◎井上睦子委員 それでは、続いて質問をいたします
まず税制「改正」と市民生活ということで、改正は括弧つきの「改正」といたしました。現実的には改悪だというふうに思っております。決算の説明書で、市長は「個人市民税が税制改正により増収となりました。しかし、1人当たりの給与所得は減少しており、定率減税が縮減されるなど、市民生活は依然として厳しく景気回復を実感できないものであったと言わざるを得ない状況にありました」というふうに説明されました。1人当たりの給与所得が減少しているということは、先ほどの若尾委員の質疑で明らかになりました。市の市税白書によると、市民1人当たりの市税負担額というのは、ここ3年、2004年が一番底だったわけですが、15万1,000円から徐々に上昇していって、06年度は15万9,000円というふうになっています。1人当たりの給与所得は減少しているにもかかわらず、市税の負担額は上昇しているという、この逆転現象があるわけです。これは税制改悪として老年者控除や65歳以上の人に対する非課税措置の廃止、あるいは公的年金等の控除の見直しによって負担額が上がったというふうになっているというふうに思います。特にこの改悪は、高齢者にとって大変厳しい状況ではなったかというふうに思います。

 そこで、お伺いをいたしますが、年金収入が夫が240万円、妻が60万円というモデル的な世帯、年金収入300万円のモデル的な世帯とすると、この4年間、19年度まで含めて、16年度から4年間、住民税や国保税、あるいは介護保険料、介護保険料は18年度に見直しがありまして改定をされておりますので、それも含めて総額としてどのような負担の増加になっていっているのか、総額としての推移をお示しいただきたいと思います。


◎中村税務部長
私の方から市民税、都民税、それから国保、健康保険税等介護保険料、これをあわせて答弁させていただきます。16年度は13万7,000円、17年度で14万4,000円、18年度で、ここで老年者控除あるいは公的年金控除の見直し等がありましたので17万円、19年度で税源移譲、所得税から個人市民税への移譲がありましたので、ここで約21万円になっております。


◎井上睦子委員
徐々に税制改悪によって負担が増大をしてきているわけです。20年度、来年度についてもさまざまな改悪が予定をされておりまして、介護保険料については激変緩和に伴って、18年度までは一定の緩和策があったわけですが、20年度は100%の介護保険料の負担というふうになってまいります。福祉の統計によりますと、介護保険料、この激変緩和策の対象となっている人数が、第4段階で1,372人、第5段階で7,195人というふうに、高齢者の人たちが20年度もまた介護保険料の負担がふえるという状態になってまいります。

 そして、9月議会でも議論になりましたけれども、後期高齢者の保険制度が発足します。八王子市議会も高齢者に対する負担の増を招かないように意見書を上げ、市長も国からの財政支援、調達ということで要望し、さらには今、参議院選挙で与党が負けましたから、その中で高齢者医療制度の見直しということで検討会がきょう発足をするというようなことで、この制度がどのような方向になるかはわからないわけでありますけれども、現実にこの税制改悪によって高齢者の負担が急増していて、可処分所得が減っている。来年度医療費の負担増と介護保険料の負担増というのが求められれば、大変生活は厳しくなるというふうに思いますけれども、この点について市長はどのように認識をされていらっしゃるのか。そして、これ以上の負担増を、特に高齢者世帯に強いることができるのかどうか、その点についてお聞かせいただきたいと思います。


◎黒須市長


 今後も厳しい市民生活というものが心配をされるわけですけれども、高齢者医療あるいは介護、障害者支援などへの負担の軽減ということですね。この負担増の凍結については、今、お話があったように国でもこの前の参議院の選挙の結果というものも踏まえて、今、再検討する、こういうことでございますので、例えば障害者自立支援法の改定なんかでは、これはちょっとおかしいんじゃないかというのは私も感じておりましたし、市長会等でもやっぱりそういう意見が出て、そして国への再改定を求めようじゃないかというような運動をしておりましたので、私はここで国が再検討するという姿勢を打ち出したということは評価をしておりますし、また期待をしたい、こう思っています。


