◎【40番井上睦子議員】
それでは、まず、男女が共に生きる八王子の実現に向けて、プランの成果と課題についてお伺いをいたします。

 八王子市が男女平等行政について意識化して取り組み始めたのは、1986年の八王子市婦人問題懇談会の設置からでした。1989年には、女性のための八王子プランが策定され、行政の施策全般にわたって男女平等の視点が貫かれるようになりました。これは、国連を中心に世界的な規模で取り組まれた、1975年の国連婦人年からの継続的な活動があったということは言うまでもありません。

 女性のための八王子プランは、男女が共に生きるまち八王子プランと名称を変えましたが、今日まで20年間取り組まれてまいりました。20年間という時間の経過で見れば、まだ比率としては数%に過ぎませんが、女性の管理職がふえたこと、審議会などへの女性の参画率が意識化され、高まったことなどが挙げられます。市はプランの策定とその成果について、どのような評価をしているのか、お聞きをいたします。

 次に、今後の課題、つまり、まだ何が変わっていないのかについて、総括的な市の見解をお伺いをいたします。

 2007年度に実施された市民意識実態調査では、女性はすべての世代で、男性優先と思う人が8割程度を占めており、女性の中で最も不平等を感じているのは40代の女性で、約9割が男性優先だと感じています。いまだ社会の中に男女の不平等が存在をしているあかしでもあります。

 また、夫は外で働き、妻は家庭を守るべきであるという固定的な性別役割分担の考え方について、「反対」と答えた人が、内閣府の調査では52.1%と半数を超えているのに、八王子の調査では39.6%と、12.5ポイントも少なくなっています。役割分担意識は、2002年の市の調査と比較しても、家事、育児とも、男女とも平等に分担するのが望ましいというのが減少し、「女性がかかわることが多くなるのはやむを得ない」が8ポイント増加をしています。

 また、介護でも、「女性がかかわることが多くなるのはやむを得ない」というのが4.2ポイントも増加をしており、性別による役割分担意識にとらわれない地域づくりが進んでいるとは言えないと、調査結果を市も分析をしています。

 国の調査結果や2002年度の調査と比べて、固定的な性別役割分担意識がより強くなっていることについて、その取り組みの不十分さをどのように受けとめているのか、お伺いをいたします。

 国連開発計画の調査によると、人間開発報告2007・2008年版では、人間らしい生活の達成度をあらわす人間開発指数は、177ヵ国中、日本は8位ですが、女性が社会的、政治的、経済的にどれくらいの力を持っているのかの指標であるジェンダー・エンパワーメント指数は54位であります。上位は北欧の国々ですが、アジアの国ではシンガポールが16位と、日本より上位になっています。ジェンダー・エンパワーメント指数の数値は0.557で、依然として日本は男女格差が大きく、ジェンダーの不平等が著しい国であることがわかります。

 男女賃金格差は、厚生労働省の調査によれば、2007年度、男性を100とした場合、女性は66.9でしかありません。これはアメリカ、イギリス、フランスと比較して、賃金格差は日本が最大となっています。

 2007年の総務省労働力調査によれば、男性の正社員は81.7%に対し、女性の正社員は46.5%で、非正社員は50%を超えています。年々、女性の非正社員、非正規雇用がふえており、その賃金格差につながっているといえます。

 女性の社会的、経済的な平等がなかなか達成されない要因について、市はどのようにとらえているのか、お答えください。

 現在、格差や貧困の問題が社会問題として大きく取り上げられています。中でも、母子家庭や高齢女性の貧困の問題は深刻です。昨年のひとり親家庭のアンケート調査によれば、これは八王子市が実施をしたわけですが、母子家庭738世帯中、436世帯、56%の世帯が、200万円未満の収入状態でした。手当の受給者を対象にしたアンケートであることを考慮しても、低い収入状況であると、こども家庭部でも分析をしています。

 また、高齢女性の年金は低額で、生活保護受給者の増加など、雇用と年金が十分確保されなかった高齢女性の貧困の問題も直視されなければなりません。

 住民税課の調査では、2007年3月の数値ですが、市内65歳以上の男女の平均所得の格差は、男性が283万8,000円に対して、女性はたったの58万2,000円でしかありません。実に格差は225万6,000円にもなります。この格差は、前年度より20万円も開いています。

 こうした女性の貧困化が進んでいる問題について、市はどのように把握をし、解決しなければならない課題として認識しているのでしょうか。お伺いをいたします。  次に、改正DV防止法と自治体の役割についてお伺いをいたします。

 2008年1月に施行された改正DV防止法では、市町村に対して、被害者支援のための基本計画と配偶者暴力相談センターの設置を努力義務として課しました。11月11日の毎日新聞の報道によれば、全国で基本計画の策定は3市、配偶者暴力防止センターの設置は8市にとどまり、自治体の対応がおくれていることが指摘をされています。

 八王子市では、DV被害者支援には、相談体制の充実を含めて積極的に取り組んできました。2007年度男女共同参画課の受けたDV相談件数は799件、生活福祉課が一時保護した件数は35件にもなっています。相談件数は年々増加の傾向にあります。

