◎【40番井上睦子議員】
それでは、発言通告に基づきまして、一般質問を行います。

 まず、市民の命と健康を守るためにということで、医療の現状と課題についてお伺いをしたいと思います。

 まず、産科の問題です。東海大学、それから医療センター等で産科体制を担うというような状況になっておりますけれども、ここ数年間、お産ができる場所が減少して、その歯どめがかからないという状況が続いております。先日、私は、八王子医療センターが多胎児は受け入れないということを聞きました。友人は、市外の病院で多胎児を出産しました。八王子で子どもが産めないという状況が深刻になりつつあると考えています。

 八王子医療センターのホームページでは、最近、周辺地域の病院で相次いで産婦人科が診療閉鎖となり、当院でも通常の診療が困難となってまいりました。初診につきましては、医療センターあての産科並びに婦人科の紹介状をお持ちの方のみの診察とさせていただきます。しかし、紹介状をお持ちの方でもお断りすることがございますというふうに、受け入れ体制が極めて厳しいということが明らかでありますし、同時に、当センターにおける新生児の診療は、産科医師が担当しております。このため、出産後に新生児に異常が発生したときは、当センターにて入院・治療することは難しく、他の入院可能な施設に搬送される可能性があります。切迫早産や多胎児など、妊娠34週以前に分娩が予測されるような場合には、NICUを有する周産期センターに母体搬送となる場合もあります。以上のことをよく御理解いただいた上で受診されるようお願いいたしますというふうにホームページには出ているわけですが、はっきりと多胎児の出産は受け入れられないというのが、今の八王子医療センターの実情のようであります。  かつて八王子小児病院にはNICUがありましたから、連携をしてドクターカーで移動しながら、市内の出産は可能でありました。目標となっている東海大学や医療センターにNICUの設置が、こうした事実からも早急に設置されることが必要だというふうに感じております。八王子市内の産科の状況、安心してお産ができる場所がどのような状況であるのかということを、産院の数、あるいはさまざまな市民からの相談など、どのように行政は把握をしているのか、お伺いいたします。

 次に、小児医療の問題です。都立八王子小児病院移転後の状況については、市の方は把握をしておられますでしょうか。ことしの3月の予算等審査特別委員会で、他の議員の質問に対して副市長は、こあらくらぶのお母さん方からは、私あてにも、それから市役所にも、特段、小児病院が移転したあと、重症心身障害児の問題について、トラブルがあるから困るというようなお話はないので、おのおのの患者さんの症状に従って適切に対応していただいているものと思っているというような答弁が3月の段階でありました。私たち議員が4月の下旬に、障害者団体の会合に呼ばれまして、そこで、副市長が御紹介のあったこあらくらぶから深刻な状況というのが、私たち参加者の議員に訴えられました。1枚のペーパーが皆さんに配付されましたので、読み上げて、どういう状況になっているかということを御紹介をしたいと思います。

 都立八王子小児病院廃院、府中移転に伴う問題点として、都立八王子小児病院が閉院し、もう1ヵ月半が経過しました。こあらくらぶの利用者は先行きに不安を抱えつつ迎えた春でしたが、ことしの天候不順もあって、何人も体調を崩し、府中の小児総合医療センターに4名が入院し、ほか3名が小児ERを利用しました。ぐあいが悪くなってから入院に至るまでに、今まで必要なかった労力を要し、入院後も着がえを届けるなど、面会にもこれまでの数倍の労力を要しました。八王子から消えてしまった小児病院の存在の大きさを改めて感じていますということです。

 問題点として4点が挙げられています。まず1点目として、定期的な診察や投薬は、八王子市内の病院に行きつけた場合はあるが、発熱や嘔吐など、ぐあいが悪くなった重症心身障害児を受け入れる病院がない。その結果として、嘔吐している重症心身障害児を保護者1人で病院へ連れていけず、両親で遠方まで連れていく場合、小さいきょうだいを残しては行けない。家族総出で病院へ行ったものの、検査結果から大丈夫だと判断され、何の処置もなく帰ってきた。通常、近くの開業医で判断されてもいいような事例でも、府中まで行くことになります。遠距離通院する体力的なリスクを考え、様子を見ているうちに、重症化していくおそれもあるという指摘があります。

