◎40番【井上睦子君】
 きょう最後の一般質問になります。大変お疲れだと思いますけれども、ぜひよろしくお願いをいたします。

 八王子城跡の保全と圏央道の工事の問題についてまずお伺いをいたします。八王子城跡の滝がれ要因と対応についてでありますけれども、この八王子城跡トンネル工事と御主殿の滝がれ問題については、ことしの第1回定例会では請願が提出、審議をされ、今議会でも多数の議員が取り上げています。市教育委員会は、2月20日に私たち9名の議員で緊急要請を行った以降、この問題を重要な事態と受けとめ、国土交通省に対して、文化庁や都教育委員会とともに原因究明の申し入れを行っています。また、6月1日の再度の対応を求める私たちの要請に対して、早々の6月7日、八王子城跡トンネル工事の視察に教育長をはじめ関係者の方々が行かれ、そうした誠意ある対応をされたことには感謝をいたします。

 しかし、市教育委員会の努力にもかかわらず、御主殿の滝は4月19日に6度目の滝がれとなり、5月24日の40ミリの降雨で復活するという状態です。5月は比較的雨が多かったわけですが、滝がれが長期に及ぶという深刻な状況になっていますし、御主殿の滝の供給源である城山川上流部には表流水が見られない状態が続いておりました。5月29日、保坂展人衆議院議員と同僚の議員の皆さんとともに私も八王子城跡トンネルを視察いたしました。

 まず、北坑口から下り線に入りましたが、直径10メートルもの拡幅掘削工事は既に八王子城跡内はあと100メートルで終了という地点まで掘削が進んでおりました。拡幅掘削工事は24時間体制で行われており、1日7メートルから8メートル進むということです。トラブルなく掘り進めば2週間で史跡内を終了することになります。拡幅掘削した表面にはコンクリートが吹きつけられていましたが、水がしみ出し、水どめの凝固剤として使ったセメントミルクがほうき星のように流れ出していました。これは先ほど鈴木議員がお見せになったものと同様のものが天井の方では見られました。拡幅掘削開始地点、これは北坑口から約1,200メートルの地点では、既に吹きつけコンクリートの上にトンネル全周を防水シートで覆って、その内側に鉄筋が組まれ、1メートルの厚さの覆工コンクリートが巻かれておりました。覆工コンクリートの継ぎ目部分は長方形のシートで覆われておりました。そして、そのシートを取ってみると、細いビニールパイプを集めた部分から絶え間なく湧水が流れ出しておりました。

 これがコンクリートとコンクリートの継ぎ目のところにあるビニールシートです。そして、このシートについては、私たちに対して国土交通省の職員は防水シートだというふうに説明をされました。何があるのか取ってくれというふうに言いまして、取ってもらいましたら、ビニールパイプを集めたところから、ビニールパイプからも水が流れておりましたし、その付近のセメントからも水がしみ出し、そしてセメントミルクも出ておりました。決してこれは防水シートの役割はしていなかったわけです。この水が流れているということを隠すためのシートではなかったかというふうに疑念を抱かざるを得ませんでした。

 なぜこのシートで覆われていたのか。私たちには見せたくなかったのかもしれません。国土交通省に対して大変大きな疑念を抱きました。このシートは、左右両側に6メートル間隔だろうというふうに思いますが、均等に張ってありました。多分70枚から80枚はあったのではないかというふうに推測をされますけれども、きちんと現場を確認することは残念ながらできませんでした。このシートは、1枚だけではなく2枚はがしてみましたけれども、同じような状態で湧水が流れ出している。水道の蛇口を細くして常によどみなく流れているという状態でありました。この地点は拡幅掘削が始まった地点です。トンネル内部からは日量500から600立方メートルの湧水が出ているというふうに言われておりますけれども、このシートに隠れていた部分からの水量は計測をされているのかどうか、不明でありました。この事実について、こうした部分から湧水が流れ出ているという事実について、相武国道事務所はトンネル技術検討委員会に報告をしているのかどうかというふうに問いましたけれども、現場では報告をしているという明確な回答は職員から得られませんでした。

 私は、トンネル工事の内部を視察してみて、止水のために入れたセメントミルクがなぜ流れ出しているのか、大変大きな疑問を持ちました。そして、セメントミルクとともに湧水も流れ出していました。覆工コンクリートの施工が完了しているということは、完全に止水工事が終わっているということです。しかし、それにもかかわらず水が出ているという事実は、止水工事が完全ではなく、この工法は失敗をしているのではないかと考えざるを得ませんでした。そしてまた、これが地下水位の低下の要因の一つではないかとも考えました。

