◎井上睦子委員
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生活者ネットワーク・社会民主党を代表して、2007年度八王子市一般会計及び各特別会計予算並びに関連する諸議案について、質問をいたします。
まず税制改悪と市民生活についてお伺いいたします。
景気回復を理由に恒久的減税と言われた定率減税の廃止によって、2007年度は30億4,000万円の増収となりますが、市民にとっては同額の増税となります。市長は実感なき経済成長と予算提案で説明をされたように、多くの市民も景気回復を実感するどころか、生活の苦しさや厳しさを痛感しております。
90年代以降の税制改革は、金融所得課税や法人所得課税を減税する一方、給与所得課税や消費税の増税を施行してきました。国の90年度決算では法人税の額が18兆4,000億円であったものが、2004年度には9兆4,000億円に半減し、消費税は4兆6,000億円から9兆6,000億円へと倍増しています。法人税は85年の43.3%をピークに、現在は30%まで引き下げられています。所得税も最高税率が75%であったものが37%にまで引き下げられ、企業や富裕層に手厚く、そうでないものは置き去りにされるような税制改正が進められてまいりました。その結果、所得の再配分機能が衰え、税制度が格差拡大の1つの要因となっています。
定率減税廃止や老年者非課税措置の廃止はどのような層に顕著に影響を与えているのでしょうか。お答えください。
また、廃止は市民生活にとって増税となりますが、廃止が適切と言えるのかどうか、その御判断をお伺いいたします。
今、特に若い人たちは堅実な雇用が提供されず、非正規労働で将来設計を立てにくく、職業能力の形成や蓄積も望めない状態が続いています。生活保護世帯は増加をし続けており、介護保険料や医療費の社会保障費の負担増は、高齢者世帯に重くのしかかってきています。働いても十分に暮らしを支える収入を得ることのできないワーキングプアと言われる人々の増加など、日本の貧困率は15.3%で、OECD諸国の中ではアメリカに次いで高くなっています。
この格差拡大は前小泉政権が進めた規制緩和や構造改革の結果だと言えます。労働法制や公共交通の規制緩和、構造改革による福祉や教育の市場化は、利益を優先し、むき出しの弱肉強食の競争社会を出現させました。その結果、さまざまな矛盾と問題が出ています。市民にとっては、市役所が一番身近で、頼れる行政であり、行政にその矛盾と問題の解決を求めています。新年度予算は、こうした市民の生活の困難さを解決する予算となっているのか、どのような視点で予算編成をされたのか、お伺いをいたします。
次に、まちづくりと市民参加についてお伺いいたします。
川口地区の物流拠点及び周辺まちづくりの整備促進費として、基礎調査委託料とロジスティクス研究会への負担金が計上されています。物流構想は緑地や動植物の保護、そして、大気汚染などの自然環境と生活環境に与える影響が大きく、資金調達や市財政の負担、北西部幹線の整備、土地を所有する住宅・都市整備公社の今後の方向性が不安定であるなど、多くの問題があり、実現不可能な計画と考えられます。今年度発足するロジスティクス研究会については先ほど御答弁がございましたので、省略をいたしますが、拠点構想の整備手法及び市財政への影響についてはどのような検討がされているのか、お伺いをいたします。
さらに、北西部幹線の整備の見通しが立たない中で、この整備が前提となる構想は実現不可能な計画ではないのか、お伺いをいたします。
次に、JR八王子駅南口再開発についてであります。
3月1日の広報にも都市再生事業として南口再開発ビルの建設工事に着手と説明がありますが、詳細は市民に知らされていません。市民に対して説明会が開かれたのは、2005年11月、都市計画決定の手続としてだけの1回です。市が整備する広場などについては2回開催されていますが、十分な再開発全体についての情報提供や情報公開ができているとは言いがたい状況です。
近隣の住民にとって、高層の再開発ビルは日照阻害や風害など生活環境への影響や交通量の増大、固定資産税の上昇へとつながる心配があります。開発に当たっては住民合意が前提となりますが、どのように合意形成を図っていくのか、市民意見はどのように反映をされるのか、組合側からも市側からも積極的な説明はありません。事業着手前に十分な情報提供と公開、住民合意を図るべきであります。誠意ある対応を市にも再開発組合にも求めますが、今後の対応についてお答えください。