 やはり遠い府中病院、そして、重症心身障害児を受け入れる病院が市内にはないという問題点が、1ヵ月半の中で明らかになってきています。

 2点目には、八王子小児病院が受け入れてきた社会的入院ができなくなったということです。保護者が病気などで急に介護できなくなったときに、緊急的に入所できる施設がないため、八王子小児病院では社会的な入院を認め、ベッドの空きがあれば、当日の申し出でも受け入れていました。小児総合医療センターでは社会的入院を認めておらず、仮にできるとしても、ぐあいの悪い保護者が遠方まで連れていくこともできません。八王子市内で医療的ケアに対応できる社会的入院のベッドを確保してほしいというのが2点目です。

 3点目は、これは府中の小児総合医療センターの対応の不十分なところや、施設の改善点というものを東京都に申し入れてくださいということです。小児総合医療センターの対応や設備で不十分な点の改善を申し入れてきましたが、返答とは裏腹に、何の改善も見られません。1つは駐車場から入館するまでの問題で、小児の重症の子どもが入れない駐車場で、段差がある。それから車いすが使えないという問題が指摘されました。そして、広過ぎる院内で、重症心身障害児を抱えてさまざまな手続をする場合に、広過ぎて1人ではできない。ボランティアを確保すると言われたけれども、ボランティアはまだきちんと確保できていないという問題。

 あるいは施設の問題で、例えば成人のおむつ交換用ベッドにベルトがなく、不随意運動の多い障害者は落下の危険があると指摘をしたけれども、いまだに改善をされていないというように、最新の小児総合医療センターでありますけれども、重度心身障害児・者にとっては極めて使いにくいという施設上の問題が指摘されています。

 そして4点目に、跡地にできる診療施設について、重症心身障害児の通所施設と診療所ができれば、ある程度、日常的な発熱だとか、嘔吐というような障害児の平日・昼間、障害児を受け入れることはできるけれども、しかし、平日・日中の診療なので、夜間や土曜日、休日は休診になる。ぜひこれは内容を拡大するように求めるということで、障害のあるなしにかかわらず、八王子市内で24時間、365日対応できる医療体制を確立してほしいということが切実に語られました。

 2人の保護者の皆さんからも、東海大を利用したときに、肺炎は治ったけれども、別の日に別の医者が診てくれたけれども、これは対応できないので、主治医がいるときに来てほしいというふうに言われて、きちんと八王子小児医療から東海大へ引き継がれたけれども、すべての医師がきちんと対応してくれるわけではないので不安であると。きちんと対応できなかったならば、府中まで行かなければならない。府中は遠いし、体力的なリスクもあるということを切々と語られました。

 3月の予算等審査特別委員会の段階では、こういったことは市全体としても把握をしていなかったように思いますけれども.市側としても都立小児病院移転後の重度心身障害児あるいは医療ケアが必要な子どもたちの状況というのは、2ヵ月余りたちますから、それなりに把握をしてきているというふうに思いますけれども、こうした問題をきちんと把握し、何を解決しなければいけないかということについて、どう考えているのか、明らかにしていただきたいと思います。

 次に、救急医療です。この救急医療の問題も、友人からたくさん来ました。ちょうど私の友人の年代は親の介護、あるいは夫がぐあいが悪くなるというようなことの多い年代です。例えば、Aさんの場合は、母親が深夜12時ごろ、大変な腹痛で、救急病院を探したけれども、7つ病院をかけて全部断られたということです。東海大病院では糖尿病の担当医しかいないので診られない。清智会では救急患者を診ているので受け入れられない。多摩相互では重症患者を診ているので受け入れられない。あるいは、仁和会右田病院は、診療時間外なので電話に出ないとか、井上病院は外科しかいないというような対応だったそうです。

 大変困り果てて、救急相談センターに相談をしたら、立川と昭島の病院を紹介されたけれども、遠くて行けない。最後に南多摩病院に電話をしたら、初めは断られたけれども、受け入れてくれる病院がないというふうに言ったら、救急車を呼んで南多摩に救急車から連絡をしてもらえれば受け入れますということで、その日、南多摩病院に入院をして、検査を受けて、治療を受けて、回復をしたということです。