 教育長は6月7日にトンネル工事の現場を視察されましたが、シートで隠されていた出水の状況というのは確認をされたのでしょうか、お伺いをいたします。そして、工事の状況について何を確認し、どのようなことを感じられたのか、お伺いをいたします。現場では、シート部分からの出水量及びトンネル技術検討委員会への報告については、相武国道事務所からこれについて説明がしっかりとあったのでしょうか、お伺いをいたします。また、6月7日は文化庁、東京都教育委員会とともに視察をされたとお聞きしておりますが、今後の対応に関する協議は行われているのか、お伺いをいたします。

 6月5日に私どもは文化庁に緊急な対応を求めて要請に参りましたけれども、そのとき文化庁は、国交省との協議は毎月行っており、6月は中旬ごろになるということでした。文化庁にもこうした映像をお見せして、ぜひ私たちの考え方も理解をしていただくというような働きかけをしてまいりました。文化庁や東京都教育委員会、そして市教育委員会との協議の状況及び国交省との協議日程をお示しください。

 次に、地下水をもとの水準に戻し、御主殿の滝を復活させる、八王子城跡の水環境の保全のためには、要請書でも強く求めておりますけれども、拡幅掘削工事の中止を強く求めたいと考えております。既に他の議員からも第1回定例会また今議会で滝がれや沢がれの要因について詳細な分析と指摘がされておりますけれども、地下水位が35メートルも下がったのは拡幅掘削工事を開始した昨年の10月19日直後の22日からだと国土交通省も記者会見の資料で明らかにしております。それ以来地下水位は上がっておりません。国交省は昨年の段階では、表流水があるため、滝がれの原因は少雨であるとしていました。しかし、ことしの3月16日には、表流水が早く減少する傾向を重視するというふうに、昨年暮れからの見解を変えてきています。国交省の滝がれ要因についての見解は変わっています。二転三転しているように思いますし、いずれもそれが正確ではなかったということを自然が、すなわち雨が降る状況や地下水位の動向、そして滝がれがしばしば起こるということからも自然が証明をしています。滝がれの要因を明らかにするためにも、まず拡幅工事を中止し、地下水位の動向を見ることが緊急な課題だと言えます。

 5月22日、国交省から市教委への報告では、掘削区間の工事を中断することは裸坑区間から連続的にわずかな湧水が発生することから、水環境保全の観点から好ましくない、止水構造を早期に完成すべきだという考えが示されました。しかし、先ほども申しましたけれども、拡幅掘削工事は1日に7メートルから8メートル進むのに対して、防水シートを張り、覆工コンクリートを巻いていく覆工工事は2日に10メートルという進捗状況です。これでは拡幅掘削を進めれば進めるほど裸坑区間は縮まらず、広がっていきます。したがって、拡幅工事を早急にとめることが緊急の課題だというふうに考えておりますけれども、教育長の見解を求めたいというふうに思います。

 さきの議員の答弁に対しては、重大な事態だと受けとめて東京都や文化庁と情報の再確認をし、止水構造の早期完成を求めるというものでありましたけれども、これは具体的にはどのようなことを意味するのか、具体的にお示しいただきたいというふうに思います。

 次に、高尾山トンネルについてでありますけれども、八王子城跡トンネルと同様の工法が採用されるというふうに発表されています。八王子城跡はこの高尾山トンネルの練習台とも言われておりまして、八王子城跡の滝がれ、地下水位の低下の要因と対応策が明らかにならない中で、高尾山でも同じような問題が起きる危険性は大変大きいというふうに考えております。

 それでは、先ほどから担当部長からは高尾山トンネル工事についての見解が示されておりましたけれども、工事のスケジュール等について市はどのような協議をしているのか、情報はどのように提供されているのかということについてお示しをいただきたいというふうに思います。

 そして、市は高尾山トンネル工事のアセスメントに対してどのような意見を過去において提出しているのか、お伺いをいたします。

 次に、介護保険法の改正と高齢者の生活についてお伺いをいたします。

 介護の社会化を理念としてスタートした介護保険制度は、それまで家族の介護に悩んでいた女性たちに歓迎され、サービス利用は広がり、介護に対する意識を大きく変えてきました。しかし、昨年の介護保険法の改正は、介護保険の4分の1のコストを負担する国、すなわち財務省の財政圧縮の圧力によって当初の理念から後退し、利用抑制へと改悪をされてしまいました。具体的には、施設サービスの食費や居住費の自己負担増、そして介護予防サービスの導入です。4月からの制度改正によって高齢者や家族からはサービスが使えなくなったなどの声が届いています。