また、事業費350億円、そのうち市の負担額は112億円と、一昨年の第4回定例会で説明がありました。その後、この数値は変わっているのか。そして、市財政への影響についてはどのような検討がされてきたのか、お伺いをいたします。
先ほど大林組の適格性について市長の判断が示されましたけれども、加えて言えば、今回包括外部監査で指摘されました新都市建設公社の下水道事業でも、大林組は談合した1事業者として東京地裁から八王子市に対して損害賠償命令も出されておりますけれども、その点についてはどのようにお考えでしょうか。お伺いをいたします。
次に、高尾の里整備計画についてであります。高尾自然科学博物館の跡地整備は観光施設を中心に進められていますが、高尾山の自然研究が東京都から引き継がれた資料とともに継続され、その成果が高尾の里整備にも生かされなければならないと考えます。現在の計画では、教育委員会が収蔵する資料や標本と施設が切り離されており、有機的な運営ができるのかどうかという心配があります。例えば博物館協議会条例では、博物館その他これに類する施設の事業の振興に関することとありますが、高尾の里も博物館協議会の協議事項として学術的な面での充実を図ることが可能なのかとも思いますが、高尾の里整備と教育委員会の所管の学術文化研究部門の連携についてはどのような有機的な連携がされるのか、お伺いをいたします。
さらに、この高尾の里整備手法についてもお答えください。
次に、市民自治基本条例の制定についてお伺いいたします。
今定例会に市民参加条例の制定を期待しておりましたけれども、残念ながら上程されておりません。三鷹市などでは市民自治基本条例が制定され、市の政策づくりの基本的方向として出されているのに比べれば、パブリックコメントなど、市民参加を保障する手続条例も制定に至らないというのはとても残念です。市民参加条例の制定時期はいつになるのか、お伺いいたします。
そして、地方分権が進み、機関委任事務が廃止され、地方自治体の主権者が市民であるということが法制度としても明らかになってまいりました。自治体の憲法ともいうべき市民自治基本条例の制定も、今後は視野に入れなければなりませんが、参加条例から発展させて自治基本条例制定についての見解をお伺いいたします。
次に、健康福祉行政についてであります。
東海大の産婦人科閉鎖という情報は、出産を控えている人々に大きな不安を抱かせましたが、6名の医師を確保するという見通しが立ち、来年度も現在の体制が維持されるという見通しになりました。市長を初め関係者の努力に対して評価をしたいと思います。
高齢化と新人医師の減少によって産婦人科医の不足は全国的な問題でありますけれども、本市でも産婦人科医は8医療機関でと減少しています。厚生労働省科学研究班の報告書では、産婦人科の医師を確保するための体制として、無理のない当直体制や労働関連法規に準じた労働時間と勤務条件を保障すること。そして、十分な報酬を確保すること。4点目には、産科医療事故への無過失賠償制度の創設など、医療事故に対する制度の創設などを提唱しております。これによって産婦人科医の確保をしようという対策が出てきているわけでありますけれども、市が補助金を出している中核病院についてもぜひ上記のような待遇改善などきちんとした体制を求め、今後も引き続き産婦人科医を確保するための努力と対策を求めていくべきだと考えています。なかなか市として産婦人科医を確保するということは難しいわけでありますけれども、労働条件など、きちんとした体制を中核病院に求めること、あるいは関連の医療機関に求めることによってその努力をしていただきたいというふうに思いますが、今後の医師確保のための取り組みについてお伺いをいたします。
さらに、都立小児病院の存続については各会派からさまざまな意見が出されておりますけれども、私どもは、市と都で協議が継続されているというふうな状況ではありますけれども、現在の東海大学、あるいは医療センターの医師や看護師のスタッフ体制が、現在の小児病院の体制を受け入れられるという、より充実した段階に至るには、なかなか困難であるというようなことを感じています。それは、産婦人科医の不足、あるいは医療スタッフの不足ということが各病院から伝わってくるからであります。
