◎【40番井上睦子議員】
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それでは、発言通告に基づきまして質問をいたします。順序が若干変わりますが、御了承ください。
まず、黒須市長の政治姿勢についてお伺いをいたします。
6月、7月と新聞報道で幾つかの市長の発言が報道されました。その中から何点かお伺いをしたいと思います。
まず、6月25日、読売、東京、毎日新聞の報道では、市長が市長をやめることも選択肢の1つだというふうに語っておられます。読売新聞では、6月25日、「政治倫理条例が制定された場合、『市長を辞めることも選択肢のひとつ』と厳しい表情で語った」と報道されております。これは私たちが6月24日、政治倫理条例の制定をアピールした後の記者会見での発言です。
唐突なこの発言に私は驚きました。そして、疑問が大きくなりました。なぜこのような発言をされたのか。そして、その真意を伺いたいと思います。
辞職とは重大な決意です。9月1日、福田首相は突然、総理大臣を辞任することを表明しました。国民は、安倍前首相に続いて、また政権をほうり出すのか、無責任過ぎるとあきれ、年金や医療は問題が山積し、ガソリンの高騰で国民生活が大変なときに、政局の行き詰まりを理由に投げ出すことは、国民のことを考えていない、国民投げ捨て内閣だと批判が噴出しています。政治のトップにある者の職責が重大であることは言うまでもありません。
市政トップの辞任もあり得るという発言は、市民の市長への信頼を失うことだと考えます。1月の市長選挙で得た8万4,000票もの市民からの支持、そして、その結果、市政を信託されたことに対して、市長はどのように考えているのか、お伺いしたいと思います。
6月議会では、親族企業の受注を自粛するよう求める発言に対して、社員の生活を奪うようなことはできない。それで納得がいかないというなら、私にやめなさいと、こういうことだろうと思うんですね。正々堂々と清廉潔白で私はすべての案件でやっています。そういう中で私はやめる理由はないと思うんですとの答弁を、山口議員の質問に対して答弁がありました。
私たちは今、今議会に政治倫理条例を提出しています。辞職も選択肢の1つとの発言の真意は、こうした答弁からも考えると、条例の成立は、親族企業の請負自粛が求められ、黒須建設が市の公共事業の受注ができなくなるために、市長の職務より、家業である黒須建設の市の事業への参入を優先するということなのでしょうか。お答えいただきたいと思います。
そして、今も、政治倫理条例が制定された場合、辞職は選択肢の1つという気持ちは変わらないのか、お伺いをいたします。
2点目の発言についてです。7月22日、八王子で大変痛ましい事件が起こりました。京王八王子駅ビル内の書店で起きた殺傷事件です。犠牲になられた方々と御家族に対して、御冥福をお祈りし、そしてお見舞いを申し上げます。無差別に人命を奪うことは決して許されないことです。八王子で学び、未来に希望を持って進んでいた犠牲者の無念を思うと、大変胸が痛みます。
7月24日の毎日新聞では、市長は、事件翌日、献花台に合掌され、「安全安心な街づくりを目指していた矢先の事件で、残念だし、本当に悲しく思う」と話し、容疑者について、「『なぜ何もしていない市民を巻き込むのか、全く許せない。生きるのが嫌なら自分で自分の命を始末すればいい』と怒りをあらわにした」と報道されています。
この発言中、何とも不快で寒々しい気持ちになったのが、最後の「生きるのが嫌なら自分で自分の命を始末すればいい」という言葉です。容疑者の行為はどんな理由があっても許されず、正当化できるものではありません。被害者の感情からすれば、このような気持ちになることはあるかもしれません。しかし、自治体のトップとして公の立場にある市長の発言としては適切ではないと考えます。
市長の発言は市民に対して影響力があります。自暴自棄になっている人に、絶望し、生きることに困難を抱えている人に、自殺すればいいと受け取られないでしょうか。また、社会に迷惑をかける人間は生きている価値がないとも感じられる発言ではないでしょうか。
人の命は地球よりも重い。何物にもかえがたい。他の人の命も自分の命も大切にしようと言うことこそ、市長は市民に伝えなければならないはずです。市長に発言の真意をお伺いしたいと思います。
次に、事業者との関係についてです。
