういったものを目的とするものは工事請負費として執行しております。今後もこの基本的な考え方をもって適正な予算執行をしてまいりたいと考えております。

 したがいまして、金額基準で、ただいま申し上げましたものの中から、例えば工事費だということでも、幾ら以下だったら修繕料として扱う、こういった考え方というのは今は持ってございません。

 それから、財産の関係です。まず、不動産評価審査会の関係でございますが、当審査会の委員は、助役を会長といたしまして不動産取引等に精通した部課長が務めております。なお、専門家である鑑定士からの評定結果を徴しまして判断をしておりますところから、委員構成につきましては現状のままというふうに考えております。

 それから、市民やNPOからの有効活用の意見ということでございます。現在でも地域への広場等としての開放を実際に行っております。今後につきましても、そうした意見や要望をお聞きする場もあるかと思いますし、処分の難しい土地につきましては、その有効活用について、庁内だけでなく、広く市民等の意見を伺いたいというふうに考えております。ただ、具体的な個々の土地についての進め方については、今後、詰めてまいります。


◎【萩生田富司議長】 第40番、井上睦子議員。                   
 まず需用費の問題についてですが、学校長への予算執行の権限の問題については、今後も継続していくということでありますので、学校が責任を持って、そして学校の自由な裁量を生かすことができる予算の執行にぜひよろしくお願いをしたいと思います。

 そして、一者随意契約の問題や、あるいは修繕費と工事費との区分の問題でありますけれども、現行の運用マニュアルでいくということでありました。現行の運用マニュアルでいったとしても、先ほど業者の声を紹介いたしましたけれども、極めて少額の金額で見積もり合わせを行うということについては、業者の負担感も大変増大をしております。現場が迅速に動けるよう、そして業者の過大な負担にならないよう、この運用マニュアルの改定もぜひ御検討いただきたいと思いますし、監査報告の指摘では、ここの金額が妥当なものであれば、改定もした方がいいのではないかという指摘もあるわけですから、再度、ここのことは御検討いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。お答えをいただきたいと思います。

 また、工事の設計図の作成の問題でありますけれども、今回、分割発注された案件については、13件でしたか、指摘をされています。例年、どの程度の工事件数が出てくるのかわかりませんけれども、子どもたちがいながら工事が並行して安全に、そして早く工事が完了できるというような、学校現場としての特殊性もあるだろうと思います。意図的ではない分割発注ということでありましたけれども、学校の実情としては、それをやらざるを得なかったというようなことも一方では理解できるわけです。

 しかし、やはり分割発注というのは望ましいことではありませんので、それを回避して、ちゃんと競争入札によって工事の発注ができる、それも速やかにできる、学校現場への一定の影響を与えないという体制を早急にぜひ確立していただきたいと思いますし、人員体制が不足であれば、関係所管の努力を仰ぐという答弁がございましたので、ぜひその方向に向かって御努力をお願いしたいと思います。

 いずれにせよ、学校は107校あって、極めて老朽化した学校も多い中で、修繕や工事の規模も年々大きくなってきています。そのことが速やかにできるよう、体制の確立を強く求めたいと思います。

 財産の問題に関しては、不動産評価審査会は現行のままということでありましたけれども、賃料が安いということなども指摘されているように、きちんとした評価ができるように、それでは不動産鑑定士の評価などを適切に取っていただいて対応をお願いしたいと思いますし、市民やNPOからの意見の聴取についてもきちんとやっていただきたいと思います。

 最後に理事者にお伺いいたしますが、外部監査の今回の評価についてであります。外部監査は地方自治法の改正によって政策的な変更をも含む監査を外部の委員によってされるという画期的な制度でありました。16年度の予算でも834万円の支出がされているわけであります。木下会計監査人による2年目の監査報告であります。834万円の金額として、この監査報告の内容は妥当であるのかどうかということについて、私個人としては極めて細部にわたって細かい指摘が続いておりまして、政策的な変更を求めるというか、そこまでにはなかなか至っていない監査報告だと思いました。2年間にわたってそういう印象を持つわけでありますけれども、一般的に外部監査に理事者として期待をすること、さらに今回の監査報告については、具体的にどのような感想なり受けとめ方をしているかということをお伺いしたいと思います。


◎【萩生田富司議長】 財務部長。                   
 学校現場の現状というものは承知しているつもりでございます。ただ、現場の状況がそうであるからということでもって原則を変えていくという考えはございませんけれども、その中でも、体制も含めて、できるだけ柔軟な判断というものはしていきたいと考えております。


◎【萩生田富司議長】 田中助役。                   
 外部監査人につきまして、特に細かい指摘が多いというような御指摘もございました。今お願いをしていますのは、もちろん公認会計士でございまして、お話がありましたように2年目でございますけれども、多少細かい部分があろうかというふうには受けとめてございます。ただ、公認会計士というお立場もあるでしょうし、今まだ十分にそういう事務のところで細かい指摘を受けざるを得ない、このことが私どもの方にも若干責任があろうかなというふうに思っています。ただ、いずれにしましても、外部監査という監査の目的からしますと、当然のことながら政策的な課題につきましても、また私どもがそれを受けて政策的にそれが結びついていくということについては、必要だと思っていますので、今後、話す機会もございますので、その辺のことについては外部監査人の方にもお話を申し上げていきたいというふうに思っているところでございます。