 基本計画には、防止と被害者保護についての基本方針、施策の実施内容、それと重要事項を定めることになっています。

 野田市では、基本計画に具体的に、シェルターへの保護や緊急生活支援資金の助成や同行支援、居住の場の確保などを定めています。

 八王子市でも、被害者の保護と自立への支援を行うためには、生活保護の受給や保育園への入所、学校、母子自立支援施設など、多くの市の資源や施策を活用し、関係所管との連携も必要となってまいります。

 市は、被害者支援についての体制を整えてきているのですから、早急に基本計画を策定する必要があります。決算の分科会の答弁では、男女が共に生きるまち八王子プランの改訂に合わせて策定をするという答弁がありました。男女共同参画施策推進委員会からも、プラン2009の策定について、配偶者からの暴力について、行動計画の策定が求められています。

 基本計画の策定時期とパブリックコメントの実施についてお聞かせください。
 また、計画の重要事項となる内容、ポイントについて明らかにしてください。

 配偶者暴力防止センターについては、市町村が設置をする適切な施設において、その機能を果たすように市町村は努めるとしています。配偶者暴力防止センターの業務は、相談、心身の健康を回復させるための指導、緊急時における安全の確保と一時保護、自立のための就労や住宅の確保などの援助、保護命令の制度の利用についての助言や援助、居住し、保護する施設の利用についての助言や連絡調整と援助から成っています。

 被害者に最も身近な市がセンターの機能を発揮することが、被害者の保護と自立を促すことになります。男女共同参画センター、あるいは生活福祉課がその機能を持つことができないのか、お答えください。

 次に、虐待の防止についてお伺いをいたします。

 まず、高齢者の虐待の問題についてです。高齢者虐待防止法は、2006年4月に施行され、自治体に高齢者虐待の防止、高齢者の保護、擁護者への支援をすることを求めています。

 最近、介護現場の方たちから、認知症の母親に対して厳しくしかりつける家族など、高齢者虐待と疑われるケースが多く、気にかかるということをお聞きしました。2007年度の厚生労働省の調査でも、約1万3,300件と、前年度より高齢者虐待のケースは5.6%もふえています。

 市として、高齢者虐待に対する組織的な対応がとられているのかという観点から質問をいたします。

 まず、通報、相談件数、そして虐待の内容、また、それへの対応、例えば高齢者と家族との分離など、どのような対応、支援が行われたのか、明らかにしてください。

 また、虐待が起こる要因は、介護疲れや認知症などに対する無理解などがあると指摘されていますが、その背景や要因について、どのように把握をしているのか、お伺いをいたします。

 策定中の第4期介護保険事業計画の検討の中では、虐待が疑われるケースについては、高齢者虐待防止マニュアルに基づき、地域包括支援センター及び市が適切に対応に当たり、必要な場合には迅速に立ち入り、調査など実施するとしていますが、現在、高齢者虐待防止マニュアルは策定中と聞いておりますけれども、いつ整備をされるのか、お伺いをいたします。

 高齢者虐待の判断基準がまちまちであったり、受付状況や対応の仕方に一貫性がないことなど、マニュアルがない場合には、そういう問題が起きてきます。こうした問題を避けるためには、通報システムを初め、各種機関に共通する実効ある虐待の予防、発見、援助、処遇の方法を実態に即して検討しておく、そのマニュアルが必要でありますけれども、その整備状況についてもお聞きをいたします。

 次に、関係者、関係機関との連携、協力についてお伺いをいたします。

 多くの場合、身体的な障害や精神的な落ち込みの異変を第一に発見するのは、地域の開業医や訪問介護士、保健師などの専門家であるといわれています。また、発見者は、地域の民生委員や、介護保険を利用している場合はホームヘルパーやケアマネジャー、市の調査員である場合もあります。

 しかし、虐待と思われる兆候があったとしても、虐待に対する認識を持っていなければ、見逃したり、黙認してしまいます。高齢者にかかわる医師などの専門家やホームヘルパー、ケアマネジャーなどの事業者が、虐待の認識を深めるとともに、虐待予防とその解決に結びつくよう、市と連携、協力体制をつくることが重要でありますけれども、協力体制はどのようになっているのか、明らかにしてください。

 さらに、虐待の中には、遺産相続や年金が高齢者の意に反して家族や親族に使われたりする財産や経済絡みの問題や、単身高齢者が住んでいる住宅から立ち退きを迫られる。そして行き場がないといった人権侵害問題なども起きてくることが予想されますし、現実には起きています。

 また、同居の夫や息子に暴力を振るわれ、大けがをしているケースや、高齢者の財産をねらった詐欺、犯罪も後を絶っていません。

 これらの問題は、単に福祉サービスで解決するという性質のものではなく、警察や裁判所、あるいは弁護士による法的な措置が必要になってきます。今後、これらの問題はますますふえることが予想されますけれども、高齢者の人権と福祉を擁護するために、こうした警察や裁判所あるいは弁護士などの法的な機関との連携、協力のことについては、どのようにシステム化を図ろうとしているのか、お聞きをしたいと思います。