7月2日の読売新聞では、「受注業者から寄附。八王子市長、無料で借地」と報じています。ことし1月の市長選挙で、八王子市と請負契約を結んでいる事業者から市長が移動事務所設置のために土地の無償提供を受けたことは、公職選挙法に抵触するおそれがあるとし、市選管は「公選法(特定寄付の禁止)に抵触する疑いが強い」と話し、「市長は『ミスだったと素直に認める。ただし、その土地が誰のものであるかまでは候補者は知らない』と弁解している。」と報道されています。
しかし、その後の3日の東京新聞、4日の毎日新聞、5日の朝日新聞では、市選管と市長のコメントは変わっています。
そこで市選管にお伺いをいたします。7月2日の読売新聞では、公選法に抵触する疑いが強いというふうにしながら、その後、東京、毎日、朝日の取材に対しては、個人の立場で寄附しており、法には触れないとの見解に変わっていますが、この見解が変わったのはなぜなのか、明らかにしてください。
また、毎日新聞では、市選管は、報告書を見る限り、寄附したのは個人であり、今のところ公選法に違反するものではないと説明をしていますが、報告書を見る限りとか、今のところとはどのような意味なのか、お伺いをいたします。
そして、無償で借りた土地の所有者が請負業者の所有であった場合には、どのような見解になるのか、明らかにしていただきたいと思います。
そして、市長にお聞きいたします。市長のコメントも、読売新聞では「ミスだったと認める」から、他の3社に対しては「特に問題はない」と変わっています。なぜ変化をしたのか、お答えください。
そして、市長は、その土地がだれのものであるかまでは候補者は知らないと読売新聞の取材に答えています。報道後、収支報告書は確認をされたようですが、土地の所有者については確認をされたのか、お聞きをいたします。
次に、JR八王子駅南口駐輪場の建設の問題について伺います。
駐輪場の建設については、当初、9億5,000万円の予算であったものが、3月の議会では15億円以上にまでなることが明らかになりました。議会からはずさんな計画との指摘があり、大変な議論がされました。
議会の指摘を受けて、その後、見直しがされ、駐輪場の規模は、地下タワー式で1,224台、平面式で1,000台の計2,224台、予算は9億5,000万円となりました。そのうち市の負担金は3億5,000万円、住都公社は6億円の負担ということに再度変更をされました。
7月下旬から仮設ロータリーが整備され、9月には地下タワー式の駐輪場建設に入る予定です。そこで、駐輪場建設について何点かお伺いをいたします。
まず、資金計画と予算についてであります。市と住都公社の駐輪場設置及び運営に関する実施協定書では、設置費用と市の負担額について、次のように定めています。住都公社の負担限度枠は6億円、市は2008年度に地下タワー式設備4基に対し3億5,000万円を負担、住都公社は2008年度に2億5,000万円を限度に負担をする。平置き式については、市は土地の借地料を別途負担し、住都公社は設置に関する費用を負担するとしていますが、まず、市の負担額3億5,000万円のうち、国庫補助金や交付金の額を明らかにしてください。
また、総費用9億5,000万円のうち、地下タワー式駐輪場及び平置き駐輪場の予算額、あるいはその他実施設計や仮設ロータリーにかかわる予算もお伺いをいたします。
また、住都公社の負担限度額は6億円ですが、設置費用が9億5,000万円を上回った場合、市が負担をするということなのか、確認をいたします。
次に、契約についてであります。
仮設ロータリー設置工事の請負業者は技研製作所で、契約金額は3,990万円ですが、地下タワー式駐輪場設備工事の請負業者と契約金額についてお聞きをいたしたいと思います。発注者は住都公社ですが、市も負担金を出している立場ですので、答弁をお願いいたします。
同時に、地下タワー式駐輪場設備工事の下請業者名についてもお伺いをいたします。この契約は随意契約で行われたということです。随意契約は競争性が働かず、予算の効率的な執行のためには一般競争入札が原則でありますが、随意契約にした理由を明らかにしていただきたいと思います。
また、契約金額の妥当性についても御説明ください。その際、実施設計に基づく積算結果から設定した予定価格をお示しいただきたいと思います。
次に、下請業者の選定と契約金額についてであります。仮設ロータリー設置工事では、請負業者の技研製作所は、施工計画、工程管理など管理部門で担い、下請業者の大林道路が道路土工や塗装などをしています。下請業者はどのように選定をされたのか、お聞きをします。
