◎【40番井上睦子議員】
それでは、生活者ネットワーク・社会民主党を代表して、2007年度八王子市一般会計及び各特別会計決算について質問いたします。

 まず、財政運営と市民生活についてです。

 2007年度は税制改悪の影響として、老年者非課税措置の廃止、定率減税の縮減、廃止、税源移譲によって47億2,200万円の増収となり、市民にとっては増税となっています。これまでの税制改悪による非課税措置の廃止などによって、国保の高額医療費の自己負担限度額や介護保険料、あるいは福祉用具の貸し付け等、各種手当の支給など、この非課税限度額、非課税世帯の線が変わることによって市民にはどのような影響が出ているのかお答えいただきたいと思います。

 次に、市長は決算の提案で法人市民税が好調な企業業績を反映して、また、個人市民税が税源移譲や定率減税の廃止を中心とする税制改正により増収となったものの、給与所得の著しい好転はなく、原油高や原材料費の高騰などもあり、市民生活は依然厳しい状況下にあると説明されました。この説明でも明らかなように、企業の収益は個人への給与として支払われておらず、市民生活は厳しい状況だということは明らかであります。

 2008年度は財政健全化法の影響もあって、三多摩地域では半数の自治体が国保税や下水道使用料などの値上げを行いました。本市は本年度はそうした市民負担を行っておりませんけれども、こうした市民生活が依然厳しい状況下にある中で、来年度予算編成の時期でありますけれども、来年度も使用料、手数料、あるいは国保税といったような市民に負担を強いるような政策は基本的にはとらないということをするべきだというふうに思いますけれども、お考えをお伺いいたします。

 アメリカのサブプライムローンによる金融機関の破綻や原油高など、日本経済も大変厳しい状況が出てきています。今後の財政運営についてはどのような認識なのかお伺いいたします。

 次に、基金残高のうち財政調整基金についてお聞きいたします。監査委員の意見書では、財政調整基金について、行財政改革プラン(追補)では、基金の充実として普通会計歳出総額の5%になるよう努めるとしているが、平成19年度末においては3.1%にとどまり、平成20年度予算において20億円を取り崩す計画であることを考えると大変厳しい状況である。経済状況の変化に柔軟に対応できる体力が必要であることから、八王子版基金積立金基準を早期に示すようというふうに求められております。普通会計歳出総額の5%、2007年度段階での5%は81億円で、しかし、実際の積立額は51億円でしかありません。2008年度の予算審議では目標額60億円と答弁されております。ことし2月に出された公的資金補償金繰上償還にかかわる財政健全化計画では2011年度末には積立額がゼロになるという計画でしたが、現在の段階での見通しと、監査の指摘事項にある基金積立基準はいつ、どのようにお示しになるのかお答えいただきたいと思います。

 財政の各指標は前年度に比べて好転し、市債残高を減少してきていますが、日本経済の状況が悪化しているという中で、市税収入は不安定とならざるを得ません。歳出については慎重さが求められます。今後、南口再開発では市負担金が143億円、その後、新体育館建設など大型事業が続いてまいりますけれども、市債残高が増加するというような危険性はないのでしょうか、お伺いいたします。

 次に、入札・契約制度と指定管理者制度のあり方についてお聞きいたします。

 まず、契約の状況についてであります。先ほど、山越議員から2007年度の黒須建設の契約状況について御説明がありました。私からは確認の意味で、黒須建設の契約状況と市内企業の中ではどのような状況であるのかということをお答えいただきたいと思います。

 2点目に、市長選挙についてお伺いいたします。市長選挙の開票所の設営委託、あるいは市長選挙の期日前投票所等の設営・保守・撤去委託を株式会社エイトが受託しております。これは指名競争入札で行われ、市長選挙の開票所の設営委託では378万円の契約金額、期日前投票所の設営では273万円の委託金、そして随意契約として南大沢の期日前投票所の設営・保守・撤去で45万1,027円、仮設トイレの設置に9万9,960円、この2件は随意契約で行われております。こうした随意契約については、どのような形でこの金額が妥当であったのかということを選管にはお伺いしたいと思います。