 東京都社会福祉協議会の介護保険制度改正に伴う利用者への影響調査の集計速報が5月29日に発表されました。この調査の対象は、改定前から介護保険を利用している人、そして要支援1、2、経過的要介護、要介護1、2の人、そして加えてサービス利用に変化のあったと思われるというこの3つの条件を満たすすべての人を対象としています。調査結果では、不都合、不便と答えた利用者は全体の8割でありました。具体的には、今まで利用していた時間や回数を減らさざるを得なくなったというのが訪問介護で62.8%、通所介護で43.6%、そして今まで利用していたサービスが使えなくなったという人の割合は、訪問介護で40.3%、通所介護で33.8%、福祉用具で54.5%となっています。意見として、外出支援がなくなって外に出られない、通所が週2回が1回になったので家に閉じこもり、体を動かすことも少なく、だれとも話をしなくなったなどの問題点が紹介されております。私のところにも、ベッドが使えなくなる、通院介助がなくなった、ヘルパーの時間が1時間半になり短くなった、デイサービスの回数が減ったなどの声が届いております。

 今までの要支援の人全員と要介護1の70%から80%の人が要支援1、2の介護予防サービスに移行すると言われています。この要支援1、2の人たちに大変大きな影響が出ています。

 そこでお伺いをいたしますが、この制度改正によって介護認定の新規、更新、区分変更が4月、5月に行われておりますけれども、要支援の人は新規でどのくらい、変更ではどのような状態になっているのか、お答えください。

 次に、これまで要介護1であった人は、通院介助は利用できましたが、要支援では利用できませんでした。要支援であっても福祉用具の利用は可能でありましたけれども、改正では原則利用できなくなっています。そして、軽度の人たちのサービス利用限度額が変更され、要支援1は4万9,700円、これまでの要支援は6万1,500円でありましたから切り下げられております。そして、要支援2は10万4,000円、これまでの要介護1の人は16万5,800円でありましたので、これも大幅に使えるサービスの量が下がっております。このことによって、東京都社会福祉協議会の調査でも80%の人が利用を制限され、不便だと訴えています。

 市は、訪問介護通所サービス、福祉用具の貸し付けなどにおいてどのような影響が出ているのか、実態を把握しているのでしょうか。具体的には福祉用具が使えなくなっている人の人数、デイサービスに行けなくなった、回数が減ったという人の人数、ホームヘルパーの派遣時間の減少などの変化があらわれている人の実数を把握していればお示しいただきたいというふうに思います。

 次に、ケアプランについて伺います。介護予防のケアプランは原則、地域包括支援センターが作成をいたしますが、居宅介護支援事業所に委託することもできます。介護報酬の改定で介護予防のケアマネジメントの報酬は4,000円、これまでは8,500円でありましたけれども、減額をされ、委託の場合はさらに手数料が引かれるとも言われております。現在ケアマネは平均40件、そのうち2分の1は介護予防のケアプランを担当していると言われています。報酬の低さや10月以降、居宅介護支援事業所のケアマネジャー1人当たりの担当件数は8件までと限定される中で、午前中も質疑がありましたけれども、ケアプラン難民が出かねないというふうな危惧がされております。これに対して本市の場合は、地域包括支援センターを中心にどのような対応策を立てているのか、具体的にお尋ねをいたします。

 要介護度の維持、改善を目指して、重度化を防止する目的で介護予防サービスが導入されました。おのおの事業所の提供するサービス内容はどのような変化があるのか、把握をしていらっしゃるでしょうか。そして、それを利用者はどのように評価しているのか、市としてつかんでいれば御紹介いただきたいというふうに思います。

 最後に、事業所への影響についてであります。小規模事業所の多くは、軽度の人に対する訪問介護事業を中心としています。しかし、利用限度額の削減、ホームヘルプサービスの1時間半を上限として、それ以上は加算されるというようになったことから利用者が減少し、事業所は厳しい運営を強いられていると言われています。こうした実態を把握しているのか、事業所からのヒアリングなどをしているのか、お伺いいたします。

 以上で1回目の質問を終わります。


◎ 生涯学習スポーツ部長
 教育長にという御質問ですが、私の方で何点か御答弁申し上げて、後ほど教育長の方からも御答弁申し上げます。

 まず、シートで覆われているビニールパイプの件でございます。これにつきましては、私どもが6月7日に坑内に入った時点では、北坑口から1.3キロの地点でこの存在を確認しております。議員御指摘のように、そのときもシートで覆われておりました。シートを取って確認いたしましたところ、水が流れていたというものでございます。これは、間隔的には10.5メートルの間隔で設置をされております。相武国道事務所の説明では、覆工の最終段階で防水シートとコンクリートのわずかなすき間を埋める作業を実施するために設けているというものでございます。目詰まりしないようにシートで覆っているという説明がございました。なお、セメントですき間を埋める作業が終われば、最終的にはすべてコンクリートで覆ってしまうというのが相武国道事務所の説明でございます。