 実際に幾つもの救急病院を当たらなければ、受け入れてくれる病院がない。それも大変苦労する。そのために時間もかかるということです。病院に行ったときに、八王子は休日・夜間は医療体制としては陸の孤島になっているというのが医療関係者から語られたそうです。消防隊員からも、何件も電話をしなければなかなかつながらないという実情も聞かれたということでした。

 救急医療の問題は、八王子市だけの解決ではなくて、東京都との連携の中で解決をしていかなければいけない問題でありますけれども、今、救急医療の体制がどのようになっているのかということについて、現状と課題について、市の見解をお聞きしたいと思います。まず、救急車の稼動状況などはどのようになっているのか、お示しいただきたいと思います。

 次に、地域包括医療・緩和ケアの問題についてであります。八王子市が策定をしている保健医療計画の中では、介護との連携というのが大きなテーマになっていて、その連携体制をつくるというのが21年度までの計画になっています。今、長寿社会の中で、人口は減少するけれども、65歳以上の人口はどんどんふえていき、2018年には65歳以上人口と75歳以上人口が逆転をして、その後、75歳以上人口がふえていくという統計も出ています。

 そうしますと、介護と医療の連携、あるいは医療でも慢性的な疾患に対する在宅での医療体制というものを、きちんと確立をしていかなければいけない時代になってまいります。そうした中で、地域包括医療と介護の連携はどのように今後の課題があるのかということをお伺いをしたいと思います。

 もう1つは、緩和ケアの問題です。3人に1人ががんという状況も報告されていて、がん末期の緩和ケア、2ヵ月から3ヵ月、これも在宅医療の体制が整うことが望ましいとされていますけれども、こうしたことの問題意識というのは市は持っているのか、お伺いをしたいと思います。

 以上が医療問題に対する質問です。

 次に、墓地開発の問題についてお伺いをいたします。

 平成19年に保健所が東京都から移管をされて、墓地の開発の問題についても八王子市の条例で運用することになりました。19年4月から、墓地等の経営の許可等に関する条例が運用されています。その後、市議会でも、犬目町、あるいは下柚木の墓地開発について請願がかかり、2つとも採択をされている経過がありますけれども、この新条例は、1つは住民との紛争を防止することが目的で、第9条第2項では、近隣住民等の理解を得るよう努めるものとする。事業者は努めなさいということが記してあります。この条例の運用が、今、どのようになされているのかということをお聞きをしたいと思います。

 この2件のほかに、大船町で寶勝寺が、これは墓地の拡張でありますけれども、この計画を平成16年から、旧東京都の条例のもとで住民に説明会をしてまいりました。そして、対象は旧東京都条例ですけれども、ですから、説明会の対象は、墓地に隣接する住民という形で説明会が行われてまいりました。

 新条例が19年4月から施行されましたけれども、経過措置がありまして、8月1日までの説明会は旧都条例で行うために、対象は隣接住民になります。8月2日からは、説明会の対象は近隣住民となって、計画の墓地から100メートル以内のものが対象となる説明会をし、そして、その終了後は、その対象者に対して協議会をするという条例になっておりますので、この寶勝寺の場合には、旧都条例で説明会をやって、条例の経過措置の最終日である19年8月1日、駆け込みで説明会を終了したという報告を八王子保健所に出して、説明の対象、あるいは第9条第2項が規定する協議の対象の住民は、隣接住民となりました。すなわち、今の条例よりも狭い対象の住民との協議が始まったわけです。これも経過措置の中なので、旧条例の方が対象の住民は、事業者にとっては緩やかなわけですから、駆け込みでそういう状況に入ってまいりました。

 その後、19年から22年まで、4回の協議会が行われ、ことしの4月30日に、八王子市保健所は協議を終了といたしました。私はこの経過が極めて問題がありますので、本当に新条例が墓地の開発抑制と住民との紛争を防止するということが条例制定のときの1つの目的であったわけですけれども、その条例の趣旨がきちんと保健所によって運用されているのかどうか、そのことを確かめたいと思います。経過をこれから申し上げますけれども、私は大変疑問があるということを最初に申し上げます。

 まず、協議事項については、31項目、保健所から事業者に示されて、それについて協議会がなされました。近隣住民は、他にも協議事項が残っているというふうに主張して、4月30日の協議は終了していないという考えです。このために、再三、協議会の開催を訴えております。

 2つ目は、協議事項において、近隣住民との意見の相違があり、まだまだ溝を埋める努力が両者によってなされるべきだと私は思っておりますけれども、そのことがなされないまま協議終了となりました。