 そして、この市長選挙の当選が決まった1月29日の各新聞、読売新聞と朝日新聞には、このエイトの社長が当選した黒須市長に花束を渡す写真が大きく出ています。これは先ほど、前回の一般質問でも取り上げられました市長選挙における選挙事務所の無償提供の問題について、請負業者とその自治体の市長との関係が公選法の199条からどうなのかという議論がございました。個人の資格としての市長選挙の応援というのはいいのだろうというふうに思いますが、公正、公平に行われるべき市長選挙に、その市長選挙の当開票所を設置、撤去する委託を受けた業者の社長が市長選挙の事務所に行き、当選のお祝いをするというのは、請負業者、個人といえども、やはり私は首長と請負業者というのは倫理的に一線を画して厳しく律しなければいけないのではないかというふうに、この新聞記事を見、そして決算の証拠書類の閲覧をしながら考えたわけでありますけれども、選挙事務所の無償提供の問題、これは市民が告発されたという新聞報道がありましたけれども、やはり市長、請負業者とその首長との関係が常に、個人との関係であったとしても請負という関係があるわけですから、やはりそこは厳しく律するということが市長側としては必要なのではないかというふうに考えております。その点について市長のお考えをお聞きしたいと思います。

 次に、契約の問題でJR八王子駅駐輪場の建設についてお伺いいたします。昨年度は道路事業部と住都公社で駐輪場の建設について協議され、住都公社は基本設計等を行っています。この南口駐輪場はことしの9月から工事が始まっておりますが、元請業者は技研製作所であります。この下請けについて資料を要求いたしましたら、9月17日に技研製作所から出された下請負届では黒須建設が仮設工、土工を下請けすることになっていました。しかし、昨日の段階で報告書というのが出されて、これが変更されました。読んでみますと、平成20年9月17日付に届け出いたしました下請負届について一部変更が生じましたので報告をいたします。なお、変更の下請負人が決定次第、届け出いたしますとして、変更内容として、下請負人の黒須建設株式会社が施工辞退というふうになっています。市長は住都公社の理事長でもありますので、こうした施工辞退をすることの理由についておわかりでしたら明らかにしていただきたいというふうに思います。

 私は資料をいただいた段階で黒須建設だということにも驚きましたけれども、契約日が9月12日、契約金額が1,790万円でありますけれども、昨日の段階で施工辞退するという事態にも驚いております。南口では仮囲いができて工事が進行しているようでありますけれども、どのような事情があったのかお答えいただきたいと思います。  私たちは政治倫理条例を提出して、現在、総務企画委員会で継続審議中でありますけれども、市長や議員の親族企業の下請負も自粛の対象としています。今回の変更は条例を支持する世論も考慮し、親族企業ということで黒須建設が自粛されたのでしょうか、お伺いいたします。

 総合評価制度の試行について、その成果と課題、問題点についてお伺いいたします。昨年度から三多摩地域で初めて試行導入をこの総合評価制度がされましたけれども、高落札率や参加企業が少ない点、また、一人入札というのが施行計画評価型では多く出てきているという点、また、事業者からも大変さまざまな要望が出ていることなど、たくさんの課題があります。品質確保法は公共事業が減少した建設業の再編、淘汰の削減もあると指摘されておりますけれども、この試行している総合評価について、現在の課題、そして改めるべき点についてはどのようにお考えか、明らかにしていただきたいと思います。