市と都の協議で課題を整理してこられました。その課題の整理によって中核病院が今まで担ってきた都立小児病院の役割を担うとすれば、移転、統合もやむなしという立場とも受け取れる協議状況であるわけですけれども、今、小児医療と産婦人科医療をめぐっては極めて厳しい状況の中で、このまま現在の都立小児病院の医療体制を確保するというのはとても難しいだろうというふうに思います。
2月に開かれた少子・高齢化対策特別委員会で、岡部副市長は、方針変更も考えなければという趣旨の答弁をされたように記憶しておりますけれども、明確に都立小児病院の存続を求めていくということを改めて再確認すべきだというふうに思いますが、市長の見解をお示しください。
他の会派の代表質疑に対しては、府中への移転統合というものもやむなしとも受け取れる御答弁でありましたけれども、やむなしと言える状況ではないのではないでしょうか。八王子市の小児医療体制を充実していくためには、都立小児病院が八王子で存続するということが八王子の子どもたちの命や健康を守っていくことにつながるというふうに考えますので、その点について明らかにしていただきたいと思います。
次に、介護保険制度の充実についてであります。
改正介護保険は1年を経過して、当初指摘をされていた問題点が明らかになってまいりました。財政の縮減、圧縮を優先し、必要な人に必要なサービスが届かなくなっています。介護予防制度を導入いたしましたが、効果については疑問がありますし、今回の補正予算でも減額したように、該当者が少なくなっています。逆に、同居家族がいる場合、生活援助が受けられない。要支援は介護ベッドや車いすの利用ができない。通院介助ができないなど、介護の社会化という理念とはかけ離れ、2000年にスタートしたときよりも後退した内容となっています。そして、そのことによって、高齢者とその家族の不安と不満が大変たくさん私どもに届いております。介護保険制度は、地方分権の試金石とも言われました。介護保険法に縛られ、市独自の施策展開が八王子市ではできておりません。さらに、福祉の構造改革によって、福祉事業に民間企業が参入した結果、サービスの提供はNPOや企業、社会福祉法人に任されております。その結果、市行政が利用者の状況や現場で起こっていることを直接把握できず、独自政策や個別政策を展開できる力が弱体化しているのではないかと考えます。利用者の個々の状況に応じたサービスや個人の尊厳を守る介護保険制度となるよう、制度の柔軟な運用を求めたいというふうに思いますが、ぜひ介護難民や家族介護に逆戻りすることのないよう、市としてきちんとしたサービスの提供をお願いしたいというふうに思いますが、新年度の介護保険の事業の展開に当たって、市長は高齢者の尊厳を守るということを約束していただきたいというふうに思いますが、御見解をお伺いいたします。
次に、障害者自立支援法と日常生活支援についてであります。
障害者自立支援法は、応益負担を求めるものとして、これは生きる権利を侵害するものとして障害当事者からは強い反対の声が上がる中で、与党の多数によって成立いたしました。しかし、成立した自立支援法は、与党も非を認めざるを得なくなり、補正予算で低所得者に対する自己負担軽減措置の追加や、障害者施設への補助の増額など自己負担を一時的に軽減する措置を導入することになりました。しかし、当事者の生活実態を把握した手当はわずかで、まだまだ不十分だと言わざるを得ません。市は応益負担を求める障害者自立支援法の抜本的な改正に向けて国に働きかけるべきだと考えますが、見解をお聞かせください。
また、医療支援など、地域生活支援は1割負担となっています。このことによって利用抑制が起きてはいないのか。また、1割負担によって課税世帯ではその負担が減少し、非課税世帯では負担が増加する傾向にあると指摘をされていますが、本市の障害者の負担の状況についてはどのように把握しているのか、お聞きいたします。
次に、保健所移管と条例整備についてであります。
保健所行政は、対人サービスにおいてマンパワーの専門的な資質向上がより困難である人々を支える充実したサービスとなります。マンパワーの確保及び質の向上策について十分な体制となっているのか、お伺いをいたします。
次に、墓地等の経営の許可等に関する条例設定について、お伺いいたします。