 それから、今後の対応ということでございますが、18年度の4月26日開催の第1回トンネル技術検討委員会での主な意見では、315メートル付近で現在観測孔2の水位は安定をしているということ、止水構造を早期に完成させることで水位は徐々に上昇するということが1つ。また、坎井の水位と観測孔2の水位の相関は認められない。これにつきましては、中間層地下水と岩盤地下水の連続性が低いということでございます。それから、城山川の表流水とトンネルルート付近の岩盤地下水は電気伝導率が施工前と同様に明らかに異なっているということから、互いの関連性は現時点においても薄いと。それから、湧水量は城山川北支流周辺施工時も突発的なものはなく安定をしている。このため、大量に表流水がトンネルルート付近に流れ込んでいるとは考えにくいというのがトンネル技術検討委員会の主な意見でございます。このため、現時点において御主殿の滝の流量に対するトンネル施工との関係について明確に説明できないため、さらに原因を検討するため、調査、整理を行う必要があるというものがトンネル技術検討委員会の意見でございます。

 また、議員も御承知かと思いますが、今後の対応ということでございますが、相武国道事務所の方から7月に中間報告がなされるというふうに聞いております。私どもは、ただそれまでの間も、一番最後に御質問がございましたが、絶えず文化庁、東京都あるいは相武国道事務所の方から情報を入手し、またこちらからも議会等の動向についてお知らせをしながら具体的な対策を立てていきたいというふうに考えております。

 情報の再確認の具体的な中身はということでございますが、これにつきましても今までの時系列的な水位の変化、あるいは私ども教育委員会の対応、東京都の対応も含めまして、それぞれ情報を担当者同士で持ち合いながら、具体的に今後どういう対策をとっていったらいいかというふうなことを詰めていきたいというふうに考えてございます。


◎高齢者・障害者担当部長
 それでは、私の方から改正介護保険法につきまして御答弁申し上げます。

 まず、5月末までの更新認定の結果、要支援1と認定された方が493人、要支援2は496人、合計989人となっております。また、新規認定の方は、要支援1となった方が155人、要支援2は98人、合計253人となっており、更新認定、新規認定合わせて1,242人でございます。

 次の新予防介護に移行する割合とのことでございます。5月末までの実績では、要介護1の方のうち要支援2へ移行する人の割合は約55%となっております。

 次のどういう変化が生じているかとの御質問でございますが、要支援1と2の方には要介護状態になるおそれがあることから、下肢機能や栄養状態を維持向上させるよう、それに適したサービスが提供されることになります。

 次に、福祉用具につきましては18年3月の時点で要支援、要介護1の方で特殊寝台を借りている方は979人となっておりますが、本年9月末までは経過措置により引き続き利用ができます。それから、車いすを借りている方は297人おりまして、これも同様の取り扱いとなります。

 また、デイサービス、ホームヘルパーの関係でございますが、市でお受けするお問い合わせの中で、通所介護やホームヘルプサービスの回数、時間が減ったというお話は承っております。国は今後一定の期間を経過した中で、その結果によっては必要な措置を講ずるとしておりますので、全体的に実態把握の必要な場面が出てくると考えておりますが、それまでは相談業務等を通じて対応してまいります。

 また、軽度者が介護サービスを利用するに当たっては、保健師などの専門的な判断により全体的なバランスを配慮したその人の自立の可能性を最大限引き出すようなサービス内容を本人、家族を含めたサービス担当者会議の中で決定しておりまして、そういった意味では自己選択、自己決定は確保されているというふうに思っております。

 最後に、介護予防事業者への運営の影響の関係でございますが、個別具体的な例については把握していないところでございますが、全体として厳しさが出てきたというふうには聞いております。今後の給付実績を踏まえ、実態把握に努めてまいります。


◎交通政策室長
 私からは高尾山トンネルについて御答弁させていただきます。

 高尾山トンネルにつきましては、現在トンネル掘削に向けた準備作業が行われておりまして、夏ごろより本格的に本体の掘削に取りかかる予定ということで聞いております。情報については口頭での報告をされているところでございます。

 それから、環境アセスメント時には市はどのような意見を出しているのかということでございますけれども、住民の意見を十分に尊重し、事業実施に当たっては市と協議の上、環境アセスに示された内容を遵守し、環境保全に万全を期されたいとの旨の意見を付したところでございます。