◎井上睦子委員


 先取りをした答弁をいただいたんですが、高齢者や障害者、あるいは一般市民の家庭は、給与所得は減っていても税負担はふえているという税制改悪の負担増があるわけですね。ですから、これ以上市の施策としても市民に負担を強いることができるのだろうかというのがまず第1点です。2点目としては、軽減策という意味で、国の施策に期待をすると。そして障害者自立支援法や後期高齢者医療制度については、市長としても疑問を呈されて、国が凍結・見直しをすることを期待をされているということで、それは確認をいたします。

 しかしながら、改正がどの程度自立支援法や医療制度見直し、年々国は2,200億円ずつ社会保障費を減らすということを、先行して高齢者や障害者、一般市民の暮らしを抑圧をしてきたわけですけれども、そこがどの程度見直されるかによって、また変わってくると思います。やはり、行政としては市の施策の中において、これ以上の負担を市民には求められないというのが私の第1点目の考えです。

 2点目としては、国の施策が中途半端であいまいに終わる場合においては、市の独自施策として介護保険料を20年度は激変緩和の措置の対象の人たちが9,000人ぐらいいるわけですが、その人たちに対してもそれを凍結して緩和策を継続するでありますとか、そういった手当てが行政として必要なのではないかというふうに思うわけですが、いかがでしょうか。


◎黒須市長


 市民への負担増ということですけれども、制度改定によって、結果として負担がふえるという部分もこれは否定できないんじゃないかというふうに思います。ただ、これは本市が他の自治体に比較してより多くの負担増を求めるということは、私は全く考えておりません。やはり基本は国の制度改定というようなものに基づいた一定の負担をしていただくということが、これはやっぱり当然のことだというふうに思っておりまして、国の改定が市民にとって新たな負担増になるんだから、その分は自治体が何とかしなさいというのは、これは私は安易にそうすべきではないと。国は国なりの考え方があってやるわけですから、ですから、それは十分に理解をしながら、しかし、どうしてもやっぱり足りないところがあったらば、国にその制度を、現場の実態というものをよくつかんでいただいて理解をしていただいて、そして改めるところは改めさせる、これが本来だろうというふうに思っています。


◎井上睦子委員


 もちろん国の制度を変えていかなければいけない。今回の参議院選挙では有権者の1票の重さといいますか、その怒りが政策を転換させるという意味で大変大きかったというふうには思います。しかし、介護保険制度の改悪に対しても、各自治体は高齢者支援のために独自施策を打ってきたわけですね。八王子市としてもおくればせながら東京都の助成金を活用しながらベッド購入に助成をするとかという施策をやってきたわけです。やはり一番身近な市役所が市民の一番の助けになるという自治体の役割が、今、格差が拡大し、貧困層が増大をしているという中で大変大きな役割があるというふうに思います。1点は、これ以上の負担増はさせないということは確認をいたしました。

 2点目には、ぜひとも独自の施策を、例えば介護、障害者、医療、子育ての分野において施策を点検をしていただきながら、独自の上乗せ支援というものをぜひやっていただきたいというふうに、これは要望しておきますし、また、分科会の中でも議論をしていきたいというふうに思います。  次に、入札結果についてお伺いをいたします。18年度の入札結果についてお伺いをいたします。  土木の契約案件について、受注額上位の3社をお答えください。


◎田沼財務部長


 18年度の受注額の関係でしょうか、18年度は受注件数、それから受注額とも黒須建設株式会社が1位でございます。申しわけございません。2位と3位がちょっと手元にございませんので、お許しいただきたいと思います。


◎宮崎契約課長


 18年度の受注総額でございますが、第1位が、今財務部長が御答弁しましたとおり黒須建設株式会社でございます。第2位が木村設備株式会社、第3位が株式会社市川工業所でございます。