墓地開発について、市は墓地造成基準をつくり、新規開発を規制してまいりました。墓地開発については、現在も市内3ヵ所で問題となっています。墓地条例の制定に当たっては、墓地開発問題を抱えている住民から、条例に盛り込むべき38項目の要望が出されておりました。その要望の内容の第1は、周辺住民の同意を得、同意書面を市に提出することでありました。すなわち、住民合意を前提として墓地開発を許可してほしいという強い要望です。この住民合意を得るということと、第9条に示された近隣住民等の理解を得るよう努めるものとするとは、同じ意味ととらえてよいのか、お伺いしたいと思います。
条例は努めるものとするという努力義務規定になっていますが、他の会派の質疑に対しては積極的な調整に行政は入っていくという答弁がされました。とすることは、墓地は市民生活にとって不可欠なものであります。条例の趣旨は、住民と墓地とが共存するという前提に立って条例は書かれておりますけれども、その共存の前提としては近隣住民との合意ということが不可欠であろうというふうにも思うわけですが、この第9条第2項について具体的な説明をお願いしたいと思います。
また、都条例に比べて、市は先進的な条例になっておりまして、各分野にわたって強化をされております。その強化をされて、工夫された部分についてお示しをいただきたいと思います。
さらに、墓地と住宅地あるいは学校、保育所等が近接する場合、緩衝地帯を設けるというふうにもなっています。これは住宅地と近隣をする場合一定の距離を確保する必要があるという趣旨からだろうというふうに思いますが、この一定の距離を確保する、あるいは緩衝地帯を設ける距離というのはどの程度が適当だと考えて、この条例になっているのか。その点についてもお聞かせいただきたいと思います。
次に、子育て支援について、保育園の入所については、産休、産休明けの人々が職場に復帰できるのか、また、新たな仕事につくことができるのか、一喜一憂の季節であります。待機児解消は第一義的にしなければならないことでありますけれども、保育園の入所に当たっては、夫婦共働きなど、子どもを保育園に預けなければならない事情は同じなのに、正規職員と非正規職員では非正規職員の方が選考指数が低く、不利であるという状況であります。現状では非正規の人々が増加しており、夫婦ともに非正規で日々の暮らしを支えているという人たちもいます。待機児解消策とあわせて、選考の見直しを図っていくべきと考えますが、いかがでしょうか。お考えをお示しください。
さらに、乳幼児医療費助成制度において、議員提案として、条例改正がたびたび出されました。私どもも賛成をしてまいりましたけれども、所得制限を撤廃することには当初市当局は否定的であったわけでありますけれども、所得制限を撤廃したこの医療費助成制度については高く評価したいと思いますが、この政策を転換する意義とは何か、お示しいただきたいと思います。
次に、教育行政についてお伺いをいたします。
特別支援教育について、新年度本格実施に入りますけれども、障害のある子もない子もともに学ぶという理念の実現のためには、人的支援が不可欠であります。この人的支援の見通しについてお示しをいただきたいと思います。
そして、この子どもたちがどこで学ぶのかということは、普通学級で学ぶのか、心身障害学級で学ぶのかの選択は保護者の意向が十分尊重されなければなりませんけれども、これは尊重されているのかどうか、お伺いいたします。
また、この特別支援教育に当たっては、過密なクラスでは普通学級での対応が困難であるという報告があります。少人数学級の実現はこうした特別支援教育の充実の観点からも最重要課題でありますけれども、普通学級でも受け入れられることができる体制づくり、あるいは施設のバリアフリー化にはどのように取り組んでいくのか、お伺いをいたします。
次に、学校選択制と特色ある学校についてであります。