 ここでお伺いをいたしますけれども、協議事項において、近隣住民の理解を得るよう努めるものとするという条例の趣旨を生かすならば、さらに溝を埋める努力が両者によってなされるべきではなかったか。したがって、十分な協議とはまだ言えないのではないかと思いますが、その点についてどのような認識なのか、お伺いをしておきます。  2点目は、協議事項が残っていると住民は再三指摘をしております。それは、指導依頼書としても、八王子保健所に出されております。このことについて、協議事項が残っていると主張している住民に対してはどのように説明をするのか、お伺いいたします。

 3点目には、4回目の協議会が昨年の5月30日に開かれましたけれども、事業者側はこれで協議を打ち切りますと宣言をして退席をいたしました。きちんと両者が、これで協議が終わりというふうに合意をしたわけではないのですが、議事録を読んでみますと、突然に事業者が協議の終了を宣言して退席したということがうかがわれます。それでは、だれが協議の終了を判断するのかということが私には疑問になるわけですけれども、協議を開始する、あるいは協議項目を決めるというのは、市が条例に基づいて、事業者に対して指導しているわけです。そうしますと、協議の終了の判断は市がすべきだというふうに思いますが、だれがこの協議の終了の判断をするのか、お伺いをしたいと思います。

 経過からすれば、事業者が協議の終了の判断をして席を立ち、その後の協議はされていないわけです。そこは大変大きな問題だと思いますので、明確にお答えをいただきたいと思います。

 3点目は、条例制定のときも、第9条第2項の近隣住民等の理解を得るよう努めるものとするということはどういうことなのかということが、大変な議論になりました。私は、協議を終了するには、申請者が住民の理解を得るよう努め、お互いの合意点が見出せる努力をし、そして終了するのが望ましい協議の終了の姿だというふうに思います。そして、その合意点があるとすれば、その合意点を協定書などの合意文書で交わすという状況がつくられることが望ましい姿だと思いますが、協議の終了の望ましい姿というのは、市側はどのようにお考えか、お伺いをいたします。

 次に、墓地開発の抑制を私はずっと求めてきているわけですが、昨年、三多摩地域で墓地の実態調査が行われたとお聞きいたしました。抑制をするために、需要と供給のバランスから見て、実態調査をし、今後の需要数を明らかにするよう求めてきたわけですけれども、その調査結果を明らかにしてほしいと思います。そして、この調査の実施主体と、その目的についてもお伺いをいたします。  以上で1回目の質問を終わります。


◎【小林昭代健康福祉部長】
まず、産科小児科医療ということですけれども、市内の産科のある医療機関につきましては、平成21年には19ヵ所、数そのものはここ何年も大きな変動はありませんけれども、分娩を扱う医療機関については、御質問者から発言もありましたが、現在6ヵ所で、この10年間で半減をしているという状況です。こうしたことにつきましては、産科医療が抱えます勤務環境の厳しさですとか、訴訟リスク、また医師の高齢化に伴う後継者の問題等あるというふうに思いますし、また産科の先生たちからもそのような状況を伺っているところです。

 それから、小児病院に通っていた重い障害をお持ちのお子さんのその後の状況ということで、御質問者から、こあらくらぶのお母さん方の、小児病院移転後のいろいろな課題ということで御紹介がありました。これにつきましては、引き継ぎそのものは、小児病院の院長または医師が適切に行っていただいたというふうに理解をしておりますけれども、私どももこの重度の障害のあるお子さんの保護者の方たちとは直接お会いをし、同じように通院の状況や要望などをお聞きしているところです。そうした中で、東京都に対して要請する課題については、改めて東京都の方に市からも申し入れを行ったところです。

 また、個別のいろいろな抱えていらっしゃるそうした課題については、これは、東京都と引き続き調整を図っていかなければいけない課題もあると思いますし、また、市の小児医療ネットワークの中で解決を図っていく、またその対応もしているというところもあると考えております。小児科部会の先生たち、また両中核と南多摩病院、医師会の先生たちと連絡会を設けましたから、そうした中で御相談もしていきたいと考えております。