◎教育長。
 6月7日の視察の件でお尋ねいただきましたけれども、議員方が入ったと同じ下り線に入り、今、生涯学習スポーツ部長から説明がありましたけれども、同じように行動したものですから重複する部分があるかと思いますけれども、できるだけ違った、私の見た目でお話をさせていただきたいと思います。

 まず、確認し、説明を受けたわけですけれども、水漏れ部分がシートで覆われている。これは事前に指摘を受けていたものですから、私もどちらかというと疑い深い方でして、素直に人の言うことを受け入れないたちなものですから、非常に慎重にこの部分は見せてもらいました。先ほどの説明のように、部長にはかなり水が流れていたというふうに映ったようですけれども、実は私の目には、表面張力で管の上に浮いているような感じで、流れているというふうには見えませんでした。

 そして、先ほどの説明の部分で足りないところは、そのシートと生コンを入れた間に空洞ができる場合が間々あるんだそうです。その空洞を強度補強のためにさらに生コンで埋めるんだそうですけれども、そこで埋めていきますと、中に入っている空気や、それから水が押し出されてその管から出てくる。最終的には生コンも出てくるので、そこで全部詰まったという説明ができるんだそうです。私もそういう説明を聞きまして、当初隠ぺいをしているんじゃないかというふうに思って見たわけですけれども、そういう感じは全くありませんで、物事は疑ってみると、化け物の正体見たり枯れ尾花じゃありませんけれども、やっぱりそういうふうに見えてきてしまうのかなと、それは強く感じたところです。私は現代科学の力を信じて工事を進行させる方がいいんではないかというふうに思います。

 それから、トンネルを出てきたところで文化庁の主任調査官、そして都の担当者と話をしまして、とにかく八王子市としては旧状に復することというか、とにかく水環境を工事の始まる前と同じようにしてもらうことが一番大事だということで、その両者からも強く言っていただいたところです。許可条件とすれば、影響ないということで許可をしたわけですから、とにかくもとに戻してほしい、それを口頭で求めたということです。

 それから、覆工工事中断のお話がありましたけれども、私は、裸坑区間がかなり先に行っているものですから、覆工工事がおくれている、そういう状況から、水環境を守る上では、その覆工区間、覆工工事の方を優先させるべきだというふうに思っています。今後、先行する掘削をとめてでもこの覆工工事を急いでほしいということは強く申し入れをしたいというふうに思います。


◎40番井上睦子議員
 それでは、八王子城跡の問題について2回目の質問を行います。

 教育長から現場視察の詳しい状況を御報告いただきました。なぜか疑ってみる私が人間が悪いような指摘のような気がいたしましたけれども、なぜそのように考えたかといいますと、私どもにはほこりよけだというふうな説明はされなかったんです。防水シートだというふうに説明をされたんです。防水シートじゃないじゃないですか、水がだらだら流れているんですから。防水シートの役割は果たしていないわけですよ。ですから、ほこりよけだというふうに、それが真実であるとすれば、私たちが入ったときにもほこりよけだというふうに説明をしてしかるべきなんです。ですから、なぜ私が疑ったかというと、そういうことがあったと。

 そして、表面張力のように見えて、だらだらと流れているというふうには見えなかったということでありますけれども、私も2ヵ所を見ましたけれども、かなり流れていると。この写真を見ていただければわかると思うんですけれども、流れているんですよね。それは29日と6月7日は違ったかもわかりません。では、その穴から、セメントの部分から日量どの程度の水量が流れているのか。それは、測量しているわけですから、その水量に入っているのかどうか、そのことは確認をされたんでしょうか。相武国道事務所の方がきちんとその数値を持っていれば、表面張力であるのか、流れているのか、そこは明らかになるというふうに思いますので、ぜひそこを正確に資料をとっていただくなり、もし現場でそういう説明を受けてきたのであれば明らかにしていただきたいというふうに思います。

 それから、答弁があったかどうか、きちんと聞こえなかったわけですけれども、トンネル技術検討委員会へ、そこから水が出ているということについては報告をしているかどうかというような確認はされましたでしょうか、そこを明確にしていただきたいというふうに思います。

 文化庁と教育委員会の協議の日時についても明確には出なかったように思いますけれども、ぜひその辺、今後の日程が決まっているのであれば明らかにしていただきたいというふうに思います。

 拡幅掘削工事の中止についてでありますが、私は、覆工工事を中止しろというふうに質問はいたしませんでしたし、10名の議員の連盟でも、覆工工事は中止をしない、逆に裸坑区間を短くするために拡幅掘削工事を中止するようにというふうに求めていて、それは教育長が現場を見られて、そのように文化庁におっしゃった、それを求めていくということと見解は同一でありますので、ぜひ八王子城跡の保全と御主殿の滝のために今後も御努力をいただきたいというふうに思いますが、そのことについては正式に国交省にいつどのような形で意見を伝えるのかどうか、そこを明らかにしていただきたいというふうに思います。