◎井上睦子委員


 第1位が黒須建設ということで、契約金額は1億9,205万ですね。あと四中の体育館の改築工事があって、これは横瀬・黒須建設共同企業体で1億8,250万ということで落札をしております。私は6月議会でも政治倫理条例の制定ということを求めました。入札経過調書なり何なりというのは公平に入札が行われたということで疑義はないわけでありますけれども、ただ、政治倫理という観点から、市長の親族が経営をする建設会社との契約の問題について市民から疑われないように、そして、市長や議員がみずからの高潔性や倫理性を示すために政治倫理条例を制定してはどうかということを求めました。

 今回たまたま黒須建設の受注額が第1位なわけでありますけれども、市長は前の議会の答弁で、「私自身が不正だということを指摘されるようなことがあるならば、私は即刻責任をとります。それだけの覚悟は常にいたしております」ということや、「どんな条例をつくっても、悪いことをする人は悪いことをするんですよ。だから、条例をつくれば、それですべて解決するというものではないんです」というふうに答弁をされました。「どんな条例をつくっても」というところは、条例制定をして、法治国家の中で法の規範に基づいて我々は行動しようという条例をつくる機関としては、この答弁はいかがなものかなというふうにも思ったわけであります。

 一方で、即刻責任をとる覚悟があるというふうに市長としては公明正大に活動していらっしゃるならば、よりさらに高潔さを証明する手段として政治倫理条例の制定をしてはいかがかというふうに思いますが、お考えは変わっていませんでしょうか。


◎黒須市長


 結論から言いますと、考え方は変わっておりません。私は後ろ指を指されるようなことは全くしておりませんし、市長に就任する前、議員の立場であったときにも、そういうことで人にうんぬん言われることは全くやっておりません。私が最も忌み嫌うことというのは、アンフェアなことだ、これは常に申し上げておりますけれども、担当職員たちもそういう姿勢ですべて取り組んでいる。私はだから、自信を持って、A社が多くなっても、B社が多くなっても、それはちゃんと規則にのっとって、そして入札が行われているということを確信いたしておりますし、もし何か、私がほんの少しでもそれにおかしなことがあるというようなことがあるならば、私はその政治倫理条例も必要だろうというふうに思いますし、私の責任というものも生じてくるのではないかというふうに思って、いつもその覚悟はいたしております。


◎井上睦子委員


 地方自治法の92条と、それから142条、これは議員と市長の兼職の禁止を定めております。兼職に違反をした場合は、これは自治体の請負をする者になってはいけないというふうに定めておりまして、これに違反をした場合には即刻辞職をしなければいけないという内容になっています。

 それで、市長の資産公開で見ますと、市長は黒須建設の株を、18年の4月では30万8,880株、19年の4月では27万4,880株お持ちです。これはやはり株主としては、その経営に関与することもできるし、あるいは経営から株主としての利益を得るという立場にあるし、この株の保有数というのは極めて大きな数ではないかなというふうに思ったわけです。ただ、自治法上には抵触をするものではありませんけれども、各自治体約300ぐらいが政治倫理条例を制定をしておりまして、やはりみずからをそういう危険にさらさないという意味でも、利害関係から遠ざかるという意味でも制定をしておりますので、ぜひ私は制定をしていただきたいというふうに思っております。再度市長の御答弁をお願いいたします。


◎黒須市長


 私は黒須建設の株を持っているのは事実でございまして、これは私、当時、長男でございまして、今でも長男なんですけれども、当時、これは小さいときから父親の後を継ぐということを前提で育ってきましたので、株を持っておりました。50円株ですから金額としては幾らでもないんです。今、実際の価値というのは20円から30円ぐらいだそうですから幾らでもないんですけれども、でも持っていることは事実で、今、これを譲っています。ただ、やっぱり買ってくれる人というのはそういるわけではありませんから、身内に譲って、毎年減らしています。着実に減らしています。一遍にこれを減らすとすると、これはあげるとなると贈与になるわけですから、何も贈与税を払ってまでということは私は考えておりませんし、ですから、それはできるだけ早くゼロにしたい、こういう気持ちで今進んでおります。それと政治倫理条例の云々というのとは、私自身としては直接関係はないというふうに思っています。