学校選択制が導入されてから3年になります。地域によっては少人数となる学校もあり、適正配置の対象校ともなり得る可能性が出てきているのではないでしょうか。学校選択制によって統廃合が進むという条件をつくっているのではないかと危惧をいたしております。学校選択制によって保護者の中にも子どもたちの心の中にも、さまざまな感情が生まれてきています。他地域から子どもたちが来ることによって40人学級となり、教育条件が下がるのではないかという気持ちや、選択制の結果として学力の学校間格差が生じる結果になってきているのではないかという懸念などです。地域の子どもたちが同じ学校で、お互いを信頼し合って学ぶことによって連帯や仲間意識が生まれてくるわけでありますけれども、他の地域から来る子どもたちを受け入れることをためらう気持ちや、あるいは特色ある学校として競い合う教育となった場合、この学校選択制は弊害が生まれてくる危険性があるというふうにも思うわけでありますけれども、この学校選択制を導入して3年が経過したわけでありますけれども、その評価と弊害の問題についてはどのように総括しているのか、お伺いをいたします。
次に、公民館と生涯学習センターについてお伺いをいたします。
第56号議案として、八王子市生涯学習センター条例が設定されます。そして、公民館条例が廃止されることになっています。公民館は、だれもが自由に学び、集える場所として本市でも大きな役割を果してまいりました。公民館の果してきた役割を市はどのように評価しているのか、お伺いいたします。
また、条例では社会教育法第22条に規定する公民館の事業に関することを事業内容としていますけれども、これまでの公民館事業が後退することはないのか、お伺いをいたします。
次に、中学校給食についてであります。
食育・給食実務者検討会が設置され、16回の検討が行われているそうです。中学校給食についてはこれからの議論になるということですが、市長はいつごろ結論を出すのか、食育の観点からも早期の結論を出すべきだと思いますけれども、御判断をお伺いいたします。
次に、日の丸・君が代と内心の自由の問題についてであります。
卒業式、入学式での職務命令による日の丸掲揚、君が代斉唱の強制は、憲法第19条の思想・良心の自由を侵すものと、昨年9月21日の東京地裁判決は認めました。さらに注目すべきは、憲法第19条の保障の対象を純粋に内心だけに限定することなく、思想、良心を防衛するための不起立や不斉唱という行為を認めたということにあります。このような訴訟が必要となっていること自体が学校に自由がなくなっているというあかしであり、これは極めて残念なことです。
憲法第19条に反する小中学校での卒業式、入学式に当たって出された通達の撤回を強く、私も求めたいと思いますけれども、教育長の見解をお伺いいたします。
憲法第19条は侵すものではないという先ほどの教育長の答弁がありましたが、地裁判決からすれば、内心の自由を、この行為を強制することが侵したというふうに判決は言っているわけでありますから、その判決の意義を認め、早急に撤回するということを求めたいと思いますが、御見解をお示しください。
次に、ごみ処理基本計画とごみゼロ社会についてであります。
発生抑制の具体的な取り組みを進めていくために市が進めようとしているのは、マイバッグの推進や啓発という事業にとどまっておりました。新規事業で廃プラスチックの調査研究をするということですけれども、この目的についてお伺いをいたします。
また、廃プラスチック処理のリスクを軽減させるためには、処理プラスチックの量を減らすことが一番の早道であります。発生抑制、上流対策についてはどのように取り組むのか、お伺いをいたします。
また、廃プラ減少のための実験的事業の支援や生ごみ堆肥化の市民団体の支援、市民団体の事業に対する取り組みなどについてはどのような計画なのか、お答えください。
道の駅についてであります。
道の駅が4月1日にオープンいたします。指定管理者の選考に当たっては、議会からその適格性について厳しい指摘がございました。運営上の問題が起きないよう厳しい指導、監督が必要だと考えますが、どのようにこの問題に対応するのか、お伺いいたします。
また、農業従事者との連携はどのように図っていくのでしょうか。お伺いをいたします。
次に、交通対策についてであります。バス事業者の規制緩和によって、不採算、赤字路線のバスが廃止され、八王子城跡へのバス路線が廃止されるなど、各地域で住民の足の確保ができなくなっています。これも規制緩和の結果、車など移動手段を持っていない高齢者などにしわ寄せが来ています。現在、はちバスが運行されておりますけれども、新年度、小津や上恩方地区でのモデル事業が開始されます。山間地域のみではなく、市内では、丘陵部に開発された住宅地の高齢化が進み、バス路線が入ることを期待する声がありますが、地域公共交通会議の役割と公共交通の整備、そして、バス事業者の責任について市はどのように考え、この地域公共交通会議を運営していくのか、お示しいただきたいと思います。
