◎【40番井上睦子議員】
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それでは、生活者ネットワーク・社会民主党を代表して、ただいま上程されました各議案について代表して質問をいたします。
まず、第13号議案、2008年度八王子市一般会計補正予算についてであります。
新市民会館整備について、先ほどの説明では、予算説明書にも書いてあるわけですが、内装及び設備工事については市が直接施行することとしていたが、再開発組合との協議によって、再開発組合が行うビル本体工事と一体で施工することとしたために、本年度予算の4億4,590万円を減額して34億7,000万円の債務負担行為を廃止するという内容です。
先ほどからの説明によれば、協議をされたということでありますけれども、第4回定例会での質疑の内容が、松本議員からも紹介がございました。私からも紹介をしたいと思います。
これは第4回定例会で一般質問のあとに行われた補正予算に対する質疑の中での答弁です。まず、鈴木議員から、新市民会館の工事の発注に競争性がなく、不合理ではないかという質問に対して、室長は、内装工事や音響、舞台設備などの特殊設備の工事については、指名競争入札等の競争を持たせた工事発注をするとの答弁がされております。これは先ほど、副市長の答弁で紹介されたのと同じ内容であります。
また、私が続けて市長に対して質問をいたしました。指名停止業者の大林組に新市民会館などの公共施設部分を請け負わせるべきではなく、分離発注すべきだという質問に対して、市長はこのように答えておられます。あのような事件を起こした大林組に対して不快感を感じる。大林組を再開発組合がルールにのっとって選定したことは尊重しなければならない。ただ、今後、本市が分離発注が可能な部分については、制度にのっとって指名競争入札にする。その時点で指名停止業者となっている業者については、当然のことながら対象外となる。これなら皆さんに納得していただけるんじゃないかというような答弁がされております。
これは私が、市長が不快感を感じると言ったことに対して、不愉快だとおっしゃったと言ったならば、市長は、私は品格があるので不愉快などとは言わない。不快感と言ったのだというようなやりとりがあったときの答弁であります。これは2007年12月の第4回定例会での答弁であります。
その後、2008年1月9日に、再開発組合は大林組を中心とするJVと契約をしております。この間、1ヵ月あったわけです。それまでに再開発組合に市は分離発注をする意向を伝えて、契約内容の変更を再開発組合に求め、協議をすることも可能ではなかったかというふうに思います、本契約に移る前に。そういう手だてはとられたのかどうか。2007年12月の答弁以降、それも政策決定をされていたということだと思いますが、以降、1月9日の本契約までにJVと再開発組合が契約をするまでに、市側の意向というのは、再開発組合にどのように伝えられて協議がされてきたのかということを、詳細にしていただきたいというふうに思います。
私はこの時点で、正式な契約の前に、再開発組合側とこの協議が調っていれば、大林組が本体内装設備工事を含んでの契約ということにはならなかったというふうに思います。そういった意味で、議会では答弁をしながらも、実際の再開発組合との協議というのは後手に回っていたのではないかという印象を受けるわけですが、答弁以降、どのような交渉を組合側、そして大林組としてきたのかということを詳細に明らかにしていただきたいと思います。
先ほどの水野議員の質問に対して、このような答弁がありました。コスト面以外の利点として、複合ビルであるので、構造上、音響や防振といった意味では、やはり一体となって大林組を中心としたJV側に工事をやってもらった方がいいのだというような答弁がありました。そのことを今言うのであれば、なぜ2007年12月議会の段階で、分離発注がいいというような、それを指名競争でやるというような答弁をされたのか。姿勢が一貫していないというか、抗弁をするための理由づけのような形にしか聞こえないわけです。どのような方針が確定されて、それに基づいてどのような協議がされてきたのか。市側が誠意を持ってこのことをやってきたのかどうかということを明らかにしていただきたいと思います。
新市民会館の保留床の取得額は、議会答弁では116億円というふうに言われています。市が分離発注する工事費と、大林組を中心とするJVの工事費の内訳は、今回の債務負担行為の廃止によってどのようになるのか、お答えをいただきたいと思います。