 次に、指定管理者制度のあり方についてお聞きいたします。指定管理者制度のあり方については、ことしの3月、外部監査がさまざまな指摘をいたしました。その主なものとしては、指定管理者を評価し指導する能力やスキルを市の職員が確保すること、そして、そのためには職員の人材育成をしなければならないということ、また、指定管理者自身の職員の人材育成をする、あるいは雇用や労働時間など、さまざまな労働条件の問題についても市側がきちんとそれを充実する義務があるということなどが指摘されました。また、市職員が指導する能力として、具体的には法令や規則を熟知し、指定管理者を指導する能力という問題が欠けているという指摘がありました。具体的には、これは外部監査ではありませんけれども、監査委員から市営住宅のエレベーター管理の問題や道の駅の消防器具、あるいは道の駅の運営状況などについてでありました。指定管理者制度が導入されて制度ができて5年目であります。その制度のあり方についてきちんとした方向性を出すべきときに来ていると考えています。八王子市は指定管理者のあり方、基本方針その2まで出しておりますけれども、ぜひ、その3ということで外部監査や内部監査から指摘された点について方向性を出していただきたいというふうに思いますが、その点についてお伺いいたします。

 さらに、学童保育所や保育園など、子どもに対する人への福祉サービスについての問題についてであります。指定期間が3年とか5年とかで指定管理者が変わっていくということが、子どもに対するサービスとして適当なのかどうなのかということも大変疑問になってまいります。学童保育所は、指定期間が終了し、新たな指定管理者を募集するという時期がここ数年でたくさんの学童保育所で出てまいりますので、ぜひそれまでに指定管理者制度のあり方についての基本方針を出していただきたいと考えますが、そのことについてお答えください。

 次に、誇りをもって働く環境の整備についてであります。

 市役所の中での正規職員の減少と非正規職員の増大については、お2人の会派から質疑がございました。私も委託業務の拡大、そして指定管理者の導入によって正規職員が減少し、先ほどから御報告をいただいているように、委託部分でも減少していますけれども、それに伴って新採用をとめるということで非正規雇用も専門職などでは拡大してきています。数字のとり方はさまざまなので、先ほどお答えいただいた552人で15%というのが妥当なのかどうかはわかりません。私はやはりここにはひとりひとり名前を持った人が働いているという観点から、そういった労働時間での換算ではなくて、この市役所の中でどういう身分の人たちが働いているかという実人数について、ことしの4月1日段階でのデータを以前いただきました。正規職員が3,036人、嘱託職員が545人、臨時職員が1,181人であります。それから考えると、非正規職員の割合は36%ということになります。これは労働時間の換算ではなくて、この中で働いている名前を持った人々が約4割近く非正規の立場で働いているということは大変重大なことだと思っています。先ほど官製ワーキングプアの名称は違和感があるというお答えでありましたけれども、こうした市役所に直接臨時で、あるいは嘱託で雇用されている人、または指定管理者や業務委託で働いている人の中にも生活保護基準以下の賃金しか得られないという官製ワーキングプアというのは、たくさん行政自身が生み出しているということをぜひ認識していただきたいと思います。

 他方、市の政策としては、民間に産業政策課を中心として正規社員化を求める政策を実施しております。これは若年者雇用奨励金制度や、あるいは継続して働けるように相談すること、あるいはセミナーを実施しています。こうした市の正規職員を減少させ非正規を拡大していく、でも産業政策課で行っている継続して勤めることを奨励するという政策は、私から見れば大変矛盾しているのではないかというふうに考えておりますけれども、この問題、市の政策は矛盾していないのか、どのように考えているのかお答えいただきたいと思います。

 市役所の中での非正規職員が増大しているということは、さまざまな問題を生み出すと思います。同様の働き方をしながら賃金格差があり、誇りと生きがいを持ちにくいという問題や、あるいは専門的な相談員などは労働条件のよい職場へ転職し、そのスキルが継承されず市民からの信頼を失い不便をかけているという問題もありますし、非正規職員の生活の困難さという問題も生み出しています。正規職員の減少は、一方で職場体験、あるいは現場を知らない職員の増加によって市民の暮らしに寄り添った政策立案ができないという問題も生み出しているのではないかと考えています。公の分野、市の分野では官製ワーキングプアを生み出さないシステムをぜひつくっていただきたいと思います。それには、たくさんの議員からも指摘されておりますが、公契約条例をつくること、あるいは必要な部署には正規職員の配置をすること、そして非正規職員と正規職員が同じ労働をするならば均等待遇を賃金でも確保していくという方向が改めて求められていると思いますが、そのことについて御見解をお伺いいたします。

