それでは、まず、やり直しのできる社会にというテーマで、生活保護制度について質問をいたします。

 生活保護制度は、国民の健康で文化的な最低限度の生活を無差別平等に保障する制度です。1950年に現行制度が発足して以来、最後のセーフティネットとして、今日も重要な役割を担っています。バブル経済崩壊後、私たち国民は、小泉首相が言うところの痛みに耐え続けています。構造改革によるリストラ、企業の倒産、収入の減収などで、生活の困難さが増しています。若年層のフリーターは400万人、パートや派遣などの非正規労働者は4,000万人とも言われています。いつ仕事を失うかも知れない不安の中で暮らしをしています。

 現在の社会は、自力では抜け出せない困窮に陥る可能性があります。生活保護は、そんなとき、国民を受けとめ、もう一度やり直すためのセーフティネットでもあります。すさまじい競争社会の中で、はっきりと勝者と敗者が分かれる社会の中で、被保護世帯の増加と就労支援をめぐっては、多くの質疑が予算審議でも交わされました。被保護世帯の増加は、毎年10億円の市財政の負担増となっており、財政を圧迫する要因となっておりますけれども、財政面からだけではなく、受給者の自立を応援する体制や仕組みをつくり、やり直しのできる機会を保障する視点から質問をしたいと思います。

 東京都の生活保護動態調査や福祉行政報告例によると、都内の被保護世帯数は、バブル崩壊後の1992年を境に増加に転じています。年齢別では、稼働年齢層の20代30代が10年間で2.1倍から2.5倍になり、若年層の失業率の上昇など、長期にわたる景気低迷の影響があらわれています。高齢者世帯の割合も、92年と2002年を比較をすると、伸び率が2倍となり、18歳から64歳までの稼働年齢層も3倍の伸び率になっています。

 そこでお伺いをいたしますが、八王子市の生活保護受給世帯の類型別の割合、世帯数や伸び率はどのような傾向があるのかお示しください。

 そしてまた、受給者が急増する要因というのは、長引く不況や経済の低迷だと言われています。また、年金や雇用保険などの他の社会保障制度の不足や制度間の谷間の部分が大きいことも要因であります。しかし、保護の開始が保護の廃止を上回る状況は何が問題なのでしょうか。市はどのように分析をしているか、お伺いをいたします。  次に、墓地開発について伺います。

 1970年代からの大規模な墓地造成、住宅開発や大学の進学は、八王子の樹林率を減少させる大きな要因となってきました。具体的には、70年、樹林地率は65%であったものが、79年には58%、97年には47.5%にまで減少しています。市議会は、1983年に、市街化調整区域の墓地造成の開発規制を決議し、市も墓地開発を抑制する姿勢で取り組んできました。1994年には、八王子市内における墓地造成の基準を明文化をしております。

 基本的に、新設の墓地は原則として認めない。既存墓地の増設については、前回の造成工事の検査終了後、7年以上経過をしているものについては認める。そして、その中で、事業計画区域の面積は1ヘクタール未満であること。そして、八王子市民の使用に供する墓地であること。また、計画区域内に緑地、駐車場を確保することということを事業者に求めています。しかし、この基準は全面的に墓地開発を規制する内容ではないため、かつての丘陵には墓石が並び、緑地の減少をもたらし、景観を阻害をしています。また、近隣住民とのあつれきなども起こっています。

 八王子市内の墓石数は、本市の人口53万人より多いのではないかとも推測をされていますが、まず、市は市内の墓地の面積、墓石数をどのように把握をしているのかお伺いをいたします。