 次に、子ども虐待についてお伺いをいたします。

 子どもの虐待も深刻です。2006年度に全国の児童相談所が対応した相談件数は約3万7,300件、児童虐待防止法が制定をされた2000年から比べて2倍になっています。虐待が子どもたちの成長に否定的な影響を与え、生きることへの希望を失いがちな状況にあります。早期発見と適切な援助が必要です。

 2004年の児童福祉法改正によって、児童相談の体制が市の主体に改められ、児童虐待に対する子ども家庭支援センターの役割も大きくなっています。

 まず、児童虐待の通報相談件数と、近年の傾向についてお伺いをいたします。

 また、虐待を受けた子どもとその家族への対応について、お聞かせください。

 そして、虐待の背景や要因についてはどのように把握をしているのか、お答えください。

 子どもの虐待への対応は、対応マニュアルが策定され、関係機関とのネットワークも構築をされています。子どもについても、学校や保育園、認証保育所、幼稚園、学童保育所、児童館など関係機関との協力と連携が必要となってきます。近年、学童保育所などへの指定管理者の導入や、認証保育所では民間企業による経営もあり、個人情報の管理や専門的なケアの点については心配な面がありますが、どのような指導や対策がされているのか、明らかにしてください。

 児童相談所の一時保護所は、虐待のために保護された子どもたちでいっぱいで、パンク状態となっています。2006年の東京都の一時保護所での平均保護日数は35日間と、年々長期化をしています。長期にわたって一時保護所に子どもたちがとめ置かれると、学校に通学できないため、授業に取り残されるようになること。そして、一時保護所で虐待を受けた子どもや、非行に走っている子などがずっと一緒に保護されるために、異年齢や男女も一緒というような状況があって、ケアが必要な子どもに適切なケアがされないという状況も生じてきています。

 また、長期間保護所に閉じ込められることによるストレスも生じていると専門家は指摘をしています。

 児童養護施設もいっぱいで、一時保護所から子どもたちを出すこともできないという悪循環に、東京あるいは首都圏の一時保護所、児童養護施設はなっています。

 虐待を受けた子どもへの必要なケアは最優先されなければなりません。児童養護施設や一時保護施設の増設の必要性について、市はどのように考えているのか、見解をお伺いいたします。

 次に、市長選挙の事務所問題についてお伺いをいたします。

 選挙事務所問題については、さきの第3回定例会で私と鈴木勇次議員が取り上げ、移動事務所の土地は市の工事の請負業者の登記がされており、公職選挙法第199条の1項及び第200条の2項に違反するのではないかと指摘をいたしました。

 市選管の答弁は、事業者と個人との関係については、選挙の取り締まり関係のそういう機関にゆだねていくというような形になる。市長は土地の名義人との関係まで踏み込んで判断する立場にない。個人からの寄附で違反だとは思っていないとの答弁でした。

 10月16日の新聞各社は、選挙事務所として借りた土地は会社名義ではなく、寄附者の両親名義だったことがわかり、市長は10月15日、選挙管理委員会に土地の地番の変更を届け出たことを報道しています。

 市選管に提出された書類を確認いたしますと、平成20年1月27日執行の八王子市長選挙において提出をした選挙事務所移動届について、事実と異なる記載が確認されましたので、下記のとおり修正いたしますとして、黒須隆一市長名で出ております。地番が変更されているわけでありますけれども、建物の名称は大城土木駐車場となっており、これは変更はされておりません。

 選挙事務所への土地の無償提供が公選法違反ではないかと問われたこの問題は、7月に新聞報道され、9月には議会での質疑も行われています。

 しかし、社長の両親の土地として登記されていることがわかったのは、各社の新聞報道によりますと、市民6人による告発を受けて精査した結果、あるいは同社からの連絡で調べた結果、あるいは今月7日、関係者の指摘でわかったというふうに報道されております。

 問題が指摘された時点で、なぜ、市長において詳細な調査がされなかったのでしょうか。市民からの告発を受けて精査するというのは、議会や市民に対して誠実な対応とは言えません。

 まず、修正に至る経過について御説明をいただきたいと思います。

 また、7月の新聞報道の時点で、登記簿謄本や公図など調査をし、事実関係を明らかにし、指摘や問題に答えるということをなぜされなかったのか、お伺いをいたします。  土地の地番の変更によって、市長は、土地も個人のものだし、寄附者も個人、全く問題がないことがはっきりした。これは朝日新聞。当初から個人の寄附という認識だったが、これで個人の土地ということもはっきりした。これは東京新聞。駐車場の所有者は社長の両親、個人の土地なので、公選法の寄附行為の禁止に触れることはない。これは読売新聞ですが、というふうにコメントされたと報道されております。

 7月の新聞報道でも、9月議会でも、土地は会社の所有であると指摘を受けても、市長は個人の寄附なので問題はないと繰り返し答弁をしています。しかし、個人の土地なので、公選法の寄附行為の禁止に触れることはないとは、土地が会社名義であれば公選法違反であるという認識に市長が至ったのか、お伺いをいたします。すなわち、9月議会の答弁は誤りだったと認めるのか、お答えください。