 国交省は、私たちには防水シートだと言って、市教育委員会にはほこりよけだというふうに言った矛盾があるわけですが、この間の国交省の流れ、記者発表の資料を見ただけでもたくさんの矛盾を指摘することができます。例えば昨年11月16日の記者発表では、観測孔2の付近をトンネルが通過した後に、掘削工事が通過後、早期に覆工が構築をされることによって水位は徐々に上昇するものと考えられるというふうに予測を出しております。覆工コンクリートが構築されるに従い水位は徐々に上昇するという予測図まで出ているわけですけれども、昨年10月以降、水位は315メートルに下がったままで上がっていません。これは国土交通省の記者会見の発表では、現在では330メートルぐらいに、低い水準の位置をとってもその程度になるグラフなんですね。そこは明らかに間違っています。ここは315メートルから動いていないわけで、国交省の予測が誤っているということが現実では指摘されるというふうに思います。

 そして、4月27日に行われた記者発表の資料では、予測をしていた水位に達したというふうに出ています。これは4月27日の段階でも水位315メートルぐらいを小刻みに動いているだけであって、全然水位が上がっていないわけです。でも、予測していた水位に上がったというのは、これが昨年の11月の記者発表の資料だとすれば330メートルぐらいの水位まで上がっていなければいけないわけでありますけれども、これは上がっていないわけです。これもまた国交省が前に言ったことを忘れて、4月のところだけで素知らぬ顔をして誤った情報を提供しているというふうに私には思えて仕方がありません。11月の記者発表の数値と4月の記者発表の数値、この矛盾についてはどのように教育委員会は理解をしているのでしょうか。この滝がれが昨年暮れから起きることによって、情報の把握に努めてきたというのが先ほどの答弁でありました。詳細に記者発表の資料もきちんと把握をしながら、国交省の言うことが正しいのか、それとも別の問題があるのかということは、教育委員会自身として見解を探っている、そのことをやってきたというふうに思いますが、この数値の矛盾についてはどのように理解をしているのか、明らかにしていただきたいというふうに思います。

 そして、観測孔の水位は管理値を310メートルとしています。これから下がれば工事は一時中断をするということになっていますが、もともと掘削工事が始まる前の水位は350メートル近くあったわけです。本当に管理値として目指すならば高い水位でなければいけないというふうに思いますが、現在の水位よりも低い水位を管理値として工事を行っているということも、やはり滝がれの原因を深刻に受けとめて、工事の中でさまざまな原因を追求しようという態度には思えないわけでありますけれども、この管理値310メートルを設定しながら、これを目安に工事を進めているということについて国交省からどのような理由の説明を受けているのか。こういったことに教育委員会は疑問を持っていないのかどうか、明らかにしていただきたいというふうに思います。

 拡幅掘削工事を早く止めなければいけないというふうに思います。教育長も同様のことだろうというふうに思いますが、現時点で拡幅掘削工事は予定のどこまで進んでいるのか、そのことを把握していらっしゃるでしょうか。国交省は、先ほどの答弁でも、それから既に私たちにもお示しされましたけれども、7月中旬、覆工したコンクリート裏側の水圧の情報を収集して、それによって大まかな原因を突きとめるという回答をしていて、それまでは掘削工事は行うということを言っているわけです。でも、このことは、1日拡幅掘削工事が進むのは7メートルから8メートルです。このように進んでいくとすると、残りの区間もあと1ヵ月もたたないうちに終了してしまうのではないかというふうに思います。もしこのように工事が進むとすれば、早くに掘削工事の中止を教育委員会は文化庁と相談して行動をしていただきたいというふうに思うわけですが、ぜひそのことについて、先ほどの質問とも回答としてはダブるというふうに思いますが、そのことを求めたいというふうに思います。

 また、4月の記者会見の資料の中には、トンネル内のわずかな湧水への止水対策を実施したというふうにしています。3月13日に請負業者に指示をして、3月17日より湧水の箇所への対策に着手して、4月6日までに一通りの対策を完了したというふうにあります。しかし、私たちが見た、教育長も見たシートに隠されたあの部分から流れ出ている湧水に対する対策はしていないわけです。こんなことを正確な情報として私たちに出していないわけです、国交省は。一通りの対策を完了したとして、わずかな湧水にも対応したというふうにしているわけですけれども、現実には5月の下旬、6月の初めの段階で湧水は出ているという現実があるのですから、国交省が提供する情報が現実と一致をしているのかどうかということをしっかりと見定めなければいけないというふうに思います。