 一方で、民間の企業では、グッドウィルや、あるいはトヨタ自動車など、派遣労働法の違反で是正勧告や、あるいはその業務自身が禁止される事態がこの間生じました。こうした企業との取引、労働法政を遵守しない企業に対しては、談合では指名停止処分があるように、市との契約、公共調達においてはペナルティを課すなど、何らかの誘導策ができないのかお伺いいたします。

 また、ワーキングプア、あるいは非正規労働の拡大は、女性の生活、特に母子家庭の生活を困難にしています。2007年度からようやくひとり親家庭への自立支援プログラムが開始されました。決算としては約460万円の就労支援実績となっておりますけれども、この制度について今後の就労にどのように結びつけていくのか、どんな課題があるのかお伺いしたいと思います。

 次に、命と暮らしを守る医療、福祉行政についてお伺いいたします。

 骨太方針2006によって5年間で社会保障費が毎年2,200億円の削減が行われてきました。この結果、医療、福祉、障害者施策の後退を招き、政府の推し進めた構造改革の矛盾が明らかになっていると思います。それが2007年度のさまざまな状況にあらわれています。

 例えば、国民健康保険についてお伺いいたしますけれども、国保の加入状況は2007年度末で10万8,260世帯、これは加入世帯は増加傾向にありますけれども、医療機関へかかれない無保険者の発生については危惧されるところです。そこで、八王子市が2007年度、資格証、あるいは短期保険証を発行した状況について明らかにしていただきたいと思います。

 次に、介護保険と後期高齢者医療制度の問題についてであります。介護保険制度の2005年度の改悪によって、介護の社会化の理念は消え、家族介護が増大しております。大変厳しい状況が続いてきています。しかし、保険料剰余金の9億円の積み立て、これはサービスを出さないということによって剰余金が出たのではないかというふうに考えます。保険料改定をするときには、ホテルコストや食事代の自己負担、あるいは介護予防といった形では視野に入れず保険料を改定いたしました。その結果、保険料の剰余金が9億円も2007年度は出てきています。保険料徴収を見てみると、普通徴収では2段階が77.8%、3段階が79.6%と低くなっています。ぜひ、この保険料の剰余金の積み立ては2段階、3段階の所得の低い層への減免対策として今後は使われるべきだというふうに思いますが、その点についてはどのようにお考えでしょうか。そして、剰余金を生み出し、なかなか介護保険が利用できないという介護保険の2005年度の改定については、市はどのように評価しているのかお伺いいたします。

 後期高齢者医療制度の問題についてお伺いいたします。2007年度は準備期間でありました。議会でも議論がありましたが、今年度の導入後は高齢者からの批判にさらされ、市への苦情相談は5月までに1,300件にも及んでいます。制度発足後の半年後には既に見直しされ、制度を運用する自治体は振り回されています。舛添厚生労働大臣からは廃止私案が出され、自民党総裁選挙では後期高齢者医療制度の抜本的な見直しが、昨日就任した麻生総理大臣からも発言がありました。市長は後期高齢者医療制度について、制度としては必要であるというような答弁を以前されておりますけれども、現時点でこの制度について政府・与党側の議論が混乱する中で、この制度についてはどのような評価をしているのかお伺いしたいと思います。

 健保組合の解散など、企業側にもこの制度は大きな負担を強いています。一度廃止して高齢者医療制度のあり方について抜本的に再検討すべきではないかと考えますが、どのようにお考えでしょうか。

 毎年度の2,200億円の社会保障費の削減は、2009年度凍結の方向でありますけれども、これだけ疲弊した医療や福祉の問題、しわ寄せを受けている自治体、市民がいるわけですが、このことについて自治体の長として市長はどのようにお考えなのか、お伺いしたいと思います。