市長は、先ほども紹介をしましたように、分離発注することで皆さんに納得していただけるんじゃないかというふうに答弁をされていますが、結果として、新市民会館の工事費のうち、多分、80%以上が大林組を含めたJVが行うということになります。大林組は昨年9月17日までの指名停止がさらに延長されて、本年7月31日までになっております。この結果を市長はどのように考えているのか。市民の納得が得られるとお考えなのか、お聞きしたいと思います。
次に、国の第2次補正予算と、定額給付金の支給についてお伺いをいたします。
定額給付金の目的、性格をめぐって、麻生首相の発言はころころと変わりました。昨年11月には、貧しいとか生活に困っているところに出すわけであって、豊かなところに出す必要はない。12月には、さもしく1万2,000円が欲しいという人もいるかもしれない。それは哲学、矜持の問題だ。しかし、ことし1月には、今は高額所得者の方にも盛大に使ってもらいたいと申し上げているというふうに発言が二転三転しております。
このように、当初、定額給付金を柱とした追加経済対策について、生活者の暮らしの不安を取り除くことだとして、生活支援の考えを強調していましたが、国民や野党から、2兆円をばらまくよりも、雇用や医療、介護、教育など将来不安の解消に役立てるべきだとの声が広がると、景気が悪化しているから景気対策だと言いかえ、あっさり前言を翻すというふうな態度が続いておりました。迷走する麻生首相の発言が、定額給付金の性格のあいまいさと、政府の経済対策の不十分さを示しています。
1月28日、総務事務次官から出された定額給付金事業の実施についての通知では、家計への緊急支援と、消費をふやして景気を下支えする経済効果を有するものとして、2つの目的が示されています。さて、いつ、この2つの目的になったのでしょうか。疑問です。
この定額給付金は、3年後の消費税引き上げとセットです。突然覚えのないお金が自分の口座に振り込まれ、あとで法外な利子を請求される、ヤミ金による押し貸しのようなものだと言う人もいます。3年後の大増税となる消費税とセットでは、財布の引き締めにもならず、景気刺激効果が貧しく、経済効果は小さくなり、経済政策としても疑問を感じるという声が大きく、世論調査でも、景気対策として適切ではないというふうに答えが出ております。
先ほど、市長は、やってみなければわからない。経済効果についてはわからないというふうに答弁をされました。定額給付金2兆円、事務費が825億円、約3兆円近くもの税金の支出。これが、やってみなければわからない政策として使うのが妥当なのでしょうか。再度、この政策の効果についてお伺いをしたいと思います。
八王子市は所得制限は設けないというふうにしておりますけれども、その理由をお聞きいたします。
先ほど、DV被害者やホームレスの人、住居がない人、住居喪失者への定額給付金の配布方法については一定の方向性が出されました。2月2日以降でも、ホームレスの人には住居があれば出す。あるいはDV被害者も住民登録をしなくても、申請があれば出すということでありました。最も必要で、生活に困窮するという人たちが必要とする申請があるならば、出す手だてをきちんとやっていただきたいとは思いますが、この情報提供についてはどのようにされるのか、お答えをいただきたいと思います。
また、子育て応援特別手当の支給についてお伺いをいたします。
これは多子世帯の子育て支援として、第2子以降の子どもについて1人当たり年額3万6,000円を2009年度に限って支給をするものです。支給対象となる子は、2002年4月2日から2005年4月1日に生まれた第2子以降の子どもたち、先ほどの答弁では本市では7,900人が対象になるといわれております。子育て支援との大義名分で、該当する子どもは極めて限定され、それもたった1年限りの支給であります。これでは、対象外の家庭には不公平感が高まります。
この対象者が絞られたという政府の政策の意図については、先ほど、就学前の幼稚園、保育園に通う子どもたちに絞ったということでありますけれども、子育て支援ならば、子どもが2人以上の家庭、すべての家庭というふうに対象を広げ、それも1年限りの支給ではなく、きちんと継続的な政策にするべきだというふうに思いますが、市はどのようにお考えでしょうか。お伺いをいたします。
また、この子育て応援特別手当の支給についても、DV被害者の子どもたちの支給の問題があります。これはDV被害者への支給と同様の方法で子どもたちにも支給がされるということを確認していいのかどうか、お伺いをいたします。
加害者の夫の方に住民票があって、扶養していない夫の方にこうした手当が行くというようなこともありますけれども、そういうことのないように、ぜひ、当人、本人に行くように配慮をお願いしたいと思いますが、確認をしたいと思います。
第15号議案、2008年度八王子市後期高齢者医療特別会計補正予算についてお伺いをいたします。