 また、墓地造成の基準を策定して10年を経過していますが、各年の墓地開発面積、農地や緑地の減少面積をお答えください。

 さらに、造成後、売り出された墓地は主として八王子市民が使用しているのかどうかなど、事後調査は行っているのでしょうか、お伺いをいたします。

 さらに、現在墓地造成について協議をしている件数、計画面積、現況の土地利用状況をお知らせください。

 2000年に市議会に請願が出された堀之内地区のメモリアル高幡霊園の基地造成では、自然保護の問題や宗教法人の適格性や名義貸しの問題、資金調達の点などが大きな問題として議論をされました。しかし、結局開発は許可をされ、現在も販売をしております。この宗教法人の檀家数は100件前後でしたけれども、墓地は900基以上の規模で、宗教を問わないというように、明らかに事業型の墓地でした。私は、この墓地造成の件からも、現行の基準には限界があるというふうに考えていますが、墓地造成の抑制を図る目的の基準は効果を果たしてきたというふうに市は考えているのかどうかお伺いをして、1回目の質問を終わります。


◎【萩生田富司議長】 健康福祉部長。                   
 生活保護受給者の関係での御質問をいただきました。年代別のというお話がございましたが、生活保護受給者の世帯類型別の内容でお話を申し上げますと、高齢者の関係につきましては、全体、平成15年度で3,665世帯のうち、高齢者関係が約30%、これは傷病、障害者関連で41%、母子関連で9.2%、その他が19%となっておりまして、全体としては、高齢者の伸び率が、14年、15年は同様ですが、13年度に比べますと多少伸びてきているという状況がございます。

 それから、生活保護者の増加傾向についてのお尋ねですが、保護の開始原因を見ますと、景気低迷によりますリストラですとか倒産、こういったことによります経済的な要因がふえておりまして、保護開始の原因を全体の比率で見ますと、平成15年では、経済的要因がおおむね38%、一方、生活保護受給者の世帯類型で見ますと、高齢者とか傷病者世帯が増加傾向になっております。

 先ほどの御質問者のお話にもありましたが、保護廃止世帯に比べまして、保護開始世帯の増加が高いということも増加の一因になっているというふうに考えております。


◎【萩生田富司議長】 まちなみ整備部長。                   
 墓地に関しまして、何点か御質問をいただきました。まず、墓地の状況でございますけれども、まず、平成10年度、これは実は3件ございまして、基数といいますか、墓地の数は1,474、面積が1万8,523平方メートル、11年が3件で基数737、それから、1万8,676平方メートル、12年が3件でございまして、1,421基の2万7,977平方メートル、13年度が2件でもって1,719基、1万5,875平方メートル、14年度はございません。15年度もございません。16年度は最後でございまして、4件、2,464基でございまして、1万7,315平方メートル、合計で15件でございます。7,815基でございまして、9万8,366平方メートルとなっております。

 市の墓地基準における緑地の確保につきましては、市街化区域では、開発面積の20%、それから、調整区域では40%の緑地を確保するように指導してございます。この緑地につきましては、自然緑地あるいは回復緑地も含めてということでございます。

 それから、墓地の後追いの調査というのはどうなっているのかということでございますが、市では、墓地の安全性など、造成する項目につきましては検査してございます。墓地そのものの後追い調査はしておりません。墓地設置の許可権を持っている保健所では、許可したものについては、完成時点で検査を実施しておりまして、その後、変更がある場合には、墓地埋葬等に関する法律で、変更許可申請をしなければならないというふうになってございます。

 それから3点目に、明文化したときの意義というか、そんなことはどういうことなのかという御質問でございました。実は、それまで内規としまして、昭和のときから指導しておりました。平成6年から明文化したことによりまして、事業者に対しまして、市として明確な形で指導するようになりました。そのため、開発も一定の規模以下、先ほど言いましたが、1ヘクタール等の規制で抑制することになってきております。


◎【萩生田富司議長】 第40番、井上睦子議員。                   
 まず、生活保護制度についてお伺いをいたします。

 世帯別類型など、御答弁いただきました。その他ということは、稼働年齢層がいる世帯だというふうに思いますが、19%ということで、母子世帯を含めて、どのように仕事についていくのかというような援助が必要な世帯だろうというふうに思います。そのためには、まずケースワーカーの体制をきちんと確立をしていただきたいというふうに思います。