最後になりますが、人権の保障と平和政策についてお伺いいたします。
柳澤厚生労働大臣の、女性は産む機械という発言は、日本国じゅうの女性たちの怒りを買い、そして、女性のみならず男性からも大きな叱責を受けました。この発言には、女性を機械とたとえ、そして、人権感覚のない厚生労働大臣の発言として極めて残念に思うわけでありますが、一方、この発言は日本における男女共同参画や男女平等がまだまだ実現されない、国の政策の責任者がそのような発言をするということに政策立案者の水準があらわれているというふうに、大変残念であり、また、大きな怒りを覚えるものであります。市長は、こうした柳澤厚生労働大臣の発言に対してどのような考えを持っているのか、お聞きしたいと思います。
男女平等を実現し、男女共同参画社会基本法に示されたように、男女がともに社会的な責任を担い、家庭責任を担い、そして、お互いが個性を尊重して生きる社会の実現のためには、こうした発言は決して国の責任者の中であってはいけないし、また、自治体の責任者にあっても、また、一般の国民、市民にあっても、許されない発言だというふうに思います。
この現実を変えていくためには、行政の施策の全体に男女平等の視点が事細かく入っていって、さまざまな行政がその視点で運営されていかなければならないというふうに考えます。例えば広報の表現にしても男女平等の視点からどのような表現が適切であるのか。あるいは、保健サービスにしても、母親学級ではなく、両親学級というふうに市の行政は変化をしてきておりますけれども、それをさらに進めていくためには、施策の全般に男女平等の視点が必要であると考えます。新年度予算では男女共同参画センターの事業のみならず、どのように施策全般にこの視点が生かされているのか、お聞きをしたいというふうに思います。また、男女共同参画社会基本法の理念の実現のために、本市の課題は何だと考えているのか、明らかにしていただきたいと思います。
最後に、国民保護計画と憲法第9条の問題についてであります。
ことし3月には八王子市国民保護計画が策定される予定になっています。これは本当に国民、市民を守ることになるのか、大いに疑問であります。昨年の予算等審査特別委員会では、当時の部長は、私の質問に対し、市民が避難する堅牢な施設はない。あるいは、自衛隊や米軍の行動と市民の避難、保護が競合した場合、どちらが優先するのかという質問に対して、それはそのときになってみないとわからないというような答弁でありました。このように、国民保護計画を策定しても、万が一そうした事態になったとしても、市民は守られないということは明らかであります。
首都東京は電気や水道の施設が一瞬でも破壊されれば、都市として大パニックになりますし、渋滞する高速道路は、その車自体がガソリンを載せていますから、1つが炎上すれば、すぐ火の海となるという極めて無防備な都市であります。そうした無防備な都市の中に武力攻撃を想定した国民保護計画を策定したとしても、市民を守れないということは明白でありますので、私は憲法第9条との関係で言えば、武力を持たず、武力行使をしないという、この理念を着実に市行政の中で実践していくことの方が市民を守るということにつながるというふうに考えます。
例えば北朝鮮の核放棄をめぐって、6ヵ国協議で粘り強い交渉がされました。日本は武力攻撃の懸念があるかもしれないと言いながら、騒いで見ているだけのような気がいたしましたけれども、アメリカやロシア、中国、韓国は軟着陸させるという平和的な手段でこれを放棄させようとする努力をしてきました。こういうことが憲法第9条の理念ではないかというふうに思います。
日本の首相はいたずらに脅威をあおり、憲法を改正し、そして、自衛隊を軍にするという構想を言いながら、アジアからのひんしゅくと不安をあおっておりますけれども、こうした一連の動きの中に国民保護計画があるとすれば、極めて問題だというふうに思います。私は、国民保護計画よりも、憲法第9条を守り、実践していく市の平和行政の施策の充実を求めたいというふうに思いますが、市長の見解をお伺いして、質問を終わります。
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