後期高齢者医療制度は、昨年4月の発足以来、大変大きな批判を受けてきました。後期高齢者医療制度の著書があり、鹿児島大学法科大学院の教授でもある伊藤周平さんは、保険料の引き上げか、医療費の抑制かという過酷な選択を後期高齢者に迫る制度と言える。この制度は、その過酷さゆえに、しばしば悪魔の選択と呼ばれる。同制度には、保険料の引き上げが嫌なら、なるべく医者にかかるなという厚生労働省の後期高齢者へのメッセージ、おどしというべきか、そういったものが込められていると言ってもよい。姥捨山制度と呼ばれるゆえんであると、この制度の本質を明らかにしています。
後期高齢者からの大きな反発や批判を受けて、政府も保険料の軽減や、年金からの天引きを変更せざるを得なくなりました。高齢者の方々は、変更を知らせる通知に、その内容が理解しがたく、この間、制度に翻弄されています。電算システムの改修費として2,226万円の繰越明許費が設定されています。内容としては、保険料の軽減策への対応、特別徴収から普通徴収への変更など、4点にわたる変更となっています。制度発足から1年にもならずに、たびたびこの内容が変更されるのは、国民の理解を得ておらず、制度設計に問題があるということではないでしょうか。
国会では、野党が廃止法案を提出するなど、政治課題となっています。総選挙の結果によっては廃止の可能性も、この後期高齢者医療制度は大きいわけですが、保険料徴収事務等に当たってきた担当所管は、この制度についてどのように考えておられるのか。率直な御意見をお伺いしたいと思います。
保険料についてでありますが、補正では普通徴収の収納率は90%から87%へ下がっています。いただいた資料によれば、1月5日までの未納者数は1,272人となっています。未納の理由について、所得の状況等、把握をしているのか、お伺いをしたいと思います。
また、保険料滞納者には資格証を発行することが法では定められています。しかし、命にかかわる問題なので、資格証を発行すべきではないと一貫して求めてまいりましたけれども、本市の基本的な姿勢を改めてお伺いをいたします。
次に、第17号議案、2008年度八王子市介護保険特別会計補正予算についてお聞きをいたします。
介護サービス給付金が、居宅介護、地域密着型介護、施設介護、福祉用具購入費、住宅改修費、あるいは居宅介護サービス計画給付金のすべてにおいて減額となっています。また、介護予防サービス給付金もすべて減額です。この結果、4億8,000万円を介護給付費準備基金積立金に積み立てることになりました。今年度は第3期介護保険事業計画の最終年度ですけれども、積立金が増額されるのは、事業計画との乖離が大きいということであります。サービス給付費の減額の理由について、どのように分析をしているのか、お答えください。
2006年度の制度改定によって、認定や給付が厳しくなり、給付の抑制が行われました。厚生労働省は昨年8月25日、同居家族等がいる場合における訪問介護サービス等の生活援助などの取り扱いについての文書を通知をし、国会での指摘を受けて、利用者がひとり暮らしであるか、または、同居家族等の障害、疾病の有無に限定されるものではなく、適切なケアプランに基づき、個々の利用者の状況に応じて具体的に判断されるよう、改めて通知をし、市町村に対しては、一律機械的にサービスに対する保険給付の可否について決定することがないよう求めています。
介護保険利用者からは、以前と比べて本当に使いづらくなったという声が寄せられています。こうした給付の抑制の結果、積立金が増額され、サービス給付金が減額になったのではないかというふうに考えますが、その点についてお答えをいただきたいと思います。
介護従事者処遇改善臨時特例基金積立金は、介護報酬改定によって、介護保険料の急激な上昇を抑制するための基金でありますけれども、3%の介護報酬のアップで、介護労働者の賃金や処遇の改善につながるのか、疑問であります。
介護報酬の改定については、事業者団体からも多くの要望が出されています。例えば、NPO法人の全国認知症グループホーム協会からは、過去二度にわたる報酬減額率が5%に及んでおり、3%の増額では介護職員の俸給アップにも期待されることは寄与せず、ましてやグループホームの健全な経営に生かせることは大変厳しい状況であり、さらなる報酬アップが望ましいというふうに要望書が出ております。
現場の介護職員、新たに介護職を目指す人材が希望を持ち、安定した事業継続ができるために、3%以上の介護報酬の改定が必要だというふうにいわれております。先ほどの答弁では、国の姿勢が報告をされたわけですが、市としては、現場の事業者、介護労働者との接触の中、またはサービス費を支払っている側からすれば、3%の報酬のアップだけで介護労働者や事業者の処遇の改善になると考えているのかどうか、お聞きをして、質問を終わります。
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