 さて、選挙事務所の住所を修正しても疑問が残ります。提出書類では、寄附者は社長個人であり、その土地は大城土木駐車場と記載をされています。駐車場はふだんから会社の車や私用車を駐車させるなどしているというふうに東京新聞は報道しておりますが、その土地が日常、請負業者の駐車場として使われており、大城土木に占有権があったとすれば、請負業者と両親、あるいは社長と両親間で、または請負業者と社長との間で、どのような賃貸契約がされていたのかということが説明されなければなりません。土地の所有者と寄附者が異なることについての説明が必要であります。なぜ、両親の土地を社長個人が寄附するという行為ができたのか、市長には説明責任があります。この点について明らかにしていただきたいと思います。  

以上で1回目の質問を終わります。


◎峯尾常雄市民活動推進部長
男女が共に生きるまち八王子プランの成果や課題並びに改正DV法に関して順次お答え申し上げます。

 まず初めに、プランの成果や課題でございますけれども、平成元年にプランを作成して以来、男女共同参画センターを開設するなど、施策の推進を図ってまいりましたが、この間、市議会等、委員への女性の参画や、女性のための相談事業、あるいはDV被害者支援事業などに一定の成果を上げることができたというふうに考えております。

 ただ一方で、お話にもありました市民意識実態調査の結果を見ますと、とりわけ性別に基づく固定的な役割分担意識が根強く残っておりまして、男女平等に基づいた市民意識の定着というものがまだ十分ではないという実態もうかがえるところでございます。男女平等意識のさらなる啓発に力を入れる必要があると受けとめているところでございます。

 それから、ジェンダー・エンパワーメント指数の低いことですとか、男女の賃金格差についてのお尋ねもございましたけれども、このことは性別にとらわれず個人の能力に基づく社会進出や登用が十分には進んでいないことなどに起因することと認識をしているところでございます。

 また、女性の貧困の問題ですけれども、母子家庭や高齢者の単身の女性の多くは、就労や賃金水準あるいは年金等の社会制度の面などから、経済的に厳しい状況に置かれているということを認識しているところでございます。だれもが安定した生活ができ、自立した生活が送れますよう、施策の充実が必要であるというふうに考えております。  続きまして、DV基本計画につきましては、現在策定中の新たな男女が共に生きるまち八王子プランに盛り込む考えでございまして、計画素案に対するパブリックコメントを来年1月に実施いたしまして、3月までには計画書を策定する予定となっております。配偶者などからの暴力根絶に向けまして、社会全体で暴力を許さない意識を高めることを初めといたしまして、暴力被害者の早期発見と早期対策、それから被害者とその家族の自立に向けた総合的な支援、このほか、関係機関、団体との連携強化、以上の4つを重点ポイントといたしまして、DV防止と被害者支援の強化に努めていきたいというふうに考えております。

 最後に、配偶者暴力相談支援センターでございますけれども、緊急時の被害者の安全確保が図られますよう、男女共同参画センターを初め、福祉事務所や児童相談所、あるいは警察、医療等の関係機関のほか、民間の支援団体等も加えることで連携を強化いたしまして、機能の充実を図ってまいりたいというふうに考えております。


◎橋本辰夫高齢者・障害者担当部長
高齢者の虐待についての御質問にお答えいたします。

 初めに、虐待の現状等でありますが、虐待の相談は平成18年が149件、平成19年度が268件あり、虐待の種類といたしましては、身体的虐待が一番多く、虐待者のトップは息子となっております。

 要因といたしましては、不適切な介護や介護疲れ、高齢者本人の認知症による混乱した言動、虐待者の精神的、経済的困窮などによるものとなっております。

 次に、マニュアルでありますが、現在、国や東京都のマニュアルを参考に対応しておりますが、より綿密なものとする必要があるため、地域包括支援センターの社会福祉士部会や関係機関と調整しながら、市独自のマニュアルを作成しているところであり、年度内に完成する予定でございます。

 次に、関係者の連携ということでありますが、高齢者の虐待につきましては、高齢者支援課が対応所管となっております。現状は、包括支援センター及び関係機関と連携し、情報を共有しながら対応を行っているところでございます。

 包括支援センターにつきましては、社会福祉士を中心に保健、医療、介護の専門職が連携し、優先的に対応を行っているところでございます。

 また、地域包括支援センター社会福祉士部会、社会福祉協議会、老健施設、特養施設、病院、MSW、これは相談員ですね。そのほかに、多摩精神保健福祉センター等と情報交換会等を開催しております。

 また、警察署等とは立ち入り調査時の協力以外にも、事案ごとに個別の対応を行っております。
 警察署等公的機関とのシステムづくりにつきましては、今後の検討課題というふうに考えております。


◎坂本誠こども家庭部長


それでは、子どもへの虐待の関係についてお答えいたします。

 まず、子どもの虐待の件数と傾向ということですが、虐待や虐待が疑われます相談あるいは通報件数は増加傾向にございます。そのうち、受理と決定した子どもの数につきましては、17年度が151件、18年度が230件、19年度は152件というふうに推移をいたしております。

 次に、児童虐待の対応と、その要因ということですが、対応といたしましては、まずは直接または関係機関による安否確認を行います。次に、家庭訪問を行いまして、相談ですとか、あるいは必要なサービスの提供につなげてまいります。