 それから、救急車の稼動状況です。東京消防庁のデータによりますと、市内の平成20年救急車出場件数は2万4,313件、搬送は2万2,206人となっております。出場から病院到着までは35分34秒。平成12年に比べますと、7分46秒ふえているという、そういう状況になっております。

 それから、地域包括医療・ケア体制ということで、在宅介護体制との連携ということですけれども、平成21年に、医療と介護の連携検討委員会を立ち上げました。よりよい連携のためには何が不足しているのか。関係する専門家が真摯に検討を重ねておりまして、その結果、今年度に医療と介護の連携ガイドを作成することにしておりまして、今、その作業を進めております。

 また、緩和ケアの問題については、このガイドを作成するに当たって、医療機関等の調査を行うことにしておりますので、その中で、みとりを行う診療所等の調査も含め、検討の材料としていきたいと考えております。


◎【早川和男保健担当部長】
市内の大船町の寶勝寺の拡張計画に当たりまして、条例に定める協議内容につきまして、近隣住民との意見の違いがあるのに、市が協議終了にしたのはおかしいのではないかという御質問でございますけれども、条例で定める協議は、申請予定者に対しまして近隣住民の理解を得るよう努めるものとしておりますけれども、全面的な同意を求めてはおりません。今回の事案に当たりましては、協議内容等を総合的、客観的に判断して協議終了認定を行ったものでございます。

 次に、墓地条例の協議に当たって、協議されていない事項があるというふうに近隣住民の方が言われていると。協議継続の考えはという御質問でございますけれども、意見申し出者から事前に申し入れをいただきました意見につきましては、すべて話し合いの場で協議されているというふうに理解をしております。

 次に、だれが協議終了の判断をするのかとの御質問でございますけれども、最終的には市が協議終了の認定を行うことになるというふうに理解しております。

 次に、協議の終了を認定する望ましい姿ということですけれども、確かに申請予定者と近隣住民の間で、すべてについて合意が得られることが望ましい姿とは考えておりますけれども、意見が対立することもあり得ます。そういうときには、市として判断をしていかなければいけないんじゃないかというふうに考えております。

 次に、墓地の市内の実態調査についてでございますけれども、実施主体は八王子市でございます。目的については、これは実は東京都が調査を予定しましたので、広域的な観点も必要ということで、それに合わせて八王子市の状況把握を試みたわけでございます。結果につきましては、これは平成21年7月に行われましたけれども、156法人に照会しまして、回答率は74%でございました。

 回答のあった範囲では、13万基の墓地区画に対しまして、空き区画は約1万8,000でございました。14%でございました。なお、この調査では、本市の現時点での年間の墓地の需要数は約1,100というふうに出されております。


◎【40番井上睦子議員】
それでは、まず医療の問題について2回目の質問をいたします。

 産科は減少してきていて、医師やスタッフの不足ということが顕著になってきているというふうに思います。八王子市独自ではなかなか解決が難しいわけですけれども、全般的に次の保健医療計画の中で市も積極的に、中核病院を中心としながら、受け入れ体制の確立ということに努力をしていただきたいというふうに思いますけれども、その点について確認をしたいと思います。

 次に、小児医療の問題でありますけれども、こあらくらぶの状況については、市側も接触をしながら理解をしているということです。個別の問題には、それぞれ東京都と相談をしながら対応していくということでありましたけれども、重度心身障害児にかかわらず、今まで都立八王子小児病院にかかっていた人たちが、どのような状況になっているのかということを、ぜひ広く調査をし、八王子市の小児医療の課題は何なのかということを明らかにしていただきたいと思います。

 都立八王子小児病院が移転をするに伴って、次の医療体制の方向性というのは出されましたけれども、それは、移転前の方向性です。移転後、より具体的な問題が明らかになっているわけですから、それを、都立八王子小児病院に通っていた子どもたちのその後の追跡を、ぜひ東京都と協力をしながらしていただいて、問題をまずは把握をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 そして、こあらくらぶが訴えている社会的入院の確保、あるいは24時間、365日の体制を確立してほしいということは、こあらくらぶの子どもたちだけの問題ではなくて、小児医療全般に八王子市が問われているという問題でもあると思いますので、このことにも重点的に取り組んでいただきたいと思いますが、その点についてはいかがでしょうか。ぜひきちんとした今後の対応をとれる対策というのを明らかにしてほしいと思います。