 2004年度の包括外部監査の意見でも、八王子市はケースワーカー1人当たりのケースが122世帯と大変多いということが指摘をされていました。厚生労働省は、80人が目安でありますので、42人も上回っている。これでは適切な援助ができないという指摘がありました。都の調査でも、2004年度、区部は80.6人、市部では97.9人という数字が出ておりまして、これと比べても、八王子市のケースワーカーの受け持ちの数は大変多いということがわかります。以前よりケースワーカーの増員は求められておりましたけれども、新年度はケースワーカーを何人増員をして、その結果、1人当たりの受け持ち件数はどの程度になるのかお伺いをしたいというふうに思います。

 いわゆる就労支援なり自立支援というところでは、ケースワーカーがひとりひとりの受給者に対してよりきめ細かなケアなり指導なり援助なりをどうしていくのかということが求められておりますので、このことはしっかりと実現をしていただかなければならないことだというふうに思いますが、計画をお示しください。

 次に、ケースワーカーのステップアップといいますか、専門性の確保の問題についてお伺いをいたします。今日の被保護世帯は、傷病や障害、あるいは精神的な疾患などによって、社会的な入院をしていらっしゃる方たちもいらっしゃいますし、あるいはまた、ドメスティックバイオレンスの被害者、あるいは虐待、多重債務、また、元ホームレスというようなさまざまな多様な問題を抱えた人たちが生活保護を受給をしています。

 そして、相談に乗ってくれる人がいないなど社会的なきずなが希薄で、孤独な状態にある人たちもふえておりますし、稼働能力があっても就労経験が乏しくて不安定な職業経験しかない場合が少なくない人々もいるわけです。こうした人々に就労への意欲なり、そして、社会に参加をしていく意欲ということを持たせていく、援助をしていく、そういう機会をつくっていくためには、ケースワーカーの人数だけではなくて、その専門性が高くならなければならないというふうに思います。

 都の調査では、ケースワーカーの経験年数1年未満の者が4分の1を占めておりますし、社会福祉主事資格の保有者の割合は、92年、4分の3だったものが2002年、3分の2にまで減少をしております。ケースワーカーの専門性の確保などが大変大きな課題となっているというふうに思いますが、市はケースワーカーの質の向上などについて、今後どのように取り組んでいくのかということをお示しいただきたいと思いますし、経験年数1年未満の者が東京都では4分の1を占めるということですが、八王子も3年か4年でケースワーカーが変わっていくとすれば、その程度かなというふうに思いますが、もしわかれば、この数値もお示しいただきたいと思います。

 次に、受給者の自立支援、具体的に就労支援について伺います。就労促進指導員2名が新年度は配置をされます。昨年度、今年度の就労の成果というものが予算委員会の中でも報告をされましたけれども、その成果が上がっていることは評価をいたしますが、個別の人々の状況に応じたプログラムの作成が必要なのではないかというふうに思います。必ずしも現状の能力で仕事が確保できるとはわかりません。雇用情勢は変化をしておりますし、労働市場が求める労働者へのさまざまな能力というものはどんどんスキルアップをしていかなければ、仕事が確保できないというようなことが起きています。

 新たな仕事への意欲を引き出す能力開発のプログラムというものが必要でありますし、特に20代30代は、新たにチャンスをつかむための技能の取得が一つのやり直しのできる機会になるわけでありますけれども、職業訓練や再教育の機会を持つこと、そして、能力を開発するプログラムを作成をして、ひとりひとりに合った新たなチャンスの機会を保障するという取り組みについては、今後どのように取り組んでいかれるのかお伺いをしたいというふうに思います。

 これは、東京都も国も、生活保護制度の見直しに関する提言の中で示していることでありますので、市としても、そのことは承知をしていらっしゃるというふうに思いますが、具体的な計画があればお示しをいただきたいというふうに思います。