 次に、要保護児童対策地域協議会の関係者会議を持ちまして、関係者との間で情報の共有、あるいは役割の確認を行います。また、定期的に児童相談所とともに、すべてのケースの進行状況の確認をいたしております。

 要因につきましては、なかなか一言で言えるものではございませんが、育児不安、あるいは完璧な子育てを求める傾向、近親や地域からの孤立、経済的な困難、望まぬ妊娠など愛着の問題、保護者の病気、子どもの発育・発達の問題、育てにくい子であることなどが考えられます。

 次に、学童保育所等への指導についてですが、市で作成いたしました虐待防止マニュアルを全施設に配付いたしまして、各機関の役割、発見のポイント、対応のポイント、発見から通告までの流れについての周知を行っております。実際に報告を受けまして、個別に子ども家庭支援センターの専門相談員が学童保育所等の職員に助言・指導を行っているケースもございます。

 最後に、一時保護所の増設の必要性についての見解ということですが、現実にいっぱいであることは認識をいたしております。しかし、その中でも真に保護が必要なケースについては、対応がされているというふうに認識をいたしております。被虐待児の増加によりまして、一時保護所の入所児童に質的な変化が起こっていることは、確かにございます。現実的な不足に対しましては、東京都にきちんと対応してもらう必要がございますが、全体的な対応システムを拡充しまして、予防に努めて、親子分離が必要になるようなケースを減らしていくことが大事ではないかというふうに考えております。


◎黒須隆一市長


40番、井上睦子議員の質問にお答えをいたします。

 選挙事務所移動届の内容を修正したのはなぜかということでございますけれども、事務所の所在地について事実と異なる記載が確認されましたので、修正の届け出をしたということであります。すなわち、届け出た所在地は川口町3826番地の1で届け出てあったわけでありますけれども、事実は川口町3826番地の8ということでございましたので、この誤りを修正したところでございます。(「答弁漏れがあります。9月議会の答弁を修正するのかということです。」と呼ぶ者あり)

 9月議会の答弁は全く過ちではございませんので、修正するつもりはございません。


◎40番井上睦子議員


それでは、まず、男女が共に生きるまちの実現に向けて質問をいたします。

 プランの成果と課題については、答弁がございました。また、母子家庭や高齢女性の貧困の問題についても、今後も十分な施策の展開が必要であるというふうに答弁がございました。ぜひきちんと今後のプランの中に位置づけていっていただきたいと思っております。

 意識調査の結果については、男女共同参画課の情報発信や、男女共同参画センターの事業内容を点検し、より効果的な事業の実施が必要です。そのことによって意識を変えていくということが重要となってまいります。施策推進委員会からは、学校教育も重要な役割を果たすので、男女平等意識の醸成に一層取り組むよう提言をされております。

 プランの改定に当たってお聞きをいたします。意識調査の結果を踏まえて、プランの策定は現在の踏襲ではなくて、新たに盛り込むべき課題、意識を変えていくという意味では、どのような課題があるととらえているのか、お伺いをいたします。

 母子家庭や高齢女性の貧困の問題については、市側も認識があるようでありますけれども、この貧困の原因は、労働の場での男女格差、差別に原因があります。女性労働者の賃金は男性労働者の3分の2でしかありません。さらに、正規と非正規との比較で見ると、女性の約54%が非正規労働者として正規男性の約40%の低賃金で働いているという現状があります。

 東大教授の大沢真理さんは、男性に雇用を保障すれば、妻子を養い、老後の生活も保障されるという想定でやってきた結果、女性の非正規化が進み、男女の所得格差も拡大した。70年代半ばから社会保障でカバーされる女性雇用者の割合も下がり続け、ひとり暮らし高齢者の貧困を防げない。90年代に高所得者を中心に減税をして、所得の再分配機能が落ちたのが原因だと指摘しております。

 そして、ひとり暮らし世帯の2001年の貧困比率は、男性22%に対して女性は42%。女性の非正規化と所得の再分配機能が低下した中で、働くシングルマザーの貧困率は58%と高いというふうに指摘をしています。女性のこうした貧困の問題を解決するためには、税や社会保障といった国の政策によることが多いわけですが、自治体としても緊急かつ重点的な課題として取り組むべきであります。

 母子家庭については、こども家庭部でひとり親家庭自立支援計画を昨年策定していますが、男女が共に生きるまちプランとの整合性は位置づけられておりません。この自立支援計画策定に当たってのアンケート調査の中での皆さんから記された自由意見には、プランに盛り込むべきたくさんの施策が提案されています。ぜひプラン改定に当たっても、こうした意見を参考にしながら、重点的な施策として取り組んでいただきたいというふうに思っております。

 また、産科医院の減少等についても、八王子でも出産をめぐる状況が深刻になってきています。地域で安心してお産ができるための整備などについても、女性の貧困問題と同様に、プランの重要な課題として盛り込むことについてお聞きをしたいと思います。御見解をお聞かせください。