 それから、NICUの問題は、東京都と、あるいは2つの中核病院の医療スタッフ等の問題があるわけですが、これは、産科の八王子医療センターの状況を見ても、NICUがないゆえにこうした事態が起きているということがあるとすれば、これは早急に対応しなければいけない。東京都はNICUを都全体では増床計画を持っているようですので、ぜひここは強力に働きかけていただきたいと思いますが、これについての方向性も明らかにしていただきたいと思います。

 救急医療の問題についてです。夜間の救急病院がなかなか見つからないということは、具体的に御紹介をしました。それから、救急車の稼働時間の問題も、先ほど御紹介がありましたように、約6分ほど延びています。延びているこの時間というのは、患者が現場に着いて、そこで受け入れ先の病院を探すために、かなりの時間がかかっているわけです。そのことを考えれば、かかっている時間というのは、平成12年が13分42秒でしたけれども、平成20年には、現場に着いて、現場から出発するまで、すなわち、受け入れ病院を見つけるまでに19分21秒かかっているわけですね。なかなか受け入れ病院が見つからないという苦労が、この救急車の活動時間の統計からも明らかだと思います。

 この問題を、今後、どのように解決をしていくのか。東京都と八王子が救急医療の陸の孤島だというふうに言われないように、充実をしていかなければいけないというふうに思いますけれども、その点の問題意識はあるのか、お聞きをしたいと思います。

 地域包括医療、あるいは緩和ケアの問題です。21年度に協議会なり、情報交換の体制が整ったようでありますけれども、今、平成18年の医療法の改正で、在宅療養支援診療所という制度ができました。これは、24時間体制で訪問看護や往診をする診療所のことで、24時間往診が可能な医師と看護師のスタッフの体制を確保して、介護支援専門員と連携していること、あるいは在宅療養患者の緊急入院を受け入れる医療機関との連携があることというような、ある意味、地域医療・ケアができるシステムがつくられつつあります。八王子市でも、こうした在宅療養支援診療所は18ヵ所あるというふうにお聞きをいたしました。

 北区などでは、先進的な取り組みとして、在宅介護支援センターの圏域ごとに在宅療養支援診療所が連携をしながら、地域ケア、地域医療の体制をつくっていこうという、診療所の独自の試みがあるようです。21年度、そうした介護や医療機関との連携の体制の第一歩がつくられたわけですから、ぜひこうした、今後の介護保険事業計画、あるいは保健医療計画とのリンクの中で、地域包括医療・緩和ケアというものもきちんとテーマとして盛り込んでいただいて、その確立に向けて努力をしていただきたいというふうに思いますが、その点について確認をしたいと思います。御答弁をお願いいたします。

 次に、墓地の問題についてです。先ほどの答弁は、協議会の終了は問題がない。客観的に、協議終了認定を行った。あるいは、協議事項の漏れはないというような答弁でありました。

 そして協議の終了はだれが判断するのかという問題については、八王子市がするということでありました。そうしますと、最後の協議、平成21年5月30日、これが第4回の協議ですけれども、寶勝寺側が突然、協議終了宣言をして退席をしています。そして、9月30日に、寶勝寺墓地計画の協議結果について、隣接住民等の皆様へとして、5月30日で協議は終了したと宣言して、文書を送ってきています。

 住民側は、協議が終了したのはおかしいとして、10月20日、11月26日付で次の協議会の開催を求めておりますし、八王子市に対しても同様に、ことしの3月、再開をするよう求め、4月30日、市が協議会を終了としましたけれども、それは受け入れられないとして、5月に異議申し立ての文書を出しております。

 この経過から見ますと、協議会の終了は5月30日、あるいは9月30日、口頭や文書で一方的に寶勝寺が通告をして、終了したということになります。市は4月30日に協議終了したというふうに文書を出しておりますけれども、これは寶勝寺側が協議は終了したと宣言したことを追認する行為ではないでしょうか。そこを確認したいと思います。  条例の第9条第2項は、住民の理解を得るよう努めるものとすると。そして、条例制定時には、ほぼ大方の住民がよいというような状況が、理解を得られた状況だということでした。そして、協議結果の終了を市はどのように判断するのかという質問を、19年の第3回定例会で私がいたしましたときに、部長は、内容を初めとして十分な協議がなされたかどうか、誠意ある対応、また十分な回数、また十分な説明資料、それらをもってなされたかを検証するというふうに言っています。一方的に終了宣言をし、終了したという文書を、市が協議終了したと言っていない中で送ってきた。こうした寶勝寺側の対応を、誠意ある対応だと市は認定するのでしょうか。お伺いをいたします。