 2点目には、就労支援のみならず、先ほど述べましたように、ドメスティックバイオレンスへの被害者や精神的な病なり孤独なりを抱える人たち、あるいは虐待に遭った人たちというのは、精神的なメンタルな部分のケアも十分に必要になってきます。社会から自分の価値を低く見られている、自分自身に自信がない、そして、孤独である、社会になかなか入っていけないというようなメンタルな部分をどのようにケアをしていくのかということもプログラムとしては必要になってくるというふうに思いますし、ひきこもりや、元ホームレスの人たちに対しても、社会参加へのためのカウンセリングや援助というものが必要になってくるだろうというふうに思います。こうしたことの援助についても、メンタルな部分で必要だというふうに思いますが、他の部署とも連携をしながら、そうした個別のサポート体制もつくっていく必要があると思いますが、その点についてはどのようにお考えになっていらっしゃるのかお示しをいただきたいと思います。

 次に、公的な保証人制度についてお伺いをいたします。住宅の確保が保証人がいないことによって困難となっているケースがたくさんあります。特にホームレスの人たち、あるいは高齢者でなかなか保証人がいない人たちというケースがあります。今市は保証人のいないアパートをあっせんをするとか、住宅の協会に頼んで保証人をあっせんをしてもらうとかという取り組みがあるようですが、川崎市や世田谷区、あるいは練馬区は、公的な保証人制度を導入をしています。これは、家賃の滞納や入居後の病気、事故など、大家さんが抱く不安を軽減をして、保証人の制度を市が担う。そして、保証会社と連携、契約をとることによって、高齢者や障害者、あるいは保証人を確保できない人たちに対する住宅確保の機会として、保証人制度を持っています。

 このことは、住宅を供給する不動産の人たちにとっても、安定的な家賃、そして、貸すことによるさまざまなリスクを回避できるという意味で、23区の中ではかなり多くの区が有機的なつながりを持ってこの制度を立ち上げております。豊島区や練馬区、新宿区などは、その保証金の2分の1を援助するという制度もできておりますが、ぜひこういった制度を生活保護のみならず、高齢者や障害者や、そういった人たちに対する住居を確保するという制度として確立をしていただきたいというふうに考えておりますが、こうした公的保証人制度の必要性についてはどのようにお考えでしょうか、御見解をお伺いをいたします。

 次に、墓地開発の問題についてお伺いをいたします。

 残念ながら、現行の墓地の面積、10年から16年まで、どのような開発があったのかということは御報告がございましたけれども、現在八王子市の全域の面積の中に占める墓地の面積、そして、墓石数については御答弁がございませんでした。もし、わかっているようでしたらお示しをいただきたいというふうに思いますし、現在、16年では4件の開発があったということでしたけれども、今進行して墓地開発の協議をしている件数がございましたら、その計画面積も含めて御報告をいただきたいというふうに思います。

 同時に、墓地は八王子市民に主として供することという基準をつくっているわけですから、墓地が開発された後、販売をされて、市民が使用しているのかどうかということは事後調査として市が行うべきではないかというふうに思います。基準にある以上、本当にそのことが守られているのかどうか、守られていないとすれば、今後の対策を考えなければならないと思いますので、今後事後調査を行うという考え方についてお聞きをしたいというふうに思います。

 住宅地に隣接してできている墓地開発をめぐって、国分寺市、小平市、三鷹市などで、近隣住民との紛争がここ数年頻繁に生じています。八王子市でも、住宅に隣接する墓地の増設をめぐって、近隣住民の方たちは心を痛めるという事態が起きています。こうした背景には、バブル崩壊後、不良債権になった住宅地などの土地が、墓地をビジネスとする業者の手に渡り開発が行われるという背景があります。また、2000年に完成された東京都の墓地等の構造設備及び管理の基準等に関する条例によって、近隣住民からの承諾書の添付が義務づけられなくなったことも挙げられます。そのため、事業者が強硬に出る中で、近隣住民とのトラブルが発生をしています。

 私は、先ほども申し上げましたように、墓地に対する現在の規制というのは限界があり、各地で発生している住民とのトラブルを未然に解決し、生活環境や自然環境を守るためには、現在の基準のより規制の強化が必要だと考えています。行政は、明文化したことによって、一定の抑制策が図られたというふうにおっしゃっております。そのことがあったというふうに思いますけれども、しかし、御報告をいただいたように、10年から16年では15件、約10ヘクタールの墓地が開発をされているという事実を見るならば、これ以上墓地は要らないのではないかというふうにも私は思います。

