◎【40番井上睦子議員】
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定期監査報告について厳しい指摘がありました。今、深い反省が理事者から表明されたわけですけれども、幾つかの点について私も確認をしたいと思います。
まず、エレベーターの保守点検の問題であります。現行の指定管理者との基本協定書の中にも法定検査は盛り込まれず、この監査の指摘を得て、改めて盛り込んだということであります。危機意識の欠如というのは、他の議員からも指摘をされましたけれども、私もそのように思います。シンドラーのエレベーターの事故、それもまた公営住宅で起きたエレベーターの管理事故でありまして、当時の管理者は、多分、指定管理者制度をとっていて、現在は業務委託に変わったというふうにも聞いておりますけれども、そのときになぜ管理をする本市の市営住宅について、その問題がきちんと意識化されなかったのかという点。
それからもう1つは、平成16年に法改正が行われて、法定点検に移行しなければいけないということの情報を、だれがどのようにキャッチをして事業実施に向けていくのか。そのことは、行政の役割が極めて大きいわけですが、法改正などに伴って業務委託あるいは指定管理あるいは本市の直営事業がどんどん変わっていくわけですが、そのことをキャッチする能力というのは、常に培われているのかどうか。この問題は、そこがきちんと獲得できていなかったがために起きた問題だというふうに思いますが、この問題、二度と起こさないということではなくて、今後も新たな法改正や新たな制度に対応した管理能力を行政側が身につけていくのかという課題が、今回の問題では鮮明になったというふうに思いますが、その点について、問題点と、今後、どのような対応策をとっていくのかということについて、お示しをいただきたいと思います。ただ単に、その部署のその担当者の職員の問題ということではなくて、部、課あるいは全庁的にもわたる問題として深く受けとめていただきたいというふうに思いますので、そこについては御答弁をいただきたいと思います。
それから、公園管理の問題です。先ほども指摘がされましたけれども、上柚木公園や運動公園での事業未実施、この問題は、変更に伴っての協議の申し出がなかったという意味で、幾つかの事業が指摘をされているわけですが、協議や申し出があれば事業が変更されるというものについては、出てなかったというふうに思います。これだけを読みますと、指定管理者に応募するときには、さまざまな事業計画を出して、自分のところが能力があるということをアピールするわけですが、実際に獲得をした後、その指定管理者としては、その事業実施の能力が実はなかったということになるのかどうか、大変疑わしいというふうに思います。
したがって、現在、指摘をされた上柚木公園、運動公園を受託している指定管理者が、実際にこの業務を遂行する能力として備わっているというふうに思っているのかどうか。18年度の結果を見て、どのような評価をされているのかということについて明らかにしていただきたいというふうに思います。
余りにも事業内容が事業計画のとおりに執行できないというような能力を持たない指定管理者の場合、これは今受けている指定管理者というわけではありませんけれども、指定管理の打ち切り、契約解除ということもあり得るのかどうか、明らかにしていただきたいと思います。
そういうお互いが緊張した関係を持って、指定管理者との関係をつくっていかなければ、なかなか真に、本当に市民サービスが充実をしたということになるのかどうか、大変問題だというふうに思いますので、その点についても明らかにしていただきたいと思います。
そして、全体的に、定期監査としては、意見要望事項として、指定管理者制度の運用上の課題についてということで、幾つかの指摘がございました。指定管理者が導入されて、本格的に公の施設が福祉や、それからまちなみ整備という部分で大量に進んだという結果だろうというふうに思います。新しい制度であるがゆえに、事務の執行、あるいは事業計画の履行確認、あるいは事業報告書について、市としても、それから指定管理者としても、お互いにふなれなために、経験不足のために多くあった問題もあるというふうにも思いますけれども、しかし、ここに指摘された点は、きちんと確実に実行していただきたいというふうに思います。
指摘をされた事業計画の変更、履行確認について、あるいは事業報告書のあり方や指定管理料の積算について、また備品の帰属について、そして最も重要な市民が利用する施設の安全管理についてという点について指摘をされているわけですが、総体的にこれをどのように受けとめて今後の事業の中に生かしていくのかというようなことについて、全体的なご報告をいただきたいというふうに思います。
それから、最も重要なのは、事業報告、事業の確認、事業が行われたかどうかという確認もそうでありますけれども、公の施設が市民に対するサービスを行っているわけですが、そのサービスの質がきちんと確保されているかどうか、提供されているかどうかということをチェックしていかなければいけないというふうに思います。
サービス評価の部分は最も難しい部分で、全国的な課題でもあるというのが先ほどの答弁でありました。しかし、課題ではありますけれども、特に福祉分野では、障害者の施設あるいは高齢者の施設、また保育園、学童など、対人サービスの部分で、既に多くの指定管理が進んでいるわけですから、ぜひ、このサービスがどのように提供されているのかということの評価に入っていただきたいというふうに思います。
今先ほど、事業が民間に委託される、指定管理者に出される、アウトソーシングされればされるほど、市役所が持つ事業管理、施設管理運営のノウハウは形骸化をしていくという指摘もありました。私もそうだというふうに思います。今回の各指摘をされた例はその1つだというふうに思いますけれども、もう一方で、サービスを提供していないわけですから、どのようなサービスが最も市民にとってよいかという、そういったノウハウや能力も実は欠けてきているのではないかというのが、業務委託や指定管理者制度がどんどん進むことによって感じるところです。
特に、介護保険制度が始まって、高齢者福祉の部分のサービスがほとんどが委託に出されて民間事業者が担うという中で、行政が相談や事務事業の部分だけになりました。したがって、今、包括支援センターなり在宅介護支援センターなり、さまざまで行われている事業が、本当は市が直営でやった場合、そのレベルを維持できるのか、それ以上のサービスを提供できるのかというような能力が今行政に備わっているかと言えば、大変疑問だというふうに思います。そういった行政が市民サービスの質をどのように評価をし、事業者によりよいサービスを提供させるために、どのような指導をしていくのか。そのことを協定書や仕様書にどう盛り込んでいくのかということが今後の課題だろうというふうに思いますが、それについてどのような対応策をつくっていくのか。そして、そのサービスを提供できるように指導する市役所の職員の能力をどう高めていくのかという問題についてお答えいただきたいと思います。
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