 そして、こうした協議を終了しないまでには、申請を行うことができないというのが条例の第4条第2項の規定であります。第4条第2項は、前項の規定による申請は、第6条から第8条まで並びに第9条第2項及び第3項の規定による手続を経た後でなければ行うことができないというふうに書いてあります。4月30日に市は、この流れからいけば、協議終了としたわけですけれども、4月30日に出した市の文書では、昨年12月22日に、寶勝寺墓地の変更について、墓地等変更許可申請書を12月22日に収受しているところであるということですね。ことしの4月30日に、市が協議会を終了したと認定する以前に、申請書を提出しているわけです。この手続も条例違反ではないのでしょうか。

 したがって、私は、協議会が十分に住民との協議を経て、理解を得て終了したというふうには思いませんし、少なくとも4月30日に市が終了したという文書を出す以前に、許可申請書を昨年12月22日に提出している。これは第4条第2項に違反するのではないでしょうか。明確にお答えいただきたいと思います。

 そして、この4月30日、寶勝寺あてに八王子保健所長の名前で出された協議の終了について、通知の中に、また第4回協議会が開催された平成21年5月30日以降も、意見申出者に対し、通知等を行うなど、協議の進展に努めていたことについても確認をしているというふうに出しているわけですね。これは条例の第4条第2項に違反をしているにもかかわらず、5月30日には協議が終了しましたという文書もつけて出されたこの協議報告通知というものを、行政側が評価をするということは、事業者側に偏した判断ではないかというふうに思いますが、その点についても明らかにしてください。

 そして、その通知の最後に、なお、本通知により、条例第9条に基づく協議は終了したこととなるが、今後も工事前等の必要に応じた説明、話し合い等を行い、近隣住民の理解を得るよう努めることを要請するとあります。この最後の文章は、協議は終了したけれども、まだ話し合いをすべきことは残っているという文章に読めますので、逆に言えば、協議事項は終了していないのではないですか。この八王子保健所長が出した文書こそが、手続が誤っているという証拠だと私は思います。

 したがって、協議の終了を撤回して、協議をもう一度再開すべきだと思いますが、御見解をお聞かせください。


◎【小林昭代健康福祉部長員】
産科小児科医療、救急医療、地域包括医療ということのお尋ねにお答えをいたします。

 まず、産科医療の抱えている課題、また緩和ケアの、ほかの自治体のシステムまたは取り組みについて御紹介もありましたけれども、そうした課題またはこれからの方向性について、新しく策定をします保健医療計画、介護保健計画等で盛り込んでいく、そうしたことを考えていないのかということにつきましては、当然そうしたものの課題を整理した中で、新しい計画を策定する、その過程の中では検討していく必要があるというふうに考えております。

 それから、小児病院移転後の小児医療の課題、また小児病院にかかっていた患者さんの追跡調査ですとか、24時間、365日の医療確保ということですけれども、当然、移転後、新たに南多摩病院が7月から休日・全夜間診療事業にも参画をするということにもなりましたので、多摩小児総合医療センターも含めた小児医療のネットワークがどう確実に運用されていくのか、そのことも含めて検証し、新たな課題には、その対応を考えていく必要があるというふうに考えております。

 また、障害を持ったお子さんの保護者の方とは、また別の会の方ともお話も伺ったりしていますから、これからも引き続き意見交換をする中で、できることについては対応していく、そういう姿勢は持ち続けていきたいというふうに考えています。

 NICUは、これは当然、両中核に早期に整備をするということが方針としてありますから、そうは言っても、マンパワーの問題ですとか、いろいろ大きな課題がありますので、着実に両中核と協議を重ねていきたい。東京都にも今後も、必要な支援を要請していくということで対応していきたいというふうに考えています。

 それから、救急医療の課題につきましては、八王子市救急医療連絡協議会、これは二次救急の医療機関と消防署と、市もそこに参加をさせていただきまして、八王子の救急医療の課題について、情報の共有化、検討している会がありますから、そうした中で、当事者である医療機関も、十分、よりよい救急医療に向けた話し合いはしているところです。