 既に人口と同数の墓石数があるのではないかというふうに言われておりますし、墓石の60%は、市外在住者の需要であるとも言われております。市民の需要を満たしているのであれば、墓地造成の基準をより強化をして、墓地開発、墓地造成を防ぐ手だてというのが必要ではないかというふうに思います。開発を規制をしていくためには、一切増設を認めないということが有効でありますけれども、その御見解をお示しいただきたいと思います。

 また、現行の基準を強化をするとすれば、具体的に前回の工事完了後7年以上経過していることを条件にしておりますけれども、この7年というのを10年あるいは15年など、期間を延長すること、また、事業計画の区域面積を1ヘクタール未満という制限を0.5ヘクタール未満にするなど、開発面積の縮小をすること、あるいは緑地の確保の比率を上げること、現行は、先ほども答弁がございましたように、市街化区域は20%、市街化調整区域は40%となっておりますけれども、その比率を上げることによって、墓地の開発を規制をするということ、あるいは都条例では、近隣住民の同意書の添付ということは条例では求めなくなりましたけれども、しかし、市としては、近隣住民の同意書を添付することによって、開発行為を規制をしていくという方法もあるのではないかというふうに考えております。現在は、墓地の許可権限は東京都にありますが、将来、保健所移管等によって、八王子市の自治事務となる可能性もあります。その準備も含めて、墓地経営の許可、墓地の指導監督についての考え方を確立することが必要だと考えています。

 厚生労働省は、2000年に、墓地経営、管理の指針についてを出しておりまして、墓地開発をめぐる名義貸しや、多額の負債を抱えて破産宣告を受けるといった不適切な事件が起こっていることを問題として、墓地の永続性、非営利性を確保するために、許可権限を持つ知事や指定都市の市長の行政権限について、基本的な考え方を示しています。そこでは、墓地埋葬法は、墓地等の経営を知事または指定都市の市長の許可によるものとし、強い行政権限を与えています。行政権限の運用方法については、広い裁量が認められているとして、知事は正当かつ合理的な理由があれば、許可しないことができるとしています。

 さらに、住民の同意書については次のような見解を示しています。墓地経営の許可に当たっては、周辺の生活環境との調和、公共の福祉との調整が重要である。周辺住民は、墓地の許可の取り消しを求める原告適格を持たないという判断があることも留意をすべきであるが、個々の利益ではなく、周辺の生活環境との調和を知事が許可するか否かの判断材料の1つとして考慮することは差し支えないとしています。すなわち、知事や市長が許可するときの判断材料として、住民の同意書はとることができると解釈できるのです。これは、事業者の強引な開発を抑制し、近隣住民とのトラブルを未然に防ぐことにもなります。許可権限が東京都である現在も、都より厳しい基準で事業者を指導している八王子市は、より強化した規制で墓地開発を抑制することが必要だと考えますが、御見解をお示しください。

 また、市長は、今後とも墓地開発を受け入れていく姿勢であるのか、あるいは規制を強化をして、墓地の開発にある程度の歯どめをかけるべきだとお考えなのかお伺いをいたします。  以上で2回目の質問を終わります。


◎【萩生田富司議長】 健康福祉部長。                   
 ケースワーカーの増員の関係でございますけれども、確かに本市の場合の標準数というのは、80世帯という数を上回っておりまして、先ほどのお話にもございましたが、平成15年度からは、就労支援員を1名配置、また、17年からは、さらに1名を増員をしまして、積極的な就労の支援を行うということと、それから、これとは別に、また面接相談員も本年度から新たに2名を配置するという状況がございますので、増加する相談業務につきましても、充実強化を図って、きめ細かな対応をしていきたいというふうに考えております。