 プランの策定と実施を進めていくためには、その中心となる男女共同参画課の権限が強化されなければなりません。年度ごとにプランの進捗状況の評価がされておりますが、所管によっては十分プランの意義が理解できていない記述も見受けられます。また、施策についての理解を進めるとともに、改善を求め、新たな施策を提案することも男女共同参画課の役割でもあります。そのためには、男女平等のための政策に通じる能力、力量も高めなければなりません。担当所管である男女共同参画課の権限と力量の強化について、今後どのように取り組んでいくのか、お聞かせいただきたいと思います。

 次に、改正DV防止法についてであります。

 基本計画については、策定をし、1月、パブリックコメント、3月、計画策定ということが明らかになりました。社会全体で暴力を許さない、そして被害女性の自立を援助する、支援をするという基本的な目標のもとに、具体的な政策がきちんと提案できるよう、計画案をつくっていただきたいというふうに思っております。

 さらに、配偶者暴力防止センターの設置については、連携を強化して、機能の充実をしていくという答弁でありまして、改正DV法が求める形で設置するのかどうかということはあいまいでありました。私はぜひ、法が求める配偶者暴力防止センターを設置して、機能を明確に打ち出し、強化をしていくということが基本計画とあわせて必要だと思いますが、その点について再度確認をさせていただきたいと思います。配偶者暴力防止センターの設置については、センター的機能の強化であって、センターの設置ということはまだ課題があると考えているのかどうか。その点について明らかにしていただきたいと思います。

 先ほども御紹介しましたように、八王子市は54万都市で、相談件数も多い自治体であります。保護から自立に向けて一貫した支援、そのためには被害者に一番身近な自治体がそのセンターを設置して、自立支援をしていくことが重要だと思いますので、ぜひ御検討をお願いしたいと思います。

 そして、もう1点、これは要望でありますけれども、男女共同参画センターの相談員の体制も充実してきておりますけれども、大きな問題は、その相談員の定着化がなかなか図られないということです。よい人材を今後はしっかり確保して定着させ、相談の力量を高め、相談者、利用者の信頼をかち得るような相談体制を確立していただきたい。これは要望をしておきます。

 次に、虐待の防止と保護についてであります。

 子どもの虐待の問題については、増加傾向にあるということ、そして年間150件以上もの子どもたちに対する対応、それから、そこまでは至らないけれども、日々注意が必要、見守りが必要な子どもたちに対しての努力があるというふうに思っております。

 養護施設や一時保護施設の不足については、認識をしているということでありますけれども、家庭の保護者との分離をしなければいけないケースを少なくし、虐待を未然に防止するために積極的に一時保護所や児童養護施設について増設を求めるという立場ではないような回答でありました。しかし、東京都の現状を見れば、先ほども御紹介いたしましたように、一時保護所での子どもたちの保護日数というのは35日、1ヵ月以上を超えており、外出も全くできないというような状況の中で、子どもたちはストレスを抱えています。もちろん、虐待を防止する、そしてそこに、保護するに至らないところに手当てをしていくということは大切でありますけれども、現実的には施設が不足しているということに対して、市は東京都に対して強くその増設を求めるべきであると思いますが、再度、このことについてのお考えをお聞かせください。

 また、さまざまな事情で帰る家のない少年少女たちを受け入れるシェルターも今後必要となってくると思います。民生・児童委員たちのお話を伺うと、親から虐待をされて家を飛び出しても、行き場がなくて、民生・児童委員たちがその夜の宿泊する場所を見つけるという努力がされています。一時保護所はパンク状態でありますし、18歳以上の子どもたちは受け入れてもらえないという状況があります。

 NPO法人カリヨン子どもセンターにより、子どもたちのシェルター、カリヨン子どもの家が2004年に開設をされております。その中で、理事長である坪井節子さんは、最近ふえているのが、親から虐待されて家を飛び出し、行き場所がなくて犯罪に陥るという虐待と非行が絡む事件。児童相談所の一時保護所が辛うじて子どもたちの駆け込み寺にはなっているけれども、あくまで児童相談所サイドで子どもを保護する必要があると判断した場合のみ措置する場所である。しかも、髪の毛は黒く、ピアスはだめ、電話をかけるのもだめ、学校には行けないなど、行動制限が強くて、思春期の子どもにはとても抵抗のある場所だとして、子どもたちの一時保護所、緊急避難の場所であるシェルターを設置されました。

 こうした子どもたちの状況も踏まえれば、今後、八王子市でも広域的な展開の中で、他の自治体と連携して、こうした子どもシェルターの設置なども今後は必要となってくると思います。現在は民生・児童委員たちの努力で子どもたちの一時避難場所が確保されているというような実情もあるとすれば、今後、シェルターの設置というのは大きな課題だと考えておりますが、その点についてお考えをお聞かせください。

 次に、選挙事務所問題についてであります。

 先ほど市長から、修正に至る経過については番地を修正したという報告があり、9月議会の、個人の土地だから問題がなかったということについては撤回をしない、修正をしないということでありました。しかし、明らかに土地が会社名義である。今回、市長の新聞でのコメントを読みますと、個人の名義であるので公選法違反ではないということが明らかになったというふうに報道されているわけですが、これから読み返せば、逆に言えば、土地が会社名義であれば公選法違反であるという認識に市長は至ったのではないかというふうに私は推測をしたわけでありますけれども、あくまでも市長は、個人の寄附で問題はないとする答弁に終始されております。