そして、下請業者の契約金額は明らかにされていませんけれども、こうした役割分担を見ますと、契約金額の相当部分が再委託先に支払われているというような感じもいたします。どのくらいの金額が支払われているのかということを明らかにしていただきたいと思いますし、随意契約の相手方の履行能力というのが問われる場合もありますので、下請業者の契約金額は原則として公表すべきだと思いますが、御見解をお伺いいたします。
次に、平置き駐輪場についてであります。平置き駐輪場のJRの用地の確保の見通しについて、今どのような協議状況なのか、明らかにしていただきたいと思います。
次に、地域医療・介護は守られるのかという点について、都立小児病院の移転問題と、療養病床の再編の問題についてお伺いをいたします。
都立八王子小児病院の存続問題については、移転統合計画が東京都より発表されて以来、八王子市は移転に反対、存続の立場で都と協議を重ねてきました。しかし、6月13日の代表者会で報告された詳細な協議内容は、移転後の条件についての協議であり、そして、その協議も最終段階であることが明らかになりました。
本日の朝日新聞には、都立八王子小児病院の後継医療について、八王子市が民間委託で外来だけの診療所を開設し、日中の小児外来診療、そして準夜間の初期救急、重度心身障害者の通所療育センターの機能を備えた施設を検討し、開設は2011年4月ということが報道をされています。
これは市民団体に伝えられた内容で、6月の代表者会での報告よりはより具体化したものでありますけれども、東京都との協議も最終段階というような状況だと思われます。6月の報告以降、東京都との協議内容、そして東京都の支援策について、何が確定をして、何が課題であるのか、明らかにしてください。
NICUと医師の派遣については、大きな課題でありましたけれども、この点についても、明確に方向性を明らかにしていただきたいと思います。
そして、小児病院の跡地と施設を活用した新たな事業展開についてでありますが、これは受託する医療法人が決まっているのか、お伺いをいたします。
6月の代表者会では、岡部副市長は大変積極的な法人との協議をしているというような感じを受けましたけれども、これはどのように、今、法人名が発表できるのかどうか、明らかにしていただきたいと思います。
次に、関係者会議でありますけれども、6月13日以降、開催をされているのか、今後の予定はどうなっているのか、お伺いをいたします。
現時点で小児病院の存続が困難であるということはやむを得ない現実としてありますけれども、小児病院移転後は、八王子の小児医療体制は縮小せざるを得ない状況です。NICU、入院機能の問題など、新聞でも指摘をされていますけれども、こうした穴のあく状況、縮小する状況について、今後どのように取り組むのかということをお伺いしたいと思います。
次に、療養病床の再編成の問題について伺います。
2006年6月に成立いたしました医療制度改革関連法によって、全国10万床ある介護保険を適用する介護療養型医療施設の2011年度末での廃止が決まり、そして、また同時に、医療保険適用の療養病床25万床を2011年度までに15万床に削減するという方針を明らかにしました。38万床ある療養病床を15万床に6割以上削減するという国の方針に対しては、施設利用者や介護や医療関係者からも強い不安と批判が噴出し、医療療養病床の削減数については見直す動きも出てきています。
こうした国の動きの中で、東京都は、東京都地域ケア体制整備構想を策定し、都の地域特性を加味した療養病床目標を公表するとともに、療養病床の再編成への地域ごとの対応方針を明らかにしています。
お年寄りが安心して医療や介護を受けることができる、地域の中でこうしたサービスが受けられることが今後もできるのか、その点についてお伺いをしたいと思います。
まず、具体的には、市内での医療系、介護系の療養病床数が現状ではどうなっているのか、明らかにしてください。
2点目には、この市民の利用状況について明らかにしていただきたいと思います。
市内の法人は療養病床の再編についてどのような判断をしているのか、法人の意向調査等の結果についてお伺いをいたします。
国の削減計画に反して、東京都は医療系の療養病床2万1,033床を、2012年には2万8,077床と7,000床ふやす計画であります。市の計画では、この療養病床は何床ふえることになるのか、お伺いをいたします。
以上で1回目の質問を終わります。
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