 なお、ケースワーカーの増員については、現在も調整をしているところでございます。

 それと、住宅を借りる際の保証人関係の御質問でございましたが、現在、福祉事務所では、保証人の必要でないような賃貸住宅等の紹介をするとともに、また、保証人が見つからない方におきましては、保証人を提供する民間団体の保証人協会等の情報を提供しているところでございます。現時点では、この方法を踏襲していく形になろうかというふうに思います。

 それと、今後のケースワーカーの質の向上という御質問でしたが、確かにさまざまなDVですとか虐待、こういった要素をケースとした現状の中でのケースワーカーの役割というものも大切になってまいりますので、種々のケースにきめ細かな対応ができるように、さらにケースワーカーの研修に努めてまいりたいというふうに思います。  ケースワーカーの経験年数ですが、現在のところ、おおむね3年2ヵ月という状況でございます。

 それと、最後に、現在は都立の八王子技術専門学校が八王子市内にありますけれども、こういった生活保護受給者の関係では、就労に関してこういった学校、都立のこういった職業訓練校ですとか、それからまた、さらに国の独立行政法人の関係でも、雇用能力開発機構が実施している訓練事業等もございますので、こういったところに本市の就労指導員と面接を生活保護受給者との関係でした上で、適宜調整をしているところでございます。

 また、平成17年度からは、就労支援として、ハローワークに就労支援コーディネーターを配置するという状況もありますので、福祉事務所との連携も含めた中で、こういった積極的な就労支援をしてまいりたいというふうに考えております。

 さらに、先ほどの自立支援プログラム等につきましても、具体的な内容を策定して進めていきたいというふうに思っております。


◎【萩生田富司議長】 まちなみ整備部長。                   
 私の方から、墓地について何点か御質問をいただきました。お答えいたします。

 その前に、私どもの指導しているのは、開発指導課というところで指導しております。これにつきましては、墓地の指導というより、墓地の安全性等に関しまして、御質問者もおっしゃいましたように、住民の生活環境に極めて重要ということで、積極的に私どもの所管でしておりますけれども、したがいまして、墓地の把握は保健所で聞きましたが、八王子の中に205ヘクタールあるということで、これは全部うちの方で指導はしてございません。

 私の方で、規制法等々の法律に従って指導しているわけでございますけれども、御質問でおっしゃいました私どもの指導方法というのは、安全性あるいは住民の生活環境という点で、事業主と我々の所管の職員がかなりぎりぎりな調整をしながら、市民の生活を守るために頑張っておるところでございますけれども、現在基準はかなり強いものがございます。したがいまして、市民にとっても必要な施設でございますので、現状では、この基準のとおりでやっていこうかなというふうに考えております。


◎【萩生田富司議長】 黒須市長。                   
 40番、井上睦子議員の質問にお答えをいたします。

 墓地開発を今後も引き続き市として認めていくのか、こういう趣旨の質問でございますけれども、今担当部長の答弁にもありましたけれども、墓地は市民生活、国民生活にとって必要な施設であることは間違いないと思うんです。ただ、当然のことながら、生活環境との関連で配慮が求められる。これは言うまでもないことだと思います。必要なものであっても、自分の家の隣に、あるいは近所に墓地ができるということになると、これは賛成する人は余りおられないというふうに思いますから、難しい問題ではあります。

 したがいまして、本市においては、墓地造成の基準を設けているわけでございまして、これは、この内容で指導要綱で、そして、これだけのきちんとした指導をしているというのは、内容も厳しいですし、珍しいというふうに私は自負しておりまして、それがきちんと今効果を発揮をしているというふうに思っております。今後について、もし、内容について見直しを必要な点が生じたとすれば、その時点で考えたいと思います。


◎【萩生田富司議長】 第40番、井上睦子議員。                   
 それでは、生活保護制度の問題についてですが、ケースワーカーの増員については、現在調整中ということでありました。担当所管がなかなか増員をするということは答えられないでしょうから、これは行政経営部になるのでしょうか、ぜひ増員を求めたいというふうに思いますが、受給者が自立をしていって、就労していくことになれば、今度は納税者としての役割を担うわけです。そのためには、きちんとしたケア体制があれば、そのことが早期にできるということになれば、きちんと増員をして、きめ細かな体制をするということは大変必要だというふうに思いますので、今17年度に向けてどのようなレベルアップをするのか、そして、結果としては1人当たりのケースワーカー、何人の人員体制を目的としているのか、明らかにしていただきたいというふうに思います。