 教育行政についてお伺いいたします。

 2005年ごろから格差と貧困の問題が取り上げられるようになりました。教育においても、例えば東大進学者の家庭の年収の高さや、他方、生活保護世帯など貧しさゆえに高等教育を受けられないことによる貧困の再生産など、経済的な格差が教育格差を生じさせていることが指摘されるようになりました。

 文部科学省の2006年の調査によれば、公立小中学校に通う子どもにかかる教育費用の総額は、年間1人当たり平均で小学校33万円、中学校47万円、年収400万円未満の世帯の家庭でも25万円、37万円がそれぞれ支出されています。就学援助は、八王子市では行革を理由に2002年度に生活保護水準の1.3から1.2に、さらに2004年度には1.2から1.1に基準が切り下げられ、対象者が絞られるようになりました。しかし、昨年度、小学校ではこの就学援助を受給している率は14.21%、中学校では16.82%で、これは切り下げ前より増加しています。就学援助制度は教育の機会均等を保障する制度でありますけれども、ぜひ切り下げ前の1.3に戻すべきだと考えますが、どのようにお考えでしょうか。

 また、奨学金についても、毎年250人から300人近い申請があり、申請者は増加しているにもかかわらず、100人しか受給できていません。奨学審議会でも対象者をふやすべきとの議論があり、学校教育部長はさきの第2回定例会で若尾議員の質問に答えて、応募者の増加傾向に対応すべき必要は感じていると答弁をしておられますが、来年度予算には反映できるのかお伺いいたします。

 最後に、南口再開発の問題についてお伺いいたします。

 都市環境委員会で総額が30億円増額することが明らかになりました。昨年度の計画では、市の支出総額は143億5,800万円ということが出されておりますが、今回の変更によって市の支出額は補助金だけでも4億円ふえております。加えて、組合の負担金も9億4,600万円ふえ、市民会館の取得費も増額されたのではないかと考えますが、今回の見直しによって市民会館の取得費等も含めて市の支出総額は幾らになるのか明らかにしていただきたいと思います。

 そして、財政上、今後、再開発組合とさまざまな協議があると思いますけれども、後年度負担がふえないように財政上の管理はどのようにしているのかということについてお伺いいたします。

 大林組の指名停止処分についてであります。ことし1月の工事説明会では、参加者から大林組に対して談合事件についての質問が出るなど、この問題は市民の関心が強いということがわかりました。昨年度の段階では4回、指名停止が延長され、大林組の指名停止期間は2008年9月17日まででありましたけれども、現在また指名停止が延長になっています。その指名停止期間とその理由について明らかにしていただきたいと思います。

 最後に、大林組・東急建設・田中建設共同企業体がこの事業を受注しておりますけれども、受注割合について明らかにしていただきたいと思います。地元企業へはどの程度これが還元されるのか、明らかにしていただきたいと思います。


◎小田島英一税務部長
老年者非課税措置の廃止が市民生活にどのような影響が出ているかという御質問でございますが、この改正は、従来の年齢によるものから所得に応じた、いわゆる担税力に着目して公平性を確保しようとするものでございます。可処分所得の面で影響があることも考えられますが、今後も高齢社会が進展していく中で現状のサービスを維持していく上では、この制度改正はやむを得ないものと受けとめております。


◎田沼正輝財務部長
財政調整基金の今後の見通しにつきましてお尋ねをいただきました。19年度末の残高は51億円ということで、公的資金の繰上償還の際に作成しお示しいたしました財政の見通しにおける19年度末の残高見込みの36億円を15億円上回ることができました。21年度以降につきましては、市税収入の減などの不安要素もありまして厳しい状況にありますけれども、効果・効率的な執行に努め、取り崩しの留保を視野に入れながら、でき得る限り残高を維持していきたいと考えております。

 それから、監査委員から御指摘をいただきました基金積立基準につきましては、できるだけ早く対応していきたいと考えておりますけれども、現在、財務部内で取りまとめております財政白書の中で考え方を述べていくこととしております。