 同時に、国交省が提供するさまざまなデータについて、教育委員会としてきちんとした知見を持たなければならないのではないでしょうか。トンネル技術検討委員会あるいは国交省が提起するその情報のみを確認する作業では、この原因の追求や、そして完全な止水あるいは八王子城跡の水環境の保全、それを完全に戻すということにはならないのではないかというふうに思います。今後の、まずは拡幅掘削工事を止めてみて、水位にどのような変化が起きるのか。それを見定めて、どのような対応をすれば完全に止水ができ、そして八王子城跡の水環境を復元することができるのかということについて、国交省の言う資料、それから国交省の言う理由というものをうのみにすることなく、教育委員会は文化庁や都教育委員会とも相談をしながら、そのことが本当に復活をさせるための大変いい手段になるのかどうかということをきちんと見定めていただきたいというふうに思います。

 したがって、国交省から提供される資料あるいはトンネル技術検討委員会の会議録や工事工程、地下水位の変化のデータ、なかなか国交省はこれを出しません。トンネル技術検討委員会の会議録はないというふうに私には言いました。しかし、大変重要な検討がされる会議録が今どきないというのも大変不思議であります。市教育委員会は資料の提供を法に基づいて求める立場にもありますし、そういう力も持っているわけでありますから、ぜひこうした会議録や工事工程、地下水位の変化のデータ、しっかりと提供してもらって、行政としての考えを確立していただきたいというふうに思いますが、その点についてのお考えをお聞きいたします。

 次に、高尾山についてであります。アセスメントに対する市長の意見というのは先ほど御紹介がありました。これは高尾山のみならず八王子城跡のトンネル、圏央道全体に対する環境保全あるいは水環境の保全をしっかりやるようにというのが環境アセスに対する具体的な項目の一つとなっております。これから圏央道工事が進むという前提に立って市の方は対応しておられるようでありますけれども、こうしたアセスメントに対する市長の意見、そして都市計画審議会の中では同意の条件をつけているというふうに思いますけれども、これは法的にはどのようなことが担保されているのか、お伺いをしたいと思います。

 現在、八王子城跡トンネルでは滝がれという大変な問題、それから地下水位が低下をして上昇しないという事態の中で、環境保全がしっかりと行われていないという事実があるというふうに思いますが、こうしたときにアセスメントに見解書を出し、意見を出した市長、そして都市計画決定に同意を出した市長、同意条件にそれがあるわけですから、そのことは今後市の責任者としてどういうふうな役割が出てくるのかということを明らかにしていただきたいというふうに思います。  以上で2回目の質問を終わります。


◎生涯学習スポーツ部長
 質問がちょっと多岐にわたりますので、順次御答弁を申し上げます。

 まず、1番目の防水シートの説明ということでございますが、確かに議員おっしゃるとおり、議員が中に入ったときは説明はできなかったということで相武国道事務所の方からお話がございました。これにつきましては、私どももなぜ説明ができなかったのかということで確認をいたしました。これにつきましては、施工業者からチューブから水が出ている状況及びその要因についての報告を詳細に受けていなかったということで、十分な説明をすることができなかったという報告を相武国道事務所の方から受けております。

 それから、トンネル技術検討委員会に水が出ていることについて報告をしているのかということでございました。直接こういう形での確認はいたしませんでしたが、トンネル技術検討委員会の委員につきましては、必要に応じてトンネルの実地踏査をしているというお話を聞いておりますので、こういう状況についても把握をしているというふうに考えております。

 それから、今後の日程ということでございますが、7月に、先ほど議員がおっしゃったような中間報告がございます。その間も私どもは東京都、文化庁ともいろいろ相談しながら、また相武国道事務所の方と協議をしていきたいというふうに考えております。

 それから、観測孔2の水位は覆工すれば上昇すると言っているけれどもという御質問ですが、実は覆工工事はまだ私どもが確認した日では600から650メートル裸坑区間のままということになっておりますので、八王子城跡の中のところは止水構造区間が1キロ、史跡の範囲が800メートルという中で、まだほとんどが止水構造になっていないというのが現状でございます。

 あと、どのくらい工事が進んでいるかということでございます。これにつきましては、相武国道事務所の方では国史跡の中は既に貫通をしているという説明でございます。ただ、いつ全体が抜けるのかということについての説明はございませんでした。

 それから、わずかな湧水の止水対策ということでございますが、これにつきましては私どももコンクリの吹きつけ区間を含めましてよく見てまいりましたが、若干水が漏れているところはウレタンで丁寧に止水をしているということが確認できてございます。