 生活保護の制度は、最後のセーフティネットと言われておりまして、今大変厳しい構造改革、あるいは競争社会の中で、勝ち組、負け組という形ではっきりと出てくる社会になってしまいました。でも、この生活保護制度が敗者復活の制度として機能すれば、もう一回人々は自信を持って社会の中で参加をし、働き、有意義な人生を送れるという制度でもあります。ハリー・ポッターの作者JKローリングさんは、母子家庭で、生活保護を受けながら、「ハリー・ポッターと賢者の石」を執筆をしていて、今は大変な高額納税者になっていますし、ケンタッキー・フライドチキンのカーネル・サンダースさんも、かつては生活保護受給者であった。あるいは寺山修司さんもそうであったというふうに言われています。

 日本の生活保護制度は、入りにくく出にくい。なかなか生活保護を受けられないけれども、資産を全部使い果たして生活保護を受給するので、なかなか立ち直りのチャンスがない制度だというふうに言われております。一方、イギリスなどは、入りやすく出やすいというふうに、ローリングさんなんかの例もあるわけでありますけれども、これは、現在の生活保護制度が資産の保有を認めるのかどうかといったような制度の根幹にかかわる問題があって、市自身が変えていくことはできないわけでありますけれども、現在稼働年齢層が生活保護受給者としてふえている中で、もう一度立ち直りのチャンスを得ることができる制度として、ぜひきめ細かい体制をしていただきたいというふうに強く要望したいというふうに思います。

 次に、墓地開発の問題についてでありますけれども、規制の強化というのは、現在のところ、考えていない、問題がないからであるということでありましたけれども、国民にとって、市民にとって必要な施設であることは論をまちません。ついの住みかとして、また、自分たちの先祖の魂なり霊が宿っているという意味では、皆さんにとっては必要な施設でありますけれども、これが市民の需要を満たしているのかどうかということはぜひ調査をしていただきたいというふうに思うんです。

 そのことによって、墓地経営は非営利活動でなければならないというふうに言われておりますけれども、墓地開発は今や営利事業となっていると言って過言ではないというふうに思います。檀家数以上の墓地を造成をし、宗教を問わず販売をしています。ホームページを見れば、石屋さんが墓地の販売を手がけています。墓地経営は非営利でなければなりませんし、永続的でなければならないというふうに思います。

 基本的には、地方公共団体が設置をし、経営することが本来の姿です。八王子市内の墓石数は明確ではありませんけれども、これ以上墓地は要らないというのが率直な市民の声ではないでしょうか。市民の墓地の需給バランスを調査をし、墓地経営の許可についても計画を策定する。そして、墓地の需給についても、きちんとした計画を策定をしていただきたい。そして、その結果、規制を強化をする必要があれば、ぜひしていただきたいというふうに思います。

 先ほど保健所の資料で、既に墓地は205ヘクタールも占めているという結果がありました。先ほどの報告でも、年間約200ヘクタール以上が開発をされ続けているわけですから、ぜひともこのことはきちんと対応をしていただきたいということを強く要望をしたいと思います。以上で質問を終わります。


◎【萩生田富司議長】 行政経営部長。                   
 ケースワーカーの1人当たりが多くの保護世帯を抱えている現状、これについては私も認識しているところでございます。そこで、所管部長からもお答えがありましたように、やり直しのできる社会にということで、就労支援あるいは相談業務の充実強化、このことから、それぞれ支援員や相談員の充実を図るということにしているところでございます。

 なお、職員の増員につきましては、現在年度途中で不幸にして亡くなった方等も多くある中で、そういったところへの補充、それから、新たな業務への手当も必要でございまして、ケースワーカーにつきましては、現在できるように所管とも調整をしているところでございます。