 それから、大規模事業の財政指標への影響というお尋ねでございました。これまで全会計で、返した以上に借りないの方針のもと、市債残高の縮減に努めてまいりました。今後、大規模事業で地方債の借り入れも予定されておりますが、これまでの方針を貫くことで財政指標への大きな影響はないというふうに考えております。  次に、契約の関係でございます。改めて平成19年度における黒須建設株式会社の契約実績についてお尋ねいただきました。建築工事については1件で、受注金額は1億3,965万円、それから土木工事は6件ございました、2億9,193万円。合計7件で4億3,158万円となっております。

 次に、19年度における総合評価方式の試行実績及び検証結果ということでございました。試行件数につきましては、施行計画評価型は1件、工事成績評価型は20件ございまして、ともに工事成績評定の平均点が高くなっておりますことから、品質の向上及び不良・不適格業者の排除が図られたという認識は持ってございます。

 次に、今後の課題についてでございます。工事成績評価型につきましては、8月末の時点で平均入札参加者数は7.7者ということでふえていること、それから落札率が80.5%と低下していることから、競争性が確保され、見直しの効果はあったと、そういうふうに考えております。今後の課題としては、施行計画評価型の平均入札参加者数、これが2.2者、それから落札率が92.1%と、そういう現状を踏まえて、さらに検証を進めまして競争性を高めるとともに、より適切に技術力を評価するための評価方法、評価項目等の見直しを行う考えでございます。

 それから、グッドウィルの関係でございます。グッドウィルにつきましては、現在、事業を廃止しておりますので、指名停止措置を適用する状況にはないというふうには思っております。  それから、公契約制度につきましては、今、お示しいたしました総合評価方式を責任を持って見直しに努めていくことが求められておりますので、現段階では実施について述べる状況にはないと考えております。

 それから、大林組の指名停止でございます。これは財団法人東京都新都市建設公社発注の土木工事に関連する課徴金の納付命令の審決がなされたことで、新たに本市の指名停止措置要領の措置要件18の独占禁止法違反に該当することとなったためであります。本年の8月から指名停止いたしましたので、明年の7月までの指名停止ということになります。この大林組が国及び地方公共団体の発注の公共工事におきまして不適正な行為を繰り返してきたということに対しましては、発注者の信頼を著しく損ねたというふうに考えております。本市におきましては、入札契約適正化法の趣旨に従い、談合等の不正行為の排除の徹底を図ってまいります。


◎原島一総合政策部長


使用料の今後の考え方についてでございます。市民に負担を求める以前に、市みずからが内部改革に努めることを基本方針としてきております。この姿勢を変えるつもりはございませんけれども、例えば緑町霊園での合葬式墓地のように、今後新たにできる施設の使用料設定、あるいは介護保険料のように定期的に見直すもの、社会経済実態と大きく乖離し整合を図る必要があるものなど、例外は想定しております。こうした特別なケースを除いては、市民に負担増をお願いすることは現状考えておりません。

 それから、指定管理者制度についての御質問でございます。外部監査の指摘にも触れながら御質問いただいたわけですけれども、法定点検等の未実施に関しては、これは施設管理者の基本的な部分として改善していかなければならないと考えております。あとは、指定管理者に対する指導・交渉能力についてでございますけれども、本年5月、モニタリングガイドラインを定めまして、事業期間中におきましても管理運営方針や協定内容に沿った事業実施を行っているかについてチェックする仕組みをつくりました。現在、取り組みを進めているところでありまして、この仕組みによりまして指定管理者と接触する機会がふえることになりますので、必要な知識、能力を自覚し、向上が図れるものというふうに考えております。

 それから、保育園や学童保育所につきましても触れておりましたけれども、5年の指定期間ごとに事業者が変更になる可能性というのはあるわけでして、ですけれども、事業者が変更した場合におきましても、一定期間、十分な引き継ぎ保育を行うということで、子どもの不安や負担を解消するよう努めてきております。移行後1年を経過しての満足度調査におきましても、97%が満足しているという結果になっております。