 前回の質疑で鈴木勇次議員は、個人の寄附で問題はないとする市長の答弁に対して、実態は企業の財産による寄附であっても、書類が個人であれば大丈夫という判断が正当なものとして一般化するなら、公選法の規定は有名無実化する。選挙で受託業者の財産が社長個人の名で候補者に寄せられることを意味すると指摘をされております。市長は真摯にこの指摘を受けるべきで、答弁をやはり撤回、修正すべきだと私は考えますが、再度、このことについて御説明をお伺いしたいと思います。

 先ほど答弁がありませんでしたが、なぜ7月の報道時点で詳細な調査をしなかったのか。あるいは、今回、訂正をされたけれども、その土地の名義が社長の両親であっても、寄附者は社長個人であるということは変わっていないわけでありまして、届け出の名称も大城土木駐車場というのは変わっていないわけです。それは社長の両親の土地であるものを、社長がどのように寄附することができたのか。そのことについて説明を求めたわけですが、そのことも答弁がありませんでした。このことについても、再度、答弁を求めたいと思います。

 最後に、請負業者との関係について、公選法が定めている意義は、公正な選挙の実施にあります。この問題については、市民グループが9月22日に告発し、10月6日には東京地検八王子支部が受理をし、捜査が始まっていると報道されております。捜査結果を待つことになりますけれども、少なくとも個人であっても請負業者から寄附を受けていたことは、市民からの信頼を失ったことであったということを強く指摘をしたいと思います。

 最後に、定額給付金の支給の問題についてお伺いをいたします。

 政府は景気対策の柱として2兆円規模の定額給付金を支給すると発表しました。しかし、世論調査では、評価しないがNHKでは57%、朝日新聞では不要な政策だとするのが63%と、国民には評価をされておりません。定額給付金は今年度1回限りの措置で、1人1万2,000円、18歳以下の子ども、65歳以上の高齢者は8,000円が加算されるという内容です。財源は特別会計の剰余金を充て、支給対象は所得制限を設けるかどうかの判断をそれぞれの自治体にゆだねることになりました。来年1月提出の第二次補正予算に盛り込まれる予定です。

 定額給付金をめぐっては、与党内での意見の不一致や、支給事務を行う自治体からは、事務が混乱するとの指摘がされております。国民からも、3年後の消費税増税とセットでは財布の引き締めにしかならない。選挙対策のためのばらまき政策だ。毎年の2,200億円の社会保障費の削減を中止して、定額給付金の財源は社会保障費に使うべきだなどの意見があります。政府は景気対策としていますが、地域振興券を配った1999年のときは、大半が日用品の購入に充てられ、新たな消費にはつながりませんでした。

 内閣府は、GDP、国内生産を0.1%引き上げる程度の効果しかないと認めています。世界同時不況、株暴落、円急騰、倒産急増で雇用不安が大きくなっている現在、市は定額給付金の支給について経済対策としての効果があるとお考えでしょうか。この政策の評価をお伺いいたします。

 また、第二次補正予算の成立もわからない状況ですが、政府は年度内給付としています。給付事務を行うに当たって、自治体としてどのような問題が事務上あるのか、お答えをいただきたいと思います。

 以上で2回目の質問を終わります。


◎峯尾常雄市民活動推進部長


新たな男女が共に生きるまち八王子プランの策定の考え方、それから男女共同参画課の機能強化、並びにDV防止の支援センターについてお答えを申し上げます。

 まず、現在策定しておりますプランでは、これまでの取り組みを継承しつつも、実態調査の結果などを踏まえまして、男女平等意識の啓発のより一層の推進を初めといたしまして、DV防止に対する取り組みの強化、あるいは仕事と生活の調和、いわゆるワークライフバランスの推進など、新たな課題にも重点的に取り組んでいく考えでございます。

 御質問にありました女性の貧困の問題につきましては、引き続き、他のプランとの整合も図りつつ、就業支援ですとか自立支援に取り組むこととし、また、妊娠、出産といった女性特有のテーマにつきましても、生涯を通した健康づくりとしてプランに盛り込んでいく考えでございます。

 続いて、男女共同参画課の機能強化ということでございますけれども、21世紀の重要課題の1つであります男女共同参画社会の実現に向けまして、各所管に対し、これまで以上に助言や提案の働きかけを強く行っていきますとともに、より質の高い講座の実施に努めることといたしまして、その任に当たる職員に対しましては、研修等を通してスキルアップを図ってまいりたいというふうに考えております。

 最後に、配偶者暴力相談支援センターについてでございます。

 既に市では、DV防止に向けての関係機関から成ります被害者支援連絡協議会という組織を設けておりますけれども、今後、この協議会を、民間団体の力もかりつつ拡大いたしまして、有機的な連携を強化することによって、法の予定しております、言ってみればソフト面からの支援センターとしての機能を果たしていけるのではないかというふうに考えております。したがいまして、施設面といいますか、ハードの整備については、現在のところ、そこまでは考えておりません。