 それから、全体的には、御存じのとおり、城跡区間の止水構造については、通常が30センチから40センチのコンクリートの流し込みということでございましたが、70センチから1メートルということでコンクリを使うと。また、鉄筋の量も通常のところよりも大幅にふやして対応をとっているという説明がございました。そういうことからいたしますと、相武国道事務所の方もその辺につきましては非常にきちんと対応をしていただいているということが確認できました。

 また、トンネルの中の漏水といいますか、部分についても適切な対応ができているのではないかというのが全体的な印象というふうに考えております。

 それから、データの市の考え方を持たねばならないのではないかということでございます。これにつきましては、私ども文化財課の方でも、相武国道事務所の方からいろんな資料が出ますので、それについては担当の方で一つ一つ確認をさせていただいているという現状でございます。

 それから、会議録の件につきましては、議員から御質問があった後、直ちに相武国道事務所の方に連絡をいたしました。これにつきましては、相武国道事務所の方ではインターネットに公開をしているということもございます。それ以上のものは今のところないというふうな回答をいただいております。

 平成13年度からのトンネル技術検討委員会の記録がずっと時系列的に相当詳細にわたって公表をされておりますので、会議録ということではございませんが、それに近いものではないかなというふうに考えております。


◎交通政策室長。
 環境アセスメントの意見書ということでございますけれども、法的に担保されているということではなくて、手続上の意見として地元の市町村に聞くということになってございます。市の役割といたしましては、環境アセスメントが遵守されているかというのをきちんと見守っていくということになるかと思います。


◎教育長。
 国交省にいつ要望するのかという点について、私の方からお答えをいたします。

 水環境の回復の視点から、拡幅掘削工事を少しの間とめてでも、担当者の話によりますと、覆工工事の方がおくれがちだというふうに聞いておりますので、そのおくれがちな覆工工事を急いでほしいという要望をしたいと思います。これによって工期にそれほどの影響は出ないんじゃないかなという感じは持っております。

 いつするのかということですけれども、もう既に担当課長には準備をするよう指示をしてありますので、早急にやりたいというふうに思っております。


◎40番井上睦子議員。
 御答弁ありがとうございました。

 今、覆工工事が終わっているのは600メートルから650メートル区間でしかないというふうにお話がありましたよね、答弁が。(「していないところがある」と呼ぶ者あり)していないところがあるということで、わかりました。

 トンネルが2.4キロのうち、600から650メートルがしていないとすれば、残りは覆工工事が終わっているということですよね。(「水位が戻らない」と呼ぶ者あり)そうすると、そうなんです。水位が戻らないといけないんです。八王子城跡の区間は1キロメートルです。1キロメートルのうち、拡幅掘削工事を始めた段階から水位が315メートルに下がっているんですね。でも、2.4キロのうち残りの600から650メートルしか残っていないとすれば、八王子城跡の拡幅掘削工事をやった覆工の区間というのはかなりの部分が覆工工事が終わっているということなんです。そうすると、水位は去年11月の国土交通省の発表によれば、徐々に水位は上がって350メートル近くにならなければいけないんです。覆工工事が進めば進むほど水位は上がっていくというのが国交省の記者会見の発表資料なんですよ。そのことをきちんと確認していただきたいというふうに思うんですけれども、市教育委員会は、現在トンネルの拡幅掘削工事の中の何メートル地点までこれが完全に覆工していて、それが昨年11月の国交省の記者会見のデータと合わせてみれば何メートルまで水位が上がらなければいけないというふうに理解をしているのかどうか、その辺は明らかにしていただきたいと思います。

 先ほどの答弁では、さまざまに提供される資料についてはよく見ていると。そして、この問題についてもかなり真剣に取り組んでいただいておりますので、極めて問題なのは、水位がそのことによってどのような変化をするかということなわけですので、ぜひそこは明らかにしていただきたいというふうに思います。そして、拡幅掘削工事を直ちにやめるよう、教育長も担当課長には指示をしてあるということですので、ぜひそれはよろしくお願いをしたいというふうに思いますし、今後も八王子城跡の滝がれを解決し、それを復活するということのためにぜひ御努力をいただきたいというふうに思います。

 以上で質問を終わります。


◎生涯学習スポーツ部長。
 裸坑区間でございますが、これは史跡内ということでございます。史跡内の部分がまだ裸坑区間のままということでございます。(「答弁漏れです」と呼ぶ者あり)


◎生涯学習スポーツ部長。
 裸坑区間は、今申し上げたとおり、城跡内の部分が600から650メートルあるということでございます。議員御指摘のように、水位については徐々に上昇するという話もございます。先ほど御質問の点につきましては、国交省の方にも再度確認をして御報告をさせていただきたいというふうに考えます。