 陸の孤島ということがありましたけれども、ちょっと誤解を与えるのではないかなと思います。八王子市には二次救急医療機関が11ヵ所、三次救急・救命救急医療センターが1ヵ所ありまして、これはほかの自治体から比べても、ひけをとらないというんでしょうか、それ以上の二次救急の医療機関を設けているというふうに認識をしております。

 いずれにしても、救急につきましては、これは二次救急は東京都の責任ということにもなっておりますし、東京都もここ二、三年で、東京ルールを策定したり、救急搬送、トリアージの実施、地域救急搬送体制整備事業など、救急医療の確保に向けたさまざまな取り組みを進めてきておりますから、消防署とも連携をする中で、またこうした協議会に参画をする中で、市としても意見を申し上げていきたいというふうに考えております。


◎【早川和男保健担当部長】
終了認定前に申請をしたということで、条例違反ではないかという御指摘でございましたけれども、申請受け付けにつきましては、行政手続条例もございまして、終了認定前であっても受け付けは可能というふうに考えておりまして、違反はしていないと考えております。

 あと、4月30日付の寶勝寺あての市の通知で、話し合いを行うように要請しているけれども、協議事項が残っている。そういうことで話し合いをするようにというふうに指示したのではないかという御質問でございますけれども、4月30日付通知の当該文は、例えば工事前、工事中を通じましてさまざまな課題に対して、将来にわたって誠実に話し合うよう要請したものでございまして、協議すべき項目がまだ残っているというふうな考え方で記載したものではございません。そのために協議を再開するつもりはございません。


◎【40番井上睦子議員】
保健所長、答弁漏れです。市が4月30日に協議終了を認定する前に、5月30日、協議終了を宣言して、退席をしたこと、それから9月30日の文書で、協議は終了したと宣言したという事業者の対応は誠実ですかというふうに聞きましたので、誠実か否か、お答えいただきたいと思います。誠実であったかどうかが、終了の1つの判断基準にもなるということでありましたので、明確にお答えいただきたいと思います。

 墓地の問題については、先ほど1万8,000区画多いということが出されました。ですから、私は、墓地はふやさないという方向で条例改正をしていただきたい。10年間は今の墓地で足りるわけですから、ぜひその方を市の方としてはきちっと取り組んでいただきたいというふうに思いますが、理事者のお考えをお聞きいたします。

 それから、もう1つ。住民側が、これは協議が終了したというふうには考えておりません。異議申し立てをしております。今後も、工事前の必要に応じた説明、話し合い等を行い、近隣住民の理解を得るよう努めることを要請するという文章がありますので、今度も市はきちんと事業者と住民に対して指導と援助をするということを求めたいというふうに思いますが、その点についても理事者の見解をお伺いをしたいと思います。


◎【早川和男保健担当部長】
申請者の対応が誠実か否かという御質問でございますけれども、対応についてはいろいろな局面があると思います。我々は総合的に判断して、誠実であるというふうに判定しているものでございます。


◎【岡部一邦副市長】
墓地の開発に関しまして、2つ御質問をいただきましたので、御答弁申し上げます。  まず、10年という年限を区切ってでも新規墓地は認めないとする条例改正を行うべきではないかというお尋ねがございました。本市では、平成19年4月に、墓地埋葬等に関する法律の理念に基づきまして、また多くの方々の御意見をいただきながら、新規墓地については経営を市内の宗教法人に限定をすること、あるいは意見申出者との十分な協業を行うことといった手続を、本市独自の制度として取りまとめまして、条例を施行したところでございます。現在審査中の案件もございますので、本条例を適切に運用し、これからのさまざまな状況に適切に対応してまいりたいと考えております。  次に、寶勝寺の拡張計画に関しまして、条例の趣旨どおりに判定されているのかといったお尋ねがございました。今回の案件では、市として条例の趣旨に沿って、必要かつ十分な行政指導を行った上で、申請予定者と意見申出者の協議がなされ、具体的には、駐車場の台数が増加されるなど、成果があったという認識から、今回の認定を行ったわけでございます。今後も、この墓地拡張につきましては、さまざまな局面があるわけでありますから、そういった事態の進展に即しまして、適正、誠実に協議をしていただきたいということは、重ねて申し上げてきたところでございます。