 こうしたさまざまな状況を踏まえて、基本方針その3につきましては、現時点では考えておりません。何よりも地方自治法に触れるような考え方は想定しておりません。ただし、現状の中での課題としてはいずれ視野に入ってくるかなというふうに考えているところでございます。


◎小島敏行行政経営部長


中小企業向けの奨励制度と、それから非正規職員活用での政策に矛盾がないかという御質問でございますけれども、日々雇用、あるいは人材派遣による不安定な雇用環境をめぐる民間における格差、あるいは正社員と同様の業務をこなしながら雇用や賃金に生じている格差、こういった民間の非正規問題と、専門領域に特化した業務を担っている本市の嘱託員では、その職務、また地方公務員法上の位置づけからしても同様に議論することは適切ではないだろうというふうに考えております。

 就労支援につきましては、格差問題にとどまらず、技術継承の課題、あるいは若者の職業観の問題、こういったものも含めたそれぞれの雇用課題の解決に向け、国を初め自治体が方策を講じているところでありまして、本市でも平成16年度から若年者雇用奨励金制度を開始しているところでございます。

 先ほど、官製ワーキングプアを生まないための仕組みづくりということで、均等待遇、あるいは職員の適正配置ということのお話もございましたけれども、本市におきます嘱託員、臨時職員の活用につきましては、市民ニーズの高度化、多様化に的確に対応するため実施しているものでありまして、その処遇につきましても、報酬の改定や休暇制度を充実するなど、労働意欲の向上に努めているところでございます。また、職員の適正配置につきましても、毎年度、所管ヒアリングを実施した上で業務実態を踏まえ配置を実施しているところでございます。

 いずれにいたしましても、若年者雇用奨励金制度と本市の進めます雇用ポートフォリオの展開につきましては、時限の違う問題だろうというふうに思っているところでございます。


◎橋本義一道路事業部長


八王子駅南口の自転車駐車場の整備に関する下請業者の御質問でございますけれども、この点につきましては、お話のありましたことも含めて、私ども、報告は受けていないところでございますので、選定の結果、あるいは辞退の経過等については把握していないところでございます。


◎坂本誠こども家庭部長


母子家庭への就労支援についてお答えいたします。平成19年度から母子家庭自立支援教育訓練給付金支給事業を開始いたしまして、ホームヘルパーなどの講座を受講した9名に対しまして受講料の一部を助成いたしました。また、母子家庭高等技能訓練促進費支給事業も開始いたしまして、看護師等の資格を取得するため養成機関に在籍する4名に対しまして、在学中の3分の1の期間につきまして月額10万3,000円の支給をいたしております。今年度はこれらを引き続き実施するとともに、母子自立支援プログラム策定事業を開始いたしました。ハローワークの就労支援事業を活用することで、母子家庭の母の就労活動を直接支援いたしております。さらに周知に努め、効果的に支援をしてまいりたいというふうに考えております。


◎石垣繁雄学校教育部長


私の方は就学援助の認定基準を引き上げられないかという御質問でございます。平成16年度に他市の状況や国が示す対象者の例等を考慮いたしまして、認定基準を1.2倍から1.1倍に改正したところでございますが、今のところ他市と比較しまして平均的な認定基準であると考えているところであります。ただ、こういう厳しい社会情勢の中でこそ、未来を担う子どもたちのために義務教育が果たす役割は大きいものだと思っておりますが、経済的に困窮している者に対しまして、就学援助制度の適切な認定により必要な援助を行っていく必要はあると考えているところでございます。

 次に、奨学金の採用人数をふやせないかということでございますが、奨学金の応募者でございますが、平成16年度の301人をピークにいたしまして、17年度285人、18年度247人と減少に転じました。その後、19年度に255人、本年度290人と再び増加傾向に転じていることから、採用人員については検討していかなければならない課題と考えているところでございます。