◎坂本誠こども家庭部長


一時保護所の増設につきまして、再度ということでございました。先ほどもお答えをしているんですが、現実的な不足に対しては東京都に対応していただく必要があるというふうに認識をいたしております。

 それから、子どもシェルターの設置についての考えということですが、推進主体の問題も含めまして、研究課題とさせていただきたいというふうに考えております。


◎原島一総合政策部長


定額給付金についてのお尋ねをいただきました。

 まず、今回の定額給付金が景気浮揚につながるのかという御質問でございます。今は私ども、新聞報道等によって情報を得ている段階でございまして、今後の国会審議の動向や、制度の詳細が明確に示されておりません中で、お答えできる段階ではございませんけれども、景気浮揚につながるかどうかということは、給付の方法や時期、あるいはこの給付金を国民がどう使うかの結果に左右されるものと考えております。

 それから、定額給付金が実施された場合の自治体の事務的負担についての御質問をいただきました。

 これは所得制限があるかないかによって大きく違ってまいりますけれども、本市の場合、世帯ごとの給付という想定としても、その対象は24万世帯であり、事務量は大きなものとなってまいります。さらに、申請時期が年度末の繁忙期と重なった場合には、事務量の増加に加えて、窓口の大混雑も予想しているところでございます。自治体にとりまして、簡潔で効率的な事務処理となるよう、また、経費負担が生じることのないよう、全国市長会が国への要望を取りまとめて行っておりますので、その動向を見据えながら対応したいと考えております。


◎黒須隆一市長


まず、新聞報道についてお話がありましたけれども、これは各新聞記者の皆さん、そろっているところで私が発言したわけですけれども、どの新聞も当然のことながら発言のすべてを掲載するものではありません。その記者の考え方によってそれぞれの掲載をしているわけでありますから、同じ発言をしても、それぞれ内容が異なって、若干ずれがあるというのは、これはやむを得ないことなんじゃないかなと思っております。

 それから、当初から東京都選挙管理委員会の見解も、個人からの寄附であり、問題ないと一貫してございます。ですから、これは私は全く問題ないという認識でございました。提供していただいた方も、私は直接お会いしたことはないんですけれども、問題のないという認識について、私は人を介してお伝えをしてございましたので、提供していただいた方も同じ考えだったというふうに思っております。

 ただ、告発状が出されたということ、告発をされた、そしてそれが受理されたという事態を重く受けとめた提供者から、そもそも移動事務所として使用した土地が会社の名義ではない、両親名義であるという旨の情報を私は人を介していただいたわけでございまして、その時点で公図等を取って調査をいたしましたら、先ほどお答えをしたように、事実と異なる記載となっていた。ですから、これを修正したということでございます。

 特に、土地の名義が告発の根拠となっていたというふうに私は考えておりますので、ですから、弁護士とも相談をして、そしてこれは修正をしておいた方がいいだろうということで修正をしたわけであります。

 子どもが親の土地を無償提供する場合に、形式的な契約云々というのは、これはちょっとあり得ないことだと私は思うんですね。ですから、そのことは常識的に理解をしていただければというふうに思います。

 それから、公職選挙法云々という話がございましたので、公職選挙法の第199条の趣旨について記載したものがありますので、ちょっと御紹介しますけれども、これは「逐条解説公職選挙法」という本です。これは選挙管理委員会のバイブル的な存在となっている本であります。ここには、第199条の趣旨について、腐敗を伴いやすい政治献金を防止し、選挙の公正を維持するために設けられたものというふうに記載してあります。そして、要するに、本条においては、その契約の当事者たる地位の取得、維持または公開等を求める代償として相当額の寄附がなされた場合には、そのために選挙及びその後における政治の上にも好ましからざる影響の及ぼされるのを予防しようという趣旨から禁止がなされているものとしてあります。この法の趣旨に従い、個々具体の場合について健全な常識で判断しなくてはならないものと考えるというふうに記されております。

 今回のこの件についても、そもそも5,000円の寄附ということで計上してあるわけで、事実上は1円もお金は動いていないわけでありますけれども、この逐条解説にあります相当額にこれが値するのかどうか、また、これが好ましからざる影響を及ぼすだけの代償となり得るのか。健全な常識をもって判断すれば、私は法の趣旨にもとるものではないということは明白だろう、このように思っております。

 ですから、むしろ、一部の過剰な報道、あるいは不当な告発騒ぎは、私は大変遺憾に思っておりまして、土地を提供していただいた方には大変御迷惑をおかけした、申しわけないというふうに思っております。


◎40番井上睦子議員


2回目で市長から詳細な答弁がありました。公選法の解釈がされましたけれども、告発をされ、調査が始まっているというふうに思いますので、そのところは捜査機関にその判断はゆだねたいと思いますけれども、請負業者との関係について問題を指摘したわけであります。そして9月議会では、法人の土地であっても、個人が記載をしてあるものだから問題はないということについては、市長の答弁は誤っていた、修正をされなければならない。政治のリーダーとしての姿勢が問われるということを指摘して、終わります。