◎中山恒夫南口再開発推進室長


南口再開発事業の計画変更についての御質問について御答弁申し上げます。今回の計画変更は、関係権利者等の意向や新市民会館等を初めとした各施設の利便性の向上などを目的に行った結果として事業費が増額となったものでございます。市負担額につきましては、今後、組合と十分に協議し、事業費の適正な執行となるように努力してまいります。

 次に、南口再開発事業の建設共同企業体についての御質問でございますけれども、本共同企業体は3社により構成されておりまして、その出資比率は株式会社大林組が85%、東急建設株式会社が10%、株式会社田中建設が5%となっております。また、市内業者への今後の発注予定でございますけれども、今後、駅前広場等がございますが、市内業者で対応できる業種につきましては、市内業者に発注するよう組合に指導をしてまいります。


◎黒須隆一市長


40番、井上睦子議員の質問にお答えいたします。

 まず、第1点が市長選挙に関連して、投票所あるいは期日前投票所、トイレ等の設置業者の問題ですけれども、私はどこの何という企業が投票所を設置したとか、トイレを設置したというのは全然関心もありませんでしたし、承知いたしておりません。私は選挙で勝つことが精一杯でございましたから。ですから、承知しておりませんし、私もこの仕事を30年余勤めているわけですから、市内で経済界で活躍されておられる方というのは大体承知いたしております。そういう方々に御支援をいただく、あるいは事務所に来ていただくということは、これはごく自然のことじゃないかというふうに思っております。ですから、たとえその中に請負契約があったり、納入業者であったり、あるいはまた業務委託をされたり指定管理者であったり、何らかの市との関係がある方も多分大勢おられるんだろうと思います。そういう方々を、事務所に来ては困るとか、応援していただかなくて結構だというような選挙というのは、私はあり得ないというふうに思っております。厳正にですね、そういうことがそういう応援をしていただいている方と何らかの不正な関係が生じているというならば、それは御指摘いただいて結構ですけれども、どういう方が応援をしていただいても私はありがたいというふうに思っております。ですから、花束をだれがくれたかというのは、私も花束をあのときは10個以上いただきましたから、ですから男性も女性も含めてですけれども、どなたから花束を受けたかというのは特に覚えておりません。記憶にございません。

 それから、高齢者医療のあり方についてお尋ねをいただきました。後期高齢者医療制度につきましては、少子・高齢社会において従来の老人保健制度では維持できないという背景があったわけでありまして、医療保険制度を将来にわたり持続可能なものとして設置された制度であるというふうに今までも発言をしてきましたけれども、そのように認識いたしております。4月の制度施行以降、多くの指摘や意見などが論議され、今回の麻生新総裁の見直し発言については、多くの国民の理解が得られる制度を意図したものとして私は注目いたしております。ただ、厚生労働大臣が私案として廃止案を出した、私どもは一生懸命やれやれと言われてきて、そんな単純に廃止案を出されると言われても、大変私は正直言って迷惑しています。御理解をいただくのに大変な現場では努力をしているわけですから、これは何を考えているんだろうという、率直に言ってそういう感じは受けております。私も今まで制度の改善すべき点は市長会等を通じて国等へ要請してきた経緯もあるわけでありまして、高齢者を初め市民の理解が得られる制度の改善は必要であるというふうに考えております。

 それから、国の社会保障費の削減についてどう考えるかとの御質問をいただきました。医療、福祉の重要性は市民生活に重い責任を負う立場である私がだれよりも強く認識いたしております。超高齢化社会に向かう中、持続可能な社会保障制度を構築する大前提は国の財政健全化であります。社会保障関係費が国の一般歳出の46%に達している現状を放置して、自然増に任せることは無責任きわまりないというふうに考えております。ですから、2,200億円の削減という点を殊さら強調することは私は適切ではないというふうに思います。(「答弁漏れです」と呼ぶ者あり)何ですか。(「南口の駐輪場の黒須建設の辞退について、住都公社の理事長……」と呼ぶ者あり)そのことは私、承知しておりません。